平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(上)

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    ありきたりな設定ではあるが、それぞれの心理描写と社会的な立ち位置が想像以上に面白くて、サクサク進む。下巻が楽しみ。

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    2025年09月26日
  • マチネの終わりに

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     ギターリストが魅力的な女性と出会い、お互いに想いを深めてゆくの物語。男性女性のそれぞれの視点から物語が進むが、非常に長い年月が語られる。お互いの想いと、そのずれを長い時間の中で描いてゆくところは、「汝、星の如く」とも少し似ている気もしたが、それよりは硬い雰囲気の小説だった。

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    2025年09月21日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    手術直後の満身創痍な状態で読んだので、深くは読めなかったのだけれど、それでも惹き込まれる本だった。元気になった時にもう一度しっかりと読みたい。
    ただ、他の平野啓一郎の本とは違い、かなり主人公やヒロインから距離を置いた視点で書かれていると感じた。序文でもチョロっとは言っていたが。
    作者の有り余る知識量と文体の快さにノックアウトされそう。クラシックギターを聴いた事がなかったので、入院中のベッドの上で聴いた。

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    2025年09月19日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    【文学は何の役に立つのか?】 平野 啓一郎 著

     いつも疑問に思うことがタイトルになっていたので読んでみました。本書は、著者の講演などをまとめたもので、表題については冒頭の35ページとなっています。著者も「答えるのに苦慮する問い」とのことですが、「一つの理由」を見つけたとあります。ネタバレはまずいと思いますが、この理由やその後の論考などは同意するところ大でした。

     平野氏の著作は好きでほとんど読んでいますが、本書のほかの論考を読むと、自分と幼少期の経験が似ていることがわかりました。また、文章もきらきらと美しいのですが、三島由紀夫に留まらず、ハイデガー、大江健三郎など多数の文学・芸術に接して

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    2025年09月18日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    凝った文体ではあるが伏線があって楽しめる。大人の生きざま。三島的な言葉遣いと耽溺の色合い、次作が楽しみになります。

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    2025年09月15日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
    出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
    分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それ

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    2025年09月15日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
    出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
    分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それ

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    2025年09月15日
  • ドーン

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    ネタバレ

    「ディヴィジュアル」「分人」の単語が要所でかなり出てくるのは、平野啓一郎みがある

    アストーときょうこの心情描写、不安や焦燥感はかなり緻密に描かれてて迫ってくるものがあった

    やっぱり宇宙船のような密閉空間で過ごす中で、分人は増えたりしないのか

    登場人物がやや多めで、正直よく分からず読み進めてた部分もあった

    分人はoperationalではなく、cooperativeに育まれるんだ、みたいな台詞が気に入っている

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    2025年09月15日
  • 葬送 第二部(下)

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    ついに終わりがやってきてしまいました
    イギリスで体調を崩して
    やっとパリに戻ったショパン
    自分の死期を少しずつ受け入れて
    言葉を残していく
    どうしても会いたい人がいた
    母親、そしてサンド
    どちらも叶うことはなかった

    ショパンの人生ははたして
    輝かしいものだったのか?
    少なくとも亡くなる前のこの3年間は
    苦悩ばかり
    天才ゆえに受け入れられない
    ことがある
    天才ゆえに思い通りに
    生きられないことがある

    ドラクロワとて同じ
    同じような苦悩を抱えながら
    不器用に生きていくことに
    必死で
    ショパンの死を受け入れることが
    できなかった
    ショパンのそばで寄り添うことが
    できなかった
    毎日会わなくても

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    2025年09月12日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    個々がどうしてその心理に至ったのかがとても丁寧に描写されていて、まさに大人の恋愛小説だと感じた。ある出来事からの蒔野と洋子のすれ違いが歯がゆい。

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    2025年09月11日
  • 葬送 第二部(上)

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    ショパンが演奏会をするらしい!
    パリの社交界は噂で賑わった

    『ピアノの周りに集まった親しい友人の胸の奥に巣食う本人すらも定かには知らない秘密にそっと触れ、彼らの無言の告白を自然に引き出してやるような演奏』

    を好んでいたショパンがなぜ?
    それはショパンをどうしても元気づけたく、
    そして、収入を得た上で、また作曲に没頭できるようにとの仲間たちの愛だった
    誰一人としてショパンをほっておくことは
    できなかったのでしょう
    演奏会の一週間後3月革命が勃発
    かつての愛人サンドの活躍や訳のわからない
    世間から逃れるようにショパンは
    イギリスに移る
    スターリング嬢の思惑通りイギリス、スコットランドで演奏や、

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    2025年09月11日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    死んだ人が生き返って、その死の真相を探るミステリー……だと思ってた。その謎の部分を指して「空白を満たしなさい」っていうタイトルだと思ってた。違う違うそうじゃない。私が思うに、これは残された人たちの空白を満たすための物語だったのだ。

