平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレパリ五輪中、読書ペースがガクッと落ちていたが、漸く平野啓一郎の長編(640頁)を読み終えた。
2036年のアメリカ大統領選挙と有人火星探査におけるスキャンダルがもつれ合う。
米大統領選挙では「中絶の是非」がよく争点となるが、国家プロジェクトである火星探査の最中に本当に女性宇宙飛行士に対して中絶手術が行われたのか、父親は誰か(女性本人が言う通りノノなのか佐野明日人なのか)、女性宇宙飛行士の父親である共和党副大統領候補は、公人としての立場(中絶反対)と父親としての立場のどちらを優先するのか、と、人それぞれの立場に応じて悩みは尽きず、組織の中で生き抜くうえで、また選挙で勝つために、(加えて自分を -
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私が家族が好きであるという意味は家族といるときの自分のあり方が好きという意味であるんだという考えを知りました。
人間という社会的であるためいろんな人と対峙するときのそのときどきの自分があるんだな。
そんないろんな自分を含めて大きく愛せるといいな。
そして、生きることや死ぬことという実存についても考えさせられました。
仕事で忙殺されてしまう日々。
答えは出ないけれどこの小説から人生をふりかえることが少しではありましたができました。
それは私にとってひとときでありますが心の安寧となりました。
生きるってつらいな。けどとても美しいなとも思ったり。
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想像していたより遥かに重厚で濃厚な内容だった。正直一読しただけでは自分の中で理解や解釈が及んでいないところも多い。多面的多角的な考察や検証はすごいんだけど、特にファッションの話とかは背景知識や関心が不足している部分が少なくなく、感覚的な理解が及んでいないという感じ。まぁそれはそれで仕方ないかもしれない。でも総じての主張として、カッコいいって体感主義的ということと理解していて、それって結局自分の中でビビッと来たかどうかで、周りがどう思うかとかどう思われるかとかはあまり関係ない。それって頭ではわかっているんだけどやっぱり特に10代20代のころはそこまで割り切れなくて、常に周りの目や評価評判を気にし
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少し前の本ですが、学びある。
動物の世界は必然性の世界であり、
アルゴリズムが支配する世界であり、
強いつながりの世界である。
それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。
人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います -
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Posted by ブクログ
たしかに、誰かの知らない一面は裏の顔っていうよりもう一つの顔。たしかに、好きでいられる自分の割合を増やしていけば良いのだ。他人は自分を映す鏡ってそういうことか。。。納得の考え方
結局、人間は社会の中、他人との関わりの中で形成されていくんだなあ。アドラー的。
そのへん、動物ってどうなんだろう。
2026.4.19 2回目
世界99を読んで、分人だなあと思ってもう一度読みたくなった。前職辞めて、その会社での分人は死んだ。新しい職場での分人を好きになれるといいな。子供時代は親との分人が全てだけど、その割合は徐々に徐々に小さくなっていく。すごく整理しわすくなる概念だなと思う。 -
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ー それで、いつの間にか、こう思うようになってた。愛って、もっと偶然的で、選ばれる人間に優劣があるわけでもなければ、選ぶ人間が賢かったり、愚かだったりするわけでもない。ただたまたま、誰かと誰かが出会って、うまくいったり、いかかったりするだけだってね。
そう思えば、俺の家族は、誰も傷つかずに済む。組み合わせの不幸だったって。―けど、そんなのが愛なんだろうか?別れた俺の妻が、ど うしても我慢できなかったのは、俺のそういう考えだった。なぜわたしと結婚したのって、よく訊かれたけど、あの頃は、今みたいなことが自分の中で整理できてなかったから、きちんと答えられなかった。……悪いことしたよ、彼女にも。ー