平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレ分人、よい考えを知った!生きやすくなった気がするよ。飲み会の帰り道になんだか自分のことがダサくておもしろくなくて惨めな気持ちになって死にたくなることがあるけど、その人たちとの関係性がそうさせてるだけなのかもなあ……と思った。
“不幸な分人を抱え込んでいる時には、一種のリセット願望が芽生えてくる。しかし、この時にこそ、私たちは慎重に、消してしまいたい、生きるのを止めたいのは、複数ある分人の中の一つの不幸な分人だと、意識しなければならない。誤って個人そのものを消したい、生きるのをやめたいと思ってしまえば、取り返しのつかないことになる。”(109頁)
ぜんぶぜんぶが嫌になって毎日死にたい気持ちと -
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平野さんの前期分人主義作品。
光岡自動車の大蛇や倉俣史郎のミス・ブランチなど、登場する芸術作品たちが物語を彩ってくれました。知らなかったものばかりで、調べながら読み進めました。
以前読んだ自己愛性パーソナリティ障害の書籍に「自己愛は、『大好きなママが僕(私)のことを好きだから、僕は僕が好き!(私は私が好き!)』といった、母との関係をもとに育まれる。」といったことが書かれていたことを思い出した。
かたちだけの愛、とタイトルにあったが、ここでは「かたち」と言っても「形」「パターン」「テンプレ」といった「お決まりの」という意味での「かたちだけ」なのかなと感じた。果たしてそれは本当に愛して -
購入済み
著者の小説(マチネの終わりに、空白を満たしなさい等)や分人論を読み、著者に興味を持っていました。私だけかもしれませんが、短編のためか、残念ながら物足りなさを感じました。
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前半(上巻)はミステリ色が、後半(下巻)は哲学色が濃厚。ひとつのお話の中で、それぞれに違った魅力を楽しめる2冊だった。
上巻では、主人公の死が周囲にもたらした影響(痛み)が客観的に描かれ、少し離れたところからそっと眺めている感覚。犯人とされる人物以外にも、含みを持たせるような表現の巧みさに、続きが気になってどきどきしながら読み耽る。
怪談的なものを読んだり、梶尾真治さん原作映画『黄泉がえり』を観たばかりだったせいか、突然戻ってきた死者はまた突然消えるというのが物語としての定番のような気がしていたので、復生者本人や周囲の人々がそのような不安に怯えていないのが不思議だった。
上巻終盤の急展開 -
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だいぶ昔に、人生の中で絶対に読まねばならないと思い読んだ本。なぜなら、大学生の頃にポーランドにいき、ショパンの心臓が収められている教会にいったことや、戦場のピアニストでノクターンの響きにやられてしまったから。
ショパンの友人にドラクロアという絵描きがいて、ホットチョコレートを飲みながら芸術とは何かについて話していることが、なんとも耽美的で、ぼくはそういうのには興味ないけど、美しいと思った。
現代文ではあるが、芥川賞作家ということもあり、衒学的で、難解な長い一文を紐解くのに苦労し、ただでさえ大長編なうえに読むことも難しかったが、読み終わった感動はひとしおであった。 -
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ネタバレ大人(エリート)の恋愛
現在の考え方次第で過去の捉え方が変わるという考え方は初めて。たしかに。事実と感情の交差があって人によって物事の捉え方が違うんだなあ。
でも、なんか腑に落ちない。そもそも、物事は捉え方次第!と思って生きてるし、捉え方が人によって違うのは肝に銘じてる。そうすると、新しい知見を得ることはできなかったと言えるのかも。
基本的に、登場人物たちは結局自分の社会的な立ち位置、人からの評価を気にしてる。恋愛をテーマにしてるのに、複雑な感情の移り変わりより、自分は他人にとってどういう立ち位置か、という内容が多かった気がする。私は、感情の推移の細かい描写が好き。
ようこは、心の底で自分 -
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ネタバレ自分とは何か。自分を自分たらしめてるものとは何か。戸籍が変わったらもう別人なのか。では、愛した人が別の誰かの人生を歩んでいる人だと分かったら?いったい自分は誰を愛していたのか?その人のことを今も愛し続けられるのか?
私は過去の自分が今の自分を作り出していると思うので、たとえ戸籍を変えようとその戸籍を変えるに至った「私」も「私」なのであり、名前を変えようが過去の履歴を変えようがその人であることに変わりはないと思う。そして愛した人の過去がどうであれ、今この瞬間のあなたを愛していると思う。
美涼が言っていた、「分かったところからまた愛し直すんじゃないか。一回愛したら終わりじゃなくて、長い時間の中で、