平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第二部(上)

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    ネタバレ

    ショパンの演奏会のシーンが素晴らしい。
    個人的にはバカみたいに鍵盤に指を叩きつけるような演奏が好きなのですが、ショパンの考えたピアノという楽器の使い方を聴いてみたくなった。

    その後英国に移り、ショパンの体調は悪化する。
    あんなもん、スターリング嬢に体調を悪化させられたようなものだ。
    ショパンかわいそう。。。

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    2012年03月18日
  • 葬送 第一部(上)

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    冒頭のシーンに惹かれ読み始めた。
    サンド夫人の意固地さにちょい引き気味。
    カタカナの名前は苦手だ。

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    2012年03月10日
  • 決壊(上)

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    優秀で世界を冷淡に見つめる兄と平凡な日常を愛する弟。テーマは犯罪といえば結構シンプル…かもしれないが。犯罪はあくまで題材であり、テーマは宗教観や世界観といった領域にまで踏み込んでいる。上巻は、ストーリがようやく進みだしたといった内容。

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    2012年03月26日
  • 決壊(上)

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    順風満帆と思える生活の中で自殺願望を抱く兄、妻子がいながら満たされず疑念を抱く弟、隠居生活でうつ状態に陥る父、周りから浮いてしまっている中学生、そこに<悪魔>が忍び寄り、決壊が始まる。
    ***
    一回読んだだけでは理解できていなかった、崇の内省的な苦悶や哲学的な思索の数々が、<悪魔>の登場後に改めて浮かび上がってきて、これからどう結集していくのか楽しみ。
    複数の視点からの描写や喩えを含んだ文章の連続に、想像を刺激され続けて読んだ感がある。人の多面性と某国をダブらせたり、言葉による拘束など面白いアイデアがいっぱいあった。

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    2012年02月06日
  • 葬送 第二部(上)

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    ネタバレ

    天才音楽家ショパン。
    生きたいと願いつつも病に冒されてゆく「生」。

    ショパンの友人であった天才画家ドラクロワ。
    老いを感じいつか訪れる死を感じながら生きる「生」。

    この本はショパンやドラクロワの生きた1800年代においても2000年を過ぎた現代においても共通する主題で描かれている。それは「生と死」についてであり、芸術論であり、人間関係である。

    ショパンという偉大な天才もドラクロワという偉大な天才もひとりの人間として描かれている。
    当時彼らは200年先の現在においてこれほど有名であるとは知らず、いち音楽家としていち画家としてその天才に翻弄されながら現代と同じように凡人と同じように人間関係に

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    2011年03月09日
  • 葬送 第一部(下)

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    ネタバレ

    解説に作者のことばとして
    「ある真理を明示的に分割してひとつひとつの要素で描き、それらが読者の心の中であわさった時、直接的には表現しにくい複雑な真理がいきいきと理解されるように試みた」とある。

    なるほど、丹念な状景描写や心理描写は総合的に相まって、読者(私)が抱えている言い表せない心情を言い表してくれているように感じる。
    私は物語というよりは自分が言わんとしていることを的確に言い表している文章を綴る作家が好きである。
    私がイメージとしてしか包有出来ないものを言葉として文章として掲示してくれるというのは、私には感動的なことである。

    たとえば、ドラクロワの創作に対するやる気と倦怠について思い悩

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    2011年03月09日
  • 葬送 第一部(上)

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    ネタバレ

    [ (注) 思ったこと感じたことをそのまま勢いで書いているので読みにくく、まとまりがないかもしれません。ご勘弁を。]

    まず装丁。
    大抵は単行本の方が良いのだけど『葬送』は文庫の装丁の方がいい。
    たぶん単行本の方はショパンのイメージなんだろうと思う。軽やかで繊細で華やかで。
    それに替わって文庫本の方はドラクロワのイメージ。
    単行本の装丁の色みより文庫本の色みの方が内容に合っていると私は思う。

    第一部(上)はあの有名なショパンの肖像。
    第一部(下)はこちらも有名なドラクロワの自画像。下部には薄らと『サルダナパールの死』
    第二部(上)はジョルジュ・サンドの肖像。本来ショパンの肖像と同じカンバスの

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    2011年03月09日
  • 葬送 第一部(上)

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    ショパンに関する小説で、これほどのものはもう誰も書くことはできないだろう。この完成度に圧倒される。

    とにかく文章が美しい。
    言葉のひとつひとつが選び抜かれ、表現の精緻さが際立っている。
    その選ばれた言葉はこれでしかありえないという洗練であいまいで表現しにくいニュアンスを余すとこなく伝える。
    それは登場人物の背後の蝋燭の炎のチラチラとした揺らぎまで感じさせるほどだ。この精緻さに圧倒される。
    速読や乱読は許されない。これはじっくりとそして何度も読み返すべき本だ。

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    2011年01月19日
  • 葬送 第一部(上)

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    冒頭、ショパンの葬儀の様子。本編は、ジョルジュ・サンドと不仲になり始めた頃のショパンから葬儀の少し後までのお話。ショパンとドラクロワという2人の芸術家の視点をメインに、周囲の人々の視点からも時代を浮き彫りにしていく。語り手の移行の滑らかさと正鵠に描かれている感情が素晴らしい。また、ドラクロワの芸術論が秀逸。

    0
    2010年09月08日
  • 高瀬川

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    3/6
    「氷解」は上下二段で別の視点人物から物語を描いており、二人が共有する世界を描くときだけ中段に文字が置かれる。
    言説/内容にもう一つの観点が用いられるようになった現代小説の先鋒。
    青山真治の解説も秀逸。

