平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    下巻は「分人」解説主体で、そこばかりに目が向きがちになるけれど、ラデック氏や池端氏の語りから"生き方"や"死後の生き方"など、なかなか重たいものについて考えさせられる。哲学的なようで、宗教的なようで、現実的でもあり、混乱。

    未知の父親の影を追い求めていた主人公だからこその「空白を満たしなさい」。父から息子への想いが凝縮されたタイトルの意味に、鳥肌其の一。どう活用するかは、大人になった息子がその時判断するでしょう。託せば良いさ。つべこべ言わず、子を信じろ。

    個人的には、自分が死んだ後で誰に何と言われようと気にならないし、まだまだ生きていかねばならない人

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    2025年12月26日
  • ご本、出しときますね?

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    本好き芸人であるオードリー若林と小説家達とのトーク本。小説家であっても一人の人間。人の面白さから読みたくなった本が沢山ありました。
    書き手の面白さから本を手に取りたくなる一冊。

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    2025年12月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    文学・芸術に関して、著者が寄稿したエッセイや批評、講演録、弔辞などをまとめたものである。ドナルド・キーンや大江健三郎、瀬戸内寂聴といった錚々たる顔ぶれとの交遊も伺い知れる。
    著者の小説はまだ読んだことがなく、文章を読むのは初めてだったが、硬質に見えて、意外と読みやすい。
    評論を書こうとすると、対象をよくよく観察し、客観性をもって言語化する技術が必要になる。多様な視点を持たなければ、独りよがりな説得力に乏しい論文になる。
    つまり文学とは、人間を多面的に考察していく営みであり、これは古来から、おそらく未来永劫なくなることはない。
    「文系不要論」が言われて久しいし、文系の中でもとくに人文学の肩身がせ

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    2025年12月16日
  • 小説の読み方

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    今まで小説を適当に読んでいたけども、
    小説を読むために四つのアプローチ
    ①メカニズム
    ②発達
    ③機能
    ④進化
    があり、主語と述語、大きな流れの矢印など意識して読むなど読むための手法を学んだ。うーん、もっと早く、、、学生の時にこういう本読んでたらよかったなと。
    何作かが例として取り上げられているが、古井由吉氏の『辻』が難解!平野氏の解説みて何となく読み方が分かったけど、自分の読解力の無さが悲しくなった。今後もっとスローリーディングで丁寧に読んでみよう…

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    2025年12月12日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    表題の講演録について。
    「役に立つか」と「価値があるか」は違う。「役に立たなくても価値がある」と言い続けることが大事。
    …とのことだが、これは文学に限らず、必需品以外のモノ・コト全てに当てはまる。
    「役にたつ」と「価値がある」は違う、よく考えれば当たり前とも言えるが、日常の中では同一視していると思える出来事、言葉、人も思い当たる。役にたつこと至上主義、みたいな。
    もちろん、価値がある、ということの判断軸は多様であるべきで正解はない。人によって、また同じ人でも時々によって違うだろう。
    なので、読みながら自分の思考は次第に文学の話から離れて、色んなところに乱れ飛んでしまった。

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    2025年12月11日
  • 死刑について

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    ネタバレ

    死刑廃止に限らず、何かを論じようとすると、必ず出てくるのが感情論。声が大きいのも感情論派。

    物事に「絶対」と言い切れるものはほとんどないと思うので、自分たちが「絶対」正しいという人たちとは距離を置きたい。
    争いの多くはその対立から生まれるが、一歩離れて両方を理解しようとするとなかなかどちらにも与せない。当事者以外はそうあるべきだと思うのだけれど。それが法治国家のはずなのに。

    筆者は「人権教育の失敗」を死刑が支持され続ける理由の一つとして挙げている。確かに「人権」を正しく理解している人がどのくらいいるかと考えると、己を省みても心許ない。

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    2025年12月10日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    本書の表題となった講演録を含む、主に文学・芸術論について語られたエッセイ・批評集成。

    文学は何の「役に立つ」のか?
    著者は、「〇〇は何の「役に立つ」の?という問い自体に不思議さがあることを指摘し、役に立つかどうかは幾つかある価値のうちの一つでしかない」とした上で論を進めています。ズバリ最初に語られたその回答は、「だから自分は本を読んでいるのだろうか」と、自分の読書習慣を肯定されたような気持ちになりました(あまり文学は読んでませんが)。

    自分はいつから役に立つかどうかだけで物事を判断するようになったのだろう、と過去を振り返ってみた。そして、自分もその価値観だけで他人の行動や判断に対して制限を

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    2025年12月10日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    今までは速読でなんとなく分かったつもりでいたのが全く意味のないことに気づかされた。スローリーディングによって得られるもの、また、実践などができてとてもいい本だと思う。

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    2025年12月08日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    起承転結が明白なスリリングなお話ではなく、もっと哲学的な内容だった。作者の平野さんは、「主人公の自殺」という極端な例を用いて、「分人主義」という思想を提唱している。
    分人主義とは、個人主義とは違い、対人ごと、環境ごとにいろいろな自分になり、鎧をかぶった「本当の自分」を認めないという考え方だそう。
    作者の平野さんがこの分人主義を使って願っていることは意外とシンプルで、ただ生きてほしい、己の人生を全うしてほしい、それだけじゃないかなと思う。
    物語だからこの主人公は空白を満たすために戻ってきた。でもこれは物語だから。現実世界に生きて、今どこかで思い悩んでいる人にもしもがあれば、もう二度と空白は満たせ

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    2025年12月08日
  • マチネの終わりに

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    愛は運命的なものか?
    それとも選択によって形成されるものか?
    作為的に変えられるものなのか?

