寺本義也の一覧
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ユーザーレビュー
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先の戦争でどうして負けたか。何が原因なのかを追究した本。
ノモンハン事件(事件にしていることからして問題)から日本組織の弱点が露呈している。日本人の兵卒が超人的な忍耐力で極限まで戦っていたのに上官が糞では仕方あるまい。
個人的には以下の3つが失敗の本質だと思う。①都合が悪いと隠す②フワッとした指示で
...続きを読む部下に押し付ける③失敗を分析しないでまたやらかす
クソみたいな組織だと思ったら壊滅したわけだが日本軍に関わらず日本型組織にみられる特徴として記憶しなくてはならない。というかバブルでまた敗戦を味わうわけだが…。
Posted by ブクログ
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本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つ
...続きを読むの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。
情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。
環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。
事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。
Posted by ブクログ
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失敗は成功のもとである。そして同時に失敗は、更なるドツボへの始まりにすぎない場合もある。
本著では太平洋戦争で米国に破れた数々の局所戦(レイテ海戦、沖縄、ミッドウェー等)を振り返り、次に組織、戦略における日本軍の失敗について総括する。結局日本は局地戦での失敗を次にフィードバックする事なく、戦いに敗れ
...続きを読むてしまう。
30年も前の本のようで、パッと見難解そうな印象を与えるが読み物としても面白い。
失敗をとらえ、自己修復する力。組織でも個人でも、この能力の有無は大きい。
Posted by ブクログ
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日本軍がなぜ負けたかを組織論から、明解に解説した名著。
ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄戦の戦闘を分析して、①戦略上の要因分析 と ②組織上の要因分析 から分析をしている。
①戦略上の要因分析では、戦略がなくなんとなくいきあたりばったりの戦略性のなさから、失敗につ
...続きを読むながったと分析している。
②組織上の要因分析では、空気が支配しているように、ロジックではなく、その場の雰囲気で組織が進んでいったことが明らかにされている。
日本文化の以心伝心の文化では、言葉に出してロジックで表現することがないために、いろいろな意味で今の日本社会の病理をも的確に言い表していると思う。
Posted by ブクログ
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本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つ
...続きを読むの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。
Posted by ブクログ
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