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    2010年03月08日
  • あなたが、いなかった、あなた

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    2/3
    文学の限界を超える。
    三重の構造になっていたり(「『フェカンにて』」)、同じ言動をする人物の背景だけ変えてみたり(「母と子」)。

    0
    2010年02月03日
  • 葬送 第二部(下)

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    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    病躯を引きずるように英国から戻ったショパンは、折からのコレラの大流行を避けてパリ郊外へ移った。起きあがることもままならぬショパンを訪なう様々な見舞客。長期にわたる病臥、激しい衰弱、喀血。死期を悟ったショパンは、集まった人々に限りなく美しく優しい言葉を遺す。「小説」という形式が完成したとされる十九世紀。その小説手法に正面から挑んだ稀代の雄編。堂々の完結。

    ショパンの死からその後の処理までで物語は終わる。
    この巻になってからは泣き通し。
    いろんな感情が入り交じってしまって、あげくにはしゃくり上げつつページをめくる。

    この「葬送」はもう一度最初

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    2010年04月23日
  • 葬送 第二部(上)

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    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    千八百四十八年二月、大好評を博したショパン六年ぶりの演奏会の一週間後、フランス二月革命が勃発する。民衆の怒涛の奔流は、首相の解任、王の退位を実現し、共和国を生み出した。貴族達の惑乱と不安、活気づく民衆。ショパンは英国に移るが、過酷な演奏旅行を強いられ、体調は悪化する。一方ドラクロワは、ある画家の評伝の執筆にとりかかる。時代の巨大なうねりを描く第二部前編。

    もう入れ込みすぎていて
    「ショパン」の史実に基づいて書かれた小説だというのを忘れてしまう。
    こんなこと続けたらショパン死んじゃうじゃない!
    とか
    本気で怒りながら読んでいる自分がいる(汗)

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    2010年04月22日
  • 葬送 第一部(下)

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    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    彫刻家クレザンジェは、ソランジュに求婚し、その母サンドはこれを了承した。病床にあったショパンは、ドラクロワとともに深い危惧を抱く。その彫刻家の軽佻・利己・浪費といった性行を知っていたからだ。事実、彼は二十万フランもの不動産を持参金という名目で略取しようとしていた。そして…。荘重な文体が織りなす人間の愛憎、芸術的思念、そして哲学的思索。感動の第一部完結編。

    第一部の上はショパンのお葬式からはじまり
    第一部の下はそのショパンとジョルジュ・サンドとの破局までが描かれてました。

    とっても人間関係がおもしろくなってきて
    第二部がとっても楽しみです。

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    2010年04月22日
  • 葬送 第一部(上)

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    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ社交界に現れたポーランドの音楽家ショパン。その流麗な調べ、その物憂げな佇まいは、瞬く間に彼を寵児とした。高貴な婦人たちの注視の中、女流作家ジョルジュ・サンドが彼を射止める。彼の繊細に過ぎる精神は、ある孤高の画家をその支えとして選んでいた。近代絵画を確立した巨人ドラクロワとショパンの交流を軸に荘厳華麗な芸術の時代を描く雄編。

    普段いかに簡単な本しかよんでいないかが露呈するぐらい「読む」ことに苦戦した1冊。
    本屋さんで平積みになっている文庫をみて
    「あれ?これショパンの肖像画???」
    っていう動機だけで購入したも

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    2010年04月22日
  • ウェブ人間論

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    まだ、半分くらいしか読んでいないのですが、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」が面白かったので、本屋で目にした瞬間にレジに持っていっていました。 これも、面白いです。文学者の平野啓一郎さんの話も、私の知らない世界のお話(一応、私、文学部出てるんですが)で新鮮です。 ウェブの世界の使い方を、考え直してみたいと思います。

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    2014年11月13日
  • ディアローグ

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    タイトル通り対談集だが、普段「小説」という、書くことの美しさを追求する場所に表現されている(している)ものからは感じ取れない、著者の人となりを知ることができる。筆の言葉を持つ人の、口の言葉は興味深い。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(下)

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     ついにショパンが逝ってしまう。第一部の冒頭がいきなりショパンの葬儀なわけだから分かりきったことなのだけど、死のシーンの喪失感は本当にすごい。第一部から長く長く続くこの小説を読み続けた人は、きっとこの感覚が分かると思う。ショパンが死んだという実感がすごく湧いてくる。
     「創作とは最も死に近づく行為」であるとしても、その行為によって芸術家自身が幸せになれるようなものであってほしい。

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    2009年11月19日
  • 葬送 第二部(上)

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     2部は革命が絡んでくる。それから、ショパンの死期を早めたといわれるイギリス行。前々からスターリング嬢というヤツはバカじゃないかと思ってたけど、なるほどそういうわけだったのか……。空気読めないっぷりが痛々しい。
     全てにおいて丹念な描写なのに無駄がないのがすごい。ショパンのリサイタルのシーンは圧巻の描写力。音楽が文章になっている!?!?

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    2009年11月19日
  • 葬送 第一部(下)

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     ドラクロワが作者の思索を請け負いつつ、ショパン側では人間模様が激しく入り乱れ、面白くなってきます。クレザンジェはイヤなヤツだけどなかなかの策士っぷり。むしろ私はサンド夫人のほうが腹立った。

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    2009年11月01日