    読んで初めて、
    映画では削ぎ落とされた微細な感情や思想が、
    どれほど物語の核だったのかがわかった。
    平野さん、駄作だと思ってました。ごめんなさい。

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    2025年12月31日
  • 高瀬川

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    清水
    人の生死の一部始終は、清水の水滴が落ちるその一瞬なのかもしれない。滴り落ちる水滴の音は希死念慮だったのか…。

    高瀬川
    官能的な時間は、その後の出来事や明かされる過去によって、こうも印象が変わってしまうのか、と感じた。一度読んで感じた気持ちはもう戻ってこないと思い知らされます。

    追憶
    「複雑なことを複雑に考えている人にとっての追憶とはこうなのか?」と思う新たな読者体験。
    伝えたい内容の難解さを前に、言葉の定義を自分は果たしてしっかりと理解できているだろうかと自問させられた。

    氷塊
    氷は2人にとって何を意味していたのだろう。溶けることは…
    描かれなかった物語の背景ー氷山の下では、氷に触

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    2025年12月07日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    読むの遅いのがずっとコンプレックスだったけど、ゆっくりじっくり読んで、着実に自分の中に生かしていく読み方もありだと思った。能動的に読もうと思う

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    2025年12月06日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    何度読んでも2人が結ばれなかったのが惜しく感じてしまいます( ᐪ ᐪ ) 後半にかけて止まらなくなる。かっこいい洋子さんが大好き

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    2025年12月02日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    「役にたつ」ではなく「価値がある」と言い換えたい。

    絵画については知識がなさすぎて言っている内容が理解できなかった。

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    2025年11月27日
  • マチネの終わりに

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    かなり良かった。過去は変えられるというキーワード。お互いがお互いを同じ尺度で理解し合える、ということの強い引力。外的要因での嘘みたいなすれ違いは後半ずっと苦しい。大人であることの難しさを感じた。

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    2025年11月25日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    人の死について考えさせられる作品でした。

    大切な人に先立たれ、この世に置いてかれた人たちは、その、ぽっかりと空いた「空白」をその大切な人との記憶や記録などで満たそうとする。
    それは故人を、ある意味「理想化」することでもあり、はたして正しかったとは限らない。
    しかし、そうでもしないと「空白」を満たせずに壊れてしまうから。

    「分人」という考え方に納得しました。
    (「分人」とは他人と関わっている自分の部分的一面のようなこと。)
    自分もこれに思い当たる節があり、裏表を使い分けているってよりかは、あの人といると自然とこういう態度をとるなぁってことがありました。
    完璧主義な自分でもあるので、自己否定し

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    2025年11月24日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    文章を添削する立場になって手に取った本。
    思ってたんと違う、って思ったのに、思った以上に面白くて全部読んでしまった。
    瀬戸内寂聴とドストエフスキーついて知りたくなった。

    役に立つことと価値がある事は違う。
    人間は役に立つかどうかは関係無く、存在そのものに価値がある。憲法で謳っている。
    主人公への共感から多くを得る。

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    2025年12月22日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    自分はすでに死んでいる!?
    主人公は、復生者として蘇った死者。
    死ぬ直前の記憶がなく、妻と子供と幸せな家庭を築いていたはずなのに、自殺したと非難されていた。
    自殺などするはずがない…。
    死の間際には一体何があったのか、真実に迫る作品。
    読んでいると、真実は一体何なのか、頭が混乱します笑
    下も続けて読みます。

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    2025年11月20日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    「死」について深く考えさせられた作品。特に自殺について。自殺をしてしまう人の考えは、もちろん死者に聞くことができないのであくまで推測の話になると思うが、自分自身を消してしまいたくなるほどに追い込まれていると死のうとしていなくてもそういう行動となってしまうという作者の考えに深く考えさせられ印象に残った。最後の終わり方も読者にその後を託すような感じのため想像力を掻き立てられた。読後の口コミや評価などをみて読者それぞれの解釈、ストーリーがあって見ていて楽しい。

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    2025年11月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    いろんな雑誌に著者が書いたエッセイを中心にまとめた本。わかりやすい。
    平野氏はなんとなく敬遠していた作家だった。デビュー作の『日蝕』を読んだのもほんの数年前。ところがやはり同じころ、私は死刑について考えたくなっていて、たまたま書店で平野氏の『死刑について』を見つけ買って読んでみたところ、見事にはまった。文章の運び、思考の流れが滑らかで素直に頷けた。
    ちょうど同じころに東京新聞で「本心」の連載が始まり、毎日欠かさず読んだ。読ませる面白さがあった。
    そんなこんなで作家平野啓一郎の書くものが好きになった。
    そしてこの本。文学をどう捉えるか考える上で私にとってよい導き手になった。

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    2025年11月09日