【感想・ネタバレ】シン読解力―学力と人生を決めるもうひとつの読み方のレビュー

あらすじ

東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!

ここで言う「読解力」とは、国語や読書の際に用いられる一般的にイメージされる読解力ではなく、「教科書を正確に読み解く力」を指す。そこで著者はこれを「シン読解力」と名づけた。
シン読解力を測るリーディングスキルテスト(RST)の受検者は50万人を超え、そのデータから様々な事実がわかってきた。

・誰もが読めるはずの教科書が読めていない子どもたちがいかに多いか。
・子どもだけでなく、実は大人も教科書や新聞が読めていない。
・シン読解力と学力には強い相関がある。
・シン読解力が低いとビジネスにも支障をきたす。
・シン読解力は学校では教えてくれない。
・シン読解力は国語や読書では身につかない。
・シン読解力はスキルであり、トレーニングによって年齢を問わず身につけることができる。

RST受検者50万人のデータを元に、
シン読解力とはなにか、教科書が読めないのはなぜかを明らかにし、
RSTの成績向上に成功した事例を紹介しながら、シン読解力習得の処方箋を示す。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

改めて読解が難しいのがわかりました。新聞などの構文を理解できていないことに気づかされました。日々トレーニングをし読んでいくことが大事。読書で読解力は上がらない。助詞や隠れた主語などを意識することが大事

0
2025年12月13日

Posted by ブクログ

読解力がないって、どういうことなのか。解決するにはどうしたらいいのか。トレーニングの方法は。

日ごろの疑問を解決するために、本書を手に取った。著者の以前の作品も読んでいたので、とても面白く、ためになった。その結果、自分の疑問の解決の糸口が見えた気がした。「RST」のテストをまずは自分で受けてみようかと本格的に画策中。きっと自分が受けてみたら、新しい何かが見えてくるのだろうか。

0
2025年12月11日

Posted by ブクログ

本が好きだけど読解力に自信がない。
本書に載っているRSTテストをやってみる。間違えた。どんよりと落ち込む。
そして144pの問題に衝撃を受ける。
生活言語(私たちが毎日使う言葉)では「いくつかの」といえば2つとか5つとか、少なめの複数を意味する。
でも、数学では「いくつかの」というのはひとつ以上、場合によっては0以上のあらゆる整数を意味する、らしい。
知らなかった。これってみんな知ってるの?
読み進めるほど自分の無知に心と頭が痛くなる。
でもまあ、読んで良かった!

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

# ちゃんと読む。を完全に理解できる一冊

## 面白かったところ

* ChatGPTをはじめとしたLLMの概要が、簡潔にわかりやすく説明されており、特徴を掴むことができた
* 読解力という大きなテーマの中で、後天的に獲得可能なスキルを定義し、トレーニング方法まで提示してあり、大変読み応えがあった

## 微妙だったところ

* 特に無し

## 感想

今年読んだ本の中で最も面白い本の一冊に入る。

読解力が重要であることは理解していたが、具体的にどのようなスキルが必要で、どうすればそれを鍛えられるのかについては、これまであまり考えたことがなかった。
今は昔、我が弟に国語の点数を取るためにはどうすればいいか?と訊かれたときには、「文章をたくさん読むこと」と答えたことがある。

当時は一冊も本を読む習慣のなかった自分が、そんな法螺吹きをした。
結果、点数は上がったようだが、なぜ国語力が上がったのかはわからなかった。

自分自身も読解力が上がった瞬間はよく覚えている。高校数学が解けるようになったときと、システム開発文脈でコードが書けるようになったときだ。
いずれも、読解し、アプローチをする。問題を解くことだったり、コードを通じてビジネスルールやフローを定義する。

読解力を上げることが難しいのは、読解対象が必ずしも数学的な文章ばかりではないということだ。これはこの本を読んで驚き、目から鱗だった。
例えば、生物や社会は冪等性がないことばかりで、100%の再現性がない。故に断定的な言葉遣いが少なく、読解が難しかったりする。
自然や人間が絡むと、どうしても曖昧さが入り込み、解釈の幅が広がる。

日本語の背景を知ったうえで、主張していること、曖昧なこと、などを整理しながら読み込むことが読解なのだろうと感想を抱いた。

とても面白い本だった。

0
2025年11月26日

Posted by ブクログ

"教科書は日本語で書かれているのだから、
日本語が読めれば自然に教科書も読める"

