平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(上)

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    ネタバレ

    身近な人を亡くした人なら誰でも、生き返ってくれたらどれだけよいか、また会えたら話せたらどれだけいいか、何度も空想すると思う。復生者という概念は完全なるファンタジーなのに、それを通じて、人の死の儚さにとことん現実的に向き合っている不思議さ。平野さんの哲学的でじっくりと思考している小説が本当に好きだ。

    実際に復生者が現れてしまったら、大切な人を亡くしたひとはその人が帰って来る日を待ち望んでしまって、それこそ現実世界に戻れないんじゃないだろうか。

    ↓かなり冒頭の文章だけど、本当に死の儚さを綺麗に切り取った表現。
    「生きている人間は、日々活動して新しい。変化し、豊富になる。昨日とは違うことを感じて

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    2026年05月25日
  • ある男

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    最近軽めの本を続けて読んでたからか、
    読み終わるのに時間がかかった。

    おもしろくて、最後は少し泣いた。
    また読みたいなと思える作品。

    音楽の描写が多く、予備知識として知っていたら、
    もっとのめり込めるのかなと思ったので、
    いつかまた読むときは調べながら読むのもいいかもしれないと思った。

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    2026年05月21日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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     「本当の自分」という、実体のない不可侵の塊を探すのをやめさせてくれる本だった。一貫したたった一つの「個人(インディビジュアル)」として生きるのではなく、対する相手や環境ごとに生まれる複数の「分人(ディビジュアル)」のネットワークとして自分を捉える。この視点は、真面目に生きようとするほど息苦しさを感じる現代において、非常に実用的な思考ツールになる。

    ●「一貫性」の呪縛からの解放
     世間では「裏表のない人」が美徳とされるが、本書は相手によって態度やキャラクターが変わることを「不誠実な嘘」とは呼ばない。親といる自分、職場の自分、趣味の仲間といる自分。そのどれもが「本物の自分」であるという肯定は、

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    2026年05月16日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    文学作品を味わうためのマスターキー。
    自己認識や対人関係のヒントとしては元より、氏の小説をはじめ文学全般を読む上で鍵となる一冊。汎用的な副読本としても常備したい。
    「分人」の視点を通して文学作品にふれると、物語はより広く「読みしろ」を開放し、豊かな問いを読者に投げかけてくるかもしれない。

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    2026年05月14日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    比較的手広く読書してきた積りでしたが、平野啓一郎という作家や、分人という概念を、この新書を読むまで全然知りませんでした。2012年に刊行されて、すごく話題になったらしいのに、全くアンテナに引っ掛からなかった。不甲斐ないです。
    『ドーン』や『空白を満たしなさい』を早速読もうと思う。
    20年以上付き合いのあったグループとの関係を断とうと思っていた矢先に、この本を読見ました。不快な思いを抱いたまま、人間関係の縛りでダラダラ続けるのは、あまりに不合理だと理解できて、スッキリしました。

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    2026年05月11日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    上下巻の構成とは知らずに上巻だけ買って一気読みしてしまい、待ちきれず途中駅でわざわざ下車して下巻を買った。本当に面白かった〜〜
    一つ一つの描写で、自分が日々当たり前に見ている景色、考えていることがよりクリアに的確に表現されていく感じ、読んでいて気持ちいいなと思う。
    分人主義についての本を読んだことがあったので考え方自体は元々知ってはいたけど、自殺についての見方は新しくて、且つ納得感があった。
    あと、直前に原田マハの『たゆたえども沈まず』を読んだおかげで、ゴッホの肖像画のくだりがより一層深みを増したように思う。
    佐伯は結局何者だったんだろう。
    平野啓一郎の本、好き!

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    2026年05月09日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    自分の中に分人は果たしていくついるだろうか。
    幼い頃から感じていた違和感がこの本を読むことで腑に落ちた。各場面で性格は変わらないしろ振る舞いは変わるので、気疲れする原因が突き止められた気がする。色々な面があるけど自分は一つ。

    愛の章は取り分け響いた。他者を愛することで自分も愛せる。自分の中の分人がどんどん大きくなっている。それで全てを埋め尽くさないようにしないといけないけど難しい問題だと思う。

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    2026年05月08日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    相変わらず分厚いな〜と思って表紙を開いた瞬間、目に飛び込んできた『空白を満たしなさい(上)』の衝撃は忘れられない
    そしてやはりこの人の本が好き!感想は下巻の方に書く

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    2026年05月06日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    人物名を覚えるのが苦手で数年前に小説を離脱したという話をしたら、友人がオススメしてくれた一冊。
    久しぶりの小説にしてはボリューム多めだったが、内容はとても好みだった。
    主人公2人を中心に、自身の経験と重なる部分があったり経験したことのない感じ方があったりと、共感や発見の多い読書体験だった。
    また小説を読み始める気がする。

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    2026年05月05日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    小説を読むとき、なぜその登場人物が必要なのか、なぜその場面設定が必要なのかまで考えながらゆっくり読むと良いらしい。年間〇〇冊読んでいるなどがもてはやされるが、読書体験としては1冊を丁寧にゆっくり読むことも大事にしたい。

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    2026年05月01日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    ◼️小説を飲むときのアプローチ「四つの質問」
    ①メカニズム:なぜ面白いのか?話を動かしている仕組み
    ②発達:作家の人生の中のタイミングや変化の過程
    ③機能:作者と読者の間で持つ意味⇒単純化したものがジャンル分け
    ④進化:社会や時代の雰囲気から受けた影響(文学史的アプローチ)
    ◼️小説は小さな矢印(主語+述語)の集合で、大きな矢印(プロット)がどちらに向かっているかを確認すると全体像を掴みやすい
    - プロット前進型述語→:話を展開させる
    - 主語充填型述語←:主語の情報を増やす

