あらすじ
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。 百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。 三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。 地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。 悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
じんわりあたたかくてほっと安心できるお話。
「縁切りマンション」と呼ばれる屋上に神社兼庭園のあるマンション。宮司の統理君、血の繋がらない娘の百音ちゃん、統理の友人の路有(ろう)君、20年前に恋人を亡くした桃子さん。みんな少し訳アリで、何かを抱えていて、でもすごく魅力的で素敵な人たちです。縁切りマンション行ってみたいなあ。
P147「なにかを捨てたからといって身軽になるわけじゃない。代わりに何かを背負うことになって荷物の重さは変わらない。だったら何を持つかくらいは自分で決めたい。」刺さりました!
Posted by ブクログ
百音、路有、桃子、基
それぞれの目線で描かれた短編がどんどん繋がって行き、もがき苦しみながらも
自分なりのやり方で前を向いて行く
終始温かな優しい風に包まれた物語
〜〜できれば『ぼくたちは同じだから仲良くしよう』より、『ぼくたちは違うけど認め合おう』のほうを勧めたい。次の授業では、ぜひそこまで進めるよう先生にがんばってもらいたい」「次の次では、『それでも認められないときは黙って通りすぎよう』だな。『無駄に殴り合って傷つけ合うよりは、他人同士でいたほうがまだ平和』ってあたりまで」〜〜
人生疲れた時に読んで欲しい一冊
皆んな同じでなくても良い、それをお互い認め合えたら世界は平和になって行く
登場人物が皆んな好き♡統理目線の物語も読んでみたい
Posted by ブクログ
みんなあたりまえのようにそれぞれ不安がある。誰かが決めた形に囚われず、それぞれが尊重し合える。そんな庭はそれぞれが自ら作っていくもの。こんな自分を愛してやろうと思った。
Posted by ブクログ
自分の当たり前と人の当たり前は違うに決まってる。その事に改めて気付いた作品。世間的にはマイノリティなのかもしれない人々が力強く苦難を乗り越える、というものとは少し違う。みんな違うけれどお互いに認め合う、という一文が人生を生きる上でとても大切にしたい真髄だなと思い心に刺さった。凪良先生の書く文章はどこまでも透明で、人物描写も確実に存在している人のようにリアリティーがある。深刻ではないけど、なんかモヤモヤする時に読むと効く薬のような一冊。
Posted by ブクログ
とても優しいお話だった。
登場人物それぞれの人生もきちんと描かれていて、みんないろんなことがあるけれど、縁切り神社の神様に切っていただきながら、自分で立て直して生きていく。みんな強くて素敵だった。
「手を取り合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段(p.297)」
ああ、本当にそうだな。
世間体とか、あの人がどうとかではなくて、誰とでも助け合えばいいんだ。
周りが何かを言うのは解釈の違い。自分たちのことは自分たちで決めていいんだ。
そんな気づきももらえたお話でした。
Posted by ブクログ
魅力的な登場人物と設定、丁寧な心情表現。
ずっとこの世界にいたいと思わされる心温まる物語。
切りたい縁が必ずしも人ではなくて、自分が縛られていることだったり、執着していることだったりするけれど、そんな縁を切ってくれる神社が近くにあるならわたしも通いたい。
それぞれみんなたいへんで、でもこうやってみんな生きているというのは、わたしたちが生きていく上でとても励みになる。
静かなエネルギーがもらえた。
Posted by ブクログ
読み終えた後、じわーっと感動の余韻が続くような素敵な作品だった。
3人の登場人物それぞれが個性があって、住人との関わりやそれぞれの悩み、エピソードに嘘がないというか、作り物感がなかった。
下手な作品だと、「そんな台詞言わないだろ」って違和感がある。この作品はそんなこと一切なく、実在してる人物たちのエピソードのよう。
自分の境遇と登場人物を重ね合わせて共感してしまい何度も泣いてしまった。
でも読み終えた後に心が晴れるような涙だった。