この問答に引っ掛かりを覚えるのなら、
この本からいろんな気づきを得ると思う。

生活言語と学習言語が異なるように、学習言語の中でもいろんな違いを持っている。そこをうまく橋渡しするのがシン読解力であることを、楽しく学ぶ(知る)ことができるのが、この本。

もっと若くからこのことを知れていたなら、いろんな物事への理解は違うものになっていたのかな?と感じ、子供には是非とも読める年になる頃には読んでいて欲しい本だな、と思います。

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ

最初にAIの成り立ちや開発者ならではの視点で解説があり、なんとなく理解して使ってたAIについて、より特性を理解でき、使い方を工夫しようと思うきっかけとなった。シン読解力とした経緯と、それが必要な背景、根拠を筆者が研究してきた結果とともに説明があり納得感は増えました。ここまで結構長いですが、RSTの例題とともに、現代の日本人、あるいは将来の日本人にとって、大切なことを言っているように感じます。インプットの多い本でした。巻末にトレーニングがあり、これから取り組んでみようと思います。一度、RSTを実施し、自分のシン読解力のレベルを知り、対策を考えたいと思いました。

0
2025年10月08日

Posted by ブクログ

過去に読んだ本よりも、大量のデータにより説得力を増した。
この本は、必読の書だと思うし、RSTは職場の人間全員に受けてほしい。
この人は頭がいいとか、あの人は言ってもわからないとか、そういうのは意味がなく、「なぜ」を掘り下げないと決して良くはならない。
この本に書かれていることが全てではないし、本当に正しいのかも判断できないが、少なくともきっかけにはなる。

0
2025年10月01日

Posted by ブクログ

AIの現状について分かりやすく書かれていて、それを踏まえての読解力の必要性が説明されている。
AIについては思い込みとなんとなくのイメージでしか知らなかったけど、これを読んで目からうろこがポロポロ落ちた。
その後の読解力についても同様で、読んでよかったと思える一冊。

0
2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に文章がわかりやすくするすると読める。RSTそのものは掲載されていないが、掲載されている問題を解くだけでも自分の欠点がわかる。大人のためのトレーニングとして、日経の見出しを見て、一文にまとめるのはいい学習法であり、大学生でもできることである。入門セミナーでも使うことができる。

0
2025年09月16日

Posted by ブクログ

人の心の機微を感じて読み解く読解ではない、一通りでしか読めない文章を読み解く「シン読解力」。
この発想に、目からウロコといいますか、すっかり夢中になって読破してしまいました。
教育論にも通じていて、シン読解力がないことで授業がままならなくなる子供の話などを読むと、たまらなくなってしまいました。
幼少期の語彙の積み上げが大切なことや、トレーニングでシン読解力は鍛えられること、そのトレーニングの方法(新聞の見出し語から一文を作るトレーニング)など、とてもためになりました。
これ、教育委員会の方とか、読めばいいのに。
大人になっても必要なシン読解力。
本書を生かしながら、生活しようと思います!

0
2025年09月04日

Posted by ブクログ

日常言語と学習言語は異なるものであり、教科書に書かれているのは学習言語である。学習言語とは誰が読んでも同じ解釈になるように書かれた言語であり、これを正しく読めなければそもそも学習ができない。本を読む読解力とは別のスキルが必要で、筆者はこれをシン読解力と呼ぶ。

読書が好きで国語が得意なのに数学が苦手は私は筆者と同じで学生時代に数学語の読解力が低かったのだと腑に落ちた。

仕事をするにあたりシン読解力が必要であるのはわかる。ただ筆者がシン読解力の高い人を採用して、社員のシン読解力を高めるのを推奨しているのには少し疑問符がつく。平均値を上げて仕事を効率化するのには役立ちそうだが、今企業に一番求められる新しいことを生み出す力、変革していく力とは無関係な能力かもしれない。

0
2025年08月13日

Posted by ブクログ

新井紀子氏のベストセラー「AIvs.教科書が読めない子どもたち」の続編として、「シン読解力」習得の重要性を説いた本。小・中・高校の学生も社会人も数学、理科、歴史を含めたすべての教科の成績とシン読解力の能力(RST)との間には相関が高いことを解説し、RSTの能力向上の方法とそれに取り組んだ学校や自治体の結果についても触れている。学術的かつ論理的で説得力がある。とても勉強になった。RSTを受けてみたい。

