平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第一部(上)

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    ショパンとサンド夫人は、愛し合っていたのかと思っていたんだけど、この本を読むと、壊れないようにお互いが気を遣っていて息苦しい関係だったように思える。
    ショパンが純粋で優しい。
    ショパンもドラクロワも体調が悪く「どこもかしこも病人だらけ」。
    そういえば、最初の葬式シーンにサンド夫人は出ない。
    ドラクロワはデュマのファンなのか、「家でモンテクリスト伯ばっかり読んでる」らしく、自分も同じものが好きで嬉しくなった。しかし、ショパンともども「面白い、それだけ」という感想。病人には「疲れなくて済む」作品が必要だと共感した。

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    2023年06月15日
  • ご本、出しときますね?

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    若さま一人のエッセイのほうがだんぜん面白い。
    暗くて、ネガティブで、面倒臭い部分がいいのだ。
    聞き役にまわると、気を使う感じが透けてみえるから

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    2023年06月07日
  • サロメ

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    ネタバレ

    先輩に薦められて。視線のドラマ。人は誰しも「悦びに呪われている」というのが引っかかる本でした。


    <平野啓一郎解説>
    ・今回、私に《サロメ》の新訳を依頼したのは、演出家の宮本亜門氏
    ・「古典を権威にまで堕落させ」、新しい「美」の創造に対して古典を「棍棒として」振り回す保守的な読者への揶揄
    ・ワイルドのサロメは、もっと少女的で、愛らしい。強いて言えば純真。

    ・ヨカナーンの言葉は、大別して三種類
    ①人間ヨカナーンのつぶやき②預言者としての言葉③預言そのもの

    ・その無邪気なアプローチには、「ヨカナーン!お前の体が愛おしい。」と正直に語ってしまうような、母親譲りの欲望が露わになっている
    ・サロメ

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    2023年06月04日
  • ある男

    購入済み

    ある男

    この小説のミステリーな部分とあったかい部分の割合が心地よかったです。
    じんわりあったまる感じが。

    人ってびっくりするようなことが自分に起きたら、実際はこんな感じなんだろうな、て気がしました。
    この微妙な感じをうまーく表現出来ていて、引き込まれたんだと思います。

    家族の在り方てほんとそれぞれだけど、そこに心を乗っけるか乗っけないかでまるっきり行き先違うんだなぁ、て再確認した作品でした。
    フィクションだけれどもこの家族がうまくいくように応援して祈りました。

    #ほのぼの #泣ける #切ない

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    2023年05月17日
  • 死刑について

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    「決壊」、「ある男」の2作を読んだ後だったのでより、考えながら読めた。
    自分の大切な人が殺された時、目を逸らしたくなるような事件を知った時、殺されたのが一人だった時、大量殺人だった時。
    わたしはその犯人に対して「生きて償え」と思うのか「死んで償え」と思うのか。
    考えさせられた。決して他人事ではない。

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    2023年04月10日
  • 死刑について

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    深く考え込んだことがなかったので読んでみて新たな認識や発見ができた。
    日本の人権教育は失敗している点と憲法について確かにそうだと思った。

    死刑制度について変わる時が来るだろうか。

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    2023年03月30日
  • 「カッコいい」とは何か

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    筆者の博識と分析力には、常々、感嘆の念を禁じ得ない。カッコいい!という表現を考察した文章だが、、非常にレベルの高い内容で、読み応えがあった。

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    2023年03月08日
  • 決壊(下)

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    平野啓一郎二作目。
    どのカテゴリーにもカテゴライズされない作品を描く人だなと思った。
    作品については感想が思いつかない。

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    2023年01月17日
  • 「カッコいい」とは何か

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    平野啓一郎さんの本で小説以外は初読。
    最後は主観でしかないはずの「カッコいい」についてトコトン考察する本。

    最後の方で、クールジャパンといって、国がカッコよさを煽る姿勢自体が「カッコ悪い」とぶった斬る。

    ビートルマニアの自分としては、『アトランティック•クロッシング』(大西洋横断)の章が一番おもしろかった。

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    2022年11月22日
  • 「カッコいい」とは何か

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    感想
    人類が持つ共同体の規範を遵守する傾向。それが感情と結びつき生じるカッコいい。法律や不文律の成熟で多様化した価値観。今後も枝分かれ続ける。

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    2022年10月10日
  • かたちだけの愛

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    平野さんの本も三冊目。

    前回読んだ本が結構私の中ではSF的だったので
    今回は、普通な設定(そうでもないけど)で良かった。

    形だけの愛というか、女の、女優のプライドというか理解できないけど、いろんなことを足し算したりしながらする恋愛っていうのは、やっぱりなんだかね~と思いながら聞いた本だった。

    面白かったけど展開はかなりゆっくり。

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    2022年10月04日
  • 葬送 第一部(下)

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    ネタバレ

     ソランジュとクレザンジェの結婚からサンド夫人との決別に至るまでテンポよく物語が進んでいく。
     クレザンジェの策略成功のために奔走する様は彼の感情の浮き沈みも相まって面白かった。
     この下巻で気がついたのは以下の3点。
     ①ソランジュの許嫁であったプレオーについて、サンド夫人がその「潔さと未練との入り交じった」「誤字だらけの文章を綴って」きた彼を「娘婿に迎えるのはいかにももの足らぬ青年だった」と断じているシーン。フランス人が(日本人でもそうかもしれないが)言語を大切にし、その扱い方によって人を見てその人となりを判断しているということを表した部分だと思った。上流階級に属し、さらに自身が作家である

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    2022年10月02日
  • ご本、出しときますね?

