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病躯を引きずるように英国から戻ったショパンは、折からのコレラの大流行を避けてパリ郊外へ移った。起きあがることもままならぬショパンを訪なう様々な見舞客。長期にわたる病臥、激しい衰弱、喀血。死期を悟ったショパンは、集まった人々に限りなく美しく優しい言葉を遺す。「小説」という形式が完成したとされる十九世紀。その小説手法に正面から挑んだ稀代の雄編。堂々の完結。
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Posted by ブクログ
「人生は大きな不協和音だ」 これを20代で書ききった作者に感銘を覚えました。 こんな描き物をされている最中、作者はすごい濃密な空間にいたんだろうなと、想像すると畏怖を覚えました。 人は死ぬ、という事をこの2部ではずっと突き付けられた時間になりました。 死が身の回りから現代的に忌避されている中、...続きを読むこんな形でしか段々と人へ伝えられなくなってきている気もします。 天才ショパンを通して人生の歩み方を、凡人ショパンを通して死ぬ過程とは何かを問いかける。 読んでいる途中より、読み終えた後の今の方が、頭の中でメロディーを奏でているのがすごく不思議。 思考から他の事が消え去るくらい、いい時間になりました。
ジョンジュサンドの気持ちには、あまり共感しなかった。最後くらいは会いに来て欲しかった。 善良な個が集まって奏でられる不協和音。私たちを取り巻く現実世界をうまく表現しているなぁと思った。 曖昧な物が重なって出来上がってる個と共同体。印象派の絵画のような文体を意識して書いたって、平野さんが天才すぎる。 ...続きを読むクラシック含め音楽の知識が不十分で、ショパンの演奏会を想像の世界で実感できなかったのが悔しく、今後も勉強していきたい。
「ポーランド人とは即ちポーランドだ。ポーランドとは即ちポーランド人だ。 この心のすべてが、いわばポーランドの文化の歴史だ。我々一人一人が感じ取り、考え、生み出そうとするとき、常に感じ取らせ、考えさせ、生み出させているのはポーランドだ。 このからだこそは。ポーランドの土が育んだパンが血となり肉となっ...続きを読むたものだ。十指の先端にまでその土の恵みを知らぬ箇所はない。」 優美で、神経質なまでに繊細、決して相手を傷つけることのない紳士的なショパンの胸の内にある、ポーランド人としての誇り、ポーランドへの熱い思いが伝わります。 「我々の心に訴えるものは、技量というよりも精神であり、技術というよりも人間である」」という岡倉天心の言葉を思い出しました。 ショパンのリサイタルで演奏された曲を、一つ一つ聴きながら文章を読み、とても贅沢な読書体験になりました。お勧めの読み方です。 「どうして自分は、たったそれだけの思いやりをすら持つことが出来ないのだろう?どうして一切を顧みず、愛する人の為に何かあをしてやりたいという気持ちを抱くことが出来ないのだろう?」 …天才ドラクロワ、切ないです。 この他にも、サンド夫人、ソランジュ、スターリング嬢、どの人物にもそれぞれの人間性やドラマがあり、この小説を重厚なものにしています。 とても贅沢な小説でした。
ショパンとパトロンのジョルジュサンドとの係わりがよく分かる。ポーランド人ショパンのパリやロンドンでの苦闘、作曲や演奏会がダイナミックに描かれている。
今年は5年に1度開催される『ショパン国際ピアノコンクール(ショパコン)』の開催年、この年にこの本と巡り会い幸運でした。 ショパコンでの演奏曲もちらほらと‥ ショパンの生に対する限りなく強い思い、執着、画家ドラクロワの鋭い洞察力、そして自由奔放、強い個性の執筆家サンド、三人が織り成す人間模様は複雑です...続きを読む。 平野氏の三人三様のこと細かな心理描写・思考描写には脱帽、いやその細かさ故に疲労感さえ感じられる場面もありました。 人の本当の心の中は誰も覗けませんですしね。