「この経験から、私は3つのことを学びました。1つは、各教科の教科書を読み解けるような読解力を身に着けるには、読書では不十分なこと。場合によっては、読書で身につけた自己流の読みが、一部の教科の読解を阻害することさえあるのです。2つ目は、教科書の書かれ方には、ある種の「型」があり、その「型」を意識させるほうが自由に読ませるより教育効果が高いこと。型を身に着けるには、トレーニング以外にないことです(第3は、トレーニングで誰でも向上すること)」p6
「RSTの開発と普及によって50万人の受験者データを手にし、これを徹底的に分析することによって、みなさんに自信をもってお伝えすることができるようになったのです」p7
「日本語の中には「生活言語」と「学習言語」が存在します。私たちは普段、「生活言語」を使って日常を過ごしています。小説などの物語も「生活言語」で書かれているからこそ、登場人物の心情に触れることができます。しかし、教科書に使われているのは「生活言語」ではなく「学習言語」なのです。社会に出て目にするビジネス文書や公的な文書も、「生活言語」では書かれていません。ここに「シン読解力」を身に付けなければならない理由があります」p9
「ChatGPTのような対話型生成AIには、ほかにもマイクロソフトエッジに標準装備されている「copilot」やグーグルの「Gemini」、米Anthropic社の「Claude」などがあります」p23
「人間は少ない経験から意味と文脈で判断するので、思い込みによる誤りに陥りやすい。一方、AIは意味を理解せず膨大な情報上の統計から判断するので、「外れ値の罠」に陥りやすい、と言えます」p47
「これからの企業には、「どのポイントでAIを使うか」、「何を人間に任せるか」を的確に判断する力が求められます。その境界ギリギリを正しく見極めた企業は成長し、臆病な企業は生産性が上がらずに退場し、逆に無謀なAI化をする企業は投資を回収できないか、「外れ値の罠」にはまって企業価値を毀損することになる、と私は予想しています」p49
「安心安全が至上命題な領域ではなく、「できたらいいな」的な部分にうまくAIとロボットを使う、それが一番上手なAI導入のあり方だと私は思います」p52
「(ChatGPTがウソをつく弱点克服技術)RAG(Retrieval-Augmented Generation)という技術です。検索フェーズと、文書生成フェーズを分けることによって、特定の文書群(例:社内文書)の中から、ターゲットとなる事実を特定したのちに、文書生成を始めるというものです。RAGは、生成AIをビジネスで活用する際には不可欠なものになりつつあります」p58
「実際に、仕事の効率が上がったと、ChatGPTを高く評価する人たちは大勢います。その使い方を尋ねると、「アイデア出しのための壁打ちに使う」、「これまでだったら学生や新入社員に下調べをさせていたような場面で使う」、「自分がやればできる内容だが、面倒なとき(例:英語でメールを書く、礼状を書く)に使う」と口を揃えます。それを基にして事実を確認したり、ほかのAIに文法チェックをさせたり、おかしなところを修正したりすれば、仕事は非常に効率化できる」私もそのとおりだと思います。それこそが、AIとの上手な付き合い方なのです」p67
「RSTが測定する「読解力」と読書量には相関が見られない、つまり、読書量とRSTが測る読解力は無関係であることを報告していたのですが、そこのところはよく伝わっていません」p73
「今、進行しつつあるテクノロジーの進歩のスピードは猛烈で、研修の繰り返しでついていけるほどのんびりしてはいません。一方で、変化に対応するために学ぶべきスキルや知識に関するコンテンツは、ネット上にいくらでも無償提供されています。そのような社会で人間に求められるのは、「自力で学び続けられるスキル」です。そして、学び続けられるスキルの基盤となるのが「シン読解力」なのです」p74
