すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
言わずと知れた名著『純粋理性批判』のさわりを少しだけ。
人間の経験を経験たらしめる秘密のベールを紐解いていく。超自然的で形而上学的な概念や存在は我々の直感を超越してしまうゆえにそのブレーキの効かない理性に制限を作る、というよりも焦点を絞ると表現した方が適していそう。
時間と空間がアプリオリに与えられているからこそ感性が生まれ、主観と客観が入り混じるこの「世界」で体験を得ることができる。
物自体を見ることは不可能、その懐疑的思考が後の現代哲学を生み出す礎石ともなっている。
もちろん、批判哲学というすべての理性に対する基礎的学問を生み出すカントの言い分にはフッサールの現象学にも通じる。
ヘーゲルは -
Posted by ブクログ
『2020年のロマンス詐欺』
『五年目の受験詐欺』
『あの人のサロン詐欺』
『詐欺』という言葉と辻村深月のジャンルの広さに身構えて読み始めました。
どれも読後は強張った肩の力が抜ける感覚を覚えている。
やはり人は1人では生きてはいけないと思わせてくれました。
解説の一穂ミチのいう『深月の一刺し』はよくわかる。
何気ない言葉が心に刺さって離さない。
お気に入りは『あの人のサロン詐欺』かな。
『五年目の受験詐欺』も思わぬ方向へいって楽しめた。
『2020年のロマンス詐欺』の
"だけど 、人は目的や理由がなくやりたいことがあってもいい。"
刺さりました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ帯に挙げられた『N』は、全六章をどの順で読んでもよいというコンセプトだったが、6!=720通りのうち1通りしか読んでいない。本作『I』は、全二章をどの順で読むかによって結末が変わるという。読み方はたった2通りしかない。
本作は、二つの章が上下逆転して印刷されており、どちらの章も本のほぼ中央から読み始めることになる。そのため、巻頭に置かれた約束事を読んでおらず、読み終えた後に早とちりしてしまった。約束事に注意して、読み返してみると…。
二つの章は、それぞれ物語として完結しているし、どちらも重い。ネット上にネタバレを公開しないようにとのお願いが載っているが、自分が読んだのは多くの人が命を -
ネタバレ 購入済み
神の悪戯で魂弾き出され体験者のネネデリアちゃんとその兄アルバーノ、元のベルラを想ってくれてたの切ない。
人の目に映らない魂、目で見える仕草や態度、観点こそ違うけど見破れば戻るんだから神が試してるってことかねぇ。
それはそれとしてベルレナとして魔法修行も始めて、仲良し父娘がさらにキャッキャしててよき。
パパ友ニコライドさんご本人も遊びに来て楽しいようで何より。
思い出の故国で息抜きお出かけベルレナに、ちゃんとニアミスして気づくアルバーノくん有望だなぁ。
憑依ベルラは推しと育んだ絆をゲーム脳で潰してしまわないかハラハラするー。むしろ惚れてるから後年ヤバくなるんか…? -
Posted by ブクログ
Audible!!
湊さん、ついに闇が尽きたんかい!w
『告白』、『母性』に続く三作目の聴書です。
なのでエグい心理サスペンス的なノリを勝手に抱いていたんだけど、いい意味で裏切られた!
前半は『殺人犯の手記』メインで淡々と進んで、宗教、家族の問題、盗作等々で湊作品らしい重たい雰囲気。
後半は雰囲気がガラッと変わり、『作家のフィクション』が語られ始める。
手記とフィクションが重なったり、ずれたりしながら、徐々に収束していく構成が見事で、気付けばどんどん物語に吸い込まれていきました。
そして二つの物語には共通の想いが込められていて、、(T . T)
重たいテーマなのに、優しさと愛が後に
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