【感想・ネタバレ】失敗の本質のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年08月24日

名著だというので読んでみましたが、めちゃくちゃよかったです。

まず大東亜戦争の失敗エピソードが興味深く、日本軍の組織構造がそのまま現代の企業や政治組織のまんまだということに、ゾクゾクとした恐怖や危機感を味わいながら読みました。今もし仮に戦争になったら、また多くの犠牲者が出るような失敗をまさに今現代...続きを読むの組織でも行われていると思うと。。。

アメリカ軍の合理的行動と対比させていたのもとてもわかりやすかったです。

失敗エピソードを自身の組織に当てはめて考えてみるのがおすすめです。現場と本部での作戦の目的が共有されていないなど、あるあるですね。

また、私自身も日本独特の「プロセス重視」「人情論」「人間関係融和」「空気感」に溶けこんでいることに危機感を持つことができ、とても為になりました。何回も読んで、日本軍の失敗を頭に叩き込みたいです。

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Posted by ブクログ 2021年04月15日

先の戦争でどうして負けたか。何が原因なのかを追究した本。
ノモンハン事件(事件にしていることからして問題)から日本組織の弱点が露呈している。日本人の兵卒が超人的な忍耐力で極限まで戦っていたのに上官が糞では仕方あるまい。
個人的には以下の3つが失敗の本質だと思う。①都合が悪いと隠す②フワッとした指示で...続きを読む部下に押し付ける③失敗を分析しないでまたやらかす
クソみたいな組織だと思ったら壊滅したわけだが日本軍に関わらず日本型組織にみられる特徴として記憶しなくてはならない。というかバブルでまた敗戦を味わうわけだが…。

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Posted by ブクログ 2019年09月11日

ノモンハン事件から沖縄戦を通して組織論としての旧日本軍の敗北を分析した名著責任の曖昧さや人間関係・情緒中心主義、失敗を顧みない姿勢は今も改善されていないと感じた単なる歴史本ではなく組織マネジメントの内容であった

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つ...続きを読むの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。

情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。

環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。

事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。

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Posted by ブクログ 2013年09月11日

失敗は成功のもとである。そして同時に失敗は、更なるドツボへの始まりにすぎない場合もある。
本著では太平洋戦争で米国に破れた数々の局所戦(レイテ海戦、沖縄、ミッドウェー等)を振り返り、次に組織、戦略における日本軍の失敗について総括する。結局日本は局地戦での失敗を次にフィードバックする事なく、戦いに敗れ...続きを読むてしまう。
30年も前の本のようで、パッと見難解そうな印象を与えるが読み物としても面白い。
失敗をとらえ、自己修復する力。組織でも個人でも、この能力の有無は大きい。

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Posted by ブクログ 2011年06月29日

日本軍がなぜ負けたかを組織論から、明解に解説した名著。

ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄戦の戦闘を分析して、①戦略上の要因分析 と ②組織上の要因分析 から分析をしている。

①戦略上の要因分析では、戦略がなくなんとなくいきあたりばったりの戦略性のなさから、失敗につ...続きを読むながったと分析している。

②組織上の要因分析では、空気が支配しているように、ロジックではなく、その場の雰囲気で組織が進んでいったことが明らかにされている。

日本文化の以心伝心の文化では、言葉に出してロジックで表現することがないために、いろいろな意味で今の日本社会の病理をも的確に言い表していると思う。
 

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Posted by ブクログ 2011年03月16日

本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つ...続きを読むの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

最初読んだときはどこかで読んだようなお約束の失敗パターンかと思ったがこちらが大元かな。
伝言ゲームも人数いくと質も落ちることも多々あるので基本のこの本に戻って今度は
インテリジェンスの観点から探ってみたい。絶対処分しない本。

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Posted by ブクログ 2022年06月04日

太平洋戦争での失敗とされる6つの作戦について、前半でその経緯、後半で論理的な分解と分析が記されている。

ガダルカナル島やインパールで多数の犠牲者が出たということはなんとなく聞いたことがある程度の知識で読み始めたが、書き手の思想を排除して、ひたすら淡々と当時の事実が述べられている前半が特に面白かった...続きを読む。戦後すぐの文献が使われてたりして言葉が難しかったり、史実が気になったりする度にググって確認しながら夢中で読んだ。
前半部を読むだけでも、日本軍という組織の良くないところが分かるんだけど、後半の分析部を読んで前半で自分なりに感じた感想の答え合わせをし、さらに理解が深まるという感じ。

