平野啓一郎のレビュー一覧

  • 小説の読み方

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     「小説読んだら深い感想を書けるようになりたい」そんな思いで本書を手に取った。本の読み方に関する本はたくさんあるが、小説の読み方に特化した本は少ないので貴重。また著者が現役の小説家なので説得力がある。

     本書の重要キーワードでもある「四つの質問(メカニズム、発達、機能、進化)」が目から鱗だった。これを知れただけでも読んだ価値がある。本だけでなく映画を見るときにも役立ちそうなので汎用性が高い。

     今後読書や映画を見る際、四つの質問を意識して鑑賞後のアウトプットに活かしていきたい。また、他人の感想を見るとき「どの質問に重点を置いてるか?」を考えるのも楽しそう。

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    2023年01月10日
  • 平野啓一郎「分人」シリーズ合本版:『空白を満たしなさい』『ドーン』『私とは何か―「個人」から「分人」へ』

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    「個人individual」という単語は否定語inと「分ける」というdividualでできていて、「(もうこれ以上)分けられない」という意味なのだそう。ひと(人格)はこれ以上分けられないのかというと、そうではなくて、対応する相手や場面によりすこしずつ違った人格が生じていて、しかしそれは何も多重人格という意味ではない。それについて平野啓一郎さんは小説を書きながら気づき、「分人」と名付けて、「ドーン」と「空白を満たしなさい」という小説を書き、「私とは何か-「個人」から「分人」へ」という新書を書かれた。人に合わせて自分を変えるというと、マイナスの印象もあるが、「分人」という考え方を使うとそうわなくてすむので、少し気が楽になったかも。
    小説「空白を満たしなさい」と「ドーン」には、分人というテーマのほかに、「家族の幸せ(特に父親から見た場合の)」というのもテーマになっているのかなと思った。

    #タメになる #深い #切ない

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    2022年12月17日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    「機能」というのは、ある小説が、作者と読者との間で持つ意味である。人間の優しさを伝えたいと作者が意図し、読者がそのように作品を受け止める。あるいは、自分を理解してもらいたいと思って小説を書き、読者がそれを読んで、少しだけ作者のことが分かったような気になる。現代社会の複雑さが映し出す。人間の心の暗黒面を追及する。いずれも、その小説が作者、読者双方に向けて持っている機能である。もちろん、作者の意図と読者の意図とが擦れ違ってしまうことは幾らでもある。
     この「機能」を単純化して示したものが、ジャンル分けである。
     小説は、ミステリーや恋愛小説、SF、ホラー小説など、様々なジャンルに分けられている。実際のところ、個々の作品は、それほどすっきりと分類されるわけでもなく、弊害が多いのがこのジャンル分けだが、にも拘らず、これがなくならないのは、読者がその作品の「機能」を知りたがっているからである。欧米の出版界でも、ミステリーなどは、「ジャンル小説」として扱われている。

     小説の登場人物たちは、どんな人間なのか、最初は当然分からない。社会的な属性や家族内での立場、年齢、性別、性格。良い人なのか、嫌なヤツなのか。かわいいのか、憎たらしいのか。先ほど例に挙げた、アリョーシャについての一文を思い出してもらいたい。
    「アリョーシャは、ほかの者たちと逆の道を選択しただけで、すぐにでも偉業を成しとげたいという熱い思いに変わりはなかった。」
     ここに見られる述語は、修道院に入ったアリョーシャという登場人物がどんな人間か説明したものである。一方、ドミートリ―についての一文を参照されたい。
    「ミーチャはすぐに窓に駆けより、ふたたび部屋のなかを眺めだした。」
     これは、主語となっている登場人物の行動を表しており、具体的には、後に容疑をかけられる、父親が殺された晩に、その家に忍び込んでいる場面だ。ミーチャ(ドミートリ―)が、どんな人間かを説明する述語ではない。
     ここで、プロットという<大きな矢印>と、この一文ごとの<主語>+<述語>との間に見られる<小さな矢印>との関係を見てみよう。
     アリョーシャについての一文は、プロットを前進させるものではなく、その述語は、助詞を挟んで、主語に向かって<↑>向きに作用する(主語充填型述語)。
     他方、ドミートリ―の一文は、プロットの<大きな矢印>と合致しており、述語の記述は<↓>向きに機能し、プロットはこれによって一歩前進する(プロット前進型述語)。
     一般に、「話の展開が遅い」とされる小説には、ピックアップされる主語が多く、更に、文章に主語充填型述語が多い。逆に「展開が速い」とされる小説には、「誰某と会った、どこどこに行った、……」と行動を意味するプロット前進型述語が多い。

