平野啓一郎のレビュー一覧

  • 文学は何の役に立つのか?

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    本書はいわゆる、エッセイ集といったものであるから、タイトルにある「文学は何の役に立つのか?」について、延々と語られるわけではない。
    小生はタイトルのみで本書を手にとったため、やや拍子抜けしたが、オッペンハイマーに関する内容はとても興味深かった。

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    2025年09月25日
  • マチネの終わりに

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    あいつ許さん。と思ったのは私だけじゃないはず。
    すれ違いというか、すれ違ったというよりも…。
    でも二人はそういう運命だったのかな。
    あの最後からどう動くんだろう。

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    2025年09月24日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    速読が流行る中、本書は「スローリーディング」を軸に、小説をどう味わうかを提示している。

    印象に残ったのは「述語」の二種類――主語を説明するものと、物語を前進させるもの。これを意識するだけで小説のテンポの違いが見えてくるのは大きな発見だった。

    一方で、理論編と実践編のつながりがやや分かりにくく、登場人物が多い小説の攻略法が示されていないのは残念。そこで自分なりに「人物を主語として整理し、述語の役割で物語を動かす人物を見極める」という読み方を提案したい。

    小説を論理的に読む試みとして刺激的な一冊。自分なりの読み方を模索するきっかけになった。

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    2025年09月21日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    表現や言葉が恥ずかしながら馴染みの無いものがちらほら。感情の表現の仕方が多彩で、まるで本から浮かび上がってくるようだった。事実に基づいた作品と記載してあったが、小説のラストの展開から2人はどうなったのだろうと思った。
    再会後、長いすれ違いを経て、ずっと一緒にいる気もするし、互いにそうしたいと思っていてもそれを言葉にせず、永遠の別れを伝える気もする。
    たった3回しか会っていなくても、それぞれの心に何年も居座り続ける存在だ。願わくば、互いの思いのままを知り、ずっと一緒にいて欲しい。

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    2025年09月17日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    なかなかに難しい本でした。

    ドストエフスキーに関しては、まともに読んでないからさっぱり理解できず(汗

    三島由紀夫、森鴎外、安部公房は、少しだけ見識深めたかも。上面ですが・・・

    個人と分人、なかなかに興味深いお話でしたが、説明しろといわれるとそこまで理解できていないのが本音かな。

    文学は役に立つのか?
    そんな高尚なことは考えず、読むだけの私です。

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    2025年09月16日
  • 「カッコいい」とは何か

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    平野啓一郎さんの「カッコいい」を論じた真面目な本なのだが、どうしても薀蓄満載の本になってしまっている感がある。本人は楽しんで書いたと思うし、もちろん、現代においてそれを論じる意味は十分にあると思うが。

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    2025年09月13日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    ストーリーの面白さと著者の練り上げられた文章に惹き込まれ、一気に読み切った。音楽家と国際ジャーナリストの恋という題材が、作品に知性と美しさを添えているように思う。当時の時事問題が巧みに織り込まれている点も興味深く、最後までドラマチックだった。なかでも「あの池の辺り」で描かれるラストシーンは特に心に残った。

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    2025年09月11日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    クラシックギタリストの薪野聡史とジャーナリストの小峰洋子の大人の恋物語。誰でも物事を選択する時があると思うが、その選択が物語を大きく変えていく。お互い惹かれていた2人だが問題が重なり、離れてしまう。ただ、ラストで「過去も未来も変えることができる」ということを2人に教えてもらえた。その後は想像にお任せパターンで良かった。前半は文章に振り回されたけど、後半は夢中になって読めた。早苗の行動には納得できないけど、それでも相手を思い合えることに驚いた。自分が同じ年齢、同じ立場なら、その対応はできないと思う。

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    2025年09月05日
  • 決壊(上)

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    やっと読み終わった上巻
    ぞわぞわと恐怖の波が押し寄せてくる
    はじめから
    畳み掛けるように一気に話す崇の言葉に
    ちょっと戸惑いつつ
    一気に読み進めてきたけれど
    頭が理解するのに時間がかかる文章に
    自分の理解力のなさを
    感じずにはいられないと共に
    なんだか違和感を感じた
    すべてが夢の中のことのように

    何気ない家族の出来事は
    どこにでもある
    家族の悩みであって
    何も珍しいことではない
    だからこそかえって
    恐怖を感じるような気がする

    時に信頼が疑惑に突然かわることがある
    その瞬間を
    自分の目で見たかのような衝撃
    崇と佳枝の関係がいったいどんなものなのか?
    母と父の関係は?
    少年と両親、同級生との関

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    2025年08月31日
  • ある男

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    愛に過去は必要か?
    生まれ、出自、親、戸籍、、、、
    私たちを私たちたらしめるものは何だろう?

