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全国で生き返る「復生者」たち。その集会に参加した徹生は、自らの死についての衝撃的な真相を知る。すべての謎が解き明かされ、ようやく家族に訪れた幸福。しかし、彼にはやり残したことがあった……。生と死の狭間で「自分とは何か?」という根源的な問いを追究し、「分人」という思想が結実する感動長編。
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「空白を満たしなさい」
2022年6月25日~ NHK総合 出演:柄本佑、鈴木杏、萩原聖人
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1~2件目 / 2件
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Posted by ブクログ
上下巻の構成とは知らずに上巻だけ買って一気読みしてしまい、待ちきれず途中駅でわざわざ下車して下巻を買った。本当に面白かった〜〜 一つ一つの描写で、自分が日々当たり前に見ている景色、考えていることがよりクリアに的確に表現されていく感じ、読んでいて気持ちいいなと思う。 分人主義についての本を読んだことが...続きを読むあったので考え方自体は元々知ってはいたけど、自殺についての見方は新しくて、且つ納得感があった。 あと、直前に原田マハの『たゆたえども沈まず』を読んだおかげで、ゴッホの肖像画のくだりがより一層深みを増したように思う。 佐伯は結局何者だったんだろう。 平野啓一郎の本、好き!
最後の最後まで結末がわからず、ハラハラしすぎて本当に見てられない、、眩しくて残酷な運命の中でどう行き、どう死ぬのか。分人主義を切り口に、人が生きるとは、死ぬとはを深く感じさせる小説
すごく面白い小説でした。 前半と後半が別の話のような展開ですが、最初から最後まで展開が多くて一気に読み進められました。 「死」とは何か? 「肉体的に無くなること」「人の記憶や様々な記録から無くなること」など、色々と定義されますが本の中でも登場人物が様々な解釈をしています。解釈は人それぞれで答えなん...続きを読むて無いのかもしれないですね。 主人公ほど若い頃ではないものの、私も父親を亡くしています。大切な人が死ぬことで悲しみ苦しみますが、それを最初に癒して慰めてくれるのは作品でも言及がある通り「ある程度の時間」でした。そして、いつまでも悲しんでいられずに、大切な人の死を受け入れて普段通りに仕事をしなければならない。強引に戻した日常に揉まれて、少しずつ大切な存在が薄れていく。 残酷な現実の中で働いて生活していかなければならならい、感情のコップに水が溢れそうなときに大切な人の死を思い出すと水が溢れてしまいます。 上手く言えないけれど、思い出すタイミングは残された人が決めて良いのだと思います。何かに迷ったときは「あの人ならどうするか?」、少し心細いときは「あの人なら何て言葉をかけてくれるか?」、生きている日常で感情がいっぱいいっぱいのときは思い出すトリガーとなりそうなものから少し距離をおいておく事も大事なのかもしれないです。 そうやって死者との距離感が上手くなっていくことで、人はやっと大切な人の悲しみや苦しみを乗り越えられるのだと思います。
人にはいくつかの分人が存在する。 家族や友達、同僚、上司と。 それぞれと接する時の自分はテンションや気の使い方も異なっていていろんな自分がそのにいる。 どれが本当の自分なのか。 幸せであっても疲労は溜まるし嫌いな自分は消したくなる。 この装丁はなぜゴッホなんだろうという謎も納得。 ゴッホのいろんな顔...続きを読むと自殺の真実が物語と結びついて後半はかなり面白くなってきました。 そして、終わり方に鳥肌、、。 りっくんを抱きしめる直前に消えちゃったってこと、、? 彼の悔いが残った空白が満たされたから消滅したのかな。 2回も大切な人がいなくなるなんて耐えられないけど、これを読みきって生の尊さが身に染みました。 死んだものは蘇らないから生は尊い。 今を大事に噛み締めた生きなければ。
この人はえげつないものを書くなーと毎回思わされる。小説であり哲学書でもあるような。 同著の『私とは何か』を読んだことがあったから文人主義の理解は容易かったけど、この概念を復生者のレンズでみるって言うのはほんとに面白い。 なんかまたすごい本に出会ってしまったなぁ。 しばらくは余韻に浸ろう。
衝撃的なストーリー 哲学的であり、心理学的であり その都度納得の内容にため息が出る ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている ただ、切ない 分人という考えにも納得ではあるが すべてひっくるめてのその人で 自分でも考えれば 何個の分人を抱えているか数えきれない なんともせつない 生き返った意味...続きを読むがあったから 生き返ってやることがあったから 生き返ってきたのだろうか そうでなければ 危険人物も蘇ってしまうわけで‥ 閻魔様の悪戯なのか だとしてもせつない 璃久ちゃんのどんぶらっこは はたして父を運んできたのか これからの父への暗示なのか? 今もどこかでこんなことが おこっているのではないかと 思わずにはいられない