「ホワイトカラーが生成AIを相棒として生産性を向上させようと思ったら、少なくとも生成AIの出力を読み、それを裏付ける資料や文章を読みこなす能力は必須になります。そして生成AIの出力、検索した先のドキュメントのほとんどが「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書」なのです。それらを「自力で読み解く」ことができないと、生成AIを使うことで生産性がかえって下がる懸念さえあります」p75
「試験での提示分の内容について、学校で習ったかどうかは、RSTの能力値に影響しないことがデータからわかっています」p86
「「シン読解力」が「進学可能な高校の偏差値をほぼ決定している」と言わざるを得ません」p112
「中学受験を目指すなら、小学5年生の段階で一度RSTを受験してみることをお勧めします。もし、RSTのいくつかの分野で負の能力値がつくようなら、無理に勉強時間を増やしても成績が伸び悩んでしまうことでしょう」p122
「高校受験も大学受験も「シン読解力」、特に「RST平均能力値」が決め手になる。有名私大合格圏内に入る指標は、RST平均能力値1.5と推定される」p125
「行間を読む方略は、国語教育で題材をさまざまに変えて繰り返し指導されます。一方、書かれていることをそのとおりに読む方法は、「誰だって真面目に読めば読めるはず」だとみなされ、顧みられてこなかったのです。つまり「シン読解力」を培うための教育手法がこれまで存在していなかったのだから、学校教育やOJTでは「シン読解力」が上がらなかったのは当然ではないでしょうか」p126
「RSTでは、「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書」を「自力で読み解く」力を測っています。そのような文書の最大の特徴は、解釈がひとつしかなく、書かれていることを正しく読む能力のある人ならば、「誰が読んでも同じ解釈」となることです」p130
「特に不思議なのは、小学生までは元気で明るく、先生とのコミュニケーションも円滑、クラスのリーダー格だったような子が、中学に進学した途端に学習につまずき、自信を失うという事象が頻繁に観察されることです」p131
「RSTの評価と学力との相関関係の強さを考えると、「生活言語」は獲得できたのに「学習言語」の習得に失敗したことが主な原因ではないか、そんな子がたくさんいるのではないか、と私は考えるようになりました」p131
「子どもの語彙量は、家庭環境(家庭の収入、両親の最終学歴など)に大きく左右されることが、各国の社会調査で明らかになっています。言葉は、基本的に、身近な大人との会話や大人同士の会話から、経験込みで受け継ぐものなので、子どもの努力だけではなかなか増やすことができません」p152
「佐藤亮子(佐藤ママ)の著書『3男1女東大理Ⅲ合格百発百中 絶対やるべき勉強法』によれば、彼女は「子ども1人あたり(のべ)1万冊の絵本を読む」ということと「子ども1人あたり(のべ)1万回童謡を歌う」ことを実行されたそうです。1万冊絵本を読み、1万回童謡を歌うことで、平均の子の倍以上の語彙を4人のお子さんの身体に浸透させることに成功したのではないかと思います。小学校入学時に語彙量が1万あれば、スムーズに学習や先生とのコミュニケーションに入っていくことができたに違いありません」p156
「HBで速く書ける子は、塾に行っている子ばかりという学級も少なくありません」p160
「(先生の指示「××ページの『〇〇の値』を求めて、表に書き入れましょう。」)まず、「××ページ」という数字を聞き取るところで5%くらい脱落します。実際に教科書の××ページを開くというところでさらに10%くらい脱落します。「〇〇の値」というのは、そこまでの授業の文脈から理解できるはずですが、「何の値を求めればいいか」がわからず、さらに10%くらい脱落する。大げさのように聞こえるかもしれませんが、実際の中学1年生の授業を観察しているとそのような印象を受けます」p163
「近年は、RSTを新入社員採用試験に使う企業が増えてきました。興味深いのは、BtoBや外資系の優良企業が多いことです」p211

