平野啓一郎のレビュー一覧

  • 「カッコいい」とは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【一言まとめ(キャッチフレーズ風)】
    「カッコいい」は見た目だけじゃない。
    私たちの生き方や価値観にまで響く“体感主義”だ。

    ③【要約(内容の流れ・ポイント)】
    本書は、大きく分けて以下の3つのポイントで構成されています。

    「カッコいい」という言葉の歴史と意味の広がり
     テレビ普及期に生まれた言葉で、外観だけでなく個人の生き方や価値観と結びついてきたことを解説。

    「カッコいい」の基準は“しびれる体感”
     理屈ではなく、体が震えるような感覚こそが「カッコいい」の本質。ジャンルを超えて多様化し、個人のアイデンティティと結びついている。

    外見と内面の関わり、そしてその裏に潜む危うさ
     外見と

    0
    2025年07月25日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

    Posted by ブクログ

    今まで、いわゆる純文学が苦手で、難しいと感じてきたが、読み方が雑だったからなんだと、この本を読んで改めて悟った。なんとなくわかってはいたけど。
    先へ先へと読んでしまいがちだけど、改めよう。
    この本に書かれている方法を取り入れながら、手持ちの本を、ゆっくり味わって再読してみよう。

    0
    2025年07月22日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一気に読んでしまった下巻。
    平野作品のカバーはよく考えられているのだろうと思ったから、絶対にゴッホの「自殺」についての描写(もしくは自
    殺ではなかったのではないか)というテーマが出てくるのかと思ったら、下巻の絵が実はゴッホではなく、弟のテオだったのでは?という説が出てきて、それは私も初耳だった。
    平野さんが興味を示している「分人」についてこの作品ではよりわかりやすく語られている気がする。やはりこの作品を読んでから、「本心」を読むともっとわかりやすかったのかなとも思う。
    でも入門というか、手にとるようなテーマとして、「本心」に出てくる母親のVFっていうのは興味深かった。
    子供2人、家族を持つもの

    0
    2025年07月21日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

    Posted by ブクログ

    スローリーディングのすすめ

    『本当の読書は、単に表面的な知識で人を飾り立てるのではなく、内面から人を変え、思慮深さと賢明さとをもたらし、人間性に深みを与えるものである。そして何よりも、ゆっくり時間をかけさえすれば、読書は楽しい。私が伝えたいことは、これに尽きると言っていい。』

    Recommendation for Slow Reading

    "True reading is not about adorning oneself with superficial knowledge, but about transforming oneself from within, bring

    0
    2025年07月14日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    芸術とか政治情勢に教養なさすぎたし、難解な単語にちょっと飽きたりもしたけど、後半はスイスイとエピソード展開していって入り込めた
    感情を繊細に抱きつつ冷静に最善手を検討するような理知的な雰囲気を醸す一方で、有無を言わさぬ情動に翻弄されてしまう面もある洋子がかなり魅力的だった、実際いたら嫉妬狂いしそうだけど

    誠実な対話を通じて思考が絡み合うような密接なやりとりを自然とできる関係で、さらに自分がこの人に好かれるためにこういう部分が欠けているかもしれないと依存的になる幼さを含むようなそんなどうしようもない恋情に身を焦がしたい
    自分の言ってることが本当に伝わっているか?少しでも違和感のある度に立ち止ま

    0
    2025年07月13日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    2040年
    人々の格差の広がり、メタバースの日常化
    政府の企みか、富裕層の企みか
    自由死という選択肢が生まれる
    そんな中
    最愛の母を事故で亡くした朔也は
    母をAIで蘇らせることにした
    生前に「自由死」を望んでいた母の
    すべてが知りたくて

    情報を得るために知り合った
    母の友人から
    次々に知らされる母の過去に戸惑いながら
    自らの生活もどんどん変わっていく

    生きていくということ
    死を選択すると言うことの意味

    さまざまな葛藤

    はたして本心は明かされるのか
    母の本心、自分の本心、友人の本心

    難しい問題が次々と現れて読み応えありすぎる
    ちょっと疲れた

    0
    2025年07月03日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2040年ごろの日本が舞台の話。
    仮想空間に亡くなった母のアバターを作って、コミュニケーションを取る主人公。
    今よりも少子化が進んでいて、格差も拡がり貧しくなっている日本が想起されるので終始暗い印象でディストピア感があった。
    母のアバターに依存していた主人公だったが、現実の人達とのコミュニケーションの影響でアバターを離れることができた。
    ラストは精神的な成長と、自分のやりたいことに気づけた主人公に対して希望を持てる終わり方だった。
    それでもずっと後ろ暗い雰囲気は拭えなくて、暗い気持ちになった。

    0
    2025年06月18日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    つくづく大人の恋愛って多様だなと思った。結ばれずとも愛と呼べば、結ばれていても愛と呼べないものも。究極の愛も色んな形が他作品で描かれているけど、結局は他人の幸せを願えるかどうかなんだろうな。
    「未来は常に過去を変えられる」って結局は後悔に対する免罪符に過ぎず、過去と折り合いをつけて前に進むしかないんだなぁと思った。そうして過去の自分を愛して、生きていかなければならない。過去に起こった出来事への捉え方は変えられるけど、事象は絶対に変えられない、「過ちを去る」と書いて「過去」って言葉になるの、奥が深いな。蒔野さんと洋子さんは劇的な再会を果たしても、変えられない過去があるので、もう昔のように激しくは

