平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(上)

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    前半(上巻)はミステリ色が、後半(下巻)は哲学色が濃厚。ひとつのお話の中で、それぞれに違った魅力を楽しめる2冊だった。

    上巻では、主人公の死が周囲にもたらした影響(痛み)が客観的に描かれ、少し離れたところからそっと眺めている感覚。犯人とされる人物以外にも、含みを持たせるような表現の巧みさに、続きが気になってどきどきしながら読み耽る。

    怪談的なものを読んだり、梶尾真治さん原作映画『黄泉がえり』を観たばかりだったせいか、突然戻ってきた死者はまた突然消えるというのが物語としての定番のような気がしていたので、復生者本人や周囲の人々がそのような不安に怯えていないのが不思議だった。

    上巻終盤の急展開

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    2025年12月26日
  • 葬送 第二部(下)

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    だいぶ昔に、人生の中で絶対に読まねばならないと思い読んだ本。なぜなら、大学生の頃にポーランドにいき、ショパンの心臓が収められている教会にいったことや、戦場のピアニストでノクターンの響きにやられてしまったから。
    ショパンの友人にドラクロアという絵描きがいて、ホットチョコレートを飲みながら芸術とは何かについて話していることが、なんとも耽美的で、ぼくはそういうのには興味ないけど、美しいと思った。
    現代文ではあるが、芥川賞作家ということもあり、衒学的で、難解な長い一文を紐解くのに苦労し、ただでさえ大長編なうえに読むことも難しかったが、読み終わった感動はひとしおであった。

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    2025年12月20日
  • 空白を満たしなさい(下)

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     オーディブルで上下巻とも一気に聴いたが、それなりに面白い小説である。一度死んだ人が3年後に再び生を取り戻すという設定なのであるが、なぜ自分が死んだのかわからずに、殺されたに違いないと思っている段階までの方が面白かった。自殺したことがわかってからは、再び別れなければならないという心情をうまく描いているのだが、情緒より推理に重きを置いてしまう私は少し盛り上がりにかけると思ってしまった。

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    2025年12月20日
  • 本心

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    自由死、仮想世界などテーマとしてはとても興味深かったが色々詰め込みすぎて分かりにくかった。自由死は認められるべきではないかと今まで考えていたが、自由死を認めることは社会的弱者に死を強制することになるのかという考えまでには至っていなかったため勉強になった。

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    2025年12月13日
  • 本心

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    亡くなった母は、なぜ自由死を望んでいたの?
    という本心を聞くために、母を模したAIを作るという話。

    すごく良いテーマだけれど、話があっちこっちに行って核心が分からなくなってしまった。
    この人は何をテーマとして登場させたのか、この話が何故母の本心と結びつくのかが掴めず、ぼんやりと読み終わってしまった感じ。

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    2025年12月11日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    大人(エリート)の恋愛
    現在の考え方次第で過去の捉え方が変わるという考え方は初めて。たしかに。事実と感情の交差があって人によって物事の捉え方が違うんだなあ。
    でも、なんか腑に落ちない。そもそも、物事は捉え方次第!と思って生きてるし、捉え方が人によって違うのは肝に銘じてる。そうすると、新しい知見を得ることはできなかったと言えるのかも。

    基本的に、登場人物たちは結局自分の社会的な立ち位置、人からの評価を気にしてる。恋愛をテーマにしてるのに、複雑な感情の移り変わりより、自分は他人にとってどういう立ち位置か、という内容が多かった気がする。私は、感情の推移の細かい描写が好き。

    ようこは、心の底で自分

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    2025年12月09日
  • 本心

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    バッドエンドじゃなくてよかった。
    主人公の精神的な成長に感動した。
    読み始めは、独特な言い回し(風景描写、心理描写)に読み難さを感じたけど、終盤は少しクセになった。

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    2025年12月02日
  • 死刑について

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    死刑廃止か存置か
    自分はどちら側なのか考えながら読んだ
    しかし答えは出すことができなかった
    おそらくいつになっても答えは出せない気がする

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    2025年11月25日
  • 「カッコいい」とは何か

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    メルカリでセット販売してて、たまたま手に入れた本(これも偶然性と思って購入)。ずっと積読しているのも忍びないので読んでみた。470ページぐらいの分厚い本で、よく「カッコいい」でここまで書いたものだと感動すら覚える。「カッコいい」という言葉が比較的新しく、その言葉が持つ動員能力や消費刺激力についての考察はとても面白い。一部、ロックや洋服など作者の趣味領域への言及も多いので読みづらいとも感じた。もっと哲学的に論じても面白いテーマ。