0
2025年08月08日

Posted by ブクログ

新井紀子「シン読解力」 知識よりも読解力 応用問題を解いて地頭の力を見る
私の長所・特技である「読解力」は小学校時代の珠算と将棋の訓練によるものと確信できた
珠算の段位試験の応用問題はまさに「シン読解力」の典型問題
小学生が日々取り組む問題としては高度でありやり甲斐があった
私の小学校時代は様々な刺激で充実した毎日であった
そしてその日常の積み重ねが現在の知的基盤になったと思う

新井紀子氏は「キャリアがユニーク」で、「教育論が明解ー知識より読解力」
何よりキャリアが、高校まで数学苦手の文系少女が一橋大学法学部を選択。
大学で松坂和夫先生に出会い、数学のお作法を丁寧に学び、
米国イリノイ大学の数学専攻に進学を果たす。
全国の数学苦手高校生、特に女子高校生を勇気づける話である。

私も「日々の演習」で数学力が磨かれ、最後一橋大学の数学の試験はほぼ満点に近いと思う。
同様に化学の出来と合わせて無事入学が叶ったと思っている。
大学の数学をもう少しきちんとやっていたら人生はまた変わっていた。

0
2025年08月07日

Posted by ブクログ

素晴らしい内容でした。
教科によって読み方が違うというのは目からうろこでした。
日本語の助詞から使い方が苦手だというのも、問題を解いてよくわかったし、日本語の構造をやはり理解できていない人が私含め多いんだと改めて感じた。たぶん、N1とってる外国人より日本語を正しく読めていないのかもしれないと思う。それくらいの危うさ、危機感を覚えました。
 読解スキルは身につけなければと思いましたし、AIによるシンギュラリティにおびえるよりも、外れ値があるからこそ、うまいこと共存していきたいなと思った。ほぼ毎日ChatGPTに相談していたのはそういう理由かとも納得した。会話の自然さはあるが、嘘はつくということを優先したということなんだね。すごく勉強になった1冊出した。

0
2025年08月05日

Posted by ブクログ

とにかくおもしろい!

最近仕事でChatGPTを使うことが出てきたので参考になった。流暢な文章を作るのが得意なだけで、正確さは望めない。今のところ。

各教科ごとに使用する言語が異なるのは納得。トレーニングで強化できる。

0
2025年07月15日

Posted by ブクログ

思ってるより色々ちゃんと読めてない自信が深まりました。ちゃんと読むのも難しいのも確かですが、誰にでもわかりやすく書くのもまた難しいのかもしれません。ルールは暗黙のうちにあるが、誰しもがそのルールにちゃんと気付いているわけでもなく、何となく使っている環境の中で正しい文章を書けばいいというワケでもないのではないか?という問題がある気がします。
論理的思考とは何か?や風景の発見といった内側から見ると見えなくなるものとそれによるルール理解の齟齬みたいな話が思っているよりもさらに身近にありそうでホント、大変だ。

