平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレ【一言まとめ(キャッチフレーズ風)】
「カッコいい」は見た目だけじゃない。
私たちの生き方や価値観にまで響く“体感主義”だ。
③【要約(内容の流れ・ポイント)】
本書は、大きく分けて以下の3つのポイントで構成されています。
「カッコいい」という言葉の歴史と意味の広がり
テレビ普及期に生まれた言葉で、外観だけでなく個人の生き方や価値観と結びついてきたことを解説。
「カッコいい」の基準は“しびれる体感”
理屈ではなく、体が震えるような感覚こそが「カッコいい」の本質。ジャンルを超えて多様化し、個人のアイデンティティと結びついている。
外見と内面の関わり、そしてその裏に潜む危うさ
外見と -
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ネタバレ一気に読んでしまった下巻。
平野作品のカバーはよく考えられているのだろうと思ったから、絶対にゴッホの「自殺」についての描写(もしくは自
殺ではなかったのではないか)というテーマが出てくるのかと思ったら、下巻の絵が実はゴッホではなく、弟のテオだったのでは?という説が出てきて、それは私も初耳だった。
平野さんが興味を示している「分人」についてこの作品ではよりわかりやすく語られている気がする。やはりこの作品を読んでから、「本心」を読むともっとわかりやすかったのかなとも思う。
でも入門というか、手にとるようなテーマとして、「本心」に出てくる母親のVFっていうのは興味深かった。
子供2人、家族を持つもの -
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スローリーディングのすすめ
『本当の読書は、単に表面的な知識で人を飾り立てるのではなく、内面から人を変え、思慮深さと賢明さとをもたらし、人間性に深みを与えるものである。そして何よりも、ゆっくり時間をかけさえすれば、読書は楽しい。私が伝えたいことは、これに尽きると言っていい。』
Recommendation for Slow Reading
"True reading is not about adorning oneself with superficial knowledge, but about transforming oneself from within, bring -
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芸術とか政治情勢に教養なさすぎたし、難解な単語にちょっと飽きたりもしたけど、後半はスイスイとエピソード展開していって入り込めた
感情を繊細に抱きつつ冷静に最善手を検討するような理知的な雰囲気を醸す一方で、有無を言わさぬ情動に翻弄されてしまう面もある洋子がかなり魅力的だった、実際いたら嫉妬狂いしそうだけど
誠実な対話を通じて思考が絡み合うような密接なやりとりを自然とできる関係で、さらに自分がこの人に好かれるためにこういう部分が欠けているかもしれないと依存的になる幼さを含むようなそんなどうしようもない恋情に身を焦がしたい
自分の言ってることが本当に伝わっているか?少しでも違和感のある度に立ち止ま -
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2040年
人々の格差の広がり、メタバースの日常化
政府の企みか、富裕層の企みか
自由死という選択肢が生まれる
そんな中
最愛の母を事故で亡くした朔也は
母をAIで蘇らせることにした
生前に「自由死」を望んでいた母の
すべてが知りたくて
情報を得るために知り合った
母の友人から
次々に知らされる母の過去に戸惑いながら
自らの生活もどんどん変わっていく
生きていくということ
死を選択すると言うことの意味
さまざまな葛藤
はたして本心は明かされるのか
母の本心、自分の本心、友人の本心
難しい問題が次々と現れて読み応えありすぎる
ちょっと疲れた
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つくづく大人の恋愛って多様だなと思った。結ばれずとも愛と呼べば、結ばれていても愛と呼べないものも。究極の愛も色んな形が他作品で描かれているけど、結局は他人の幸せを願えるかどうかなんだろうな。
「未来は常に過去を変えられる」って結局は後悔に対する免罪符に過ぎず、過去と折り合いをつけて前に進むしかないんだなぁと思った。そうして過去の自分を愛して、生きていかなければならない。過去に起こった出来事への捉え方は変えられるけど、事象は絶対に変えられない、「過ちを去る」と書いて「過去」って言葉になるの、奥が深いな。蒔野さんと洋子さんは劇的な再会を果たしても、変えられない過去があるので、もう昔のように激しくは -
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ネタバレ分人という視点、苦悩の扱い方、そして「死」がもたらす余波に深く揺さぶられた。
分人について、誰かと一緒にいるときの自分と、一人のときの自分って確かに違う。その中には好きな自分もいれば、あまり好きじゃない自分もいる。
本書の中にはすごく哲学的な内容もあり難しい部分があって、そこは斜め読みしてしまった。
いつか再読したときには少しでも分かるといいな。
ラストのシーン、光の描写が美しくて切なくて…。
残された家族のことを思うと胸が痛いし、「死ぬことって、自分だけの問題じゃないんだな」と改めて考えさせられた。読後も余韻が残る、深い一冊だった。 -