平野啓一郎のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    作家の人たちってこんなに話上手いんだなと驚く。
    飲み会の場で話しているようなフランクさもありつつ芯を食った内容になっている。
    紹介されている本も面白そうなものばかりで、ウォッチリストにたくさん入れた。話し手さんの本も未読のものは代表作くらいは読んでおこうという気になった。

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    2026年05月19日
  • マチネの終わりに

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    すれ違いと運命

    面白かった。未来が変わることで過去が変わる。過去も変えることができる。

    抜粋
    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
    洋子は、長い黒い髪を首の辺りで押さえながら、何度も頷いて話を聴いていた。
    「今のこの瞬間も例外じゃないのね。未来から振り返れば、それくらい繊細で、感じやすいもの。
    ....・生きていく上で、どうなのかしらね、でも、その考えは?少し怖い気もする。楽しい夜だから。いつまでもこのままであればいいのに。

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    2026年05月03日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    私自身、属するコミュニティによって無意識にキャラクターが変わることは、以前から自覚していた。
    ただ、その変化のなかで「他者の存在」をそこまで意識したことはなかった。ここでいう分人とは、「相手との反復的なコミュニケーションを通じて、自分の中に形成されていくパターンとしての人格」だという。

    個性とは分人の構成比率である。そう考えると、「自身の理想の個性を保つためには、付き合う人を選ぶことが重要だ」という考えが、腑に落ちた。

    特に印象に残ったのは、愛についての記述。愛する相手とは、その人に向き合うことで生まれる“自分の分人”を、好きでいさせてくれる存在なのだという。
    「一緒にいて楽しい人を選びな

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    2026年05月01日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    大好きな「本心」のご本人解説目当てで読んだ。
    何作かの小説を解説する実践編が面白くて、特にミルチャ・エリアーデの「若さなき若さ」の、なりたかった自分となり得たかもしれない自分に一斉に見舞われることによるアイデンティティの動揺というのが印象に残った。「作品を書かなかったゲーテ」というパワーワードを解説のおかげで理解できて楽しかった。


    ◼️小説を飲むときのアプローチ「四つの質問」
    ①メカニズム:話を動かしている仕組み
    ②発達:作者の人生の中のタイミングや変化の過程
    ③機能:作者と読者の間で持つ意味⇒単純化したものがジャンル分け
    ④進化:社会や時代の雰囲気から受けた影響
    ◼️小説は小さな矢印(主

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    2026年05月01日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    分人とは、例えば学校の中のあなたと家庭内のあなたの人格、ネットの中全然違うよね。
    キャラとか人によってあなたは変容している。
    でも、顔はひとつしかない。
    個性だとか自分らしくとか言うけど、違うのが普通だし分人が多ければ多いほど、あなたと人との関係は柔らかくコミュニーションがとれている。
    嫌なことがあっても、それはその人と分人の自分が合わなかっただけで、自分は愛されなかった人間だと本質規定してしまってはならない。
    引きこもりなどの閉鎖的な環境は、過去の分人しか生きられないので苦しくなる。
    色んな人と出会い複数の分人がいるからこそ、幸せな自分に出会うことが出来る。
    分人のレベルで見ると、愛とはその

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    2026年04月26日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    日頃の対人での悩み事は、基本的には個人と分人の考え方を落とし込むことで解決すると感じた
    身近な人であればあるほど、どうしても相手をコントロールしたくなってしまうような瞬間があるけれど、『自分が口出しをして良いのは、自分の相手に対する分人と、相手の自分に対する分人だけだ』という文章に触れて、人と接するとはそういうことだと改めて感じた。
    自分自身とはなんだろう、という問いに対しても、全ての分人は自分であり、それらが合わさって自分を形成しているのだ、という内容についても、つい忙殺されると見落としがちな点だと感じた

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    2026年04月26日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    人との相互作用で作られる分人の考え方面白かった!大学の友達と高校の友達といる時の自分確かに違うし、しほの中で好きな自分の構成比が変わっていくことも感じた。この本を読んで、さらに自分と接する人を大切にしたいって思った!
    最後の方の、キリスト教的な神と1人の関係性が色んなところに影響してるなって気付かされた。

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    2026年04月25日
  • 三島由紀夫論

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    生と死の全体を思想化しようとし、
    その思想が生と死の全体に一体化するよう行動した
    それが三島由紀夫である

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    2026年04月21日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    大人の恋愛小説。温度感がいいなと思った。現実の目の前の選択肢から選んで生きている大人の人生。時を超えて、掛け違えたボタンに気づき、また再びふたりが向き合うラストに報われる。

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    2026年04月18日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    生成AIに対して、今後自分の読むべき作品について聞いたところ、本書の作者である平野啓一郎氏の作品が挙がったので、著者の思想の根底が「分人思想」であるということに興味を抱き購入。

    著者は哲学者ではないものの、「個人」の概念を改めて問い直し、独自の「分人」思想を実体験も交えて展開する。
    「個人」というのは唯一の人格なのか?「本当の自分」という確固たる自我は存在するのか?という、普段何気なく使っている言葉に対して疑問を呈し考察する姿勢は、哲学的アプローチであるといえる。

    「個人」はindividualの訳とされるが、これは"もうこれ以上分割不可能なもの"という意味が込められて

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    2026年04月08日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    aiu

