平野啓一郎のレビュー一覧

  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    学生時代の友人といる時の自分
    趣味の友人といる時の自分
    同僚といる時の自分
    家族といる時の自分

    確かに違います。
    個人の中に相対する人やグループに合わせて
    自然と形成される様々な自分が分人とのこと。

    時と場合によって微妙に違う自分を
    若い頃は恥ずかしいというか、いけないことのように思っていた時期もありました。
    「世界99」みたいな極端なモノではないけど。

    「八方美人」と「分人」とは違うという話にも
    モヤモヤがスッキリしました。

    「八方美人とは、分人化の巧みな人ではない。むしろ、誰に対しても、同じ調子のイイ態度で通じるとたかを括って、相手ごとに分人化しようとしない人である。」

    分人主義

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    2026年04月07日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    主人公たちがあと10年若かったら、きっと色んなことが違っていたんだと思う。
    我を押し通す程若くもなく、かと言って全てを受け入れる程でもなく...
    最初は緩やかに愛を育むのかと思ったらある事件が起きて、そこからは「こうしたら良かったのに」等のもどかしさが続いてた。
    色んな世界情勢の中、スランプもあり、結局選んだのは自分だけど、「こうしたら良かったのに」をそれぞれが大なり小なり抱えて生きてるんだなと思った。

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    2026年04月04日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    aiu

    ネタバレ 購入済み

    独身の蒔野と婚約している洋子が惹かれあうという話で、内容としてはドロドロとしたものとなっていた。しかし、二人の性格の見せ方なのか、不快感を抱くようなことはなく、どちらかというとピュアな印象を持って読むことができた。
    また、終盤で擦れ違いの真相をお互いが知った際の考え方やその後の行動から、もし私ならどうしただろうかということを考えさせられた。どう動いても最高の結末が想像できないまま二人が再会し、そこで物語が終わりを迎えたので、自然とその後に思いを馳せられた。

    #切ない

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    2026年04月04日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

     「未来は常に過去を変えている」過去には戻れないという時間的な不可逆性があるけれど、現在と未来を使って、過去を捉え直すことはできる。過去に対する自分の心情を塗り替えることで、過去は変えられる。だから思い出に惹かれ続ける。
     大人になると心を動かされるものに出会う機会が減ってしまう。他人を通してみる理屈のない好奇心に、身を委ねて情熱を捧げることに臆病になってしまう。大人になったといえば聞こえはいいけれど、言い訳が上手になっているだけ。

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    2026年04月04日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    最初には難しかった、
    本をたくさん読むとあそこでも言ってた、ここでも言ってた、と繋がってくるんだとわかった、

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    2026年03月31日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    分人という考え方が自分の中ではとても斬新でおもしろかった。人を愛することとは?についても分人観点で語られていて、心が軽くなる感覚があった。

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    2026年03月28日
  • 本心

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    ネタバレ

    現代より進んだ世界を題材にしており、AIやVF(ヴァーチャルフィギュア)と呼ばれるような技術は進歩している一方、格差は拡大し、生きることを負担に感じる人もいる、そんな中で出てくる「自由死」という概念について問う一作だった。
    病などでもう助からない命に対する死の選択と、貧しい生活を強いられ、子供や周りへの負担を考えて半ば強制的な死の選択では大きく異なる。しかし、主に後者の境遇にいる者は、そこから抜け出すためにできることが少ないというジレンマを、自由死を願った母を持つ朔也と、彩花、岸谷、そしてイフィーという違った境遇にある者たちのやり取りからひしひしと感じた。この答えのない未来の問いに、これからの

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    2026年03月28日
  • 本心

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    最愛の人の他者性と向き合う。というフレーズが印象的だった。
    空白を満たしなさいで知った平野啓一郎だったが
    本心はより哲学的というか、考えさせられる一面が多かった。

    母が死んだら、わたしは母のVFを作りたいと思うんだろうか

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    2026年03月26日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    この作品は464ページあるのですが、その真ん中あたりで三谷さんという方が、つい魔が差してある行動をしてしまうシーンがあり、そこから一気に物語に引き込まれます。
    序盤は音楽用語などのオンパレードで、もしかしたら音楽に詳しくない方は読むのを諦めてしまうかもしれませんが、そこはグッと堪えて、ぜひ真ん中あたりまで読み進めてみてほしいです。

    そして洋子さんは最初、婚約者がいるのにどんどん蒔野さんに惹かれていくのは読んでいて複雑だったのですが、終盤のとあるシーンがとてもカッコよくて印象に残っています。
    わたしもあの場面で、ああやって言えるような人間になりたいです。
    ただ、洋子さんはチケット代まで受け取ら

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    2026年03月23日
  • 本心

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    かなり哲学的で難しく、読むのに時間がかかった。
    中盤で出てきた「縁起」に引き込まれた。実際に体験してみたいし、文字として読んでいるだけで不思議な気分になり、印象に残った。

    自分は深く考えもせず自由死に賛成派だったが、社会の格差が広がり、強者が弱者に強いるために生まれるものなのかと衝撃を受けた。
    人生における「もう十分」が社会に言わされている言葉なのだとしたら、あまりにも救いがない。。

