あらすじ
東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!
ここで言う「読解力」とは、国語や読書の際に用いられる一般的にイメージされる読解力ではなく、「教科書を正確に読み解く力」を指す。そこで著者はこれを「シン読解力」と名づけた。
シン読解力を測るリーディングスキルテスト(RST)の受検者は50万人を超え、そのデータから様々な事実がわかってきた。
・誰もが読めるはずの教科書が読めていない子どもたちがいかに多いか。
・子どもだけでなく、実は大人も教科書や新聞が読めていない。
・シン読解力と学力には強い相関がある。
・シン読解力が低いとビジネスにも支障をきたす。
・シン読解力は学校では教えてくれない。
・シン読解力は国語や読書では身につかない。
・シン読解力はスキルであり、トレーニングによって年齢を問わず身につけることができる。
RST受検者50万人のデータを元に、
シン読解力とはなにか、教科書が読めないのはなぜかを明らかにし、
RSTの成績向上に成功した事例を紹介しながら、シン読解力習得の処方箋を示す。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
(オーディブルで聴了)
本を読まないから読解力もなく、勉強への理解も広がらない。
集中力が足りない。
幼い頃、そんなことをよく言われたもの。
本を読むのは苦手。
私は本が嫌い。
そう思っていた。
でも心のどこかでは、
「本を好きになりたい。もっと知りたい」
とも思っていた。
大人になってから、
「まず目次をじっくり読んで、読みたいところから読んでみる」
ということを始めたら、意外にも読むことが好きになっていた。
先に自分の中でたくさん想像を広げてから、じっくり読む。
それが今の私の、本の楽しみ方。
でも、この本を聴いて気づいた。
「本を楽しんで読むこと」と「文章を正確に読むこと」は、同じ“読む”でも別の力なのかもしれない。
たくさん本を読めば、読解力が自ずとついてくるわけではない。
「読み方」はスキルであり、トレーニングによって磨くことができるという。
だとしたら、自分にはどれくらい「正確に読む力」があるんだろう。
本の最後の方には、実際に読解力をトレーニングできるページもついている。
これがまた、ちょっと楽しい。
本を読む量ではなく、「どう読むか」。
今までとは少し違う角度から、自分の読む力を考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
新井先生の文章は読みやすくて、ユーモラスかつ刺激的だ。RSTを開発してしまう知性が生み出す文章だから、そりゃそうか。
【主な感想】
チャットGPTは平気でウソをつく(ハルシネーション)。これはチャットGPTの欠点ではあるが、欠陥ではない。チャットGPTが目指しているのは自然な言語生成であって、正確な情報提供ではない。
2023年5月、米ニューヨーク州の弁護士が審理中の民事訴訟で資料作成にチャット
GPTを利用した結果、存在しない架空の判例を引用してしまい、罰金の支払いを命じられた。チャットGPTのハルシネーションと人間の流暢性バイアスの組み合わせは、非常に危険だ。
チャットGPTで生産性を上げるには、少なくともチャットGPTと遜色のない読み書きスキルが必要。なにしろ相手は呼吸をするようにウソをつく。自力で正確なファクトチェックができなければならない。チャットGPTをはじめあらゆる生成AIは、使い手の真の能力を超えることはできない。
チャットGPTを使いこなす人材を育てるために必要なのは、学校でチャットGPTを使わせることではなく、読み書きの能力を向上させることだ。
というわけで、読解力を上げる具体的な方法と、その実証実験について教えてくれる。
僕も新井先生と同じで、小中学校の授業にタブレットは必要ないし、プリントも必要ない、教科書とノートで授業するべきだと思う。そして、新井先生の考えた読解力を上げるトレーニング、是非全国でやってほしいと思う。
【その他の感想1】
生活言語と学習言語は違う。しかも教科によって学習言語には違いがある。
たとえば、社会の教科書には連用中止法が多用されていて、
①「山形は盆地が多く、夏は暑い」
②「山形は盆地が多く、花笠まつりで有名だ」