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    若林さんと人気作家さんとの対談形式の本です

    作家さんって孤高な存在のような気がしていたけど、
    みんなそれぞれ(いい意味で)普通に人間なんだなって思いました。

    創作活動の話も聞いてみたかったですが、
    ゆるい内容だったので1日で読めました。

    ここから興味を持った方の
    著書を読んでいこうと思います!

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    2022年09月16日
  • 葬送 第一部(上)

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    ネタバレ

    『葬送 第一部 上』
     音楽家・ショパンと画家・ドラクロワを取り巻く人々の物語。
     ショパンの葬式から始まり、そこに至るまでの3年間に何が起こるのかが気になり読み進めていく。
     第一部の上巻は人物説明・描写も多めにとられている印象であるため、少し進みが重たい感じもしたが、後半から徐々に物語に動きが出てきた。
     心に引っかかったのは主にドラクロワの言葉。
     「(アングル派の絵を指して)絵の中にはある奇妙な時間が流れている。たるんだ時間とも言うべき時間がね。」
     これはいかに自分自身が絵画を描くために生き生きと情景を捉え、表現しているかを説いている場面。
     「(今の若い画家を指して)絵は決して語ら

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    2022年09月14日
  • ドーン

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    人類初の有人火星探査を成功させた主人公が隠す火星探査の2年で起こった出来事が徐々に解き明かされ、その出来事が近日行われるアメリカ大統領選に影響を与える、みたいな話。
    僕らが暮らす現実世界で、接する人毎に対応の仕方を変えるように(一部の人は裏表無い人柄という評価のもと清廉潔白な顔をして自己をどこに対しても通す狂人がいるけれど)、この物語では自分の姿形や性格さえも手術によって自在に変化させることができるみたい。すごい。

    SF小説でよく思うのは著者がイメージする近未来的な世界、特に今ない技術を読者が正しくイメージして物語を読むことができるかが重要だよなァ、っていうことで、これはものによって結構難儀

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    2022年09月17日
  • 決壊(上)

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     単なるバラバラ殺人を扱ったミステリーにはしたくないというような作者の強い拘りがあって、主人公のエリート、崇に小難しい事を語らせているのだろうが、崇の頭の中の描写とそれ以外のレベルの高低差が大きく、こちらの、先を読み進めたい気持ちと、崇の言わんとする事をキャッチしたい気持ちが噛み合わず、せっかくの面白さが減ってしまったように思った。

     赦し、死刑、ネット社会、今にも決壊しそうな人間関係、マスコミのあり方、捜査の仕方など、扱っているテーマはよくあるものだった。となると、やはり崇の存在が、同じようなテーマを扱う小説と一線を画しており、彼の考察は必要となるのだろうか。

     最も印象に残り、共感でき

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    2022年08月15日
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって

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    政治的な思想には人それぞれで、筆者のお二人の思想に必ずしも共感しているわけではないですが、文学にからめての話など、興味深かったです。

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    2022年07月23日
  • ある男

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    アイデンティティを揺がす一作

    「ある男」というタイトルは不確かな人物を指す筈だ。そんな曖昧で内容がなかなか見えてこないタイトルが故に「ある男」とはどんな奴だ?と気になり、さらには映画化も決まっているということで手にとってみた。
    「ある男」というのは奴のことを差しているのだと思うが、正直なところ、その「ある男」は特別何か光って見えるとかそんなものではなく、日常のどこかに溶け込んでいるような平凡な人物であったなぁというのが私の受けた印象。
    ではなぜ奴を「ある男」と呼んでいるかというと、名前を偽って生きてきていたからだ。
    奴がしていたように、もし私の妻が名前を偽って、さらには戸籍を他人と交換して生きてきたのだとしたら私はどう思う

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    2022年07月04日
  • 「カッコいい」とは何か

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    カッコいいとは何か。歴史、世界的な視野、定義、表面的なことと実質的なこと、政治利用に至るまで幅広く網羅して漏れてるものが何もなさそう。

    ぎっちり詰まって400ぺーじ強。なかなか濃かった。これで1000円ならすごく安く感じる。

    同姓同名かと思ったらある男(小説)の作家さんか!!すごいな!!笑
    知識量と分析能力と情報をまとめる力凄まじいな…

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    2022年11月09日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    ネタバレ

    殺人事件の遺族が主催するミシュカの森で死刑反対を語る平野啓一郎氏~家族を失う。喪失感に浸る。対応すべき現実がある。喪失と立ち直りの間で揺れる時。グリーフケア、さりげなく寄り添い援助する。事件や事故の報道。死者が出る。遺族の気持ちは図りしれない。第三者でいてはいけない。我々の社会で起きたこと。準当事者、二・五人称で受け止める。遺族というカテゴリー。そこは共通だが、それとは違う属性がある。遺族もいろいろ、思いもいろいろ。一律に見てはいけない。ケアに答えはない。ささやかな6人のメッセージ。示唆されたままに受け止める。

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    2021年10月04日