月並みだが、死と生を対照的に描ききった佳作であった。ショパンの死。一気に死ぬのではない。死んだ後も緩慢に過酷は続く。この感覚はかつてトルストイの作品だったか、感じたことがある。対して、ドラクロワの生。他の人物もそうだが、俗物性がこの物語の主題であったように思う。ショパンが姉に会えた感動を私も分かち合...続きを読むえたことも含めて。フランショームのグジマワ伯爵と交わした不協和音についての喩えが、その俗物性の象徴かと意味深であった。
19世紀のショパン(晩年)とドラクロワを中心に、天才と死について描いた物語。芸術論など難解な個所も多いけど、音や絵を細やかに言葉を使い分けて文章化し、表現しているところがすごい。第2部の方が好きでした。第一部がサンド夫人とその家族の葛藤などが描かれていたのに対して、二部の方がショパンの演奏が多く、音...続きを読む楽や絵画についての叙述が多くなるからかな。
購入済み 内容(「BOOK」データベースより) 病躯を引きずるように英国から戻ったショパンは、折からのコレラの大流行を避けてパリ郊外へ移った。起きあがることもままならぬショパンを訪なう様々な見舞客。長期にわたる病臥、激しい衰弱、喀血。死期を悟ったショパンは、集まった人々に限りなく美しく優しい言葉を...続きを読む遺す。「小説」という形式が完成したとされる十九世紀。その小説手法に正面から挑んだ稀代の雄編。堂々の完結。 ショパンの死からその後の処理までで物語は終わる。 この巻になってからは泣き通し。 いろんな感情が入り交じってしまって、あげくにはしゃくり上げつつページをめくる。 この「葬送」はもう一度最初から読み返してみようと思っています。 繊細で、美しい音楽を生み出した作曲家は、その曲同様 繊細で美しく、控えめでみなに愛され天に召されて行ったのだと。 死の床でも歌をせがみ、自分の葬儀の音楽を指示し、自分の作品の行く末をフランショームに託すショパン。 今までもショパンは好きな作曲家でしたが、この本をよみだしてからは絶対的な見方が、聴き方が変わりました。 この巻に入ってからはずーっとJablonskiのなにがしのショパンを流しながら読んだのですが、 自分の中での音楽が変わっていくのが手に取るようにわかって不思議な感覚に陥りました。 同じ録音なのに今までとは違う音に聞こえてくる不思議さと言ったら! 今までわたしが聞いていたのは「音」の羅列で「音楽」ではなかったのか?という驚愕すらあって。 もっともっと「音楽」を解し、演奏可能な人間になれるように、勉強したいと思うようになりました。 モーツアルトのレクイエムがまた違った意味で重要になり、 勉強してみたいと思いました。 いい作品でした。 たぶん一生手元に置いて、何かの折りにはよみかえすのだろうと。。。。 はじめ読めなかったのは嘘のようです。 重い本です、痛い本です。 でも興味のあるかたにはおすすめしたい作品となりました。
ついにショパンが逝ってしまう。第一部の冒頭がいきなりショパンの葬儀なわけだから分かりきったことなのだけど、死のシーンの喪失感は本当にすごい。第一部から長く長く続くこの小説を読み続けた人は、きっとこの感覚が分かると思う。ショパンが死んだという実感がすごく湧いてくる。 「創作とは最も死に近づく行為」...続きを読むであるとしても、その行為によって芸術家自身が幸せになれるようなものであってほしい。
愈々ショパンの容態が悪化。友人たちが見守る中、ただ一人パリを離れるドラクロワ。ショパンと彼を取り巻く友人たちの痛々しげな様子よりも、やはりドラクロワの苦悩の描写に惹かれました。何か奇想天外な展開がある訳でもないのに文章の巧さだけで4冊読ませる技術が凄い。
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葬送
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平野啓一郎
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