平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第一部(下)

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    第一部(上)は、深い思索がとても哲学的で、時に難解さをも感じたけれども、(下)の途中からは一転、昼ドラ的などろどろとした人間模様が描写されていて、それはそれでおもしろかった。ドラクロワやショパン、ジョルジュ=サンドの感じている憂鬱は、現代の若者の抱えているそれにも通じるような気がしたが、これは、ドラクロワらが現代にも通じるような同じような悩みを抱えて当時を生きていたということを表しているのか、それとも著者である平野氏自身が感じている現代社会の若者の悩みを、ドラクロワ、ショパン、サンド夫人を通して語らせているのか、ちょっとした倒錯感があって、それがまたおもしろかった。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(上)

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    文庫なら…!と思って買ったのに、やっぱり積ん読になってしまった。。。
    精神的に余裕がないと読むのは辛いかもしれない。好きなのに、なかなか読んでいけないのはジレンマ。
    でもダメダメなショパンはちょっと分かった。

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    2009年10月04日
  • マチネの終わりに

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    作者の文体がとても上品で丁寧で、それがそのまま高貴な2人の人物像を思い浮かべさせるものだった。芸術についての背景知識が多く、あまり詳しくない自分にとっては置いてけぼりになるところはあったものの、2人の美しい世界観の裏にはそれら芸術が広がっていて、上質で眩しい恋愛関係を作っていた。たった数回会った関係性でここまで物語を広げられるものなのかと読んだ後に感動した。未来をどう生きているかで過去自体は変わらないけど、過去の見え方は変わってくるなどの個人的に心に残ったフレーズも多く、時々読み返して学びにしたい。

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    2026年08月23日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    3年前に死んだはずなのに生き返ってしまうお話。
    どうやって主人公は死んだのか?死因は自殺なのか?権田は何か関係しているのか?、、、気になる。
    佐伯は気持ち悪いけど、割といいキャラしていて嫌いじゃない。

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    2026年08月18日
  • ある男

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    やはりこの方の表現する文章の書き方が好きだ。
    思った以上に複雑で登場人物も増えてきたので、もう一回読みたいなぁ。
    過去を聞くと、良い過去であれば良い人に見えて、犯罪歴とか悪い過去を聞けばやっぱり、とか、だから、とか、そう言う目で見てしまうものなのかな。
    過去を積み重ねて今の自分だから、過去の経験からしてしまう考え方の癖とか抜けないよね。過去の自分が好きだった部分もあるけど、今が辛すぎるとと新しい自分になりたくなるね。

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    2026年08月16日
  • ある男

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    感想
    この作品は登場人物の内面をよく描くことで構成される。自己とは一体何なのか?

    人であれば一度は考えることかな。

    最後、城戸の結末が書いてないので気になる


    あらすじ
    弁護士の城戸は、里枝という女性から亡くなった夫の素性を調べて欲しいと依頼される。里枝は宮崎の田舎で結婚し、次男を失ったことから夫と別れ、谷口大佑と出会った。しかし、大佑は1年後に事故で亡くなる。その後、実家に知らせると兄がきたが、大佑ではないと言う。里枝は離婚調停の時に世話になった城戸に大佑の素性を調べてもらうように依頼する。

    城戸は大佑の素性を洗いながら自己というものについて考える。自身が在日3世のコリアであること、

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    2026年08月16日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    エンタメ★
    学び★★★★
    癒し★★★
    本の読み方に続く続編、
    小説の読み方で紹介しているのが
    小説の読み方のアプローチとしてニコラス,のティンバーゲンの4つの質問というもので
    1メカニズム
    2発達
    3機能
    4進化
    というもの。もともと動物行動学における動物の行動に対するものだが、小説の読み方にも通じる物があるとしてそれぞれの項目を説明するところから始まる。それと
    矢印の方向にも気を使うよう説明している。
    その後具体的に色々なジャンルの小説の一場面を紹介し、4つの質問に沿って解説していく。深い読み方だし、そうやって読むのかと今回も新しい発見があった。

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    2026年08月15日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    「人は変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているのです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。それくらい繊細で、感じやすいものではないでしょうか。」
    本の冒頭と後半に出てくるこのセリフ。2回目が染みるの何の。
    天才ギタリストと、努力家の美しきジャーナリスト。教養を持って世界を違う目で見る2人にしか分かち合えない世界。嫉妬してしまうくらい素敵だった。儚かった。

    めちゃくちゃ面白かった。久しぶりにぐいぐい読んでしまう小説を読んだ。面白かった、は違うか。ただ2人の男女が出会い、すれ違い、また再開するまでの話なのだが。そこにイラク戦争での体験や、

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    2026年08月15日
  • ある男

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    ネタバレ

    分人主義を提唱する平野啓一郎さんの著書。

    複数の分人を一つの肉体に宿すとする分人主義。
    戸籍を入れ替え、名前もその人の人生をも変えてしまって生きる"ある男"はある種「究極の分人」と考えられるのでは無いでしょうか?