この2つの文章は形は同じなのに前後の関係はまるで違う。学生時代どれだけ勉強しても社会が上がらなかったのは、単に記憶力の問題ではなく(それも問題だろうが)この文体に馴染めなかったのだと、48歳にして初めて気付いた。
【その他の感想2】
ディープラーニングには2種類ある。
ひとつは「強化学習」。ある指標を最大化するように自動調整を繰り返させるもので、はっきりとした指標を与えられる場合に有効(チェスや将棋等)。もうひとつは「教師あり学習」。人間を手本として、大量の教師データを元に学習する。
教師あり学習には大きく2つの問題がある。ひとつめは、教師データをどう設計し、どう集めるか。ふたつめは、外れ値をどう扱うか。AIは統計により答えを選ぶので、外れ値は捨てることになる。
珍しいことが起きた場合には事故を起こして良い自動運転車を許容できるのか。
Posted by ブクログ
著者の新井紀子先生の行動力、素晴らしいと思います。読めていると思うことと読めることの違いを受験期に実感しており、今もその能力を鍛えられていないと思うので、巻末のブートキャンプを続けてみようと思いました。
RSTも定期的に受けて、老化の程度との関係も確認してゆこうと思います。
Posted by ブクログ
テストの点が悪かったり、勉強が出来ない人は読解力が低いという内容。確かに問題の意味が分からなかったり、意味をはき違えてたらテストの点悪くなるよな。勉強の教科毎に読み方、書き方があって、それに慣れたり覚える必要が有るみたい。RSTテストやってみて自分がどうか確認してみたいし、芽依ちゃんにも教えていってあげたいと思う。
Posted by ブクログ
数学がどうしても苦手な自分が読むと、目から鱗な一冊だった。
・生活言語と学習言語は異なる
・学習言語にも、数学的な言語、生物学的な言語、社会学的な言語、と、分野ごとに特性が異なる
・例えば、数学言語に例外は存在しないが、生物言語では例外が有り得る。社会言語では主語述語の脱字のオンパレードで文脈から仮説する必要がある
など。
鍛え方も書かれていたので、子育てにおいて自分が今一度習得しておきたいと思った。
Posted by ブクログ
国語のセンスや読書量とは全く関係がない
事実を正確に読み解く「基礎的な読解力」
これらは才能ではなく純粋なスキル
若い時にこの考え方を知っておきたかった
自分は本当に正しく読めているのか
正しく伝えられているのか
これからのAI時代を生き抜くために
Posted by ブクログ
読み終えたのが、2026年7月。
私自身も国語が得意ではない体験があった。
この一冊で、読む「型」が存在する事が客観的に分かった。また、証明する方法としてRSTと呼ばれるテストは空いた時間に受けようと思ったほど。
現状でもChatGPTから、codexなどのエージェントAIへ「伝える」書き方が重視されている。
今後、より人間がもつ「伝える」能力を知るには
非常に良い一冊だと思います。
なにより
今、小学高学年の娘に、将来を見据えて、かみ砕いて是非伝えたい一冊でもあります。
Posted by ブクログ
既有知識に関係なく、正しく読めば誰でも同じ解釈になる文章を読む力。それがシン読解力だ。
筆者が『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』に続く問題意識として挙げている「教科書を正しく読む力」は、子ども達だけでなく大人にとっても必須の力であり、そもそも読めていないことを意識しにくい力である。
リーディング・スキルテスト(RST)は6つの領域でシン読解力を測るテストで、私は全国民が定期的にこのテストを受けて、その記録をプロファイリングしていけばいいと思う。
現在、小学校から高等学校で行われているキャリアパスポートよりもよい効果を発揮するだろう。
しかし、問題は値段が高いことで(1650円もする)。
これを個人や学校で費用を賄うのではなく、県や国レベルの公的な税金で行えば、社会全体の読解力の相当な引き上げにつながるのではないかと期待している。
筆者が新聞社などに記事の提供を求めているように、社会全体でシン読解力を底上げする気運を高めていきたいと感じた。
Posted by ブクログ
アハ体験というか、『そうか、こういう事だったか』という本が1年に1,2冊ある。
これはそういう本。
中学高校時代に問題が分からないのではなく、問題を読み解く事が難しかった。その時に出会いたかった本。
もう中高年ですが、もう一度この課題、挑戦します!
