平野啓一郎のレビュー一覧
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20年以上前のエッセイだが、楽しめた。
ソニーのAIBOとか、9.11同時多発テロとか、そんな頃の作品だが、話題の古さよりも、言い回しや説明の仕方、言語を用いて正確にかつできるだけフランクに伝えようとする姿勢が印象的。
「鍵というものは、あのキザギザした複雑な形状に或る種の色気があって、それは聞より明かされてはならない等の錠の内部の秘密を精密になぞったものであるのだが、その錠の秘密こそは、奥に隠された錠に守られるべき秘密と直接に通ずるものであるのだから、鍵の形状は、いわば錠の奥に控える秘密そのものの内から銀った堅固なネガということになる。宝物を収めた箱の鍵であるならば、それは、宝物そのもの -
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試験勉強のため暫し読書をやめていましたが、終了したらこの人から読もうと決めていたので…2025年の初めは平野さんからです。
ショパンとサンドの関係は知ってはいたけれど、詳しくはなかった…小説なので…どこまでが、とも思うけれども、詳細な取材があってのことだと思うので、この物語りで語られるあり様から思うこと。
ドラクロワの芸術論は、正直難しい…ただ、かれの描く絵画から、その性格であったり思想を読み解くと、当時の画壇では異端児的ない扱いでサロンでも悪評があったにも関わらず、ロマン主義の旗手として第一線で活躍し続けたこと、そして比類なき仕事量を思うに、やはり仕事に対する理想と、それに向かう情熱が抜 -
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ネタバレ不思議な話だったな。
非現実的でふわふわした感じが村上春樹っぽいなと思った。
「消えた蜜蜂」
人間は自分が気にな物事の確証や反証を得るために、
人生をかけるところがある。それを感じる話だった。
Kは実家の養蜂場が廃業して、兄が出て行っちゃったことが悲しかったんじゃないのかなと思った。
証拠不十分で敗訴になったこと、それ以降近隣住民が同情的だったこと全てが納得いかなくて、
ずっと怒っていたんじゃないかな。
はがきを真似して書いて、「クレームがこない」という事を体験することで、敗訴にした世間だったり同情的だった住民の無知を確認して自分を納得させているように感じた。 -
購入済み
語り口が昔っぽい
作中にも言及しているように 三島由紀夫や川端康成が書いたような現代の日常では使わない言い回しが多用されている。しかし読者に与える印象は、三島のように鮮烈華麗でもなく川端のように凄みがあるわけでもない。この作者の文体からはやや沈んだ古風な印象を受ける。
ストーリー展開はいま大流行しているAIや一昔前に流行したVRの近未来版でSFであることになる。テーマや展開は面白いのだが、文体がどうも馴染めない。 -
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ファッション誌のキャッチコピーみたいなタイトルですが、「かっこいい」という概念について論じた本です。
意外にも、その歴史は浅く、戦後に作られた言葉だそうです。「人はどうあるべきか」という考えが、封建制や全体主義下とは異なり、個人に一定程度委ねられた結果、個人が憧憬の念を抱く対象が多様化し、その中で体感によって得た憧れを表す言葉として「かっこいい」が誕生したと書かれていました。
大切なのは、かっこいい対象を決める「体感」も、社会からの影響を強く受けているということだと思います。戦前の様に統制的に押し付けられるものではないにしても、社会の雰囲気、近しい人達の状況、企業のマーケティング等によって -
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オスカー・ワイルド作、平野啓一郎訳
ワイルドはアイルランド人なのに、原作はフランス語とのこと。
筋書きは知っていたつもりだけど、元々持っていたイメージとはだいぶ異なる印象。とてもわがままな王女が無茶苦茶をする話であることは同じなのだが、少女の超ツンデレぶりが逆に清々しいくらいだ。サロメが、ヨカナーン(ヨハネ)の白い肌、黒い髪、赤い唇を順に褒めたり貶したりする様は、滑稽でもあり、切なくもあり、ストーカーが死を以て相手を独占しようとする様とも重なる。どうしてもキスしたいから首を斬る、と言う発想はぶっ飛んでいるが、紀元前からずっと語り継がれてきたお話である以上は、ある程度は普遍性のある感情なのだろ