    他人の人生を生きてみたい。
    自分の人生を愛せない。

    もし私もその呪いを解くため、自分を辞めることを選ぶ悲しい人生だったならば、
    その選択は、
    自分を自分たらしめるものが意志ではなく、
    外界から受ける自分への扱い方と、自分自身を許せない、愛せない呪いのようなもので縛り付けることから逃げるための楽になれる唯一の解決策がこれだけだったのかもしれない。

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    2025年08月26日
  • 高瀬川

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    ネタバレ

     若いときっていろいろやりたくなるんだろうね。わざと読みにくくして、読者を困惑させようとしたのかな。
     表題の「高瀬川」はいちばんつまらなかったな。性行為を詳細に書くことにどんな意味があるのだろう?官能小説とは違うんだと言いたい?
     「氷塊」には困った。どこまで読んだらええんやって感じ。

     とまあ、いろんな技法を試したかったのでしょうね。

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    2025年08月24日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    「生き返る」ことは御伽話の世界で、かつポジティブなイメージを持つものだ。しかし本書では生き返ることで生じるつらさを生々しく描いていると感じる。働き口が無い、運転免許が無いなど社会的な部分もあるが、妻や子供に100%歓迎されてるわけではない雰囲気が切実につらい。さらに主人公の死ぬ直前の記憶が曖昧なことが不幸を呼んでいる。自殺なのか他殺なのかで社会からの受け入れられ方はかなり異なる。彼の死因は自殺とされているが、認めたくない気持ちが強くなっていくのとは反対に佐伯の存在やDVDの記録から自殺の可能性が強まってくるところは見てて可哀想だった。

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    2025年08月23日
  • 本心

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    ネタバレ

    なにかすごく大きな事件が起きているわけではないのに、母の死に対する朔也の心の描写やAIが発達した世界の様子、なんとなく暗い読感が続いて、読みきるのに時間がかかった、、、

    この1冊に様々な問題を取り上げ、社会に提起していることに驚き。

    母がいない世界で生きていくには母が必要だった朔也。
    時事を学習したり、相手の表情を読み取ったり、最新鋭のAIでまるでそこに生き返ったようなのに、やっぱり本物とは違って朔也の知らない母の気持ちや母の過去、人間関係は反映されないし、母が言わないようなことを言うし、生きていた頃は知らなかった情報を取り込むからそれは母ではない。
    母だけど母じゃない。それはやっぱり本物

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    2025年08月06日
  • 本心

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    お母さんの本心を知りたい一心で厚めの本だったが読みすすめることができた。色々な要素がごちゃ混ぜになっていて話が複雑。今の私には理解が追いつかないところもあったが、お母さんを理解しようと進むうちに自分自身の人生についても模索し人とつながり新たな道がひらけていったラストに孤独からの希望を見た。

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    2025年08月06日
  • 決壊(上)

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    登場人物の特徴的な部分でもあるが、哲学的な要素と独特な比喩表現が相まって読みづらい部分と、物語として面白いゾクゾクする狂気的な部分が入り混じっていて読み進める速度に山がある…笑

    悪魔的な思想の「死」「殺人」において、自分のテリトリーで起きるか、テリトリーの外で起きるかによって考え方が違うという言い分はとても共感できる。

    初・平野啓一郎で作家のクセって面白いなぁと俯瞰的に思いながら読む自分もいた。

    【あらすじ】
    地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友

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    2025年07月30日
  • 日蝕・一月物語

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    ネタバレ

    〈日蝕〉
    例えば、昼は夜があるからこそ存在する。
    生は死の訪れによって完結し「生涯」となる。
    物事は、自らと対をなすものによって定まるようだ。どちらか一方だけでは不完全なのだろう。
    だとすれば、男と女を兼備する存在は、完全性を体現したはずだ。しかし社会はこれを焚刑に処した。何やら示唆的であり、とても痛ましい。

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    2025年07月12日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    後半が切ない... 小説で久しぶりに泣きました。
    自分の死期を悟って、残る大切な家族や知人のために何かすることって第三者から見ても胸が張り裂けそうな思いになります。
    平野さん、最後の一文がうまい...!徹生がどうなるのか断定的な描写はなく、読者の想像に任せる感じだと思いますが、言い切らないでくれたこと、書き切らないでくれたことにかなり救われました。

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    2025年06月14日
  • 本心

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    ネタバレ

    母という、自分にとって一番身近な人を亡くしたとき、私はその事実をどうやって受け止め、その悲しさから抜けられるのだろう。
    この本は、主人公・朔也が「母の死」を受け入れることを拒み、AIを使って母ともう一度会話をしながら、また現実を生き続けることを決意する物語だ。

    朔也は周りから(母からも)「優しい人」と思われているが、実はそんな清廉な感情ではなく、もっと狡猾で打算的に考えて行動していたのだ、と赤裸々に語っている。
    (そういう傲慢でない性格が、朔也の優しさだと思うが)

    朔也のあけすけな心の内を読んでいくと、身近な人の死をどう受け止め、自分の人生を投げ捨てずに、未来のことを考えられるようになって

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    2025年05月26日
  • サロメ

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    ワイルドのサロメは、ギュスターブモロー展覧会で過去に福岡市美術館で開催されたときに絵を見ました。戯曲です。平野圭一郎さんが訳していて、三島由紀夫さんや渋沢竜彦さんも影響受けた作家のようです。内容は過激ですが、なぜこういう物語が書かれたのか考えてみたいと思います。本文より解説や注釈の方が多いのに驚きました。

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    2025年04月25日
  • 文明の憂鬱

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    20年以上前のエッセイだが、楽しめた。

    ソニーのAIBOとか、9.11同時多発テロとか、そんな頃の作品だが、話題の古さよりも、言い回しや説明の仕方、言語を用いて正確にかつできるだけフランクに伝えようとする姿勢が印象的。

    「鍵というものは、あのキザギザした複雑な形状に或る種の色気があって、それは聞より明かされてはならない等の錠の内部の秘密を精密になぞったものであるのだが、その錠の秘密こそは、奥に隠された錠に守られるべき秘密と直接に通ずるものであるのだから、鍵の形状は、いわば錠の奥に控える秘密そのものの内から銀った堅固なネガということになる。宝物を収めた箱の鍵であるならば、それは、宝物そのもの

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    2025年04月14日