平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第一部(下)
     ソランジュとクレザンジェの結婚からサンド夫人との決別に至るまでテンポよく物語が進んでいく。
     クレザンジェの策略成功のために奔走する様は彼の感情の浮き沈みも相まって面白かった。
     この下巻で気がついたのは以下の3点。
     ①ソランジュの許嫁であったプレオーについて、サンド夫人がその「潔さと未練との入...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    若林さんと人気作家さんとの対談形式の本です

    作家さんって孤高な存在のような気がしていたけど、
    みんなそれぞれ(いい意味で)普通に人間なんだなって思いました。

    創作活動の話も聞いてみたかったですが、
    ゆるい内容だったので1日で読めました。

    ここから興味を持った方の
    著書を読んでいこうと思います!
  • 葬送 第一部(上)
    『葬送 第一部 上』
     音楽家・ショパンと画家・ドラクロワを取り巻く人々の物語。
     ショパンの葬式から始まり、そこに至るまでの3年間に何が起こるのかが気になり読み進めていく。
     第一部の上巻は人物説明・描写も多めにとられている印象であるため、少し進みが重たい感じもしたが、後半から徐々に物語に動きが出...続きを読む
  • ドーン
    人類初の有人火星探査を成功させた主人公が隠す火星探査の2年で起こった出来事が徐々に解き明かされ、その出来事が近日行われるアメリカ大統領選に影響を与える、みたいな話。
    僕らが暮らす現実世界で、接する人毎に対応の仕方を変えるように(一部の人は裏表無い人柄という評価のもと清廉潔白な顔をして自己をどこに対し...続きを読む
  • 死刑について
    著者にしては(私の先入観かな)わかりやすい文章で薄めの本で読みやすかった。
    私も死刑反対派だけど、これは極めてデリケートで難しい問題。
    遺族感情を思えば、過半数が存置派を支持しているのもうなずける。
    果てして、自分の身内が殺害されても廃止派でいられるだどうか…。
    ただ、死刑をもってそれで終わりにされ...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    不条理で不気味な特殊設定ミステリのまま進むのかと思いきや、他の方の感想をチラ見する限りでは後半はヒューマンドラマ路線に舵を切る模様?
    うーん……それだったら別に続きはいいかなって気持ちもあるし、でも結末を知りたい気持ちもあるし。
    迷うー
  • 決壊(上)
     単なるバラバラ殺人を扱ったミステリーにはしたくないというような作者の強い拘りがあって、主人公のエリート、崇に小難しい事を語らせているのだろうが、崇の頭の中の描写とそれ以外のレベルの高低差が大きく、こちらの、先を読み進めたい気持ちと、崇の言わんとする事をキャッチしたい気持ちが噛み合わず、せっかくの面...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    またしても読み方の本。
    ゆっくり深く読むことで、記憶にも残るし技巧も分かるし、いいことだらけだよ、といった内容。

    作家ゆえ、違和感や間の作り方、冒頭などなどに注力してる、というのが具体的に述べられていて面白い!これからの読み方がちょっと変わってくる。
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって
    政治的な思想には人それぞれで、筆者のお二人の思想に必ずしも共感しているわけではないですが、文学にからめての話など、興味深かったです。
  • ある男

    アイデンティティを揺がす一作

    「ある男」というタイトルは不確かな人物を指す筈だ。そんな曖昧で内容がなかなか見えてこないタイトルが故に「ある男」とはどんな奴だ?と気になり、さらには映画化も決まっているということで手にとってみた。
    「ある男」というのは奴のことを差しているのだと思うが、正直なところ、その「ある男」は特別何か光って見え...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
    カッコいいとは何か。歴史、世界的な視野、定義、表面的なことと実質的なこと、政治利用に至るまで幅広く網羅して漏れてるものが何もなさそう。

    ぎっちり詰まって400ぺーじ強。なかなか濃かった。これで1000円ならすごく安く感じる。

    同姓同名かと思ったらある男(小説)の作家さんか!!すごいな!!笑
    知識...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    上巻はとにかく息が苦しい感じがする。苦しいけどその先に何があるのか、読み進めて主人公と一緒に何が待ってるのか確かめたくなる。
    その我慢が出来れば、下巻からはあっという間。
    生きにくい世の中だからこそ、読んで欲しい。
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    本は早く読めた方がいいのかな~と漠然と思ってたけど遅くてもいいんだよと、自分らしく読めばいいのよと励まされた気がしました。確かに読書は楽しいからするものだから急がなくていいんですよね、ゆっくり自分のペースで想像をふくらませながら時に脱線しながらでもひとつの本をじっくり味わう事が大切なんだと教えてもら...続きを読む
  • マチネの終わりに
    なかなか難しい表現が多く、理解するのが大変でした。
    大人の恋愛小説だと感じました。全体の作品としては素晴らしかったです。
  • マチネの終わりに
    1冊の本を読むのに2週間近くかかったのは久しぶりでした。いつもはだいたい2〜3日。
    3冊くらいを同時進行で読むって事も理由だけど、文章も好きで続きも気になっているのに、何故か手に取るのは別の本。という日が少なからずありました。ただただ恋愛小説が苦手なんだなと痛感…。こんなに魅力あふれる本でさえ。

    ...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
    「カッコいい」をその語源、語感、語用の変遷から、類語から掘り下げて考察。クール、男らしさ、ヒップ。しびれる感覚。ここまで、こだわって論が展開されると、どうも著者と対話したくなり、自らの思考がノイズとなる。これは私の悪い癖であるが…。

    例えば、「カッコいい」とは、そのタイミングの価値観に基づく妄念。...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    カントとかヘーゲルの時代にプリンターはなかった、今の人間は昔の哲学者より遥かに本を手に取りやすい状況だけど、取り立てて人類の知能が上がった訳でもない
    だから読書は質で 量じゃない

    なんて事を読書記録アプリに書き込む皮肉
  • マチネの終わりに
    自分が一番愛した人とは違う人を、人生の伴侶に選んだなら。
    あの時、あの行動を取らなかったら。
    もしかしたら、今と違った人生だったとして、それは幸福か?
    恋愛だけでなく、色々な面での運命を考えざるを得ない。
    どの道を選んだにせよ、あるいは勝手に決められてしまった道にせよ、その中で自分がどう考え、昇華さ...続きを読む
  • マチネの終わりに
    ずっと読みたいと思ってた本。
    やっと読み終わった……。
    読みやすくはないけど、読み応えはある。
    そして読んでると自分がちょっと頭良くなったような感じがする笑
    もっと世界のこと、ちゃんと知っていこうって思えた。
  • 空白を満たしなさい(上)
    分人をテーマにした小説。
    私とは何か  という別本で連載されている分人主義という考え方を小説で表現している。