平野啓一郎のレビュー一覧
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10年以上も前の本だが、普遍的な概念の提示をしてくれる本書。
結構、人間観が変わると思う。
人を「個人」(individual:分けられないもの)として考えるから色々複雑になってしまうのではないか、という問題意識から、人の中には複数の分人(dividual:分けられるもの)があるのではないか、とい...続きを読むPosted by ブクログ -
こんなに心動かされる恋愛小説は初めてかもしれない。途中でとても陰鬱な気持ちや焦燥感襲われるようなな気持ちに出来事があったけど、それを全部ひっくるめて感動に変えてくれる美しい話だった。人が運命的な出会いをするとどうなるのだろう?やはり運命っていうのは神様がもたらしてくれる奇跡で人生の中で運命というべき...続きを読むPosted by ブクログ
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筆致が美しい、平野さんらしい作品。
前半部分だけでは、蒔野の想いは理解できるが洋子はなぜ蒔野に惹かれたかがよく分からなかった。
後半にかけて、そのなぜが解明されてきて2人が時間や立場を越えて特別な関係であることが分かる。
読者の方には共感出来ない、世界に入りにくいと感じる人もいると思う。
過去が今を...続きを読むPosted by ブクログ -
これ以上分割できないものとして近代西洋哲学の概念の基礎となる個人(indivisual)に対し、平野啓一郎さんが対人関係毎に異なる自分があり、その総和が自分であるという分人(divisual)の考えを提唱した本。
【場面ごとに異なる自分】
平野さん自身が経験した違和感として、以下のような場面により...続きを読むPosted by ブクログ -
たった3度の出会いで変わってしまった過去と未来、とても広大な三角関係。戦争や精神病、その他色々の情勢のより深く知ってたらもっと面白かったのかな、にしても三谷の気持ちは凄くわかる
卵が奪われた親鳥の気持ちの様な...けど洋子側が不憫すぎる結局1人になったのはダメだよ...Posted by ブクログ -
あの人といる時の自分。この人といる時の自分。自分が持ってるいろんな顔。実際にあの人やこの人の顔を浮かべながら、その発想に新鮮さを感じたり、なるほどねと納得したり。なにかで苦しくなった時、こういう考え方が助けになるかもしれないなと、やっぱり読んでよかった本です。Posted by ブクログ
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本書で平野啓一郎氏が提起した「分人」という新しい概念は、対立概念の「個人」に囚われた考え方から解放し、
新しいものの見方、捉え方を提案し、現代社会での様々な苦悩への解決策になると感じた。
この「分人」の考え方は自分が悶々としていた「感情や思考、嗜好が矛盾する自分」に対して、今までに出会った言葉の中で...続きを読むPosted by ブクログ -
2024.2.21
高校ぶりに読み返した
運命論を描いていると思うが、もう少し単純であれば、薪野と洋子がそれぞれの苦悩を相手に預けられれば、2人が結ばれる世界線は守られたのではないかと思う。
でも、この小説で何度も唱えられる、「過去の記憶は変えられる」がお守りにもなるし、悲劇における幸福をしっか...続きを読むPosted by ブクログ -
◾️内容
人間の単位を「個人」から「分人」へ
「本当の自分」つまり自我が一つであると言う幻想は捨てよ
対人関係においてさまざまに変わる自分を「分人」とし、複数の分人の構成比率で私を成立させていると考える
◾️自分なりの解釈
そうするといいことがたくさんある
・「あの人、裏では〇〇してて、本当は変な...続きを読むPosted by ブクログ -
以前、平野啓一郎さんの提唱する分人という考え方を使った話を聞いたことがあって、ずっと気になっている本でした。ようやく読めた!
この個人を唯一のものとしない、分人の集まりと考えると、色んな自分がいるということに納得がいき、色んな自分がいることに安心できる。
言葉一つ、考え方一つで、こんなに気がラク...続きを読むPosted by ブクログ -
平野啓一郎氏が提唱する分人主義という思想は、対人関係において「本当の自分」に悩まされてきた私たちの心を軽くしてくれる考え方である。本書を通して、その相手と一緒にいる時の自分(分人)が好きになれるような人間関係をたくさん築いていきたいと思えるようになった。Posted by ブクログ