0
2025年06月22日

Posted by ブクログ

「文章が読めない」というのは、識字率の話ではない。
当たり前だが、日本の識字率は、限りなく100%に近い状態のはずだ。
しかし、文字は読めているのに、そこに書かれている「意味」や「論理」を本当に正しく理解できているだろうか。
本書が示しているのは、我々が考えている以上に出来ていないという、その現実だ
(当然、自分自身もあまりの不出来にショックを受けているのだが)
著者の過去2作「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」「AIに負けない子どもを育てる」も勿論読んだ上での本作。
前2作を読んだ時も衝撃を受けたが、本書はさらにその核心に迫っていると言える。
出来ないのは「子どもたち」だけでは決してない。
全世代とも、当然我々大人たちも「読めてない」ということなのだ。
この我々が直面している喫緊の課題に対して、本書はきちんとその処方箋を示してくれている。
果たしてそれが有効なのかどうかは、私の会社内でも試してみたいところだ。
日々の仕事をしていると、社内でのコミュニケーション不全に悩まされることが、非常に多くある。
最近は特にチャットでのやり取りが多くなったために、ある意味手軽にメッセージのやり取りが出来てしまう。
勿論、社内でのやり取りなのに、メールで丁寧に「お疲れさまです」的な作法を入れることが、無駄だという意見はあるかもしれない。
しかしながら、文脈も伝わりにくい短文のみのやり取りがベストかと言われたら、必ずしもそうとも思えない。
要はメールだろうがチャットだろうが、まして口頭だろうが、相手に伝わってこそのコミュニケーションである。
伝える側の問題ももちろんあるし、メッセージを受け取る側の問題も十分にあり得る。
仕事の指示を出しても、意図が伝わらない。
作業のマニュアルを渡しても、勝手な解釈で仕事を進めてしまう。
会議で合意したはずなのに、後から「そんなつもりじゃなかった」と言われてしまう。
これらは単なる「不注意」や「性格の問題」だと思っていたが、本書を読んで、それが間違いだったことに気づかされた。
根本的な原因は「読解力」の欠如にあったのだということだ。
(もちろん、不注意や性格の問題が、ゼロという訳ではない)
確かに伝える側の力量不足もあるが、それも根本は読解力の無さから起因していると思うのだ。
小説を読んで感動するといった情緒的な読解力ではなく、事実を事実として、論理を論理として正確に読み取る力。
著者が名付けた「シン読解力」が、今決定的に不足しているのは間違いない。
IGPIグループの冨山和彦氏も「論理言語」の重要性を説いているが、本質的には同じことだと思う。
「論理的に読み解けない人が、論理的に説明できるはずがない。」
耳の痛い話であるが、問題は「自分は出来ている」と思い込んでいることだ。
日本人である以上、日本語は理解できて当たり前。
日常的に会話が成立しているのだから、どこがダメなのかに納得がいかないということか。
前書から紹介されている「リーディングスキルテスト(RST)」の結果を見ると、自分自身も背筋が寒くなってしまった。
学生だけでなく、大人であっても、教科書レベルの文章を正確に読めていない人が一定数いると言われると、思い当たる節が数々ある。
私が働く会社でも、読解力についてはまさに課題に感じている。
DX推進や、業務効率化を図りたいと思っているが、どうにも上手く伝わらない。
(私の説明が下手なのは、この際横に置いておいて)
こちらが伝えている話の論理的な意味を理解できていないとしたら。
この問題は「生成AI」の登場によって、さらに深刻さを増していると思う。
生成AIが流暢な日本語を生成し、内容についても、あたかも意味を理解しているかのように振る舞っている。
しかし、実際は確率的にそれらしい言葉を繋げているに過ぎない。
AIが生成した文言の真偽を見極めるのは、結局のところ人間となる。
もし人間側に、文章の論理構造を正確に理解する「シン読解力」がなければ、AIの文言を判断できるはずがない。
「AIに仕事を任せる」のは、読解力がある人だからこそ成立する。
読解力のない人は、AIの判断をそのまま受け入れるしか、選択肢が無くなってしまう。
この現実に対して、我々はどう向き合っていくべきなのか。
結局は「トレーニングによって向上させるしかない」ということだ。
地味で泥臭いことかもしれないが、「言葉への感度」を高める取り組みが、組織全体の生産性を底上げすることに繋がるはずだ。
私自身も初心に戻って、一文一文を丁寧に、論理的に読む訓練をしていきたい。
未来を生き抜くためには、改めてやるしかないと思ったのだ。
(2025/8/6)

0
2025年12月15日

Posted by ブクログ

AI研究の先駆者がここまでハッキリと言ってくれたのには、とても心強かった!

チャットGPTなどの生成AIの出力にはウソが含まれる。でも、そのウソをなくすための再学習に時間がかかりすぎるため、経験した誤りからすぐに学べる人間と大きな差ができる!

政治や教育をAIが代替する日は来ない!
制限なしの自動運転が実現する気はしない!
理由は、教師データの不足

あなたや私が国語や数学が不得意だったのは、私たちのせいじゃない!私たちに才能がないからでも、頭が悪いせいでもない。単に、教科書を読めるようになるための手段とトレーニング法が確立されてないからだ!

ど文系の著者が数学、理系の教授になったんだから、とても説得力がある。

また、RSTテストの開発、目的、内容もとてもわかりやすく、リーズナブルであった。

0
2025年11月09日

Posted by ブクログ

私にとっては待望の一冊。日本での、AI研究の第一人者である著者が、AIの研究を進める過程で日本の子どもたちの読解力が驚くほど低く、教科書が読めていないことが判明したこと、そのためいくら勉強しても成績が上がらない子がいることが判明したこと、しかし、読解力を上げるための処方箋はないというのが前作までの話だった。

本書では一歩踏み込んで、読解力はどうすれば上げることができるかに挑んでいる。
著者の本により、「読解力」が独り歩きしてしまい、読書の大切さが巷では叫ばれるようになった。
しかし、実は読書の量と読解力の高さは比例しないことが分かっている。これは、小説などの物語では、読み手がどう受け取るかはその人次第という部分があり、正解は一つではないため、このような文章をいくら読んでも読解力は上がらないためと言える。

そこで、著者は「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文章」を正しく読める力のことを、「シン読解力」と名付け、この「シン読解力」を上げるためにはどうすれば良いか試行錯誤を重ねた。

