平野啓一郎のレビュー一覧
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第三者の目を通して冷静に描く主人公二人の描写がリアリティーに溢れ、本当に現実の事件として起こっているのではないかと思うほど。
平凡な中学校教師<吉田希美子>は、とあるきっかけで出会い系サイトを介し、一人の男性<方原盈>と出会う。<ミッキー>というニックネームを名乗っている間は、現実の地味な<吉田希美子>とは切り離され、大胆に振舞えた。
インターネット上、特に自分を知るものがいないとき、人は奔放に自分を表現できる。現実社会での「自分」、例えばSNSの中での「自分」。もちろん両者とも「自分」である。
「本当の自分」とは一体何なのか、少し立ち止まって考えてみるいいきっかけになる一作だと思う。
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ネタバレ自分が日頃から疑問に思っていることや、うすうす感じ始めていることが明文化されており、「あ。やっぱりそうか。」と思えた。
(本という媒体がなくならないことに関して)梅田 一覧性とか携帯性とか、やっぱりコンテンツ自身ではなくパッケージ性が重視されているということですよね。
(グーグルはダークサイド的なものを嫌悪しているのに、中国の検閲を受けたり、アメリカ政府の介入を認めていることについて)梅田 情報を広くあまねく皆に利用可能にするというビジョンを、世の中との軋轢を最小化しつつできる限り実現していくという、プラクティカルな考え方だと思います。
(ハッカー・エシックスについて)梅田 プログラマーという -
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純文学というのは、とっつきにくくてどうも苦手です。
「清水」「追憶」は、どうしても読めませんでした。
「清水」は、阿部公房のような、いわゆるシュールレアリズムというものでしょうか?
文庫版を電車の中で読んでたら疲れてしまいました。
「追憶」も同じく。実験的すぎて、頭に入ってこなかった。
こういう類の作品は、静かなところで落ち着いて読まなければならないな、と思いました。
「高瀬川」「氷塊」は、見事です。
丁寧な心象描写にぐいぐいと引き込まれていきます。
特に「氷塊」に出てくる少年の思春期らしい、真っ直ぐで繊細な感情は、読んでるこちらにもひしひしと伝わってきて、身を切られる思いでした。
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Posted by ブクログ
「WEB進化論」の梅田さんと75年生まれの作家・平野さんの対談集。ネット世界にどっぷりつかり、自在に泳ぎまくる梅田さんと、そういう世界になんだかんだで懐疑的で否定的な意見を出してくる平野さんが、超平行線上でガチンコ勝負。初めのうちはどちらかと言えば平野さんよりだったけど、後半は梅田さんの意見の方が納得できたかなあ・・・。まあ、どっちも少々極端なんですが(^^;ま、この本の趣旨は『どっちに賛同』というよりは、『じゃあ自分はどう思う?』ってのを考えさせることみたいですが。読んでる間中、「自分の頭を使って考えろ」と繰り返し言われていた気がします。印象的だったのは、平野さんは紙の本がなくなることに危惧