負けると分かっている重大な局面でも現場を立てて曖昧な表現をして作戦中止命令が出来ない日本軍。そして何度も同じ過ちを繰り返す。
こんなしょうもない事で多くの命が犠牲になったのか…と虚しくなることが多数。
「兵站」という言葉と概念を初めて知る。これを軽視している企業、沢山あるよね。

38年前に発行された本作、組織論として(実体験と照らし合わせても)色褪せないと感じたのは、現代もまだ悪しき慣習が残っているってことなんだろうな。

しっかり読み込んでしまった。面白い。

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ネタバレ

決断と責任と空気

2021年01月16日

この本を読みながら感じたことは、決断と責任と空気について、自分も慎重に考える習慣をつけたほうが良いということだ。

特に忖度というか、場の雰囲気(空気)との付き合い方について、自分はどう向き合うべきかを考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2014年06月11日

日本軍がなぜ負けたのかについて解説し、その原因が生まれた理由と、現在への反映を試みている。
物量で劣っているという点以外に多くの原因が見つけられている。
陸軍は白兵戦、海軍は戦艦戦を重視し、戦術の進歩についていけなかった。情報の入手と兵糧の軽視。目的のあいまいさと組織の人情主義。奇抜な考えが生まれな...続きを読むい制度と雰囲気。
有事の際の官僚制の欠点をついているが、それに対応するにはどうするのかは考えないといけない。

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Posted by ブクログ 2014年02月23日

日本軍といまの企業組織はまるで同じ。あ、これあるわー、と頷く分析がたくさん。察する、空気、人情、どれも日本の文化。最近の積極的平和主義とか危ないにおいがぷんぷんするし、過ちを繰り返さないためにも知識としていれておいたほうがいいと思う。

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Posted by ブクログ 2012年08月27日

太平洋戦争における日本軍という組織の問題点をターニングポイントとなった戦い毎に解析し、問題を振り返るもの。
全般に、ほぼ「組織内融和」、「二重目的」という2つの要因に集約している。

① 「組織内融和」とは、是非の判断を行う際、人間の感情(特に「面目」や「恥」)を使用して実施する「優先度判定」である...続きを読む、ととらえた。例えば、ある進軍の是非をとらえる際、「あいつは関係が深い後輩だから『無条件に』後押ししてやろう」とか、そういうものであろう。
それが組織を運営する上で問題だったか、というと、「根拠なく後押ししたらいけない」、ということなのだと思う。信頼関係が構築できていれば、後押しすることはよくある。
② 「二重目的」とは、例えば、ある戦いにおいて「空母を減らす」、「基地を奪還する」のいずれを優先するかを明確にせず、「空母をへらし、基地を奪還する」と併記することである。どちらかは一方を達成するためのプロセスだと思われるが、これも①の「組織内融和」の弊害だと思う。
本の中には、これにより「空母を攻める」武器にするのか、「基地を奪還する」武器にするのか、武器の選択が徹底せず、作成が失敗した、とあった。

「組織内融和」を重視するか否か、これがある組織や団体の方向性を決定すると思われる。「組織内融和」を排除せよ、という訳ではなく、重視する性質をもった組織と、重視してはいけない組織がある、ということなのでしょう。

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Posted by ブクログ 2012年07月17日

 学術的な本なので難しい部分はあったけど、組織論に少しでも関心のある人は読むべきだと思う。組織論のバイブル的な扱いも受けているし、日経でもこの本を解説するコーナーがある。
 日本軍がなぜ大東亜戦争(第二次世界大戦)で敗北したのかを組織論的な観点から論じている。読み進めていると、「こりゃあ、酷いな」と...続きを読む日本軍の実態に驚くはずだ。陸軍では奇妙な人情主義がまかり通り、作戦で大失敗した指揮官が「かたき討ちさせてくれ」と懇願すれば、重要な作戦に再び起用する。海軍は日露戦争での日本海海戦の大勝利の経験が忘れられず、古くなってしまった決戦思想に執着する。
 単に日本軍を批判する本ではない。日本軍の失敗から、組織のあり方を問い、組織運営の失敗による悲劇を繰り返さないための示唆に富んだ非常に良質な本だと思う。