Posted by ブクログ
温かく穏やかな気持ちになる1冊。
「理解できないならできないでしかたない。
だったら黙って通り過ぎればいいんだ」
みんな人のパーソナルスペースに入り込みすぎている。
悪意はない。ただデリカシーが足りない言葉を発する方は多く存在する。
わたしはわたしを生きていこう
Posted by ブクログ
すごく良かった。
心が温まる作品。
特に桃子さんの話が印象に残っている。切なくて思わず泣いてしまった。
統理とろいが仲良くなったきっかけの話も良かった。
優しい話だったけど、時折すごくハッとなることを言われ考えさせられたりもした。
凪良ゆうさんの作品は3作目だけど、今回が1番好きかもしれない。
Posted by ブクログ
みんなそれぞれ一人ずつで、繋がったり離れたりしながら毎日を生きている。行きずらさを感じる時もあるけど、舞台となる「縁切り神社」に関わりのある登場人物がそれぞれの想いを切りながら、自分を取り戻す物語。穏やかな気持ちになりました。
Posted by ブクログ
ほんとに凪良ゆうさんの文章は読みやすい。
人の心情を描くのがとにかく上手で,この本もスッと内容が入ってきた。
みんな事情があって生きづらさを抱えていながらも,頑張って生きようとする。その描写が,とにかく上手に描かれていた。
読み終わった後は,清々しい,優しいような,そうな気持ちになった。
自分は基くんに似てるかもなぁ。色々と考えすぎて,将来への漠然とした不安を抱いて,勝手に焦って動揺して,気を揉むことが多い。自分ももしかしたら,真面目すぎるのかなぁとか思ったり。
自分は自分,他人は他人。
他人の解釈は気にせず,自分の解釈で生きれば良い。このSNS時代,他人と比較しがちだけど,まずは自分がどう思うかを大事にしようと,そう思えました。
また読みたい本
「流浪の月」がよかったので こちらも読んでみました。
登場人物 皆 心に抱えるものあるけど、優しく緩やかな関係で つながっててよかった。
おすすめです!
読後、すっとした優しい気持ちになれます。
暗い出来事や重い内容があまりなくサラッと描かれているので、気軽に読める作品だと思います。
Posted by ブクログ
マンションの屋上庭園にある縁切り神社を舞台にしたオムニバス。登場人物は皆、なんらかの事情や悩みを抱えているけれど、人との関わりを通して前向きに生きる力を与えられている様子が描かれていて、こちらも勇気づけられた。
特に、兄の恋人、わたしの美しい庭Ⅱがお気に入りのストーリー。
人を苦しめるのも癒すのも人だ。思いやりという言葉は簡単に使ってしまうけれど、一人一人違う解釈の持つ人を真に思いやるのは難しいことだと思った。違いを認め合うこと、これも片方の努力だけでは叶わない。思いやり…難しくとも考え続けなければいけないな。
Posted by ブクログ
この本を読む直前に流浪の月を読んでいたから話がごちゃっとなりそうだった
物語のベースが似ていると思った
大人でもできてないのに小学生にわかりっこない
最後にまとめられていたのがすっきりした
違いを認め合うそれができないなら黙って通り過ぎる
確かにそう心に決めておけば少しは生きやすく感じるはず
男女が一緒にいるとカップルかな夫婦かな?いや兄妹?父娘?とか見た目だけで色々妄想して決めつけて話を進めてくる人がいるけど失礼になることもあるし自分自身嫌な気持ちになったことがあるから関係性に名前をつけれるのは本人たちだけで周りがとやかく言うのは余計なこと自分も他人にしないように気をつけよう
Posted by ブクログ
「ぼくたちは違うけど認め合おう」
「それでも認められないときは黙って通りすぎよう」
「誰と誰が手を取り合ってもいい
それが世界を救うんだ」
美しい庭に流れる、誰も拒まない温かな空気。
それを形成するのは自分の人生に覚悟を決めた人達。
統理の物語も読みたい。
Posted by ブクログ
凪良ゆうの作品は3作目だけど、この人の書く文章は透明感があって、爽やかだなぁとおもう。きれいな情景や、草木の匂いが鮮やかに表現されてて美しいなーとおもう。
本当に、屋上の神社とお庭が美しいんだろうなぁ、と思う。
そしてはっとさせられる言葉も多くて、読んでてじんわり温かくなるね。
作品はオムニバスで、それぞれの登場人物視点の短編なので読みやすかった。兄の恋人、は読んでてちょっと辛かった。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの本は良い意味で『自分専用の名言集』を読んでるような気分になる。