まず、何はさておいても、著者が開発したRSTを受けて自分の読解力の位置を確かめること。
個人的には、教員の読解力の低さに愕然とした。
教員の仕事が大変なこと、ほとんどの教員に熱意があることは否定しないが、質という面では、日本の公教育の教員は絶望的なのかもしれない。

就学前の子どもについては、できるだけ語彙を増やすことがその後の学力に差がつくことが分かっている。言葉というのは、身近な大人との会話や大人同士の会話から受け継ぐため子どもだけの努力だけではなかなか増やすことができない。佐藤亮子ママの1万冊の絵本と1万曲の童謡メソッドは、とてもユニークで効果的な語彙獲得方法。

日本のAI研究の第一人者であり、優秀な数学者でもある著者が実は高校生までは数学が嫌いで大学では文系の学部に進んだというから驚き。大学で数学の恩師に出会い、そこからメキメキと頭角を現したらしい。
たった一人の先生との出会いで、人生はいかようにでも変わるのだと改めて感じた。
特に数学というのは特殊な分野で、自分で才能に気付くことは少ないのではないか。
彼女の頭脳や実績も大いに尊敬するが、生き方そのものがとてもカッコイイ。

0
2025年11月05日

Posted by ブクログ

RSTテストがおもしろかった。問題が解けないのは、問題をよく読んでない(読めてない)ことがよくわかった気がする。時間のAIの仕組みなども参考になった。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ

高校時代、この本の著者が講演してくださる機会があり、数学の教科書を燃やした話をしていた。
私の担任は数学の先生だったので、講演後憤怒していた。
という記憶が蘇った。

確かにそうだな〜
自分の子供には気をつけて教育しないとな〜と思った。

0
2025年08月27日

Posted by ブクログ

例題が解けず虚しい気持ちになったのが懐かしかった
国語が苦手だったのは読み方を知らなかったり、トレーニングできていなかったことに気付けた
また、数学も論理や数列など問題文の読み取りが苦手だったのも同様だと思った
本書の最後の方にトレーニング方法などあったが不十分に感じた
読解力の重要性を説くことがメインだったので、読み方やトレーニング例題をメインとした書籍を今後出して欲しい

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

読解力は専門分野ごとに必要な種類が違い、それぞれの読み方を身につけることで学習効率が上がるという内容だった。著者が考案したシン読解力を測るRSTテストの実例が紹介されており、解きながら読めるので面白かった。
新聞を使ったトレーニングはやってみたい。

0
2025年07月23日

Posted by ブクログ

一般に言われている読解力とまた別の読解力があるらしい。とても気になってすぐに読んでみました。
作者は「ロボットは東大に入れるか」と銘打って、人工知能のプロジェクトを率いていた方。
前回の著書「AI VS教科書が読めない子供たち」で、著者の言いたかったことが誤解されたので、「シン読解力」という言葉を作ったとのこと。シン読解力とは、「教科書を読み解くために必要な読解力」としている。

1章は、ChatGPTなど、AIに関することが主で、個人的に1番苦手な分野なので何度も途中で寝てしまい、苦行だったが、読解力の話になる第二章からは比較的面白く読めた。そして、ずっと感じて来た、モヤモヤしていた感覚を言い当ててくれ、納得のいくことも書かれていた。読んで良かった。

作者が作ったRST(リーディングスキルテスト)=知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書を自力で読み解く力を測るテスト、の例題が載っている。
見事にたくさん間違えた。掲載されているのは、あまりに正当率が低いので、実際のテストからは除外された設問らしいが、それでも悔しい。自動車免許を取得するとき(私が受けた時なのでかなり昔の筆記試験の話です)の、ミスリードを引き起こさせようと必死な独特な文章を彷彿とさせたのも確か。
このようなやや特殊な文章は、特に読めなくてもいいと思うが、日ごろ感じているモヤモヤは、確かに作者の言うRS Tの能力が大いに関係しているように思う。そしてそれは単に国語だけではなく、あらゆる教科にとって大切である。(作者は各教科に独特の文章の型があるので、その読み方をまず理解すると、国語以外の教科も飛躍的に理解しやすくなると説いている)

昨今、気になるのが、子供が学校からもらってくるお知らせプリント、市から送られてくる文書。文を読んでいて、これはどっちの意味にも取れるがどっちだ?とか、これではよく内容がわからないとか、疑問に思うことがある。自分の読解力が落ちていて理解できないのかもしれないと不安になる。

