平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

    Posted by ブクログ

    2026年1冊目はこちらの本。何気なく買ったものの積読されていた本。読み始めたらあっという間に読み終わってしまった…面白い…

    まず速読というものについて、痛烈な批判が展開されるのがなんとも面白い、まったく容赦がない。速読というものに憧れたことも取り組んでみたことは無し、逆にいうと特に悪いイメージもなかったけど、この本で完全に否定派になりました笑 速読本が最終的には自己啓発と結びついており、未知なる自分を解放していく的な文脈で語られている、というのは大変面白いなと思った。

    第2部、魅力的な誤読、そもそもこの捉え方がもう面白い。そうか、誤読って別に悪いことじゃ無いんだ。余地が残された点について

    0
    2026年01月02日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「大人の恋愛小説を、インテリな著者が文学にしたらこうなりました」という感じ。

    以下、少しネタバレになりそうです。

    韓国ドラマとかの設定にもありそうな、壮大な設定やすれ違い、恋の天敵、ドラマチックな展開などなど、一見俗っぽい??って思うんだけど、旧ユーゴスラビアの歴史的な問題や、シリアの紛争、クラシック音楽やドイツ文学をはじめとする文学や詩の世界の奥深さなどをお話に盛り込みながらなので、俗っぽさがなくなる感じでした。

    このスタイルの本、初めてでした。
    初めての読書体験。

    私の教養が浅いので、分からない文学作品等も多く、後から読み返して学びたいので付箋を貼りました!
    トーマス・マンとか、読

    0
    2025年12月31日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長い長い。半分くらいまでは本当にゆっくりしか読めなかった。マネージャーの行動は行き過ぎていて理解することができないけど本能的に運命の相手みたいなことを理解していたのかなとは思った。隠し通せよとは思ったけど。お互い離れていてもお互いのことを考えているのがやはり、運命の人で何かが違えば出会わなかったし、結婚していたかもしれない。人生タイミング。
    過去は変えられるっていうのはすごい印象に残ってるしその通りだと思う。

    0
    2025年12月30日
  • 死刑について

    Posted by ブクログ

     芥川賞受賞作家による死刑廃止論。
     講演の内容ベースだから読みやすい。

     なぜ死刑廃止論の立場に至ったか、日本での死刑存置論の問題点はどこか。単なる冤罪のおそれを超えて、日本の立法、行政、行政、さらに人権教育の不完全さにまで及ぶ、考え抜かれた廃止論が展開される。
     
     死刑に賛成し存置を唱えることは、被害者遺族への真の思いやりではない、というのは重要だと思う。
     「憎しみ」の連帯ではなく、「優しさ」を持つ国へ、という主張は、死刑に限らず、昨今の日本の抱える分断・対立全般に当てはまる。著者の小説のファンにも是非読んでもらいたい。

     それにしても、某有名大学で名誉教授の憲法学者は、死刑に当た

    0
    2025年12月30日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻は「分人」解説主体で、そこばかりに目が向きがちになるけれど、ラデック氏や池端氏の語りから"生き方"や"死後の生き方"など、なかなか重たいものについて考えさせられる。哲学的なようで、宗教的なようで、現実的でもあり、混乱。

    未知の父親の影を追い求めていた主人公だからこその「空白を満たしなさい」。父から息子への想いが凝縮されたタイトルの意味に、鳥肌其の一。どう活用するかは、大人になった息子がその時判断するでしょう。託せば良いさ。つべこべ言わず、子を信じろ。

    個人的には、自分が死んだ後で誰に何と言われようと気にならないし、まだまだ生きていかねばならない人

    0
    2025年12月26日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ロマンチックだとは思ったけれど、設定が浮世離れしすぎていて共感しづらくないかしら?あと、冷静と情熱のあいだとか思い出されたり。

    0
    2025年12月19日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    本好き芸人であるオードリー若林と小説家達とのトーク本。小説家であっても一人の人間。人の面白さから読みたくなった本が沢山ありました。
    書き手の面白さから本を手に取りたくなる一冊。

    0
    2025年12月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    文学・芸術に関して、著者が寄稿したエッセイや批評、講演録、弔辞などをまとめたものである。ドナルド・キーンや大江健三郎、瀬戸内寂聴といった錚々たる顔ぶれとの交遊も伺い知れる。
    著者の小説はまだ読んだことがなく、文章を読むのは初めてだったが、硬質に見えて、意外と読みやすい。
    評論を書こうとすると、対象をよくよく観察し、客観性をもって言語化する技術が必要になる。多様な視点を持たなければ、独りよがりな説得力に乏しい論文になる。
    つまり文学とは、人間を多面的に考察していく営みであり、これは古来から、おそらく未来永劫なくなることはない。
    「文系不要論」が言われて久しいし、文系の中でもとくに人文学の肩身がせ

    0
    2025年12月16日
  • 小説の読み方

    Posted by ブクログ

    今まで小説を適当に読んでいたけども、
    小説を読むために四つのアプローチ
    ①メカニズム
    ②発達
    ③機能
    ④進化
    があり、主語と述語、大きな流れの矢印など意識して読むなど読むための手法を学んだ。うーん、もっと早く、、、学生の時にこういう本読んでたらよかったなと。
    何作かが例として取り上げられているが、古井由吉氏の『辻』が難解!平野氏の解説みて何となく読み方が分かったけど、自分の読解力の無さが悲しくなった。今後もっとスローリーディングで丁寧に読んでみよう…