自分の考えてる事や悩みが言語化されて物語にされてるから何回も「あ〜」とか、「そうだよなぁ〜」とか情けないか細い声が出てしまう。
統理の過去を知りたい。
Posted by ブクログ
縁切り神社のあるマンションに関する人びとの物語。みんな、生きる中で何かしらの葛藤や悩みがあるが、縁切り神社に住む人々が助けて、克服していく。
美しいし、生きる勇気を与えてくれる本です。
Posted by ブクログ
「孤独死なんて言葉を考えた人は、重い罪に問われるべきである。誰かと一緒に生きていくのはもちろん素敵だけれど、だからといって、ひとりで生きている人をそんな恐ろしい言葉で脅さなくてもいいじゃないか。人生の選択は、もっと明るく自由なものであってほしい。」p59
「帰って寝ればいいのに、疲労よりも人恋しさが勝つ人種がいる。」p110
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの世界は優しい。
屋上に縁切り神社のあるアパートに住みながら、宮司をし、翻訳の仕事もしている統理。統理は亡くなった元妻と次の旦那の間にできた子ども百音と一緒に生活している。そんな2人の隣には毎朝一緒に朝食を食べる路有がいて。路有はゲイで、4年前に「結婚する」といって別れた元彼のことを忘れられず。また、同じアパート住む桃子さんは、高校のときに亡くなった彼氏のことを忘れられず。そんな桃子さんの彼氏の弟は、ゼネコンで働くうちに鬱になり実家に帰ってきて。
そんな彼らそれぞれの物語。みんな優しい心の持ち主。どれもおもしろいけど、特に路有と元彼の話が、ゲイの感じがリアルすぎて、なるほどそうやって人生考えて、逃げ出してってあるよねえってなった。
Posted by ブクログ
登場人物全員が色々な問題を抱えて生きていて、その問題を知った上で誰もが否定することないところがすごく心地よく優しい空間に包まれているなと感じました。凪良ゆうさんの書く文章、物語は儚くもどかしい。だけど優しくて好きだなぁ。
Posted by ブクログ
具体的にどこがよかった等とは上手く言葉に出来ないのですが、あえて言うならこの一冊を通しての空気感が好きでした。描写がとても優しくて、色とりどりの花や緑に囲まれた神社が自然と思い浮かぶようでした。
Posted by ブクログ
ありがとう。 読み終えた瞬間の、
心地よさ。
今まで読んだ凪良ゆうの作品の中で、
一番優しい。
みなそれぞれに、
辛さ、悲しさ、不安を抱えている。
そしてみなそれを、
克服したり、乗り越えたり、忘れたり、
したがっている。
でも、そんなことしないでも、
認めて、許して、笑って、
一緒に生きてこうよ。
思わずにんまりしてしまう。
そんなお話。
「思いやり」
途中の章も良かったな~と思いますが、最後の章で全体に流れてるものがまとまって更に良い感じになりました。
思いやり…「自分がされて嫌なことは、人にしない」とは確かに良く聞くしその通りなのですが、自分がされて嫌なことが相手にとっても嫌かどうか…もっと言えば、自分がされて嬉しいと思うことを相手に押し付けることは思いやりなのか、ってことですね。
その辺は、私も嫌な経験してきたり、相手を不快にさせたりしてきたりしていて偉そうな事は言えないけど、「自分がされてどう思うか」じゃなく「相手がどう受け取っているか」を基準に、想像力のある思いやりを心掛けていきたいなーと思いました。
凪良ゆうさんの本はこれで2冊目です。
綺麗な言葉やたとえが凄く好きです。
この本の終わり方がシンプル過ぎて少し物足りなかった感じがしましたがとても面白かったです。
Posted by ブクログ
隣の芝生をいつだって青く感じてしまうけれど、ほんとうに自分が自分らしくいられる場所に、つまらない世間体や常識のルールを持ち込んで息苦しくさせてるのは他でもない自分自身なんだな。その時々で助けてもらう手が違うのもいいし、自分の好きな自分でいたい。
Posted by ブクログ
統理の言葉の使い方がすごく好き。百音に対しても省かず分かるように丁寧な選び方。たくさんたくさん悩んできたんだろうなぁ。
人には人の地獄があって、それでもその苦しさを見えないようにもしつつ懸命に毎日を生きている。その誰しもがある「地獄」を想像することが思いやりなんじゃないかなと思った。
Posted by ブクログ
私は、文章が読みやすく、つい本の世界にはいってしまった、ジェンダー、恋愛もだけど、たくさん辛いことを経験、背負いながら、生きているんだなぁ、ストーリー背景と登場人物の設定もなかなかでした。面白かったです✨