平野啓一郎のレビュー一覧
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他者との関わり、コミュニケーションの中で分人が生まれる。分割可能な分人という単位で捉えれば、身近な悩みに対しても自分を一方的に責める事なく、客観的な視点で自分を捉え直す事も出来る。分人主義という新しい概念が、人付き合い、恋愛、死などという普遍的なフィールドで存分に活躍するのではないかと思った。そして...続きを読むPosted by ブクログ
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平野氏の作品は本当によく考えられ練られている。
上巻では止まらなくなる。一体何が起こっているのか?犯人は誰なのか想像せざるを得ない。
下巻では謎解きが少しずつ。様々なこれまでの言葉の仕掛けが明かされていく。
自分的にはあまり殺人というテーマは好きではないのだが、読んでしまった。うーん。Posted by ブクログ -
現実はままならない…
《読者は、直接的な共感をあまりに性急に求めすぎると、肩透かしを喰らうかもしれない。》
と(序)にあるが
すっかり肩透かしを喰らった私ですPosted by ブクログ -
平野さんの本は、内容が濃く、いつも没頭して読む
でも、比喩が過剰なのと、登場人物が「自分自分」していて、あまり好きなタイプが出てこないのが、、
それでも、舞台が2040年、「自由死」「格差社会」「VF」など、設定がとても面白かった
こうなるだろうな、ならないでほしいなと思う近未来だったPosted by ブクログ -
2040年近未来の日本の話
自由死が認められる世界で起きる新たな社会問題が前提で物語は展開する。構想の緻密さに驚いた。
ベースがどんよりしてるから、正直進みづらかったけど何度も行を読み直して時間をかけてゆっくり読みたい作品だった。Posted by ブクログ -
こんなすれ違いってあるか!?
ふたりとも饒舌なんだからもっと追求すればよかったのに!忖度し過ぎだよこれだから日本人は(言い過ぎ)
まぁでも5年くらいならいいか(何が?)
フィリップが一貫していい男だPosted by ブクログ -
前半はわりと物語のテンポがゆるく、じっとりしっとり進みますが中盤の劇的展開から目が離せなくなりました
作中では40前後の主人公たちですが、余りにも落ち着いた言動から一回り上ぐらいのイメージで読んでいました(出産できる年齢ではないですが)。平野さんの紡ぐ言葉が美しすぎるせいですかね、映画のキャストぐら...続きを読むPosted by ブクログ -
平易に書いてしまうととってもベタな40代の恋愛小説なので、そう読まないほうが良いと思います。前段にそう作者が前置きしているのに、私はそのように読んでしまってこの微妙な評価です。(運命的な出会い→ 第三者の嫉妬からすれ違い →なんやかんやそれぞれ苦悩して立ち上がって→再会エンド)
芸術家の苦悩/スラ...続きを読むPosted by ブクログ -
テーマが面白くて進んで読めた。上巻だけでは、どのタイプのストーリーに収まるのか全く想像がつかない。色んな可能性が見えてきてどうなるのか先が気になるので、2冊両方手元に置いておくのがおすすめ。さて続きを読もう。空白はまだまだ満たされていない。Posted by ブクログ
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生きることに関しての哲学的な表現が多く、理解のために何度も行をなぞることが多かったです。
全体を通して、どんよりと曇りがかったような重い雰囲気で、若干読んでいて気が滅入る感じでした。
仮想空間やアバターの話は、そう遠くない未来には実際に有り得そうと思います。
Posted by ブクログ -
他人の戸籍を譲り受け、自分の過去を上書きした男の話。男が死んで真相が判る。感動したのは、残された中学生の息子がその調査報告書を読んで、母親と会話を交わす場面。父親の過去を全部受け止めて生きていこうとする姿に胸が熱くなった。Posted by ブクログ