研究してくれて、そして、書いてくれてありがとう>著者
Posted by ブクログ
新井紀子先生の「シン読解力」を読んだ。先生の主張は学習言語(教科書や問題のための言語)と生活言語とは異なり、学習言語も科目によって違う。学習言語力は15歳くらいまでは成長とともに上がって行く傾向は見られるが、そこで頭打ちになるのが一般的。読書をすることによって、生活言語力は上がるかもしれないが、学習言語を意識して身につけないと、その科目が苦手科目になってしまう可能性があるというもの。巻末にドリルが少し付いていて、これはこれから取り組んでみたい。ただ、この話とは別に、前半にはAIの限界のような話が出てきて、要するに「良し悪しを明確に定義できないもの」例えば、「良い政治」とかは学習データに○×がつけ辛いのでモデル化しにくいという話と、外れ値の予測はAIが苦手というのは何となく分かった。前者ははっきりと◯×をつけられないとしても、多くの人が良いと思うものをベースに◯は付けられるような気がするけど、外れ値問題は統計処理をしている以上難しいのはよく分かる
Posted by ブクログ
なぜ 生成 AIは嘘を付くのか、人間の本質はどこにあるのか、生活言語と学習言語の違い、などを、従来の読解力とは異なる「シン読解力」を通して解説された良書。
この本は、親や企業の経営者など、誰かを育てる立場の人に是非読んでほしい。 AIに対する誤解や不理解が改められるだけでなく、AIを(依存するのではなく)武器として活用するために人間の強みをどう伸ばすのか、のエッセンスが詰まっている。
Posted by ブクログ
東ロボプロジェクトで知った新井先生、前作の『AI vs〜』は読んで不安になった覚えがあって、今回も何となく嫌だなと後回しにしてたけど、ようやく読んだら面白くためになった。
AIが一般的になってきているが、平気で嘘をつくのでその見極めのためにも読解力がいる。
いわゆる国語の読解力ではなく、教科書に書いてあるレベルのことをきちんと読み取るシン読解力が子どもだけでなく大人でも身についてない人が多い。
シン読解力を測る「リーディングスキルテスト(RST)」を開発したが、進学実績と相関関係があるとわかった。(有能な社員を採用するのにも有用、ちなみに多くの企業はSPIとは相関がないと言うらしい)
この読解力は才能ではなくスキル。訓練で身につけられる。
まず小3までに語彙1万語を身につけ辞書がひけるように。そして人のワーキングメモリには限度があるので負荷を減らす。その上でRSノートというトレーニング。
ただし伸びるのは15歳までかも…
話は変わるが、生活で使う言語と算数・国語・理科・社会それぞれで使われている言語は違う。(特色やクセがある、あるいは独自ルールがあるような感じ)
教科書はその道の達人が書いてる=その言語で書くので、教科ごとに使われる言語の特色やルールを理解していないとわかりにくい。
新井先生は数学(と体育)が大嫌いだったが、それは「数学の言語」を知らなかったからで、身につけたことで今では研究者に。
ーーー
私も数学がどうにもこうにもダメで文系に進んだんだけど、言語が違ったとは…思ったこともなかった。
文中に出てきたRSTの例題はほぼ正解できて一安心。
ただ訓練で身につくとのことだけど、低レベルを引き上げることはできても高レベルはやっぱり才能なんじゃないのかな。
ともかく教科書レベルをきちんと読み取る、教科ごとの言語を理解するというのは念頭に置いておきたいと思った。
Posted by ブクログ
・「生成AIの発展の過程において、人間らしい流暢な言語を操る見返りに、正確さを諦めた。人間は流暢な文章を目の当たりにすると、無批判無防備に受け入れてしまう傾向がある。」この指摘は、普段生成AIとのチャットを繰り返していて抱く違和感を端的に表現した分析で、深く腹落ちした。
・何かしらの補正があったと思われるが、生成AIに令和8年度の大学入学共通テストを解かせたところ9科目で満点を取ったという衝撃的なニュースを目の当たりにすると、少なくとも単一の答えのある問いに対しては平均的な人間の能力を遥かに上回る能力を兼ね備えている。著書内では令和6年度の大学入学共通テストをチャットGPTに解かせた結果が掲載されているが、単純比較はできないものの、生成AIは刻一刻と成長していることを実感させられる。
