平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第二部(下)
    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    病躯を引きずるように英国から戻ったショパンは、折からのコレラの大流行を避けてパリ郊外へ移った。起きあがることもままならぬショパンを訪なう様々な見舞客。長期にわたる病臥、激しい衰弱、喀血。死期を悟ったショパンは、集まった人々に限りなく美しく優しい言葉を...続きを読む
  • 葬送 第一部(下)
    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    彫刻家クレザンジェは、ソランジュに求婚し、その母サンドはこれを了承した。病床にあったショパンは、ドラクロワとともに深い危惧を抱く。その彫刻家の軽佻・利己・浪費といった性行を知っていたからだ。事実、彼は二十万フランもの不動産を持参金という名目で略取しよ...続きを読む
  • 葬送 第二部(上)
    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    千八百四十八年二月、大好評を博したショパン六年ぶりの演奏会の一週間後、フランス二月革命が勃発する。民衆の怒涛の奔流は、首相の解任、王の退位を実現し、共和国を生み出した。貴族達の惑乱と不安、活気づく民衆。ショパンは英国に移るが、過酷な演奏旅行を強いられ...続きを読む
  • ウェブ人間論
    まだ、半分くらいしか読んでいないのですが、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」が面白かったので、本屋で目にした瞬間にレジに持っていっていました。 これも、面白いです。文学者の平野啓一郎さんの話も、私の知らない世界のお話(一応、私、文学部出てるんですが)で新鮮です。 ウェブの世界の使い方を、考え直してみたい...続きを読む
  • ディアローグ
    タイトル通り対談集だが、普段「小説」という、書くことの美しさを追求する場所に表現されている(している)ものからは感じ取れない、著者の人となりを知ることができる。筆の言葉を持つ人の、口の言葉は興味深い。
  • 葬送 第二部(下)
     ついにショパンが逝ってしまう。第一部の冒頭がいきなりショパンの葬儀なわけだから分かりきったことなのだけど、死のシーンの喪失感は本当にすごい。第一部から長く長く続くこの小説を読み続けた人は、きっとこの感覚が分かると思う。ショパンが死んだという実感がすごく湧いてくる。
     「創作とは最も死に近づく行為」...続きを読む
  • 葬送 第二部(上)
     2部は革命が絡んでくる。それから、ショパンの死期を早めたといわれるイギリス行。前々からスターリング嬢というヤツはバカじゃないかと思ってたけど、なるほどそういうわけだったのか……。空気読めないっぷりが痛々しい。
     全てにおいて丹念な描写なのに無駄がないのがすごい。ショパンのリサイタルのシーンは圧巻の...続きを読む
  • 葬送 第一部(下)
     ドラクロワが作者の思索を請け負いつつ、ショパン側では人間模様が激しく入り乱れ、面白くなってきます。クレザンジェはイヤなヤツだけどなかなかの策士っぷり。むしろ私はサンド夫人のほうが腹立った。
  • 文明の憂鬱
    平野啓一郎は、文体が好き。スコーンと頭に入ってくる。エッセイとなるとなおさら。所謂「文明論」ではないけれど、現代社会への平野氏なりの切り口が面白い。
  • 葬送 第二部(下)
    愈々ショパンの容態が悪化。友人たちが見守る中、ただ一人パリを離れるドラクロワ。ショパンと彼を取り巻く友人たちの痛々しげな様子よりも、やはりドラクロワの苦悩の描写に惹かれました。何か奇想天外な展開がある訳でもないのに文章の巧さだけで4冊読ませる技術が凄い。
  • 葬送 第二部(上)
    冒頭から始まる、ショパンの演奏会の描写で一気に引き込まれました。文字から音楽が聞こえてくるような。その演奏を是非とも聞いてみたいと思いました。あぁ、あの当時に録音技術があれば。他には、ドラクロワの語る「芸術とは」「才能とは」が印象的でした。著者の考えを一番代弁しているのが彼なのかな、と思います。
  • 文明の憂鬱
    最新の技術や社会問題、著者のこれまでの経験などを
    私のような凡人にもわかりやすく、的確に表現されています。
    現在の世界に対して持つ、「ちょっと変じゃない?」という感情をしっかりと理論立てて説明してくれている、という感じです。
  • ウェブ人間論
    ウェブ進化論を読んだ方にはおすすめ。対談自体がそれを読んでいることを前提にしているので、読んでいないとちょっとつらいか。
    梅田氏よりも平野氏の方がネットをよりポジティブに見ている点が意外というか世代的なものを見た気がする。
    個人的には本質的にネットは身体で言う神経系でしかないので社会に対する影響...続きを読む
  • 葬送 第一部(上)
    ショパンとドラクロワの交流を描いた作品、、、と一言では言い尽くせない内容。
    ドラクロワの芸術観にはものすごく共感を抱けます。
  • 葬送 第二部(下)
    死が色濃くこの最終章を彩ってた。死について、そして生きるということについて、いろいろと考えさせられた。考えるという意味では、いろいろなことを考えさせられた。例えば、芸術について、愛について、恋について、愛の表現について、革命、政治、名誉、音楽、絵画、仕事、死ぬこと、生きること、友情、生きるということ...続きを読む
  • 葬送 第一部(上)
    あのショパンやドラクロワが喋ってる、というだけで嬉しかったです。文章はやはりきれいですね。「日蝕」よりは読みやすい。
  • 葬送 第二部(上)
    この人は、文章で絵を描き、文章で音楽を奏でるすごい人です。特に第2部の始めで展開される、ショパンの演奏会の描写。繊細、大胆、優雅、華やか、小心、独創、芸術、思わず、ショパンの生演奏を聴きたくなった。あの難しい曲を作曲した人が、生で演奏するわけなんだから、それはそれは感動的な代物になるのだろうと思う。
  • 葬送 第一部(下)
    第一部(上)は、深い思索がとても哲学的で、時に難解さをも感じたけれども、(下)の途中からは一転、昼ドラ的などろどろとした人間模様が描写されていて、それはそれでおもしろかった。ドラクロワやショパン、ジョルジュ=サンドの感じている憂鬱は、現代の若者の抱えているそれにも通じるような気がしたが、これは、ドラ...続きを読む
  • 葬送 第一部(上)
    文庫なら…!と思って買ったのに、やっぱり積ん読になってしまった。。。
    精神的に余裕がないと読むのは辛いかもしれない。好きなのに、なかなか読んでいけないのはジレンマ。
    でもダメダメなショパンはちょっと分かった。
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    「結局、教育現場で『個性の尊重』が叫ばれるのは、将来的に、個性と職業とを結びつけなさいという意味である」

    「職業の多様性は、個性の多様性と比べて遥かに限定的」

    「色々な人格はあっても、逆説的だが、顔は1つしかない。」

    「自傷行為は、自己そのものを殺したいわけではない。ただ、『自己像(セルフイメ...続きを読む