    何作かの小説を解説する実践編がどれも面白くて、特にミルチャ・エリアーデの「若さなき若さ」の、なりたかった自分となり得

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    2026年05月01日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    著者は、すべての人間は空気を読んで所謂「キャラ」を演じ分けているのではなく、接する他者との数だけ「分人」が存在すると本作。
    唸りながらの読書体験でした。平野啓一郎さんの著書を、実はあまり読めていないので、これから読んでいきたいと思いました。

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    2026年04月29日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    生き返るというテーマは何度もドラマや本で描かれているが哲学やミステリーも絡めた構成は見事。後半につれ勢いも加速し下巻への読書欲も引き上げられた。
    さぁ、下巻へ。

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    2026年04月21日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    分人という概念をもっと早くに知っておけば、これまでの人間関係の悩みのいくつかは解消されていただろう。

    相手との関係性の産物として分人が生まれ、個性は各分人によって構成されると筆者は述べている。(この概念を言語化できる筆者さすがです!)
    ある特定の人物に対する分人に嫌悪していたいとしても、好きな人に対する分人の構成比を増やすことで、自分を守っていきたいたなですね。

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    2026年04月21日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    ・難しくて途中でやめてしまおうかと思った。半分あたりまで進んでもイマイチ乗れず、けど辞めずに正解だった
    ・『消失点』で一気に引き込まれて本を置くのがイヤ!ってくらいに続きが気になり過ぎた

    ・早苗の行動が私には理解できないし、許せないけど、結局は言う通りなのかもしれない。あのすれ違いがなくて2人が結ばれたとしても、主役と主役の人生ではうまくいかないのかもな...と最後に思ったのは悔しかった。
    ・物語の内容以外にも戦争の事やリーマンショックの事とか勉強になった。と同時に色々な事を考えさせられた。

    ・心の繋がり、心の話をした時に通じ合える相手はこの世界にどれだけいるのだろう?「この話したいな」と

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    2026年04月20日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    『わからない』

    20代後半〜30代前半。結婚して子供が出来た。
    幸せな気持ちの一方、20代前半に友人達と築いてきた自分と別人になった気がした。
    「結婚して変わった」「つまらない」冗談まじりの言葉に笑ってごまかす自分が嫌になった。自分が分からなくなった。
    20代も後半になって自分を見失ったことがショックだった。
    本当の自分という幻想を取りはらうのに少し時間がかかった。
    その時々で出会う人や環境との分人(それぞれの自分)の集合体が自分、その比率によって変わっていくのが当たり前。その時々の自分を認めていきたい。そう思った。

    『私とは何か「個人」から「分人」へ』 平野啓一郎 を読んで。

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    2026年04月17日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    知人に勧められて読むことになったが、そのときは「分人」は「出会う人によって変わる個性」のように説明を聞いていた。言葉として理解はしていたが、読んでみてまっと分人とは何かが実感を持って理解できた。自分が思っていることや違和感を単語一つで解消してくれた。さらに、「人は環境によって作られる」よりも性善説的な考え方で個人的には背中を押された気分になった。

    流石小説家、物語でも読むかのように読みやすく分かりやすかった。平野啓一郎さんの小説もいくつか紹介されており、彼の作品は正直読んだことないが読みたいと思った。

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    2026年04月15日
  • マチネの終わりに

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    思わず読み入った。
    すれ違いこそあるが、純粋にお互いを思い、恋焦がれている2人を読みながら、一喜一憂して読み進められた。
    綺麗な物語でした。

    (再読)@Audible 20260411
    やっぱり綺麗な文章だった。
    一読目のあとに映画を見たため、福山雅治と石田ゆり子の絵が浮かんでしまうのが最初は好ましくないと思っていたけど、途中から一切気にならなくなり、むしろイメージが深まりよかった。
    聴く読書で泣けるとは思っていなかった。
    時間を空けてまた読みたい一作。

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    2026年04月11日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    まさに「本当の自分とは何か」とか「ペルソナの切り替えが自分は苦手だなぁ」とか思っていた最中に知人が貸してくれた本。
    分人という概念はきっと今後の私の人生において大事なものになると思う。
    そして印象的だったのが「恋」と「愛」の話。私はどちらかというと谷崎潤一郎の「恋は性欲」「愛は母性」という考えに共感した。彼の本を読んだことがなかったので、これを読んでいなければ出会えなかった考え。
    他にも随所に他の作家の小説やエッセイを挙げており、ぜひ読んでみたいなと思わされる。
    個人ではなく分人。私は分人を大切にしたい。

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    2026年04月11日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    個人よりも細分化された自分(=分人)
    その分人の集合体が私個人。
    色んな面(分人、私)があるものだ。

    幼馴染に対しての振る舞い、目上の方へ、親兄弟へ、たまに会う親戚、大学で出会った人へ、同僚として知り合った人へ、好きな人へ、信用してる人へ、苦手な人へ、深く関わりたくない人へ、
    その人を目の前にした時の こちらの心の開き具合はバラバラ。嫌な自分だって出てくるというもの。
    嫌な相手だっているのだから笑
    違う自分で接していて当たり前じゃないか。

    全く違う真逆の自分になるのも自然なことではないか。
    また、3歳の自分と10歳の自分と30歳の自分では立場も責任も、考え方も人生経験も社交能力も、
    何もか

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    2026年04月10日