平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    「こういう読み方があるのか」という発見と「こういう風に読むことができるのか」という驚きが強かったです。
    本をここまで丁寧に、常に疑問を持ち、考えながら読めることはとても素晴らしいことだと思うと同時に、とても羨ましくもありました。
    こんな風に読むことができるまでは時間がかかりそうですが、この本に書...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    速読本が巷に溢れる中、あえてのスローリーディング。速読ができない自分にもどかしさを感じてたけど、読書はやっぱり量より質だよね!って思わせてくれる一冊でした。自分の本の読み方は間違ってないって思えました。
  • 葬送 第一部(上)
    フレデリック・ショパンとウ-ジェ-ヌ・ドラクロワ、共に好きな芸術家であり、名前の響きがとても素敵な芸術家です。
    とても繊細な2人はシンパシ-を感じつつ、同じような境遇(愛人となり、病弱の身体となり)で、お互いにかけがえのない存在となっていきます。
    ショパンの愛人、執筆家ジョルジュ・サンドとの関係が崩...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    作家さんの内面を知る事ができて面白いし、読んでみようとなる。
    「この人こんな考え方なんだ」「こんな思いで本を書いてるんだ」とか…
    作家さんによって考え方が違うのもとても面白い。
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11人の識者へのインタビュー集。編者の好みなのか分野と言葉は違えど、思い描いている未来社会は似通っている人選のようにも思えます。気になる人物ばかりだったので問題ないですが。

    近代の強い個を持続できるほど人間は強くなく、場の関係性の上に柔らかい弱い個をなんとか保っているのが実情。そんな個人でも生きや...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    小説家×小説家×若林さんの鼎談(初めて知った言葉だ)集。対談ではなく鼎談、そして小説家ではない人がいるところが面白さを生み出しているのだと思いました。

    作家の方の、作品への思いではなく、その周辺や日常の話だったり、マイルールだったりが分かり、作家も雲の上の人ではないんだなと思えます。本の紹介もあっ...続きを読む
  • 文明の憂鬱
    毎度この方の文章を読むたびに、文学、歴史、音楽等の広範な知識とそれに基づく深遠な視点と思想に驚かされる。ややニヒリスティックに感じることもあるけれど。ともあれ、圧倒的な知識をとっても、それを反映させる筆力をとっても、この方は本当に天才だと思う。同じ時代に生きていることを感謝するくらい。
    本書が書かれ...続きを読む
  • 葬送 第二部(下)
    ここまで本当に長かったが、終盤はショパンの「最後」…である
    ここで息がつけないような展開で一気にスピードアップしていく

    ショパンに死が迫る
    何度も喀血し、死と隣り合わせで生きるショパン
    少し回復してはまた悪化…を繰り返す

    そんな時期にショパンは周りの技術者(指揮者、調律師、医師など)たちの死につ...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    面白かった!若林さんの言葉の返しもうまい。
    村田沙耶香さんはやはり村田沙耶香さんだなーと。他の作家からもクレイジーと言われる彼女。もっと知りたい!
  • 葬送 第二部(上)
    ここでは各登場人物の紹介をしたい
    個人的な目線なので偏っていることをご了承いただきたい


    ■ショパン
    リサイタルを好まず、小さなサロンでの演奏会や作曲活動、教育活動の方が好きな音楽家
    教え方は熱心だったようだ
    繊細、優美、(この辺りは想像通り)感情的にならず、醜い心もできるだけ表に出さずジェントル...続きを読む
  • 葬送 第一部(下)
    さて今回は全体の話の流れを紹介したい

    ネタバレを含みますが、ネタバレは重要ではない作品なのだ(と勝手に強く思っている)

    まず本書を読むにあたり、一番のネックは(ありがちな)横文字の登場人物の多さ
    メモを取りながら読むのだが多過ぎて倒れそうになる
    〇〇侯爵夫人、〇〇男爵、〇〇大公妃…次から次へと登...続きを読む
  • 葬送 第一部(上)
    幼少期からクラッシックピアノを習っていた
    10年は習ったのだろうか…
    世の中のクラッシックファンの前では口が裂けても言えないのだが、とうとう一度もクラッシックピアノを好きにならずに大人になってしまった
    好きでもないことを練習するのは子供心に相当苦痛であったため、余計に屈折した拒絶反応を身に着けてしま...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    面白かった。特に村田沙耶香さんは本当に小説のままの方なんだな、と。作家さんが勧める本、いくつか読んでみたいと思い、欲しいものリストに入れながら読みすすめました。
    けど1番面白かったのは光浦靖子さんと尾崎世界観さんの対談。(小説家じゃないんかい)
    アーティストが頑張れソングを歌うことについて言ってるこ...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    物語調の哲学書のような本でした。


    消したい自分の分人があって、いずれ無くなれば生きやすいのになぁなんて思うこともあるけど、

    「好きな自分でいられる人と多くの時間を過ごす」というシンプルな答えがあり、優しい本だなと思いました。

    確固たる自分なんて無くて良いし、24時間完璧で同じ自分でなくても良...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    オードリー若林さんと作家さんの鼎談を書籍化したもの。
    最初の西さんと朝井さんのやり取りは鉄板の面白さで声出して笑ってしまったし、他の回も読んでいる間ずっとニヤけていたと思う。
    皆キャラがぶっとんでいるうえに話が面白く、若林さんも作家さん自身も本当に楽しそうでお互いに興味津々なのも伝わってきた。
    いい...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    平野啓一郎さんの小説を読む時は、作品として面白いがとにかく時間がかかるという印象だったが、今作を読んだらそれこそが作者が意図していた読み方だったのか!と、してやられた気持ちになった。

    後半の実践編はセンター試験の現代文のテストを思い出さずにはいられなかったが面白かった。作者の金閣寺愛がよく分かった...続きを読む
  • 透明な迷宮
    透明な迷宮。

    忘れられない辛い記憶、消えない後悔、トラウマ、完治しないキズ。
    多くの人がある段階で生涯に引き連れてきてしまう痛みを、文学という方法で癒そうとしてくれるように感じました。

    「マチネの終わりに」と同じように、過去の捉え方に、平野啓一郎さんならではの哲学が見られました。
  • サロメ
    ワイルドオスカー戯曲「サロメ」1893年(明治26年)刊行。平野啓一郎訳。三島由紀夫が自ら初めて購入した本とも。新約聖書を元に。兄である前王を殺し妃を奪い娘のサロメにもいやらしい目線を送る王。この婚姻を批判する洗礼者を牢に閉じ込める。サロメは洗礼者に一目惚れし、嫌いな王の前で7つ舞を披露し褒美に洗礼...続きを読む
  • 葬送 第二部(上)
    ショパンの演奏会が開催されることになり、多くの人びとの注目が集まるなかで彼の芸術観が反映された演奏を、著者が緻密な文章で描写しています。しかしその後、フランス革命の勃発によってパリの街は混乱の渦に飲み込まれ、ショパンはジェイン・スターリング嬢にみちびかれてイギリスへわたることになります。しかしそこで...続きを読む
  • 葬送 第二部(下)
    第四分冊でありシリーズ最終巻となる本書では、ショパンの死が中心にえがかれています。

    本作は、「小説」という形式そのものが裏のテーマになっているということができると思われますが、ロマン主義的な芸術の理念をみずからの作品によって実現したショパンとドラクロワの二人を中心に、彼らや彼らを取り巻く人びとの「...続きを読む