平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本心
    正確に、本心を曝け出して、分かち合える人って本当にいるのだろうかと考えながら読んでいました。

    また自問自答を繰り返す事が生きてるって!感じられる事に気づけました。
  • マチネの終わりに(文庫版)
    恋愛ものは余り好きではないのだが、友人が貸してくれたので読んだ。
    天才ギタリストと言われる蒔野は、わずか3度しか会っていないジャーナリストの洋子に心惹かれる。
    洋子には婚約者がいたが、彼女もまた蒔野に心を寄せる。
    僅かな時間ではあったけれど濃密な時を過ごしたふたりが別れることになったのは、蒔野を愛し...続きを読む
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    何かの本で本作が言及されていて(なんだったかな…思い出せない。今後は繋がりで読もうと思ったものは、どこかにメモしておかないと)読んでみようと思い立って手にした。
    実は平野啓一郎はあまり得意でなく、正直気が進まなかったのだけど、じゃあ読まなければいいんだけど、この人は小説だけじゃなくて、こんな新書で出...続きを読む
  • 決壊(下)
    重いわ。
    すごい筆力だけど、なにしろ重い読後感。

    「決壊」というワードは、ダムを連想させる。

    思えば、崇のダムははじめから満水だった。
    それでも、なんとか騙し騙し、運用上の工夫で決壊せずに踏ん張ってきた。
    そこへ、既に決壊してしまった者の濁流が、周囲のダムの決壊を誘発し、流量を増した急流となって...続きを読む
  • 死刑について
    ヨーロッパで取り入れられている修復的司法に関するニュースを見て、日本における死刑制度について考えを深めたいと思いこの本を手に取った。人権という視点から死刑について考えるという発想が全く無かったので、先ずは人権を理解するところから始めなくてはいけないと感じた。この本を読んだだけで自分はこう思うと決めら...続きを読む
  • 自由のこれから
    ⚫︎受け取ったメッセージ
    膨大な選択肢から選び取る自由。
    一つの分人が失敗したとしても、
    別の分人たちが支えてくれる。
    そして自分は死ぬ瞬間まで変化し続ける。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    人間がテクノロジーに管理される、暗い未来を乗りこえる――
    ベストセラー『マチネの終わりに』著者が挑む、人間...続きを読む
  • 小説の読み方
    小説は好きなように読めば良いとは思いつつ、読解力に自信がない私は本書を手にとった。

    やっぱり読んでよかった!

    小説って、こんなに深く読めるんだと衝撃の連続だった。

    特に、私の好きな伊坂幸太郎のゴールデンスランバーの解説は、深すぎ!と思わず唸った。

  • かたちだけの愛
    多弁は織り込み済みなのでしょうが、饒舌は冗漫に通じます。語り過ぎは面白くないし、小学生の作文みたい。
    知的な平野さんなんで、意図するところかもですが、やっぱり不作かな。
    「よくやく」ではなく「ようやく」(405p)でしょうね。
    校正もちゃんとできてないし。
  • 決壊(上)
    オーディブルで聴いたので、小難しいこと言ってるところはなかなか頭に入ってこなかったが、面白かった。地の文の視点がコロコロ変わるので、ちょっと聴きづらいと感じるところはあったが。
    早く下巻を聴きたい。
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    「先へ、先へ」より「奥へ、奥へ」

    平野啓一郎さんのいう本の読み方はその通りだと思う。SNS全盛の今こそこういうアプローチは身につけたい。

    実践編を読んだら、自分が大学受験の現代でやぅてきたやり方とそっくり。平野さんとほぼ同世代なので、なんとなくこう考えるひとが多いのかな?と感じた。
  • 空白を満たしなさい(上)
    難しいなぁ。そして胸糞。
    なぜゴッホの表紙なのかまだ謎。
    でもところどころにゴッホの人生とリンクするような事がちりばめられてる気がする。
    下巻はすぐ読んだ方が良さそうだな。
  • 小説の読み方
    第一弾の「本の読み方」では、スローリーディングについて語られていたが、第二弾のこちらは、小説の仕組みについて語られていた。小説を書く人、書いたことのある人が読むと、新しい視点や面白い試みなどが得られると思う。

    前作の方は高校生にもおすすめしたいが、こちらは高校生では少し難しいかもしれない。それだけ...続きを読む
  • 顔のない裸体たち
    露出プレイから生じた事件のルポルタージュに見せかけた、純文学。テーマがテーマのため性的な描写が散見される。好き嫌い別れるだろうから人には薦めづらいな。

    ただのありふれた事件のルポルタージュかと思っていたら、実生活を『本当』と捉え、ネット上の記号に適応した姿を『嘘』と捉える女と、性欲の発露こそ『本当...続きを読む
  • マチネの終わりに
    恋愛を描いた小説が読みたいと思い手に取った本。

    読み切るのに少し時間がかかったので、あまり話に入り込めなかったというのが正直なところ。
    独特な言葉の表現方法が私にはなかなか難しく、ことばのひとつひとつを心の中にスッと溶け込ませることができなかったので、物語への没入感は少なめでした。

    内容は恋愛小...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    最近オードリーの若林さんにハマっており、たどり着いた一冊です。
    この番組見たかったなー。対談相手の作家さんも好きな人達ばかり!
  • 死刑について
    死刑制度が無くなることが国家の成熟に繋がると思えたし、死を以て罪を償うということがある意味、思考停止であるといった主張に共感できた
  • 自由のこれから
    わざわざ「分人」などと言う概念をわざわざ持ち出さなくても、時と場合に応じて複数の自分を使い分けるなど、「ペルソナ」の概念と同じ話をしているだけで、特段新しい考え方でもなんでもない。
  • ご本、出しときますね?
    ◆心に刺さったワード◆
    ⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
    ⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
    ⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    死んだ人が3年後に生きて戻ってくる。本人は何で死んだのか、何で戻ったのかわからないが、周りの人々の戸惑い、疑念、疑心暗鬼はそれ以上だ。
    徹生は自殺したのか、殺されたのかを追い求めていく前半、死と生に対する考え方を分人という思想で解き明かしていく後半と、ストーリーはまあまあ面白かった。
    心理描写や生や...続きを読む
  • ある男

    良かったです!

    人が人を愛することの多面性を改めて感じさせられる作品でした!

    人が人を愛するとき、その根拠を過去の体験に求めることはあり得ます。
    一方で、過去の自分に起きた出来事をどう感じとるかは人によって異なるのであり、今回であれば、〈入れ代わった人が語った〉谷口大介の過去にりえが惹かれたのではないかとも思いま...続きを読む