    夫婦といえど、相手のすべての分人を知ることは出来ない。但し、知ることは出来ずとも幸せを育むことは出来ると本書はまとめているように思えました。ある男の本当の名前や人生を知らないままに「幸せな時間」を過ごすことが出来たように。そして、その秘密を知ってもなお幸せだったと思えたように。

    一方、主人公城戸の妻は最終盤に不倫を仄めかしています。城戸は敢えてそれに目を瞑り

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    2026年08月12日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    正直わかったようで、いまいち理解していないと言う感じだが(私の理解力の問題だと思う)、アポリアがなければ文学にならないというのは、なるほどと思った。

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    2026年08月08日
  • ある男

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    『ある男』を読んでまず感じたのは、これは亡くなった夫の正体を追うミステリーではなく、「本当の自分とは何によって決まるのか」を問い続ける物語だった。

    里枝は、再婚した夫・大祐と子どもたちとともに穏やかな家庭を築いていた。しかし、大祐が事故で亡くなったあと、彼がまったくの別人として生きていたことが判明する。里枝から相談を受けた弁護士・城戸は、「大祐」として生きていた男が本当は誰だったのかを調べ始める。物語の入り口には「この男は誰なのか」という強い謎があり、その正体を追っていく過程はミステリーとして純粋に面白い。しかし、過去が明らかになるほど、興味は男の本名ではなく、「なぜ彼は別人として生きること

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    2026年08月08日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    美しく高尚な文章で綴られる高貴で重厚なストーリー。
    ただし、三谷のなりすましのメールを送信するという俗っぽい行為と、そこからのすれ違いは、ちょっとだけ安っぽい恋愛ドラマに感じられて残念だった。とはいえ素晴らしい作品。

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    2026年08月02日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    先日、齋藤孝先生の「遅読のすすめ」を読み、じっくり読むことの楽しみを教わった。
    本書では作家がどれだけ想いを込めて一言一句を紡いでるかを知り、先を急いでちゃっちゃと読み飛ばすのは申し訳ない気になった。
    著者の想いに敬意を払い、大切に読まないといけないと思いつつ、時間には限りがあり、全ての本をスローリーディングすることは叶わない。
    何度も読みたい本を自分の本棚に集めたい。近藤康太郎さんの「百冊で耕す」に著されてるように

    そして難解なカフカやフーコーの読み方を教えていただいて感謝。

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    2026年08月02日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    エンタメ★
    学び★★★★★
    癒し★★
    副題にスローリーディングのすすめとあるように、本の読み方について書かれた本だ。
    目からウロコとはこの本のことだ。今まで冊数にこだわり飛ばし読み、斜め読みを続けてきた。ミステリーがほとんどで事件に関係のない記述はほぼ端折って飛ばし読みしてきたがもったいなかった。時間がかかっても味わって読む。ごちそうを丸のみするような食べ方は確かに味気ないしもったいない。よく噛み、味わって食べなきゃもったいない。最後の実践編で紹介されていた伊豆の踊り子や金閣寺は読んでみたくなった。

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    2026年07月28日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    恋愛が人生を大きく変えてしまう強さがある反面、それは自らだけではないため、すべてはタイミングであり、それが運命と呼べるのだと感じた。
    洋子の父ソリッチが言っていた「自由意志というのは、未来に対してはなくてはならない希望だ。自分には、何かが出来るはずだと、人間は信じる必要がある。そうだね?  しかし洋子、だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何か出来たはずではなかったか、と。運命論の方が、慰めになることもある。」
    まさに強い意志たちが交差したいわゆる"運命"を、お互いの意志により惹き合わしたラスト。

    なにが幸せかはわからない。
    ただこれがなければ生きられないはあるのだろう。

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    2026年07月26日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    純粋に恋愛小説としても楽しめると思うが、私自身は、「過去を変えられる」というフレーズに取り憑かれた。作者の作品で、直近に「ある男」を読んでいるのもあり、なにかこう、人が生きる上で、逆らえない、未来に向かう時間の流れと、その中で、人が人と魂同士で関わり合うことによってお互いに及ぼし合っているチカラを感じて、哲学的な物も感じた。作品から読み取ったとしては、あまりに月並みな薄っぺらい言葉になってしまうかもしれないけれど、辛い過去も、今、この瞬間を生きる事で、良いものに変わるのであれば良いなという勇気をもらえた。今、そして未来を生きる希望というか…いつか、きっと という。

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    2026年07月25日
  • マチネの終わりに

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    作品に溶け込んだ音色の心地良さが「蜜蜂と遠雷」や「羊と鋼の森」を彷彿とさせる。理性的な主人公2人と、平野啓一郎さんの文章の相性の良さ。お互いの想いを内包したラストの再会シーンが美しかった。静かに染み入ってくる作品、好き。

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    2026年07月24日
  • マチネの終わりに

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    読んでて一番きついのは、二人とも相手を嫌いになったわけでも、気持ちが冷めたわけでもないってこと。むしろ想い合ってるのに、誤解とか、ちょっとした選択のズレとか、自分から動けない不器用さとかが積み重なって、取り返しのつかないところまで行ってしまう。「あの時ちゃんと確かめてたら」「あの一言を言えてたら」って、読んでるこっちが何度もやきもきさせられた。

    平野啓一郎の「人生は連続してるようで、実はいくつかの決定的な選択の積み重ねでできてる」みたいな考え方が、この二人のすれ違いを通してめちゃくちゃ説得力持って迫ってくる。恋愛小説っていうより、大人になってからの選択とか後悔について考えさせられる話やっ

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    2026年07月18日
  • ある男

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    平野氏の作品「死刑について」で出てきて気になっていた作品。「私とは何か」にも通づる作品だった。

    ストーリーはある女性の再婚相手が亡くなったあと、その人物が本当は別の人だったというところから始まる。その女性ではなく、代理人として調査する弁護士が主人公。

    謎が解決する過程のすっきり感よりも、ひと1人の人生に思いを馳せる話。平野氏の小説を読むのは始めてだったが、新書を読んだ時と同じような、自分と周りの人の人生を見つめたくなる余韻があった。

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    2026年07月18日
  • ある男

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    長かった。
    パットはしないけどやっぱり言葉は美しい。
    最後まで読みたくなる。
    谷口Daisuke
    弁護士さん、
    戸籍交換

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    2026年07月18日