・解釈が一意に決まる文章を多くの人が読めていないという事実。著者の前著での読解力の重要性という提唱に対し、国語教育や読書量が重要という誤解が蔓延するコントのような皮肉。ただし、ここに教育改革や教育分野の空白地帯があり、著者の提唱する「シン読解力」は教育学における新たな研究領域の開拓の可能性を感じさせる。
・生成AIが我々の生活に不可欠な存在となった今、シン読解力は、学生だけでなく、法令やマニュアル、仕様書などの学習言語で作成された文書に囲まれている社会人にとって重要なスキル。受動的に文章を読み解くスキルを前提に、一意の文章を作成するスキルが重要と感じる。
社会人の基礎的なシン読解力を測る試験として、著書内に例示されるRSTのほか、公務員試験で採用される数的処理や文章理解は今の時代に理にかなった能力測定方法なのかもしれない。
・文章要約・作成はAIがその役目を負う時代がやってきつつあるが、人間側が学習言語を読めない、書けないことにはAIとの共存は前途多難に思われる。文章要約や文章作成の目的・ストーリーの最低限の基礎を人間が示さないとピントが外れた膨大な情報が返ってくるだけ。生成AIの出力データのチェックには人間の目が不可欠。
Posted by ブクログ
自身の読解力不足を感じていた為購入。文章の書き方や読解力について示した本。公の文章は誰がみても同じ結論に至るように作成されているが、理解できない人が一定数いる。それは文章を正しく理解する訓練をしてこなかったから。有名中学高校へ通う生徒へリーディングスキルテストRSTを実施したところ、総じて高点数。逆も成り立つというわけではないが。生活言語と学習言語は異なり、学習言語を学ばなければ成長は難しく、小5以上の成長は低いとの調査結果もある。
リーディングスキルを高めるためには新聞のリード文と内容について助動詞を加えるなどして一文に変換し、意味を成り立たせる訓練方法があり、3ヶ月もすると成長は認められた。
この本を読んで、同じ文章を読んでも正しく理解できない人、何度も忘れ物をする人は正しく文章を読めない可能性があること。また、読解力は訓練によって習得可能なスキルであるということを学び、文章の作成に興味が持てた
Posted by ブクログ
目から鱗な情報ばっかり!読んで良かったと思える本だった。テストでよく簡単なミスをして、「ちゃんと読みなさい」と怒られたことはよくある体験ではないだろうか。では、「ちゃんと読む」とは、どういうことなのか?この本が解決してくれる。
最初はchat GPTの仕組みについて触れている。ここも、面白かった!ビッグデータの蓄積だと思っていたが、そうでもないみたいだ!すべてがchat GPTに乗っ取られて、人間の仕事はなくなるのでは?と言われているが、chat GPTには限界があり、人間にしかできない仕事があると知ることができた。うまく付き合っていくために、このシン読解力が必要である。
Posted by ブクログ
なるほどと思う箇所が満載だった。自分がいかにネットニュースをさらっと読んだだけでわかったつもりになっていたかが判明し、ゾッとした。テストもやってみたけれど、できたものもあり、できなかったものもあり、正直難しいと感じた。本を読むことは好きなので少なからずショックを受ける。これから新聞をじっくり読み、何が書かれているのかを正しく理解するよう努めたい。また、この本を会社や組織のトップの人が読み、人を取る時の参考にしたら良いと思う。小学生のうちからさまざまなタイプの文章が読めるように、きちんと導いていくことの大切さを実感した。
Posted by ブクログ
試験で点数が取れない理由が分かった。
読んでるようで見落としてる、聞かれてる内容が把握できてない。そりゃ点数下がります。
東ロボは正確な情報のみ入力して作ったロボットだから分かる答えは正確に叩き出すが、チャッピーは滑らかなコミュニケーションに主眼があり、流れるような文章の為に正確さは棚上げした。だから平気で嘘をつく。
