すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
本書を読んで一番強く感じたのは、人は「過去を乗り越えて」前に進むのではなく、過去を抱えたままそれでも日々を生きていくのだということだった。
この作品には、大きな事件や劇的な展開があるわけではない。誰かと話したり、ご飯を食べたり、仕事をしたり、誰かを好きになったりする。そんな一見すると何気ない日常の積み重ねによって、登場人物たちは少しずつ前へ進んでいく。
興味深いのが、タイトルの「昨夜のカレー、明日のパン」という言葉。昨夜のカレーは過去で、明日のパンは未来。その間にある「今日」を、人は生きているのだと思う。過去にどれだけ大きな喪失があっても、それを消してから未来へ進む必要はない。昨日のカレ -
Posted by ブクログ
地上では長期昏睡耐性を持つ搭乗員候補者を選定する。
候補者が決定し出発まで数日というところで突如訪れる危機。
物語の冒頭でライランドの記憶が曖昧だった理由が明らかになる。
ヘイル・メアリー号の帰還を待つ地球上で想定される食料不足についてのエヴァ・ストラットの考察は、その通りと思う。
タウ・セチ軌道上の宇宙船で次から次へと発生する難題や危機。
生存環境が全く異なるライランドとロッキーが同じ船内で協力し合って対応するうちに、互いに身の危険を顧みず助け合うほどに友情が育っていく。
ロッキー独特の言い回しも効いて、2人の会話は微笑ましい。
名残りを惜しんでそれぞれの故郷に向けて進む2隻の宇宙船 -
Posted by ブクログ
面白く、分かりやすい、そして何より信徒目線のキリスト教解説というのが新しく感じました。
私は小さな信仰ではあるもののクリスチャンなので、やはりノンクリスチャンの方が書く専門書は「そうなんだけど、私たちの認識からするとそうじゃないんだよなぁ」という感覚になったりするんですが、この本はクリスチャンの見方というのを、ひとつの考え方としてわかりやすい言葉と例えで示されているのが印象的でした。
個人的に、福音についての例えは目からウロコで、意外と私自身も感覚として"知る"ことができていなかったんだなと、学びでした。
この本に出会わせてくださった神様に、感謝いたします✨ -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読んだのは高校三年の春だった。そのころとは私自身の考え方が随分変わったし、視野も変わっている。約二年越しに読んで思ったのは多崎つくるの感情をより身近なものに感じたし、同時にクロの犠牲にも、どこか孤立無援の静けさを感じた。色彩を持たない多崎つくるが人生で最も大切にしていた四人の友人たち。その四人は彼の望まない形で離れていき、そのうち三人と十六年の月日を隔てて再会する。その再会は、私にはどこか儀式的で、荘厳ささえ感じた。自分を切り離したかつての友人と、再会することができるだろうか。再会した三人は、それぞれ隔てていた年の分だけ変わっていた。シロを起点とした亀裂はその五人グループを決定的に破壊し
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