     先が読めるというのは、つまらない小説の典型として語られるが、登場人物の思うことや考えること、更には言うことなすことがいちいち世間並みで、予想通りだと、ああ、やっぱりとがっかりしてしまう。この小さな失望が続くと、最後に辿り着くべき<究極の述語>も、どうせこんなことだろうと冷めた気持ちになってくる。
     かといって、<小さな矢印>の先が、あまりにも突飛なものばかりだと、それはそれで「そんなバカな」と読者をシラケさせてしまう。登場人物も、生きた人間という感じがしなくなってきて、感情移入できなくなるだろう。
     読者の予想をうまく裏切りながら、しかし、突飛すぎるものにはしない。そのさじ加減こそ、作者の語り口のうまさが試されることになる。

     この小説では、「漱石」という名で指示されている<何か>は、単純化すると、「コンセプトをきちんと決めないで書き始める作家」、「鴎外」と名づけられた<何か>は、「コンセプトを決めてからでないと書けない作家」として、いわばモデル化されている。
     そういう「漱石」は、たとえば、『吾輩は猫である』を書いたような夏目漱石だ。最初の章だけで終わるはずだった小説を、なんとなくそのまま続けて、あんなに長くなってしまったのが彼のデビュー作だった。それに対して、デビュー作『舞姫』を書く前の鴎外は、当時ドイツで刊行されていた最新のヨーロッパの小説を何十冊も読破して、「小説かくあるべし」と準備万端の状態だった。
     小説家は、結局、いつもその両極の間を売れ動くものだ。「小説とは何か」というのは、どんな時代にも、小説家を襲う疑念である。しかし、そのことを思いつめていると、必ず書けなくなってしまう。そこで他方では、「とにかく書く」という態度が絶対に必要になる。その間の行ったり来たりが、小説家の一生だ。

     述語の二分類をここで改めて思い出してもらいたい。主語充填型とプロット前進型。
    『ゴールデンスランバー』の場合、取り分け、主語を充填するためだけに機能する述語が非常に少ないのが特徴だ。そのために、助詞を挟んだ小さな矢印が、常に前へ、前へと向いている。主人公が、極平凡な青年に設定されているために、内面描写の停滞感がなく、複雑な心理を説明しない分、主語の空洞は、感情移入する読者が各々で充填できるようになっている。
     もちろん、このプロットを前進させる細かな矢印は、単調な運動はせず、非常に小回りの利くコーナーリングで読者を翻弄する。

    『蹴りたい背中』の登場人物たちが、まだ高校一年生だというのとはまた別の理由で(?)、『恋空』の途上人物たちは、驚くほど勉強の話をせず、進路で悩んだり、受験勉強で苦しんだりする様子がない。時間軸には未来が存在せず、そのために、過去の整理は、常に現在と結ばれたところで「矢印」がストップしている。
     そして描かれるのは、ひたすらコミュニケーションのみであり、帰属意識を巡る『蹴りたい背中』の物語と比して、その過酷さはほとんどサヴァイバルの様相を呈している。
     大人になって、仕事や趣味の比重が大きくなると、相対的にコミュニケーションの頻度は低下せざるを得ない。毎日友達や恋人に会っていては、やりたいこともできなくなってしまうし、それがストレスとも感じられるだろう。コミュニケーションから束の間遮断されることで、没入できる何かがある。
     ところが『恋空』の世界では、仕事や趣味の成果に期待されているような他者からの承認が、すべてコミュニケーションに担わされているため、友情や愛情が、過重な負担にずっと喘いでいるような状態だ。
     放課後の部活動を学校が推奨するのは、生徒の自由時間を管理する目的以外に、未熟なコミュニケーションへの負荷を軽減する意味もあるのだろう。

