あらすじ
本書は、11月刊の『知略の本質』で最終巻となった「失敗の本質」シリーズ第3作の待望の文庫化です。
リーダーシップ不在が嘆かれる日本。国家レベルでは経済低迷のてこ入れ、世界秩序の大混乱、企業レベルでもネタに尽きることはありません。
だが、漫然とリーダーシップの不在を嘆き、真のリーダーの登場を期待するだけでは、何の展望も見えてきません。我々が指導者に求めるものは何なのかを明らかにしなくてはならないのです。
すぐれたリーダーの特質として人柄、人間的魅力、牽引力、構想力など様々なものがあげられますが、こうした資質や能力に負けず劣らず重要なのが、事業部門長や現場指揮官に必要とされる戦略構想力を超えた、国そのものを動かす大戦略の視点です。それが本書の国家戦略にあたります。
本書は、2014年に刊行された『国家経営の本質』を改題し、文庫化するもの。国家を動かす大戦略とは何か、どうあるべきか、を分析します。
1980年代を福祉国家経済の限界、共産主義国家の限界などが露呈した歴史の大きなうねりが生まれた大転換期と位置づけます。その危機に直面し、リーダーシップを発揮した、サッチャー、レーガン、中曽根、ゴルバチョフ、コール、トウ小平の6人を事例として取り上げ、彼らがどのように歴史のうねりを始動させ、うねりに乗って歴史を動かし、そのうねりに翻弄されたのかを、経営学・政治学・歴史学・軍事学の知見にもとづいて解明します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
権力の「悪魔性」を自覚しながら善用し、「共通善」を実現する「戦略」を物語る。
失敗の本質シリーズに脈々と流れるテーマですね。
言うは易しですが、かくありたい。
Posted by ブクログ
20世紀に国家の首脳を務めた人物の実績から、国家主導者としてのリーダーシップに共通項を見出そうとする。リーダーシップ論としては勿論、当時を生きていない、記憶に無い世代には歴史の勉強にもなる。内容の濃い一冊。
Posted by ブクログ
私にとって『失敗の本質』は、最も影響を受けた書籍であり、それに繋がるその他の本質本も読み続け、今回、本書を読んだ。私自身が備えたいリーダーシップ論とは、スケール始め合うべきものではないが、ここに出てくるリーダー達の成功、失敗事例に対する分析は改めて気づかされるところも多い。私のような小ちゃい人間の生き様にも生かして行きたいと思った。