氏の分人の概念が、小説内で存分に開陳される。なるほど。個人的には既知のものなので、特に違和感なく物語の重要ポイントとして味わえたけど、結構唐突に出てきたな、っていう気がしないこともなく…。上巻に比べたら文学感が増したけど、それでもやっぱり、ミステリやSF的にも楽しめた。素敵。
上巻は推理小説みたいに読んでいたんだけど、下巻は生きるってなんだろうとずっと考えながら読んだ。「死は傲慢に人生を染めるべきではない」という話と、分人についての考え方は、すごくいいものもらった‼︎って感じ。
スッキリした
下巻に入り、謎が次々と明かされていく。 少しずつ記憶が呼び戻され、周りの人との対話の中で考え方も変わっていく。 分人の考え方や表紙になっているゴッホの考察も面白かった。家族の在り方もそれぞれだけど、主人公の母親の言葉には深いものがあった。毎日を大切に生きていきたいと思える本だった。
#アツい #感動する #深い
気がつくと3年が経過し、徹生は一度死んでいた。 徹生だけでなく、日本では復生者として一度死んだ人が生き返る現象が起き始める。 当時の検死では自殺と判断された。 しかし、「自殺なんてあり得ない。誰に殺されたのか?」というミステリー調で物語は始まる。 ミステリーを好まないので身構えこそしたが、読み...続きを読む進めるうちに、平野啓一郎の思想である「分人主義」や深い「死生観」へとテーマが移り変わっていく。分人主義を小説という形式に落とし込んだ作品とも言える。 印象に残った一節を3つ抜粋したい。 まずは、死生観について。 「どんな人生でも、死に方にさえ立派であれば、立派な人生だ。――それは人を破滅させる思想です。」 第二次世界大戦中の惨劇、ホロコーストの舞台であるクラクフにて思いを巡らせながらこの本を読めたのも良かったかも。 日本には切腹を美徳とする文化があり、森鴎外の「阿部一族」のように、その価値観を感動的に描いた作品もある。しかし、文化や時代が変われば、その「美徳」は一変するし、共感も肯定もされないだろう。 とは言え、当時の倫理観が自死を肯定するならばその時代精神を全否定出来るだろうか。当時を生きた人々には、その時代ならではの当事者の苦悩や価値観は汲み取るべきであろう。 環境次第で、人は驚くほど残酷にもなれるし、自らの倫理観を見失うこともある。そんな脆弱さを認めた上で、死に方で人生を美化してはいけないと結論づけたい。 次は分人主義に関して素敵な一説があったので引用を。普段から引用するものの読んだことないので、またの機会に読んでみたい。 「自分のことをまるごと肯定する、まるごと愛するというのは、なかなか出来ないことです。 よほどのナルシストじゃ無い限り、色々嫌なところが目についてしまう。"しかし、誰かといるときの自分は好きだ"、と言うことはそんなに難しくは無い。 その人の前での自分は、自然と快活になれる。明るくなれる。生きていて心地が良い。全部じゃなくとも、少なくとも、"その自分は"愛せる。だとしたら、分人を足場に生きて行けばいい。もしそう言う相手が、2.3人いるなら、足場は2つになり、3つになる。だからこそ、分人化という発想が重要なんです。」 最後の引用は、疲労と幸福に関して。 我々体育会系は、とかく「Do my Best 」や限界まで追い込むことに美徳を感じがち。 だからこそ、この文章で自分の努力の尺度について再考の必要性を感じた(今は何も努力せずに遊んでるだけなのに大層なことを書いてる自分が恥ずかしい笑)。 「こんなに疲れるまで働いてるんだから、僕は胸を張って、幸せになっても良い気がしました。今の時代、人に誇れる本物の幸福は、お金でも運でも無く、疲労で手に入れたものじゃないか。」 「どんなに幸せでも、みんな疲労に加算されてしまう。晩婚化で人生の『幸せな出来事』が30代に集中している事実と、30代の自殺の多さには因果関係があるのでは無いだろうか。」 忙しいこと、疲れていることを、自分の価値や努力の証明にしてしまう。 「不安に対してやり切ること」だけが美徳ではない。頑張りすぎている友人や、いつか休息の必要性に気づくはずの未来の自分へ、この視点を伝えてあげたいと思う。 幸せになるために疲弊し、その疲労を正当化してしまう矛盾。 まさに今の時代を生きる私たちの危うさを鋭く突いてきてますね!
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空白を満たしなさい
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平野啓一郎
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