    普通は人が一度死んだらもう二度と蘇ることはない。残された人たちの中にはその人の死を引き摺り続ける人もいるだろう。心にポッカリと空いた穴を塞がないまま生き続けることの辛さは推し量るべくもない。彼らがそういう人たちのために生き返ったのだとしたら……。さあ、空白を満たしなさい。

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    2025年09月10日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    同じ著者の「決壊」は断念したけどなんとか読み切ることができた。

    死んだ人が生き返るのは無条件でいいことだと思ってたけど、そんなに楽観視できることじゃないんだなぁ……そもそも幸せって一体なんなんだろう?
    そんなことを深く考えさせる作品でした。

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    2025年09月07日
  • 葬送 第一部(上)

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    パリ社交界で活躍したショパン
    物語は
    ショパンが結核と思われる病によって死去した
    その葬儀の当日の騒ぎから始まっている
    そして
    そこから遡ること3年ほど前
    病に蝕まれつつも
    女流作家ジョルジュサンドや、その子供たち
    画家のドラクロワらと過ごす日々が綴られている
    それぞれの心情が細かく表現されているので
    その場で見ている気分になる

    今も伝わる有名な芸術家たちが
    パリを中心に集い
    芸術に悩み、私生活で悩み
    喜び、悲しみ、恨み
    あるいは噂を語る
    どれもが、些細なことであったりと
    身近に感じてしまう
    少し疲れたショパン
    少し疲れたドラクロワ

    次の下巻に続きます


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    2025年09月03日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    鑑賞日 2025/6~2025/8
    評価点3.8

    過去に打ち勝てなかった人たちに寄り添う作品。

    平野啓一郎という作家は、過去に対しての向き合い方を恋愛や家族といった人間関係をテーマにして度々問い直そうとしてくれる。

    多分、内容のなかで述べられていたみたいに、現在(いま)以降の結果を変えていかないと過去に向き合うことなんて出来るはずもなかったんだろう。理性でどう言い聞かせ、どう問い直そうとしても、感性が納得しない限りは再定義など出来るはずもないのだから。だから過去とは末恐ろしいもので、未来の可能性に思い馳せるか、単に忘れようとするかでその回想という時制を回避しなければならなくなる。実際、ど

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    2025年08月31日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    若松英輔さんと平野啓一郎さんの名前があるし、と軽い気持ちで手にした本。そして、長らく積読本。今回、ようやく読み始め、初めて世田谷事件の被害者家族である入江杏さん主催のミシュカの森という会があることを知った。そして、その会の講演をまとめたのがこの本であることも初めて知り、心して読まねば、との気持ちになって読んだ。
    平野啓一郎さんの話では、死刑について考えさせられ、東畑開人さんの話では、居場所についてを考えた。特に居場所の話は自分レベルで考えられたと思う。そして、自分にとっての居場所について考えられた。もっと居場所を作らなくては、とも思う。居場所、座っていられる場所。立っている場所は落ち着かず、疎

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    2025年08月27日
  • 本心

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    ネタバレ

    自由死という題材が面白い。看護師の私からすれば、日本でも安楽死推奨するべきだと思うし。
    この日本だけじゃないけど、こーゆー国っていうか人間の構造って変わらないんだろうなと思うし、自分は恵まれてる側だし、何も言えない。し、困ってないからなんとかしたいとは思わないし、そのための何かって多少偽善だなって思うし。そういう意味で人間性が現れる本だなと思った。終わり方はスッキリしなかったけど。

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    2025年08月21日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    難しい単語や表現が多く、最初は読みづらかったが、慣れてくると物語の世界観に入り込むことができた。
    天才ギタリストと映画監督の娘でありジャーナリストという2人が結ばれて、色んなアクシデントがあって関係を終わらせることになって、お互い別の人と結婚したけど、2人の思い出をずっと忘れずに心にしまっていて、すてきだった。
    2人の関係を邪魔することが起きたとき、自分が物語に入り込んで全部説明したくなったぐらい物語にのめりこんだ。

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    2025年08月21日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    他人との関係を「分人」という概念を使って表現していた。自分も、自己について周りとの関係によって変わる曖昧なものだと感じていたので、理解が深まった。
    この本を読んで思ったこととしては、分人は離散的でなく連続的な概念だと思った。筆者もきっと分かっていて、離散的の方が分かりやすいからそう書いたんだと思うけど
    自分にはいま子供のような守るべきものはないが、もし大切な存在ができたら徹夫と同じような考えをしてしまうかもしれないと思った。

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    2025年08月18日
  • 死刑について

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    死刑制度には反対。
    しかし昔は賛成だった。
    海外の作家と交流したり、『決壊』を書く中で価値観が変わった。

    なぜ死刑制度に賛成の人が多いのか→人権教育がなっていないからだ。

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    2025年08月03日