平野啓一郎のレビュー一覧
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「WEB進化論」の梅田さんと75年生まれの作家・平野さんの対談集。ネット世界にどっぷりつかり、自在に泳ぎまくる梅田さんと、そういう世界になんだかんだで懐疑的で否定的な意見を出してくる平野さんが、超平行線上でガチンコ勝負。初めのうちはどちらかと言えば平野さんよりだったけど、後半は梅田さんの意見の方が納得できたかなあ・・・。まあ、どっちも少々極端なんですが(^^;ま、この本の趣旨は『どっちに賛同』というよりは、『じゃあ自分はどう思う?』ってのを考えさせることみたいですが。読んでる間中、「自分の頭を使って考えろ」と繰り返し言われていた気がします。印象的だったのは、平野さんは紙の本がなくなることに危惧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分とは何か。自分を自分たらしめてるものとは何か。戸籍が変わったらもう別人なのか。では、愛した人が別の誰かの人生を歩んでいる人だと分かったら?いったい自分は誰を愛していたのか?その人のことを今も愛し続けられるのか?
私は過去の自分が今の自分を作り出していると思うので、たとえ戸籍を変えようとその戸籍を変えるに至った「私」も「私」なのであり、名前を変えようが過去の履歴を変えようがその人であることに変わりはないと思う。そして愛した人の過去がどうであれ、今この瞬間のあなたを愛していると思う。
美涼が言っていた、「分かったところからまた愛し直すんじゃないか。一回愛したら終わりじゃなくて、長い時間の中で、 -
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ネタバレ2025.11.23時点で今年最もガッカリした作品だ
著者は「個人」という概念の着心地が悪く、「分人」という言葉ならしっくりくると主張している
残念ながらそれ以上のものは掴み取ることが出来なかった
個人すなわち意味を探究するという点において、これは哲学である
哲学とは確かめ可能な世界のことである
しかし、本著は問いを立てたはいいものの、全然確かめ可能ではないのだ
誰もが等しく理解可能な言語の使用を放棄している
また、問いを立てては投げて、問いを立てては自著の宣伝をし始める始末
大学院の修士論文でさえ、問いを立てて、仮説を検証して、自論を述べよと教わるものだが、学者でなければ、小説家であれば -
Posted by ブクログ
NF民に読んでほしいというポストを見て手に取りました。
読む前の期待値が高かったためか、自分の好みではなかったからか思ったほどの感心はなかったです。
著者が小説家ということを知らなかったので(本を読まない人ですみません)、
研究・論文・エビデンス系を期待していたためまずそこで不一致がありました。
また小説家故、自作の紹介が多く、読んでいないとピンとこないのと、無意識なのか意図してかわからないですが、著作を読ませたいプレッシャーを感じてしまい居心地が悪かったです。
前者に関しては、フィクションで書いていた「分人」について新書で出してほしいというリクエストがあって出したということで、私が勝手 -