平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第二部(下)
    襟を正して読んでいた長編がようやく読み終わった。
    昨今主流のストーリィを追いかけ、言葉を読み飛ばしてはいけない小説。
    思いの他、時間がかかったのもやむをえない。

    一昨日、「ショパン伝説のラストコンサート」横浜公演で
    平野氏のお話と朗読を聴く。
    人間ショパンと天才ショパンを描きたかったのだそうだ。
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  • ウェブ人間論
    『ウェブ進化論』は読んだことがなかったけど、平野啓一郎の『本の読み方 スロー・リーディングの実践』は読んだことがあったので手にとってみました(ちなみに小説はまだ読んだことがない)。
    同じ新潮新書の対談集としては『14歳の子を持つ親たちへ』(内田樹/名越康文)以来で、これはそれとは主題が違うので比べら...続きを読む
  • 文明の憂鬱
    この人は特異な人なんだろうか。視点が面白い。あえて書いているようだが平易なほうがこの人の魅力は上がるように感じる。
  • ウェブ人間論
     ここではあくまでも「人間」がテーマの対談。平野氏の言説は、われわれ一般の読者に近い。梅田氏の姿勢も常に寛容であり、器の広さを感じさせる。
  • 顔のない裸体たち
    第三者の目を通して冷静に描く主人公二人の描写がリアリティーに溢れ、本当に現実の事件として起こっているのではないかと思うほど。

    平凡な中学校教師<吉田希美子>は、とあるきっかけで出会い系サイトを介し、一人の男性<方原盈>と出会う。<ミッキー>というニックネームを名乗っている間は、現実の地味な<吉田希...続きを読む
  • ウェブ人間論
    梅田望夫さんと芥川賞作家の平野啓一郎さんの対談を収めた本
    です。
    梅田さんほどはウェブについて詳しくない平野さんが、梅田さん
    とは違った視点からいろいろと聞いてくださっているので、ウェ
    ブについて詳しくない人にも読みやすくなっているのではないで
    しょうか。
    私が聞きたかったことも平野さん...続きを読む
  • ウェブ人間論
    ・ウェブ=外部記憶
    ・ネット上に膨大な情報がある=情報がないに等しい
     -膨大すぎて埋もれてしまう
    ・逆に情報をばらまくことで情報を隠せる
     -一度出た情報そのものを消し去ることは難しい
    ・リアルが充実していない人がネットに傾倒しがち?
  • 高瀬川
    表題作。高瀬川。京都の一夜。その「性」をどっぷり。ただ性欲を満たすだけならば小説などなんの意味も立たない。SEX本。心理学本。そんなの意味がない。恍惚感。死の気配。隠された過去。本能。アンバランス。否定。肉体から心まで奪うこと。過去を消しさること。一度傷ついた心。もどらないこと。心の平安を取り戻すこ...続きを読む
  • ウェブ人間論
    自分が日頃から疑問に思っていることや、うすうす感じ始めていることが明文化されており、「あ。やっぱりそうか。」と思えた。
    (本という媒体がなくならないことに関して)梅田 一覧性とか携帯性とか、やっぱりコンテンツ自身ではなくパッケージ性が重視されているということですよね。
    (グーグルはダークサイド的なも...続きを読む
  • 文明の憂鬱
    好きな作家平野啓一郎さん。梅田望夫さんとの対談本もあったり、はてなでブログ書いていたり、小説はガチな純文学系ですけどけっこうメディア・テクノロジー系も強いのだと思っています。
  • 高瀬川
    純文学というのは、とっつきにくくてどうも苦手です。

    「清水」「追憶」は、どうしても読めませんでした。
    「清水」は、阿部公房のような、いわゆるシュールレアリズムというものでしょうか?
    文庫版を電車の中で読んでたら疲れてしまいました。
    「追憶」も同じく。実験的すぎて、頭に入ってこなかった。

    こういう...続きを読む
  • 葬送 第一部(上)
     創造という行為の価値を考える。具体的な作品名が挿入されるおかげでショパンやドラクロワの芸術に浸れる(気分になる)ところも魅力的。
  • 葬送 第一部(上)
     ショパンとドラクロワが小説の中心ですが、物語というよりもその二人を通して作者が哲学的・芸術的思索をしているように感じました。しかし人物の心理描写が非常に細かいので、物語としての質は保っています。一月物語などよりも語彙は平易。
  • 葬送 第二部(下)
    ついに最終巻。ショパンはいかに生き、いかに死んだか・・・彼に思いを馳せるのは、ドラクロワだけではない・・・。
  • 葬送 第一部(上)
    長い物語です。最期を迎えるまでの人間ショパンを見てください。圧倒的な文書力、平野啓一郎の最高傑作です。
  • 高瀬川
    日蝕で挫折したリハビリ。表題作『高瀬川』はあと4年経ったら読み直したい。壁一枚向こうであるような奇妙なリアリティがある。とにかく印象的でドキドキしてしまった氷塊。でもなんだかんだで追憶が一番好きです。読みやすいので平野氏を敬遠している方にもオススメ。
  • ウェブ人間論
    片やウェブビジネスに生きる人、片や文学の世界に生きる人。
    まったく違うジャンルの世界に生きる人が対談している様子がとても面白い。
    最初はなんか微妙に話がかみ合ってない感じがしたんだけど、
    最後はけっこうしっくりきてたな。
    むしろ、異なる考え方を持つふたりの対話では、よい相乗効果が出ていた。
    考え方が...続きを読む
  • 文明の憂鬱
    2006年2月 平野氏のエッセイは優しい内容をここまで難しく書くか?と思うほど理論化してくれるところが面白い
  • ウェブ人間論
    「ウェブ進化論」の著者である梅田さんと小説家である平野さんとの対談。「ウェブ進化論」をストックとするなら、「ウェブ人間論」はフロー。ITだけではなく文学についても知識がないと完全に理解することが難しいのではないか。「ウェブ進化論」の続編と思って読み進めると壁にぶち当たることになると思う。ちなみに、私...続きを読む
  • 顔のない裸体たち
    誰にも有り得る話。物語というより論文に近かった。肉体と精神の分離。快楽にすがっても大抵の人間は虚無に辿り着く。ミッチーのような例外を除いては。