平野啓一郎のレビュー一覧
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購入済み
語り口が昔っぽい
作中にも言及しているように 三島由紀夫や川端康成が書いたような現代の日常では使わない言い回しが多用されている。しかし読者に与える印象は、三島のように鮮烈華麗でもなく川端のように凄みがあるわけでもない。この作者の文体からはやや沈んだ古風な印象を受ける。
ストーリー展開はいま大流行しているAIや一昔前に流行したVRの近未来版でSFであることになる。テーマや展開は面白いのだが、文体がどうも馴染めない。 -
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Posted by ブクログ
ファッション誌のキャッチコピーみたいなタイトルですが、「かっこいい」という概念について論じた本です。
意外にも、その歴史は浅く、戦後に作られた言葉だそうです。「人はどうあるべきか」という考えが、封建制や全体主義下とは異なり、個人に一定程度委ねられた結果、個人が憧憬の念を抱く対象が多様化し、その中で体感によって得た憧れを表す言葉として「かっこいい」が誕生したと書かれていました。
大切なのは、かっこいい対象を決める「体感」も、社会からの影響を強く受けているということだと思います。戦前の様に統制的に押し付けられるものではないにしても、社会の雰囲気、近しい人達の状況、企業のマーケティング等によって -
Posted by ブクログ
オスカー・ワイルド作、平野啓一郎訳
ワイルドはアイルランド人なのに、原作はフランス語とのこと。
筋書きは知っていたつもりだけど、元々持っていたイメージとはだいぶ異なる印象。とてもわがままな王女が無茶苦茶をする話であることは同じなのだが、少女の超ツンデレぶりが逆に清々しいくらいだ。サロメが、ヨカナーン(ヨハネ)の白い肌、黒い髪、赤い唇を順に褒めたり貶したりする様は、滑稽でもあり、切なくもあり、ストーカーが死を以て相手を独占しようとする様とも重なる。どうしてもキスしたいから首を斬る、と言う発想はぶっ飛んでいるが、紀元前からずっと語り継がれてきたお話である以上は、ある程度は普遍性のある感情なのだろ -
Posted by ブクログ
受け入れる心を持ちたい カタカナの標記が独特。ちょっと初めは違和感があったが、途中からはあまり気にならなくなった。AIに個人のデータをインプットしてカスタマイズするってアイデアは面白いと思った。どうも、主人公はマザコン過ぎて、どうやってそんな風になったかのいきさつはうまく描き切れていないように思った。それでも、人間の深いところにある、本心というものを上手くとらえてると感じた。登場人物の若者、老人、それぞれの本心、それが知りたい、いや知りたくない。本心だと思うかどうかは自分次第。それを受け入れる心を持ちたいと思う。
主人公は母親を亡くした少年です。彼は母の存在が心の支えであり、母との思いでを胸