平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ
奇妙、官能的、美しい短編集。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。その意外な顛末は……。表題作「透明な迷宮」のほか、事故で恋人を失い、九死に一生を得た劇作家の奇妙な時間体験を描いた「Re:依田氏からの依頼」など、孤独な現代人の悲喜劇を官能的な筆致で結晶化した傑作短編集。
⚫︎感想(ネタバレ)
平野啓一郎さんの作品は、静かで美しい空気が感じられて好き。
1.消えた蜂蜜 レアな特技、ハガキ全写し。
2.ハワイにさがしに来た男 毎日自分を探している男
3.透明な迷宮 双子
4.family affair 拳銃
5.緋色の琥珀 火への性的興奮
6.Re:依田氏からの依頼 時間が遅く流れる -
Posted by ブクログ
ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ、感想
印象的なフレーズは、
「自分勝手に、自分の欲するまま見せること
=遠慮のなさで愛を示す事」。
自分では思い至らず、ハッとさせられた。
遠慮する、気を遣うというのは、
時にその距離を見せつけられているようで
寂しい時もある。
どうしても欲しい!と激しく求める潔さの美しさ
みたいなものもあるよなぁと思った。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
事故による大怪我で片足を失った女優と、その義足を作ることになったデザイナー。しだいに心を通わせていく二人の前に立ちはだかる絶望、誤解、嫉妬…。愛に傷ついた彼らが見つけた愛のかたちとは?「分人」という概念で「愛」をとらえ直した、平野文学の結晶!
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久しぶりに本屋(蔦屋書店)でジャケ買いした
本です。
平野啓一郎さんという作家も初めてだったので
予備知識もなく、ちょっとワクワクしながら
読み始めました。
「透明な迷宮」は短編小説で、どの話も少し奇妙で妖しい世界観が感じられて自分的に大好きな作品でした。
表題にもなっている「透明な迷宮」はまさに妖しい世界観とエロス、サスペンス的な要素が入り混じっていてとても面白かったです!
ブダペストっていう場所もなんか、こういう事が起こりそうっていう漠然としたイメージがあって
すごくしっくりきました。
「ホステル」ていう映画を少し思い起こさせる
雰囲気もあって、ちょっと興奮しました。
「火色の琥珀」という話も好きな作品でした。
村上春樹の「納屋を焼く」を思い起こさせる感じで
でも、こちらの方がより変態性を感じられて
江戸川乱歩と村上春樹のハイブリッド的な感じで
大好きです!
平野啓一郎さん!
初めて読みましたが、この世界観は大好きなので
是非とも他の作品も読みたいと思いました。
この猛暑の中、涼しいカフェで読むのにオススメな
読みやすい短編小説なので、ぜひおすすめです! -
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これが「分人」の概念が登場した初めての小説らしい。2033年の火星探査とアメリカ大統領選という壮大な舞台とは対照的に、その時代でも尚続く人間の業の深さ、対人関係から生じる内面的葛藤が生生しく描かれている。
この小説の世界では「分人主義」が概念として一般化しているが、読み始めはその明示的な設定に違和感を感じた。ただ、主人公をはじめ様々な登場人物たちは、それぞれある分人には葛藤・苦悩を抱えながらも別の分人には未来への足場をつくりながら生きていく希望の輪郭が次第にくっきりと見えてきた。
後半、「恥」と「悪」に関する会話シーンがあるが、これが分人の考え方と相まって印象深かった。"恥" は社会的に自分がどう思われるかを意識する際の対人感情、"悪" は道徳的・倫理的な評価基準だとすれば、そのいずれもが自分の分人に大きな影響を及ぼしている。一方で、そうした大きなものの影響は様々な分人の集合体である個人全体と決して不可分なのではなく、自分にとって大切な分人、そして、その分人が生まれるきっかけとなった他者との関係性もまた個人全体に影響を与える。しかし、これを突き詰めて考えていくと、個人と不可分とされる「意志」と「責任」がつきまとう。分人の意志、分人の責任をもっと考えてみたい。 -
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言葉を重ねると悪魔はどんどん人間臭くなっていったなという印象。結局、最後までどのキャラクターも好きにはなれなかったし、物語の終わり方もモヤッとするものだった。それでも、「あー、こういう正義を振りかざす奴いるよな」とか「こういう境遇なら、こうなっちゃうかもな」とか、感じることは多かった。特に、「なぜ人を殺してはダメなのか」という討論会の内容は興味深かった。ある程度、共通の価値観(認識)を持たなければ、『なぜ?』に回答を示すことは難しい。悪魔の紡ぐ言葉がどうしても自己満足にしか聞こえないのは、私と悪魔の間の価値観(認識)が乖離しすぎているからだと思う。だから、悪魔が発する言葉は自己を満たすだけの、人間臭いものに聞こえてしまう。
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面白くて…というわけではなく、先を読まざるを得ない様な感じで、結局一気読み(^◇^;)
難しいし、よくわからなくて読み飛ばした部分もあるんだけど、妙に共感しちゃう部分もあったり。
あー、芥川賞作家らしいわー、文学だわー、ところでいつ殺されるん?と思いながら読んでたんだけど、いやー、重くて、重くて…。
結末もね、衝撃的でしたわ、確かに。救いが無くて、ドーンと気分が沈んだわのさ…。
まぁ、いろいろ考えさせられる、ってのはあって、普段ボーッと生きてる私でも、たまにはね、という感じで良かったといえば良かったけど、あんまり読みたい作家さんではないな、うん。 -
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分人主義の話。
最近読んだ転職自己啓発本で、株式会社自分という概念があったんだけど、それと似ている。株式会社自分の中には、家族事業部やお仕事事業部、音楽事業部などがある。一個の事業が上手くいかなくなっても大丈夫なように、いろいろな事業部を抱えている方がリスク分散になって安心だなと、この本を読んだ時に考えたことを思い出した。
分人も、色々なタイプがいていいんだと思えるし、むしろそれが健全な人生に繋がる。この哲学を身につけると本当の自分探しという不毛な命題から自由になれると思う。
一つの分人だけだとやっぱりそれは息苦しい。リリアンが、誠実で正直な分人としての自分を生きていくと決めたシーンは感動した。
私はどんな分人を育てていこうかな。
誰といる時の自分が好きかな。