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Posted by ブクログ 2011年03月21日

 客観的事実が容認されず、トップが絶対であるという組織の論理と精神的なもの(気合とか心構え)が絶対なのだという空気が支配するとき破滅に向かうことになる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年01月08日

古く悲しい印象。

いわば戦争研究からでた日本の敗戦の記録とその考察。

本というよりは論文に近い、それもあいまいな。
昔の事を蒸し返すのだから確かな言及はできなさそう。

日本が負けた原因はおそらく物量だろうけど、それ以外に関してもよくまとまっている章がある。

そして結構今の日本の組織ってこの当...続きを読む時から変わってないんだなって思って悲しくなった。

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Posted by ブクログ 2010年08月18日

太平洋戦争を戦った日本人と現代の国際社会で戦っている日本人の基本的な思考構造はかわっていないことがわかった。
当時から日本人は空気を大事にし、現場の自律対応は得意だが、大局的な戦略目標を持つことが苦手。ダブルループの学習ではなく、シングルループ的な学習等。
先の対戦でもそのような思考では生き残れない...続きを読むということがわかっているので、その教訓を今後活かしていきたい。

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Posted by ブクログ 2017年02月27日

戦史に興味を持てず前半はすっ飛ばし。後半の部分は、今の日本と変わりないなぁと言う印象。再読しないと、分からない。

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Posted by ブクログ 2017年01月11日

大東亜戦史上の失敗例としてノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、沖縄の戦いを例に解説した本、多くの経営者の支持がある本。

私にとっては、何やら失敗の事例はシュチュエーションや感覚が違いすぎて、身にすることは難しかったが、改めて二次大戦がどのように進んだのかを知らなかったなと自己認識できた...続きを読む本。私にとってはその見方で興味深い一冊。

【学】
ノモンハン
日本陸軍にとって初めての本格的な近代戦となり、かつ初めての大敗北
自軍の優秀さを数字的裏付けも無く、過信。敗北後も部隊長が非難され自決したので、経験が後に生かされない。

・ミッドウェー海戦
本部は守備的戦争の方針だったが、連合艦隊司令長山本五十六はうってでる方針ミッドウェーに攻撃をかける。

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Posted by ブクログ 2015年07月16日

週刊ダイアモンドの記事から知った。

記事のほうがエッセンスが要約されて現代の話にマッチしている。現状の日本の組織が日本軍時代の反省点を全く生かせていないことに驚いた。なんとかしたいが。。。内部からそれを変えることが非常に難しいのも特徴であり、下克上で上に逆らって勝手な判断をすること自体も組織の特性...続きを読む、そしてそういうときにこそ大きな間違いが起きる・・・うーむ。考えさせられます。

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Posted by ブクログ 2013年11月24日

・初版は昭和59年(1983年)。まさかこの後、バブルが起こって、更に弾けて、その後、
日本が20年も停滞するなんて、著者たちもビックリでしょうね。

・日露戦争で勝利した日本軍はその時の成功法則(大艦巨砲主義と白兵銃剣主義)に縛られ、その後の第2次大戦で大敗してしまう(特定環境に適合し過ぎると、環...続きを読む境が変わった時に脆い。成功者の呪い。)

・日本軍の組織運営は、戦後の日本企業に引き継がれ、それが高度成長の原動力の1つとなったのではないか? だとしたら、成功に浮かれ、環境の変化について行けなくなった時、日本企業に危機が訪れるのでは? という警告の書。
(実際、日本はバブル崩壊後、失われた20年を過ごす訳ですが…)

・変化し続ける組織がだけが成功を維持できる、という論理は「ビジョナリー・カンパニー3」(2010年出版)と同じかも?

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