     ドストエフスキーの小説が、後世に多大な影響を及ぼす素晴らしい小説と評価される理由は、どの作品にも、「アポリア」が含まれている点だろう。アポリアとは、哲学的には、一つの問いに対する答えとして相反する二つの見解が成立する場合を意味するが、一般的にどうしても解決できない難問のことだ。
     このアポリアがなければ、文学にはならないというのが、私の意見である。理屈で説明できる問題をテーマにすると、どんな物語を書いても簡単に割り切れてしまう。しかし、文学である必然は、解決できない問題に取り組むことができる、ということにあり、そのアポリアに向かって書き続けることで、言葉は熱を帯びていき、その熱が読者にも伝わっていく。
     たとえば、ラスコーリニコフが例に挙げるナポレオンは、多くの人間を殺したにも拘わらず英雄視されている、だったら、世の中を進歩させるために、「しらみ」のような強欲な金貸しの老婆を殺したところで、何が悪いのか? こうした理屈で罪を正当化するラスコーリニコフは、ある意味、非常に単純だが、しかし、彼のこの問いに読者は虚を衝かれるのである。

     小説を書き始める前は、第1部でドストエフスキーについて説明した通り、モヤモヤした想念や感情が渦巻いている状態だ。その漠然とした想いや感情を、それぞれの登場人物たちに割り振って代理させて、表現しながらモヤモヤが整理されていく。このプロセスは、名前を付された人物やキャラクターが立ち上がっていくプロセスでもあり、その際、逆に言葉そのものが私の想像した世界意味を与える役割も果たしている。

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    2022年12月16日
  • ドーン

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    640ページ読み切った〜!人類初の火星探査の話にも関わらず、火星探査自体の話はなく、その過程で起こる深刻な人間模様。平野啓一郎さんが唱える分人論の予備知識がないと、少し分かりにくいところもあるかも。
    けれど、氏の著作なら後味の悪い終わり方はしないだろう、という期待が裏切られる事はなかった…

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    2022年11月23日
  • 小説の読み方

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    淡々と書かれている稚拙な文章と思っていたケータイ小説まで深く読み込んでおり、小説を書く人はこんな読み方をしてるんだとすごく参考になった本。小説家へのリスペクトも増す。

    こんな深く読み込めるようになるにはどうしたらいいんだろうか…

    前作「本の読み方」も読んでみたい

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    2022年11月01日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子、朝井リョウ、長嶋有…。小説家は普段何を考え、どうやって作品を生み出しているのか。無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と作家たちが“自分のルール”を語りつくす。BSジャパンの同名番組を書籍化。

    作家が何を考えているかがうかがえて面白い。

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    2022年10月14日
  • 決壊(下)

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    ミステリー的要素があり内容も凄惨。個人的にはあまり好きではないジャンル。ただし平野啓一郎だけあってただのミステリーにはない深さがある。重く残る小説だが評価が難しい。ただ子供には読ませたくない。

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    2022年09月17日
  • 空白を満たしなさい(下)

    匿名

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    よかったです。

    いろいろと考えさせられる作品でした。
    私には理解しづらい部分もありましたが、こういう終わり方、好きです。

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    2022年09月03日
  • かたちだけの愛

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    読み出したら止まらない、平野啓一郎作品。話の展開は他の作品に比べて平坦ではあったが、描写が本当に秀逸である。人物像もさることながら、京大出身の男性に何故このようにファッションのことが手に取るように書けるのだろうか?(完全に偏見であり、決めつけであり、昨今のジェンダー問題に抵触しそうであるが)と驚きと同時に、才能のある作家はどんなことを書かせても一流であると感じずにはいられない。

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    2022年08月28日
  • 透明な迷宮

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    平野啓一郎短編集。「冒頭〜消えた蜜蜂」と「火色の琥珀」がとくに耽美で好みでした。とても。妖艶さを感じる。

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    2022年08月25日
  • 「カッコいい」とは何か

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    大学の一般教養1年分ぐらいの量・質とがある新書でした。第10章の要約を読むだけでも十分に価値があると思います。一見サブカル好き人間が飛びつきそうなテーマを、かの平野啓一郎が多方面から徹底的に掘り下げているところも面白かったです。