外れ値の取り扱いも難しい。固執すると全体の精度が下がるし、そもそも外れ値のデータは数が少ないので入手しにくいので失敗から学びにくい。
RSTテスト
学習言語というものがある。
生活言語が獲得されているからといって自動的に学習言語が分かるわけではない。
学習言語も教科によって特徴は様々。
教科ごとに学習言語が異なると意識しながら教えたり学んだりすると効果的。
小学校入学までに生活語彙を増やすには絵本の読み聞かせや童謡歌う、歌いながらお遊戯をするといったことで、体から語彙を獲得させるのはとても良いこと。東大ママの本では延べ一万冊読んだとある。
教科書の基準は「標準的な生活体験」それを元に抽象概念に進むが、現代は生活が多様化し過ぎていて、統一できない。
書く量が圧倒的に減っている。書く速さが遅くなる。筆圧が低い。2Bでしか書けない。
認知科学ではワーキングメモリにかかる負荷を「認知負荷」と呼ぶ。認知負荷には「今取り組もうとしている本丸の課題」そのものを解決する上でかかる「課題内在性認知負荷」とそれ以外でがかかる「課題外在性認知負荷」がある。普通の公立学校ではクラスの半数が本丸の課題に到達する前に「課題外在性認知負荷」でつまづいている。〜ページを開いて、ーの値を求めて。だけでなく、お腹減ったな、先生に当てられたらどうしようなども全て外在性に含まれ、キリがない。
何も支援しないと、エラーによる損失や時間の浪費、失敗による挫折に直面する子が出現。一方で支援すると、集中力が欠如したり、長期記憶が消失したり、成長機会を失うかもしれない。認知負荷がかかりすぎると子供が嫌な顔をするのでつい支援ツールを使いたくなるが、支援し過ぎると表層的学習にとどまり長期記憶活動を喪失するジレンマ。
本をたくさん読んでる私でも誤読が多かったなー。
Posted by ブクログ
①「AI vs 教科書の読めないこどもたち」②「AIに負けない子どもを育てる」に続き3冊目となるが、②の内容とほとんど重複した印象。日本語の文なんて読み書きできて当たり前だと思われているが、社会人も含めて多くの人が不完全な状態にあるのは経験的にも頷ける。これを否定する人は、よほど自分の読解力に自信があって、読めてない人の状態を想像できていないのであろう。書類や報告の内容もヘタな日本語を読まされると腹が立ってしまうが、確かにトレーニングが別途必要だと思った。筆者は生成AIの台頭に大変驚いたそうだが(東ロボどころか今や主席で東大合格できるようになってる)、AGIやASI、シンギュラリティは来ないというスタンスは変わっていない。情報の正規分布からいくと外れ値が必ずあるため教師データの準備に限界があり、ハルシネーションは避けられないと。こういった議論は2030年ころにはある程度決着がつくかもしれない。とりあえず現状2026年に入ってさっそくAIエージェントが実用化されつつあり、ミュトスが大きな話題となっている。
実際のRSTの例題が今回も出ており、トレーニング方法も示唆されている。新聞の見出しを意識して読むなど、実践してもよいかと思った。
ところで生活言語と学習言語が根本的に違うなんて周知の事実かと思っていた。学校で習う英語も口語と全然違ってるし6年習ってネイティブの5歳レベルにも達しないのだから、これは古典や漢文などと同じように「課目」であるとしか言いようがない。手探りアクティブラーニングやノートを使わずプリントで済ます教育現場の問題指摘ももっともだ。タブレットなど画面だけ見て覚えられるなら誰も苦労しない。読めることと書けることには雲泥の差がある。
そしてRST問題05の東日本大震災の同義文判定は明らかにおかしい。大震災で津波の危機管理対応を担う庁舎が浸水したとあり、ここでは浸水の理由が津波と書かれていないため同義文ではないと書かれている。じゃあ大震災で他に浸水する理由って津波以外に存在するのか?液状化?洪水?水道管破裂?そんな前例は無いし、こんな理由で同義文としないならコミュニケーションとしての言語は役割が著しく制限されてしまうだろう。悪文と立ち向かうべき境遇は文学だけで十分だ
Posted by ブクログ
『シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方』を読んで