少しだけ中学の教壇に立つ機会があったが、まず指示が通らないのにびっくりする。自分の指示の仕方が悪かったかなと反省し、1つの指示を出したら、それを終えるまで次の指示は出さない、注意をこちらに向けてから話し始める、など工夫をしてみたが、それでも伝わらない子が1.2割いる。

ではどうしたらシン読解力が上がるのか?鍛える方法は巻末に載ってはいる。ただ、やりにくいというか、このワークをすればいいですよではなく、新聞の文の助詞や省略されている言葉を補ったりと、なかなか手っ取り早くはできない類のものだった。学校や会社の新人研修などで、少しずつ取り入れられるようになっていくと思われる。

自分も、自分の子供も、学校で小学校の時に出されていた音読の宿題をきちんとやっていってなかったが、今になって思う。あれは良い効果があります。やった方が良いです。

他にも有用なことがたくさん書かれていたので、読んでみることをお勧めします。ただやや考え方が凝り固まっている、偏っているようにも感じられるので、読まれて、それぞれが考えてみるのが良いと思います。

0
2025年07月20日

Posted by ブクログ

自己完結する文章を読み解く力(シン読解力)の重要性についてとても共感できた。伝える側においても、受け取る側においても言葉を丁寧に取り扱って過ごしていかなければいけないと感じた。生成AIがかなり普及してきている中で、自身で0から作文することが減っている中で、真意が伝わるコミュニケーションを心がけていきたい。

0
2025年07月09日

Posted by ブクログ

教科書の書かれ方の「型」を知ること。
その型を身につけ読むこと。
教科書を自分で読む力、大切にしたい。

生成AIの時代。生成AIの出力を、
読んで理解する力が求められる。

0
2025年07月05日

Posted by ブクログ

書いてあることを正しく読み解く力を『シン読解力』としている。
その読み解き方は我流であったり、才能によるものではなく一定レベルであればやり方さえ理解できればマスター可能。
故にいつでも改善は可能ということ。

0
2025年09月23日

Posted by ブクログ

この本では「文章を正確に理解し、解釈する力」の重要性が書かれていました。本の読み方というより、教科書やビジネス文書を読み解く力を「シン読解力」として紹介しています。

その力があるかどうかで学力に差が出ることが統計でも示されており、鍛えることで学力向上だけでなく、ビジネスにも役立つと書かれています。
シン読解力はトレーニングで身につけることができ、子どもだけでなく大人にも応用できる点が印象的で納得できる内容でした。

0
2025年08月23日

Posted by ブクログ

AI vs 教科書の読めない子どもたち
が素晴らしすぎて、ちょっと期待外れ。まぁまぁ似たような話が半分くらいというかんじです。

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

「シン読解力」とは、著者が命名した言葉で、「教科書を読み解くために必要な読解力」のこと。
著者は、一般社団法人「教育のための科学研究所」の代表。
大学に入ってから、数学が苦手だった原因が教科書の読み方にあったことに気づいた自らの経験をもとに、教科書を読めるようになるための手段とトレーニング法を開発した。
それがリーディングスキルテスト(RST)という独特の手法。
単純計算すると、30分弱で終わるテストだが、「主語と述語」、「修飾語と被修飾語」などの関係性といった文の構造を読み取る力、グラフや図形、概念図など資料を正確に読み解く力、定義を読み解く力など6つの分野に分けて能力診断する。
新しい手法であり、学校においては
文科省の全国学力調査が一般的に行われていることもあり、この本に紹介されている相馬市のように積極的に取り入れられている自治体や学校は少ない。
かなり、専門的な用語も多く、この手法がどれだけ教育効果があるかについては、正直、納得できるところまではいかなかった。
ただ、挿入されている具体的な設問や巻末のトレーニングパートについては、なるほど、そういうことを言いたかったのかと、なんとなく、また、断片的に著者の意図がわかったような気がした。

0
2025年07月31日

匿名

購入済み

シン読解力が重要であることは理解できました。ただ、著者が自分の意見が正しいと思い込んで周りに押し付けている節があり、何度か微妙な気分になりました。

0
2025年09月12日

「学術・語学」ランキング