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    2022年08月20日
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって

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    平素からの発言にも信の置けるお二人の対談。それが素っ頓狂な方向に転がる訳もなく、確たる知性に裏打ちされた、スリリングなやり取りの追体験が出来る結構。話題はウクライナ侵攻にまで及ぶんだけど、暗いニュースの続く昨今、何となく感じてはいるんだけど、自分ではなかなか言葉に表せないあれこれ。それを、わかりやすく言語化してくれているように思える部分が多々あり、快哉を叫びたい気分。自分の手柄じゃないのに、この満足感を味わえるからこそ、こういう系の書に惹かれるのだな。

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    2022年08月16日
  • 小説の読み方

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    小説を丁寧に読むことの具体例が、様々な小説を題材に説かれた本。
    プロットに沿って、述語が主語を補填していく様の多様なあり方を、小説家ならではの視点から共有してくれる。

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    2022年06月26日
  • 日蝕・一月物語

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    久々にこんなカチコチの文体に目を通しました いやはやこの本を大学生?の時に書ける平野啓一郎さんに感動しかない 読破出来て良かった

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    2022年05月07日
  • 決壊(上)

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    圧倒的な迫力でどんどん読み進めた。まとわりつくような情景描写と理屈っぽい語りも、この作家の特徴として慣れてきた。10年前にもインターネットの世界でこんな事があったんだろうか?と思った。誰も幸せにならない、読み進めるほど皆が不幸になっていく重さがあるが、家族を持つ親として、いろいろ考えさせられた。

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    2022年05月02日
  • ドーン

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    分人主義という考え方を知って読もうと思いました。2030年代の近未来をディストピア的に描かれてますが、発行が2009年という事に驚きます。散影、ウィキノベル、AR、プラネットなど、2022年の今、すでにあり得そうな設定を実感しながら読み進められます。大きな震災、大統領選、大国の戦争への介入など、今の時勢にもはまり読み応えのある一冊でした。

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    2022年03月12日
  • かたちだけの愛

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    事故で片脚を失った女優と義足デザイナーの間に生まれた愛を描く

    設定も登場人物もそこまで好きになれなかったけど(それも計算のうちかも)、はっとさせられる表現に出会えるから平野さんの本はやめられない

    話としてはシンプルだけど繊細な心理・情景描写でドラマの中に入り込んだ気分になれる

    ✏技能とは、何であれ、その人の時間の使い方の果実である
    ✏愛とは、相手の存在が自らを愛させてくれること
    ✏ひとは純粋な欲望だけでなく、純粋な思いやり、つまりは親切だけでも交われるが、それを愛と錯覚し続けるには少々繊細すぎる

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    2022年02月17日
  • ドーン

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    壮大な物語と緻密な心理描写。なにより、日本語の美しさを感じる。「ある男」で感じた言い得て妙というか、細かな機微を言葉にする力を、また違った形で感じられる。平野さんの丁寧な言葉たちが、ともするとどこまでもひろがっていってしまいそうなストーリーをきれいにひとまとまりにおさめている。
    分人主義というものを理解するためには必読の一冊で、もとより社会のなかで、家族といるときや友達といるときや先生に対してなど、様々な顔をして生活している我々は、現代においてネット世界の深化によりさらにその顔を複雑に入り乱れて所有し、使い分けることとなった。それこそ家族で幸せそうにターキーを囲むときにも自分の子どもに自分の知らぬ分人が潜んでいるような状況だ。
    物語の終盤にはそのたくさんの分人を内に所有することに対して、ひとりの人間という姿を取り上げられるが、間違いなくこれがこの物語の救いであり、そして壮大で不穏な様々な分人が入り乱れるこの物語のひとつのゴールなのだと思う。
    平野さんは2作目だったが、幸せな読書体験だった。

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    2022年02月11日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。

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    2021年09月26日
  • 「カッコいい」とは何か

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    自分には少し難しいと感じたものを読み返してみたら、案外スラスラ読めた。それに、それそれ!って思うことばかりが書かれていて、自分が感じていたことを言語化してくれている本だと思った。

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    2022年09月28日