本書を読むと、「教科書が読めるかどうか」が、学力から社会に出たあとの働き方まで、大きな分岐点になっていることがよくわかる。
新井紀子さんが構築した「リーディングスキルテスト(RST)」という診断テストのデータをもとに、「読解力」の本質を、学術的にも、実務的にも、整理し直す一冊だ。
とくに印象的だったのは、「教科書が読めない子どもの話」が、「仕様書や文書が読めない社会人」へとそのままつながる構図だ。
本書の骨格と要点
RSTは、係り受け、照応(指示語の指し示す相手)、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定の6つの観点で、「事実を伝える文章」がどれだけ正確に読めるかを測るテストである。
これを使って、全国の子ども・大人を対象にした大量のデータが示され、「能力値1.5未満」の人は、教科書や問題文の意味を正確に読み取れないため、学力が伸びず、志望できる進路や職種がかなり制限される、という傾向が示される。
ここで「学習言語」というキーワードが登場する。
それは、日常会話よりも厳密で、条件や例外・前提を明示し、できるだけ曖昧さを減らした形で書かれる、教科書やテスト・新聞・文書の言葉の使い方を指す。
つまり「学ぶための言葉」が、人間の認知的限界のなかで、どれだけ論理的に圧縮されているか、という視点が本書の中心にある。
私の読解スタイルと、本書の関係
職場で「この文書・仕様書が読めない」と口に出すと、だいたいは「条件分岐・限定・前提」が、ワーキングメモリの限界を超えているのが原因だと感じてきた。
一方、自分は、文章を音読しながら読むやり方ではなく、視空間的に「論理構造の図」をイメージし、そのうえで「どの部分が前提で、どの部分が条件で、どの部分が結論か」を優先順位づけて読むスタイルを、かなり自然に身につけている。
この読解スタイルは、本書で言う「シン読解力」に近いと感じた。
「文をなぞる」のではなく、「構造を押さえる」。
「一部の語や接続詞を、自分の論理構造図に結びつける」。
そうした動きが、教科書や仕様書を、「読める・読めない」という二元的な区別から、「どの段階まで読めるか」の連続的な構図へと、うまく変えてくれていると考えている。
AI時代の「読む力」
AIが文章を書くようになった今日、「書く力」より「読む力・検証する力」が重要になっているとも、本書は示唆している。
AIは、とれることは書ける。ふわっと整った文章を、高速に生成できる。
しかし、条件の抜け、例外の考慮、その場での前提の変化を、きちんと追いかけて読めるかどうかが、実務上の違いを大きく分ける。
RSTで「能力値2.0以上」の人は、AIが出してきた文章を、自分の「論理構造図」に合わせて、どこが前提・どこが制約・どこが結論かを、1文ずつ確認し直す作業を、自然に意識しながらやっている。
一方、能力値が1.5未満の人は、AIが「流暢な文章」を出すことに「もう読めている」と感じてしまい、抜けや前提のゆるさを見逃しやすい。
本書は、「読解力」を、国語のテストで止まらず、「学力と人生を決めるもうひとつの読み方」として、視野を広げた上で、自分の読解スタイルを確認するためのマップを、読者に与えてくれている。
Posted by ブクログ
いままで説明文とか記法が専門的だなと漠然と思ってたけど、その理由がわかっておぉってなった
エンジニアは(エンジニアに限らずかもだけど) 仕様書やレファレンスやソースコードのコメントやslackのやりとりやあらゆるところでシン読解力的な読み書きが必要になるので、これを意識できるとコミュニケーションも捗りそう
Posted by ブクログ
「シン読解力」とは文章を正確に読み解く力、と言う。それを測る「RST」(Reading Skill Test)と言う読解力のスキル測定があり、その分析を基にスキルアップの方法を伝授している。今後のAI(チャットGPT)との共生で倍増できる能力をつけることに効果ありという。但し「シン読解力」とは生まれつの才能であると注釈付きだが、「正しく解釈しさえすれば、誰もが同じ認識にたどり着ける」を前提としたトレーニングを提唱している。気になったのは「新聞が読めない大人」が多くいる、と言う。下記にその例題を3つ掲げた。果たして正解を出せる人はどれくらいいるだろうか。
