平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレ上巻ではややもたついていたストーリー展開が,サンド夫人の娘のソランジュがクレサンジュと結婚するあたりから加速し,ドラクロアが自ら描いたリュクサンブール宮の天井画を観て自ら驚愕するところまで.
徐々に病に冒されていくショパンの影が薄くなってゆき,話の着地点がどこなのかが見えなくなってきた.第2部が楽しみだ.
この小説を読んでいて見事だと思うのは,登場人物が会話を,特に親しい友人と,交わす場面における思考の流れ,飛躍の描写である.
ドラクロアは,例の自由の女神の絵の印象が強いのだが,リュクサンブール宮の天井画はすごく観たくなった.ショパンももっとちゃんと聴いてみようかしらん. -
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平野啓一郎さんが「葬送」後に著した短編集。
当時平野さんは28歳。ご自身の言葉によると
「作家としての挑戦」であり
「男と女の性的な関係に取り組んだ」作品集。
男女の性行為を細かに描いた「高瀬川」
不倫に悩む女性と
実母を求める少年の妄想が交差する「氷解」
の2作のみならず
難解な「清水」と「追憶」にも
確かに、若さが迸るにおいがする。
「高瀬川」には 男女間のズレの
居心地の悪さが見事に描かれている。
セックスという最も密なコミュニケーションを経ても
ラブホテルの作為的で冷笑的な空気がそうさせるのか
二人の距離は濃厚になっていく。
そんな一夜を「ペットボトル」に詰め込み
時間という川に流 -
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短編集だが、色々な手法を凝らしている。
これまでに味わったことのない短編集。
「鏡」「女の部屋」「母と子」は特に驚いた。
文学には程遠い自分が一番気に入ったのが「フェカンにて」
この短編の主役は、平野啓一郎先生ごい本人にとても近い。
私はご本人であろうと思い込んで読んでいた。
先生の作品である「葬送」にも触れられ、
私が先日読んで、どう読むべきか酷く迷っていたドフトエフスキーの
罪と罰にも触れていた。とても興味深い。
当たり前だが、私の軟弱な「あぁ面白かった。」という感想とは
かけ離れている。
読み方のレベルが違いすぎて溜息しか出てこない・・・。
この本を読んで、何故かもう一度平野啓一 -
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ネタバレ平野啓一郎のエッセイ集
社会論、思想論からエンターテインメント論まで、理論の納得感と博覧強記ぶりに感動しました。
以下、印象的だったところ
・教養は話題のデータベース。話題たりうるトピックが色々ある中でも、それを話題にすることでコミュニケーションが一段上等になるものが、教養だった(p.18)
・殺人事件には赦す本来の主体がいない(p.47)
・機能分化された社会では職業選択を自由化することが効率的。職業選択は義務でもある。自分のアイデンティティーに相応しい職業を選べと。自分とは何かを問うて人生の目的を考える必要が生じる(p.55)
・神秘主義・オカルティズムにおける病気治し。万人が否定しない価 -
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やっと読み終わった。
とにかく凄いボリュームで、それはページ数や文字数ということでなく、話の重さ、文章、世界観、何をとっても凄いボリュームであった。
私が読んだ本の中では、共に過ごした時間が一番長い作品だったと思う。
カタカナの名前が主人公である小説は大の苦手だが、これだけ長いと誰が誰なのか明確に判別できるようになる。
世の中には、こんなに美しい文章で表現出来る人が居るのだなぁと、一文一文読む事に感動を覚える程、文章が心地よい。
この作品の中では、たくさんの人物が登場し、彼らの心の動きが丁寧に描かれている。
何故男性作家さんなのに、こんなに女性の心の動きまで熟知されているのだろう。。。 -
購入済み
ありがとう分人主義
大変現実に即したわれわれの精神の捉え方で、観察的にも統計的にも物理的にも、この説明がしっくりくるし、具体的な問題解決の方法も見えてくる。
発明、発見! -
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ネタバレ近作『空白を満たしなさい』の感想ツイートがわたしのTLを潤す今日このごろ、待って待ってまだ追いかけ切れてない作品いっぱいあるねん!! ということで読んでみた『高瀬川』。
ざっくり言うとおもしろかったです。
■清水
この人の小説には、いつも説明が明晰すぎるところがあると思う。「存在が、――そう、今はもう疑うべくもなく、この私の存在が、次々と過去へと放り出されてゆくのだった。」(p22、原文は「この私の存在が」に傍点)この段落を書けるならば、この小説はあまり書かれる必要がなかったのではないか、というような気がした。滴り落ちていく清水とか、鳩の屍体とか、そういったイメージを付随することに意義