    0
    2025年06月16日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    わかりやすい人間関係の構図から、漸うカタルシスが起こるであろう予想は容易く、チリチリとした不穏感にじらされる...そんな地味な牽引力で次頁を繰らされるのだから心情描写が秀逸なのだろう。大きなテーマとしているのが本心、心や魂といったもののため、近未来の時制を描いていても今自分のいる世界と地続きなリアルがあった。「最愛の人の他者性」と「一体、この生への懐かしさを失わないまま、喜びと共に、死を受け容れる事は可能なのだろうか?」という煩悶が記憶に残った。

    0
    2025年06月10日
  • 悲しみとともにどう生きるか

    Posted by ブクログ

    悲しみとの向き合い方。
    ケアとは何か。
    居場所とは何か。
    様々な視点が紹介されていて、興味深く読みました。

    ひとりひとりの感じ方、考え方を尊重することの大切さを改めて想いました。

    0
    2025年06月03日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    これが運命か
    最愛の人との出会い、すれ違い、別れ

    最愛の人と一緒に過ごせる時間は人生の中でどれだけあるのだろうか。
    最愛の人の影がありながら共に生きようとする脇役には、少なくとも今の自分は選択しない

    0
    2025年06月02日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    分人という視点、苦悩の扱い方、そして「死」がもたらす余波に深く揺さぶられた。
    分人について、誰かと一緒にいるときの自分と、一人のときの自分って確かに違う。その中には好きな自分もいれば、あまり好きじゃない自分もいる。

    本書の中にはすごく哲学的な内容もあり難しい部分があって、そこは斜め読みしてしまった。
    いつか再読したときには少しでも分かるといいな。

    ラストのシーン、光の描写が美しくて切なくて…。
    残された家族のことを思うと胸が痛いし、「死ぬことって、自分だけの問題じゃないんだな」と改めて考えさせられた。読後も余韻が残る、深い一冊だった。

    0
    2025年05月28日
  • 死刑について

    Posted by ブクログ

    日本が死刑を限りなく例外的なものとして捉えている限り、多数派の死刑存置論を変えることはできないと思う。逆に今以上に厳罰化が進んでいって、死刑選択基準が今より下がっていけば、どこかのタイミングで廃止論派の流れが来るのではないかと期待している。

    0
    2025年05月23日
  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    自分は何故死んだのか?を探るミステリーな面もありつつ、哲学的側面もあって面白い。
    どうやら「分人」という考え方を知っておくとより深く楽しめるらしい。
    最後が「え?」ってなったので、下巻もそのまま読もう。

    0
    2025年05月21日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    2016年~2017年に BS で放送されていた番組を書籍化したもの。オードリー若林氏が各回2人の作家をゲストに迎えて行う鼎談集である。もともと知り合いの方も多いようで、堅苦しい話も小難しい話もなく、気軽に読める。

    小説を読んだだけでは分からない作家さんの側面が見られて楽しいし、読んだことのない作家さんも、話がおもしろい方の本は読んでみたくなる。また、毎回の鼎談の最後に紹介される本も、興味をひかれるものが多かった。

    読書の幅を広げたい方に。

    0
    2025年05月19日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    近い将来こんな世界になりそう、という物語。
    亡くなった母の情報を学習させて仮想現実の中に母を作る、という設定は、出版当時こそにわかに信じられなかったが今なら現実味がある。

    主人公は母の本心を知りたいという一心で母を作ったが、結局本心は知ることはできない。母が蘇るわけではなく母っぽい言葉を返す母そっくりの何かなので、学習した内容からしか話すことはできない。今のAIの技術を鑑みてもこの設定は納得ができる。その点でこの物語はフィクションであるが5年後10年後にはノンフィクションになっているかもしれない。

    0
    2025年05月17日
  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    豊崎書評から。現代文学には違いないけど、作家名を知らずに読めば、これはSFですわな。”空白”って、そういう意味ね。ミステリ的趣向も凝らされていて、後半の展開もとても気になる。

    0
    2025年05月12日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    AIとVRによる死者(母)との再会。近未来と異次元な雰囲気が愉しかったが読み終えてみれば成長物語だったのでそこがやや意外かもしれない。癖になる世界観であった。

    0
    2025年05月06日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    生と死、仮想と現実、貧困と富裕、友情と愛など様々な二項対立をテーマに忍ばせ、読者に問いを投げかけてくる作品。穏やかなストーリー進行ではあるものの引きつけられた。

    0
    2025年05月06日
  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    前情報を入れずに読むので、上巻はミステリー展開でドキドキハラハラしながらも「でも平野啓一郎だぞ?そんなシンプルミステリーな訳ないよな?」と構えながら読みました。
    予想通りでした。笑

    ドーンは苦手で最後まで読めずでしたが、ある男、マチネの終わりにに続き、読み応えのある興味深い本でした。

    0
    2025年04月27日