問題1:ガソリン車からEVへの大転換「EVシフト」は、自動車部品の製造に欠かせない工作機械にとって、EV部品の増産に向けた設備投資や、新たな加工に対応する為の機械更新といった大きな需要が期待できる機会だ
質問「この文章において当てはまるものはどれか選択しなさい」
1、EVシフト 2、工作機械 3、EV部品の増産 4、設備投資
問題2:雇い主が働き手に最低支払うべき時給「最低賃金」の今年の引き上げ額をめぐる議論が26日、始まった。過去4年は政府の旗振りの下で年3%のベースで引き上げられてきたが、今年は新型コロナウイルスによる経済への打撃を踏まえて政府や経済界から慎重論が出ており、「3%」は見えづらい情勢だ。
質問「( )に慎重論が出てきる」( )は次のどれが入るのか
1、3%の引き上げ 2、最低賃金 3、最低金銀の引き上げ 4、ベース
問題3:前202年、農民出身の劉邦が中国を統一して漢を建国し、郡県制と封建制を合わせた郡国制を採用した。前2世紀の武帝の時に最盛期を迎え、朝鮮半島やベトナム中部にまで支配を広げ、また北方の匈奴を破った。
質問「武帝の時に最盛期を迎えたのは( )である」 ( )に入れるものはどれか
1、劉邦 2、漢 3、郡国制 4、農民
問題1:答えは2、問題2:答えは1、問題3:答えは2
Posted by ブクログ
最後まで興味深く読むことができました。
とても良かったので、家族にもおすすめしました。
そして私は助詞の使い分けが苦手で、誤読しがちという問題点にも気づくことができました。教科書は非常に多くの角度から考えられて作られており、その教科ごとの読み方があり、適切に読むことができれば、きちんと理解に繋がるというのは大きなポイントでした。小学生の時にこの事実に気付けたらとも思いますが、日頃から文章の読み書き練習、新聞の意味を掴む練習をしていきたいと思います。
Posted by ブクログ
読解力を向上させたく、事前知識のないなかで手に取りました。
本を読んでも読解力は向上しないとのことで、私はショックを受けました。
巻末にトレーニング方法が記されていましたがもう少し種類があったり、一人でやれるものがあったりすると私は良いなと感じました
Posted by ブクログ
国語が得意で趣味は読書。私自身は、読解力にそこそこ自信も有ったのに‥本書に出てくる問題。例題と分かってるから慎重に考えたけれど難しかったし、咄嗟に聞かれたら間違えそうな苦手分野が有って、過去数々の失敗(恥)の理由に今更ながらに思い当たる。子どもは勿論だけど、大人こそ「リーディングスキルテスト(RST)」を活用して、「シン読解力」のトレーニングをすべきですね。がんばろ!
Posted by ブクログ
自分自身の読解力を上げたいと思って読み始めたが、想像していた内容とは少し違った。
本書の中心は、大人が自分の読解力を伸ばす方法というより、子どもの「教科書など、基本的に解釈が一つに定まる文章を正確に読む力」をどう伸ばすか、という話だった。家庭でできる具体的な訓練方法はそれほど多くなく、「学校教育の中で取り組むことが望ましい」という内容が多いため、どちらかというと教育者向けの本だと感じた。
一方で、子どもが特定の教科だけ苦手な場合、単純にその教科の知識が不足しているのではなく、「その教科特有の文章の読み方」が身についていない可能性がある、という視点は面白かった。
たとえば、国語は問題なくても数学の文章がうまく読めない、といったことが起こり得る。親として子どもの「苦手」の原因を考える際に、こうした可能性があると知れたのはよかった。特定の教科だけ苦手な子どもを持つ親なら、読んで損はないと思う。
読解力テストが収録されているのも面白い。ただ、テストの直後に正解が目に入ってしまう構成なのは気になった。正解を読んでから問題に答えることになりかねないので、そこはもう少し工夫してほしかった。
また、エビデンスとして多くのデータが示されている点は良いのだが、説明がかなり長く、読んでいて「結局、何が言いたいのかを先に教えてほしい」と感じる場面も多かった。研究者らしい丁寧さではあるものの、一般読者向けとしてはもう少し結論を簡潔に示してもよかったと思う。