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    2026年03月21日
  • ある男

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    ネタバレ

    重大な犯罪をおかして指名手配されている人間が、別人として生きる。
    どうしてそんなことが可能なんだろうと前々から疑問でした。
    悪いことをしたらどこかからか必ずばれるし逃げきれない。
    社会の目は絶対にごまかせない。
    そういう考えが、子供のころからガッチリと根付いているけれど、自分が知らないだけで、社会というのは割と穴だらけなんだなと思いました。
    気になって調べてみたら、日本での年間行方不明者は約8万人いて、これは1時間に10人のペースという計算になるそう。
    隣に住むおばあさん、散歩中に会うお姉さん、コンビニの店長さん、皆は本当に私の知っている彼らなんだろうか。
    そんなことを考えると、なんだか怖くて

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    2026年03月22日
  • マチネの終わりに

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    大人の恋愛小説の代表と言っても過言ではないでしょう。
    2人の間に強い気持ちがあるにも関わらず、環境や周りの人たちによって一つ歯車がズレるだけで、全然違う展開になっていくのが、読者にはわかっているだけにもどかしいです。
    最後の最後まで2人を見守っていたくなります。
    そして、滲み出てくる我慢の愛情を感じることができました。

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    2026年03月20日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    ネタバレ

    死んだ人間が復生者となって蘇る。自分は自殺するような人間ではない。自殺したのではなく、殺されたのではないかと疑い、自分が死んだ理由を追求していく。対人関係ごとに色んな自分がいて、〈個人〉に対して〈分人〉と呼ぶ考え方に出会う。的はずれであるけれども、NHKで漱石についての番組を見た直後に読んだので、明治になって近代人は〈国家〉と〈個人〉の問題に苦しんだが、〈分人〉という考え方は、現代人を〈個人〉から解放するのかみたいな、途方もないことを思い浮かべてしまった。

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    2026年03月17日
  • ある男

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    ネタバレ

    名前や戸籍は記号でしかない。それでいて、とりわけ現代人は記号に依存して生きている。戸籍交換をして幸せを掴み取った原誠と、対極とまではいかないものの、少なからず後悔をしている谷口大祐。子の成長とともに前に進んでいく里枝。
    城戸は在日3世であることの悩みを抱え続けていた。何世代も前の木が、今の城戸を作っている。
    自殺を2回試みて戸籍交換という手段で短いが確実な、目の前の幸せを得た原誠に対して、美涼との未来は選ばなかった城戸は大祐に対して尊敬と羨望の感情を抱いていたのではないか。
    颯太への愛は絶対だとしても、幸せだと言い聞かせて、別の誰かに変身してまで変える勇気がなかった、もしくはそうしようとするほ

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    2026年03月15日
  • 死刑について

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    私は死刑廃止派
    死刑について深く考えるために読む。
    在置派だった筆者による考察・論調は自分では到達出来ないような視点を提示してくれる。
    法のもとに人を殺すことが可能な国は…人権を軽視しているようで嫌だし、殺人をしてはいけないけれど死刑による殺人はOK(やむを得ない)というのは、人間が命に優劣をつけているとも取れる。
    同じ命あるものに、同じ人間の自分が優劣を決める可笑しさ、悲しさ、、不思議に思うけれど、自分が判断・手を下す訳じゃないから、他人事なのかな?廃止は理想なのかな?
    なんて自分の考えに固執しないよう、在置派の考え・論理をこれからも知っていきたい。

    まずは、考えるきっかけに良本だと思う。

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    2026年03月10日
  • 自由のこれから

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    「分人主義」という他者に対する「個人」という見方ではなく、いろんな他者と相対するときの複数の人格を自分と捉える考え方がベースにあって、そのベースの中で、「自由」「幸福」「テクノロジーの進化」「本当の自分」などのテーマをさまざまな専門家と対談しながら、書かれていた。

    分人主義という考えが非常にしっくりきて、心理学的には「自立」の考え方と似てると思った。「自立」は1人でなんでもできることではなく、様々な組織、コミュニティーに属することで依存先を増やすこと。そうやって、自分を見つけることが「自立」と言われたりしてる。
    「分人」や「自立」は全然違う表現だけど、複数の他者から見た自分という観点が全く同

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    2026年03月09日
  • ある男

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    ネタバレ

    亡くなった夫が騙っていた名前は全くの別人だった。幸せな思い出だった結婚生活が急に不安定なものとなり、夫が隠していた人格、誰にも知られていない一面が明らかになるのでは、との不安を抱える里枝。自分が愛したのはその人の現在なのか、それとも過去なのか。弁護士の城戸を通して解明されていく真実に、城戸自身の在日3世という境遇や、死刑廃止運動など、色々な要素が絡み合って飽きることがなかった。心情や情景の比喩も面白く、自分好みの文体だったので、他の作品もどんどん読みたいと感じた。

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    2026年03月01日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    恋愛小説の形式をとっているものの、主題は比較的前半で語られる「過去は変えられる」ということではないだろうか。

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    2026年02月26日
  • 本心

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    エッセイや評論的なものは割と読むけど、小説は、日蝕で幾度となく挫折しているから、ほぼ読んでいない。しかし、さすがの平野啓一郎。ストーリー展開、リアリティ、言葉の選択、どれをとっても圧巻。読んでいて決して心地よい話でもないのだけれど、作者の筆力に圧倒される。どれだけ構想し、推敲したのかと唸らされる。薄っぺらい言葉や文章表現がネットもリアルも飛び交っているなか、この密度はすごい。何年かかるか分からないけど、真正面から向き合いたい、向き合わないとならない作家だなと再認識。

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    2026年02月23日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    760円(税抜)で、この濃い内容を読めるのは、お得だと思う。読んですぐに実践できるかと言われると不安を覚えるが、難しい本を難しいままにしてきた自分を振り返り、再読してみようと思った。

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    2026年02月18日