    0
    2025年12月12日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    表題の講演録について。
    「役に立つか」と「価値があるか」は違う。「役に立たなくても価値がある」と言い続けることが大事。
    …とのことだが、これは文学に限らず、必需品以外のモノ・コト全てに当てはまる。
    「役にたつ」と「価値がある」は違う、よく考えれば当たり前とも言えるが、日常の中では同一視していると思える出来事、言葉、人も思い当たる。役にたつこと至上主義、みたいな。
    もちろん、価値がある、ということの判断軸は多様であるべきで正解はない。人によって、また同じ人でも時々によって違うだろう。
    なので、読みながら自分の思考は次第に文学の話から離れて、色んなところに乱れ飛んでしまった。

    0
    2025年12月11日
  • 死刑について

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    死刑廃止に限らず、何かを論じようとすると、必ず出てくるのが感情論。声が大きいのも感情論派。

    物事に「絶対」と言い切れるものはほとんどないと思うので、自分たちが「絶対」正しいという人たちとは距離を置きたい。
    争いの多くはその対立から生まれるが、一歩離れて両方を理解しようとするとなかなかどちらにも与せない。当事者以外はそうあるべきだと思うのだけれど。それが法治国家のはずなのに。

    筆者は「人権教育の失敗」を死刑が支持され続ける理由の一つとして挙げている。確かに「人権」を正しく理解している人がどのくらいいるかと考えると、己を省みても心許ない。

    0
    2025年12月10日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    本書の表題となった講演録を含む、主に文学・芸術論について語られたエッセイ・批評集成。

    文学は何の「役に立つ」のか?
    著者は、「〇〇は何の「役に立つ」の?という問い自体に不思議さがあることを指摘し、役に立つかどうかは幾つかある価値のうちの一つでしかない」とした上で論を進めています。ズバリ最初に語られたその回答は、「だから自分は本を読んでいるのだろうか」と、自分の読書習慣を肯定されたような気持ちになりました(あまり文学は読んでませんが)。

    自分はいつから役に立つかどうかだけで物事を判断するようになったのだろう、と過去を振り返ってみた。そして、自分もその価値観だけで他人の行動や判断に対して制限を

    0
    2025年12月10日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    読み応えあった。映画の予告は見たことがあって気になってはいたけど、こういう話だったか。序章は必要か?って思ったけど、客観的に主人公を見る目としては確かに面白い導入かも。
    映画も観てみたいな、でも配役を見ると、だいぶ小説とはイメージが違うな。。

    0
    2025年12月09日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

    Posted by ブクログ

    今までは速読でなんとなく分かったつもりでいたのが全く意味のないことに気づかされた。スローリーディングによって得られるもの、また、実践などができてとてもいい本だと思う。

    0
    2025年12月08日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    起承転結が明白なスリリングなお話ではなく、もっと哲学的な内容だった。作者の平野さんは、「主人公の自殺」という極端な例を用いて、「分人主義」という思想を提唱している。
    分人主義とは、個人主義とは違い、対人ごと、環境ごとにいろいろな自分になり、鎧をかぶった「本当の自分」を認めないという考え方だそう。
    作者の平野さんがこの分人主義を使って願っていることは意外とシンプルで、ただ生きてほしい、己の人生を全うしてほしい、それだけじゃないかなと思う。
    物語だからこの主人公は空白を満たすために戻ってきた。でもこれは物語だから。現実世界に生きて、今どこかで思い悩んでいる人にもしもがあれば、もう二度と空白は満たせ

    0
    2025年12月08日
  • 高瀬川

    Posted by ブクログ

    清水
    人の生死の一部始終は、清水の水滴が落ちるその一瞬なのかもしれない。滴り落ちる水滴の音は希死念慮だったのか…。

    高瀬川
    官能的な時間は、その後の出来事や明かされる過去によって、こうも印象が変わってしまうのか、と感じた。一度読んで感じた気持ちはもう戻ってこないと思い知らされます。

    追憶
    「複雑なことを複雑に考えている人にとっての追憶とはこうなのか?」と思う新たな読者体験。
    伝えたい内容の難解さを前に、言葉の定義を自分は果たしてしっかりと理解できているだろうかと自問させられた。

    氷塊
    氷は2人にとって何を意味していたのだろう。溶けることは…
    描かれなかった物語の背景ー氷山の下では、氷に触

    0
    2025年12月07日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

    Posted by ブクログ

    読むの遅いのがずっとコンプレックスだったけど、ゆっくりじっくり読んで、着実に自分の中に生かしていく読み方もありだと思った。能動的に読もうと思う

    0
    2025年12月06日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何度読んでも2人が結ばれなかったのが惜しく感じてしまいます( ᐪ ᐪ ) 後半にかけて止まらなくなる。かっこいい洋子さんが大好き

    0
    2025年12月02日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    最後の方は人がたくさん出てきてややこしかったけど笑、全体的にすごくよくできていて、いろいろな伏線も回収していた。関係なさそうな変身物語の話とかも話に実は関係していたところがよかったなぁ。

    0
    2025年11月30日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    実写化の方を先に視聴。
    改めて原作を読んで振り返り。

    労働事故で亡くなった夫の素性を調べながら
    社会で起きている色々な問題が描かれています。
    差別、家族、死刑制度、ちょっとした恋慕。
    何というか、いい意味で"人間臭さ"がキャラクター達に
    出ていて、共感は出来ない所もあったが
    考え方とか見れて楽しく読めました。

    過去を書き換える事は出来ないからね。
    読んでいて"世知辛い"なと思いました。
    騙したくはないけど、自分を偽らないといけない。
    忘れたくても、背負ってしまう辛い過去。

    行きついた答えが"戸籍"だったのかもね。。

    人間は過去

    0
    2025年11月29日