平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    作家が語る、スローリーディングを語った本。
    書き手の視点で読む、精読し読んだものを自分のものにしていく、どちらかといえば速読気味な私には耳の痛い話も。
    書き手の産み出す文章を、読者は一言一句、噛みしめるように糧にしていかなければと思った。
  • ご本、出しときますね?
    3.7面白かった。二人づつなのが良。ラジオとかで続いてくれないかな。その方が出てくれる作家さん増えそうだし。
  • 死刑について
    実際、あまり深く考えたことはない。死刑はニュースの中の話としてこれからもあまり考えたくない。でも平野さんの考えはものすごく納得できた。終身刑があれば廃止してもよいのではないかと思った。
  • 空白を満たしなさい(下)
    面白かった。
    分人の話がやたらくどかったな、、、分人の考え方自体は好きやけど、小説なんやから主張はもうちょっと抑えても良かったのでは。
  • マチネの終わりに
    映画化されると聞いてから読んだので
    福山雅治さんを思い浮かべながら読みました。
    (その後映画も観てとてもピッタリな配役でした)

    策略によってすれ違ってしまう二人。
    人生がうまくいかない時に
    誰の手を取るのか。
    こういうことって実際にもあると思う。

    「過去は書き換えられる」
    どうか良い思い出に書き...続きを読む
  • 決壊(下)
    言葉を重ねると悪魔はどんどん人間臭くなっていったなという印象。結局、最後までどのキャラクターも好きにはなれなかったし、物語の終わり方もモヤッとするものだった。それでも、「あー、こういう正義を振りかざす奴いるよな」とか「こういう境遇なら、こうなっちゃうかもな」とか、感じることは多かった。特に、「なぜ人...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    死んで生き返った「復生者」の主人公と、彼をとりまく人々の話。死因は自殺と言われているが本当なのか?などミステリー要素も。
    生き返ったらどうなる?というテーマひとつから膨大な思考や出来事が発生していて、それらはどれも納得のいく流れで、突飛な設定にもかかわらずリアリティがすごい。読み応えがあって面白かっ...続きを読む
  • 死刑について
    私は死刑賛成派でした。揺らぎつつの賛成派で、本書を読んでからは揺らぎの振り幅が大きくなりました。
    絶対支持ではないけど遺族がいる場合の感情を考えたら受刑者に死刑を望むのはやむを得ないのでは、とこれまで考えてきました。

    ちょっと長いですが本書p37からの引用。
    「劣悪な生育環境に置かれている場合だけ...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    ドラマが面白く、先が待ちきれずに原作を読んだ。
    自分が死んでから(自死)3年後に自分としてまた生きる。そして自分が死んだ理由を探すという設定があり得ないはずなのに妙にリアルで。旦那を亡くして3年をとにかく生きた妻、自分との記憶がほとんどない息子、確執のあった義理の親との関係など、再構築する様は、ただ...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    死んだ主人公が蘇る。
    なんで俺は死んだんだ?心当たりも死の間際の記憶もなにもない。ギクシャクしている家族や同僚との交流を通し、自分が自殺したことを知る。
    自殺の理由を明らかにしていく過程は、まるで自殺を悩んでいる人のカウンセリングのようだ。死ぬ前にこれができていれば誰も悲しまずに済んだのだろう。

    ...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    一度死んだ人が生き返るというありえない設定の話だが、ファンタジー的ではなく、どう生きるかを問うような哲学的な内容が多かった。
    「分人」という考え方は初めて聞いた。接する人ごとに違う自分がいてそのどれもが自分自身だというのは自分の経験上納得できる。でも、小説の中で徹生が考えている程の深い理解は出来なか...続きを読む
  • 死刑について
    他の死刑に関する書籍と大きくはことらなかったが、死刑制度に対して多くの日本人賛成しているというアンケート結果は単に知識不足なのではないかと改めて思った。
    一度じっくりと向き合って考えてみると考えが変わる人も出てくるような気がした。
  • 決壊(下)
    面白くて…というわけではなく、先を読まざるを得ない様な感じで、結局一気読み(^◇^;)

    難しいし、よくわからなくて読み飛ばした部分もあるんだけど、妙に共感しちゃう部分もあったり。

    あー、芥川賞作家らしいわー、文学だわー、ところでいつ殺されるん?と思いながら読んでたんだけど、いやー、重くて、重くて...続きを読む
  • 『マチネの終わりに』無料試し読み

    続きが気になる

    無料版では、出会いのシーンが描かれていました。これから二人がどう発展していくのか、続きが気になる作品でした。
  • 小説の読み方
    小説を読み慣れてないので、手に取った1冊

    小説の読み方について学んだ

    4つの質問 ニコラス・ティンバーゲン
    ①メカニズム②発達③機能④進化

    プロット前進型述語

    主語充填型述語

    トピックが何か
    今はどんな方向で矢印が進んでいるか
    やっと、平野啓一郎さんの「本心」が読める
    そして、分人も読み直...続きを読む
  • 死刑について
    正直に言えば、私は同じ死刑廃止論に賛成するものです。他者と議論が始まれば、必ず感情論になり、憂鬱になる話題でした。これまで、私は、自分の考えを、整理することもできず、対する相手に伝える言葉を探し得ないでいましたが、これを読んで、本当に整理された、まさに、そういうことだよ!と思うお話でした。この作家の...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    とてもよいタイトル。
    そして好きな終わり方だった。

    分人というところまで思考が及んでいなかったが、わたしにも誰といるかによって色々なわたしがいることをここ数年で強く感じる。
    「一人でいる自分」が「本当の自分」なのかと考えると、そうではないから難しい。
    どれが本当の自分か分からなくなって、疲れる。
    ...続きを読む
  • 死刑について
    著者の意見に概ね賛成。
    死刑制度の何が一番問題かというと、被害者救済を何もしていないことの隠れ蓑になっているということ。
    以前、報道で見たが、自宅で家族を殺された人が、その自宅に住むことはできず、しかし売れないので、ローンは払い続け、その上に賃貸で暮らす生活費がかかると嘆いていた。精神的にも経済的に...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    表紙のゴッホの意味が分かった辺りからは夢中で読んだ。
    生きることと死ぬこと。遺していく人と遺される人。分人の話はかなり納得した。誰しも自分が出会う人に影響を受けてる。
    ドラマも楽しみだ。
  • 高瀬川
    とにかく実験精神に溢れた挑戦的な文学。
    最初の掌編は記憶と流水のイメージを重ね合わせる。屁理屈っぽさすらあり読むのが少し苦しいが、ここで語られていることが後の3作のモチーフになるため、よく読むと読後感が変わる。
    「高瀬川」は性交のための一夜の営みがクールっぽく描かれるも、何度か挟まれるダサい描写が印...続きを読む