特に気になったのは、終盤の大手2社を比較した部分。RSTで測定する「シン読解力」をやや重視しすぎているように感じた。シン読解力の高さと企業の生産性を結びつけて解釈しているが、生産性に影響する変数は当然ほかにもあるはずだし、企業や職種によって必要とされる能力も異なる。一概にシン読解力だけで説明するのは難しいのではないかと思った。
また、実際に読解力を鍛えるための訓練内容が少なかったこともあり、少し意地悪な見方をすれば、RSTを受けてもらうための入口となる本のようにも感じてしまった。
冒頭はAIについての話が多く、すでに知っている内容も多かったため、個人的にはあまり興味を持てなかった。一方、後半の「教科書をどう読むか」という具体的な話は興味深く、本書で最も印象に残った部分だった。
総じて、自分自身の読解力を伸ばしたい大人が、具体的なトレーニング方法を求めて読む本としてはあまり向いていないと思う。一方、教育者や、特定の教科だけ苦手な子どもを持つ親にとっては、「その子は本当にその教科が苦手なのか。それとも、文章の読み方につまずいているのか」と考えるきっかけになる本だと思った。
Posted by ブクログ
・人生で大事なこと。日本語を正しく読解すること。それを強く感じた一冊
・文章が読めなくなったのは活字離れが進んだからではないことを、事実ベースで描かれていたため、ロジカルに納得できた
・スマホが普及し、誰でもSNSを触る機会が増えた現代において、昔よりも文字を読む機会は格段に多くなっているはず。
・小説ばかり読んでいて気づけなかったが、読書の本質は現代の新しい知識を入れることなんだなと改めて考えさせられた一冊だった
・苦手な教科が出てしまうメカニズムと、苦手教科への対処法について、人との関わり方にも応用が効くのではないか。人と関わるために、2人で共通の言語を獲得する。辞書に載っている言葉の意味だけでは通じ合えない2人の中だからこそ通じ合う言葉。言葉とは本当はそういうものであろう。
・問題は半分程度しか正答できなかった。日本語の受け取り方の勉強になった
・「和文数訳」は英語はできるけど数学はできないのような方に、うってつけの学習方法であると感じた
Posted by ブクログ
5年前に読んだ「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の感想に「AIの本来の意味は人工知能だけど、今普通に使っているAIは「AI技術」の事。ディープラーニングも人間が教師データを設計してる訳で、AI技術の絶大な進歩のお陰であらゆる事が便利になったりはしても、コンピュータはあくまでも計算機でありシンギュラリティ(人間の能力を超える)は起こり得ない」と書いたが、その後ChatGPTなどの生成AIが出てきて、このところしきりに汎用AI(AGI)、超AI(ASI)なんて騒がれている中での新井先生のご意見は?との関心持って読んだが、やはりシンギュラリティは無い、と。
安心して良いのやら。
Posted by ブクログ
本編にたくさんの練習問題があって、最初は解けたから私の日本語は大丈夫だと思って安心したけれど、後半は全然解けなかった。解説を読んで納得したものもあるし、説明を読んでもよくわからないところもあった。
慣れていないトピックの文章は、思っていたより理解できないのかも、ということに気づかされた。
気づいたけど、じゃあ自分の日本語力どうしたらいいのと思っても、自分でどうにかする方法は書いてない。
学校や企業でみんなでトレーニングする方法などは載っているけど。
AIが生活に深く入り込んできている今、文章を正確に書く、読んで理解する、というスキルは今まで以上に大切になってくるんだな。
さて、私の日本語はどうしようかな。
Posted by ブクログ
読む力とは文章を理解する技術ではなく、「前提を疑い、構造を捉える思考力」だと教えてくれる一冊。情報が溢れる時代、表層的な理解では判断を誤る。経営においても、数字や言葉の裏にある意図や前提を読めるかどうかが意思決定の質を左右する。読解力は国語力ではなく、ビジネスの基礎体力だと痛感した。