    ネタバレ 購入済み

    独身の蒔野と婚約している洋子が惹かれあうという話で、内容としてはドロドロとしたものとなっていた。しかし、二人の性格の見せ方なのか、不快感を抱くようなことはなく、どちらかというとピュアな印象を持って読むことができた。
    また、終盤で擦れ違いの真相をお互いが知った際の考え方やその後の行動から、もし私ならどうしただろうかということを考えさせられた。どう動いても最高の結末が想像できないまま二人が再会し、そこで物語が終わりを迎えたので、自然とその後に思いを馳せられた。

    #切ない

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    2026年04月04日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    最初には難しかった、
    本をたくさん読むとあそこでも言ってた、ここでも言ってた、と繋がってくるんだとわかった、

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    2026年03月31日
  • 本心

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    ネタバレ

    現代より進んだ世界を題材にしており、AIやVF(ヴァーチャルフィギュア)と呼ばれるような技術は進歩している一方、格差は拡大し、生きることを負担に感じる人もいる、そんな中で出てくる「自由死」という概念について問う一作だった。
    病などでもう助からない命に対する死の選択と、貧しい生活を強いられ、子供や周りへの負担を考えて半ば強制的な死の選択では大きく異なる。しかし、主に後者の境遇にいる者は、そこから抜け出すためにできることが少ないというジレンマを、自由死を願った母を持つ朔也と、彩花、岸谷、そしてイフィーという違った境遇にある者たちのやり取りからひしひしと感じた。この答えのない未来の問いに、これからの

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    2026年03月28日
  • 本心

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    最愛の人の他者性と向き合う。というフレーズが印象的だった。
    空白を満たしなさいで知った平野啓一郎だったが
    本心はより哲学的というか、考えさせられる一面が多かった。

    母が死んだら、わたしは母のVFを作りたいと思うんだろうか

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    2026年03月26日
  • 本心

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    かなり哲学的で難しく、読むのに時間がかかった。
    中盤で出てきた「縁起」に引き込まれた。実際に体験してみたいし、文字として読んでいるだけで不思議な気分になり、印象に残った。

    自分は深く考えもせず自由死に賛成派だったが、社会の格差が広がり、強者が弱者に強いるために生まれるものなのかと衝撃を受けた。
    人生における「もう十分」が社会に言わされている言葉なのだとしたら、あまりにも救いがない。。

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    2026年03月21日
  • マチネの終わりに

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    大人の恋愛小説の代表と言っても過言ではないでしょう。
    2人の間に強い気持ちがあるにも関わらず、環境や周りの人たちによって一つ歯車がズレるだけで、全然違う展開になっていくのが、読者にはわかっているだけにもどかしいです。
    最後の最後まで2人を見守っていたくなります。
    そして、滲み出てくる我慢の愛情を感じることができました。

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    2026年03月20日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    ネタバレ

    死んだ人間が復生者となって蘇る。自分は自殺するような人間ではない。自殺したのではなく、殺されたのではないかと疑い、自分が死んだ理由を追求していく。対人関係ごとに色んな自分がいて、〈個人〉に対して〈分人〉と呼ぶ考え方に出会う。的はずれであるけれども、NHKで漱石についての番組を見た直後に読んだので、明治になって近代人は〈国家〉と〈個人〉の問題に苦しんだが、〈分人〉という考え方は、現代人を〈個人〉から解放するのかみたいな、途方もないことを思い浮かべてしまった。

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    2026年03月17日
  • 死刑について

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    私は死刑廃止派
    死刑について深く考えるために読む。
    在置派だった筆者による考察・論調は自分では到達出来ないような視点を提示してくれる。
    法のもとに人を殺すことが可能な国は…人権を軽視しているようで嫌だし、殺人をしてはいけないけれど死刑による殺人はOK(やむを得ない)というのは、人間が命に優劣をつけているとも取れる。
    同じ命あるものに、同じ人間の自分が優劣を決める可笑しさ、悲しさ、、不思議に思うけれど、自分が判断・手を下す訳じゃないから、他人事なのかな?廃止は理想なのかな?
    なんて自分の考えに固執しないよう、在置派の考え・論理をこれからも知っていきたい。

    まずは、考えるきっかけに良本だと思う。

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    2026年03月10日
  • 自由のこれから

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    「分人主義」という他者に対する「個人」という見方ではなく、いろんな他者と相対するときの複数の人格を自分と捉える考え方がベースにあって、そのベースの中で、「自由」「幸福」「テクノロジーの進化」「本当の自分」などのテーマをさまざまな専門家と対談しながら、書かれていた。

    分人主義という考えが非常にしっくりきて、心理学的には「自立」の考え方と似てると思った。「自立」は1人でなんでもできることではなく、様々な組織、コミュニティーに属することで依存先を増やすこと。そうやって、自分を見つけることが「自立」と言われたりしてる。
    「分人」や「自立」は全然違う表現だけど、複数の他者から見た自分という観点が全く同

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    2026年03月09日
  • 本心

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    エッセイや評論的なものは割と読むけど、小説は、日蝕で幾度となく挫折しているから、ほぼ読んでいない。しかし、さすがの平野啓一郎。ストーリー展開、リアリティ、言葉の選択、どれをとっても圧巻。読んでいて決して心地よい話でもないのだけれど、作者の筆力に圧倒される。どれだけ構想し、推敲したのかと唸らされる。薄っぺらい言葉や文章表現がネットもリアルも飛び交っているなか、この密度はすごい。何年かかるか分からないけど、真正面から向き合いたい、向き合わないとならない作家だなと再認識。

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    2026年02月23日