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    2025年11月25日
  • 本心

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    テーマは面白いが脱線が多いかな。結局本心がどこにあるのかはわからないまま。
    その当人でなければ本心なんてわからない。当人でもわからないこともあるのに。

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    2025年11月24日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    前半の半分くらいはただの恋愛小説?あまり面白くないのかなと思っていたが、三谷が洋子にメールを送ってからはストーリーが加速して一気に読み終えた。有名な作品で評価も高く期待して読んだが、恋愛系の話はやはり何か物足りなく感じてしまったため評価は星3つ。

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    2025年11月16日
  • ご本、出しときますね?

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    村田沙耶香さんのインタビューを読み漁っていたところこの番組を知り、当方リトルトゥースでもあるので是非観てみたいと思い、映像を探していたら書籍化されてるとの事で読みました。
    若林さんと仲の良い西加奈子さんや朝井リョウさんのインタビューも載っていてとても面白かったです。

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    2025年11月09日
  • 本心

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    扱うテーマを詰め込みすぎたような気がしました。

    ・格差
    ・仮想世界
    ・AI
    ・死生観

    どれか一つだけでもいいような気はしますが。

    僕も母子家庭で、母にはすごくお世話になったなと思っています。そんな母は、今教師を辞めて、楽器を勉強する学校に通っています。子どもたちが社会人になり、心配することがなくなり、自分のしたいことをしているのかなと思うと、嬉しく思います。
    あまり感謝とかを伝える機会がなく(照れくさいのもあり)、地元を離れて仕事をしていますが、この本を読んで、また「母」という存在のありがたさを感じました。
    母もきっと大変だったと思うけど、僕の前では弱音は吐きませんでした。

    本を読むと

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    2025年10月20日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    ネタバレ

     評価が低いのは自分が理解できないところがたくさんあったからで、決してこれがつまらないというわけではありません。
     ドフトエフスキーなんてカラマーゾフ上巻で挫折したし、絵画に至ってはほとんど分かりませんでした。

     平野さんがあらゆる芸術の造詣が深いことは分かりましたね。

     瀬戸内寂聴や大江健三郎との対談や弔辞は、羨ましいですね。これからの日本文学会をしょって立つ人ならではです。

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    2025年10月19日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    スローリーディングのススメ。じっくりと読み込むことで、その本が持つ真の姿を知り、味わうことができる。とても魅力的な読み方。一方で、読みたい本が増殖している現状があり、多読したいという欲求も捨てきれない。答えなんかない。一生迷ってそう

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    2025年10月15日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    装丁に惹かれました。
    ゴッホと目が合って。
    そんな人も多いはず、、!

    死んだ人が生き返るなんて嬉しいにきまってる、なんてこともないんだな。
    当の本人は復生者として肩身の狭い暮らしを余儀なくされ、死に方が自殺だったならば余計に生きづらい。
    自分の本当の顔というのはどれが正解なのか、親といるときか友人か家族か1人でいる時か。
    分人という考え方をそのまま物語に落とし込んだような世界観。
    大切な人を失うということは、その人と過ごした自分の分人も失うということ。
    深いところまで掘り下げて結局本当のところが見えないから人を心から信じられない。

    ドラマで実写もやってたの知らなくて、途中から役者さんに当て

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    2025年10月11日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    この作品は自殺防止の意味も込めて書かれたのかなって思った。死んでまた生き返ってその時初めて自分のしたことに対する後悔と周りへの影響が身に沁みてわかるのだと思う。(実際、生き返れないから無理な話ではあるが)
    でも徹生もそうだったように、自殺する明確な理由ってきっとなくて一時の心の迷いなんだろうな…

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    2025年10月01日
  • サロメ

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    古い表現で理解が難しいが、解説がオスカーワイルドについて詳しく述べられていて、解説が読み応えあった。
    原田マハさんの「サロメ」を読んだ後に読んだため、原田さんの小説を背景として想像するとまた違った読み方ができた。

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    2025年09月30日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    クラシックギターもジャーナリズムもわからない。40歳の恋愛もわからないし、自分には全くない世界の話。めっちゃ面白いわけじゃないけど、恋愛小説もいいなって感じた作品。

    自分が18歳の時に妻と出会ったこと。難波で手を繋いだこと。なんか偶然じゃなくて、付き合った気がする。18歳の時ことをすごい思い出させてくれた。
    あと、偶然に期待しては良くない。

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    2025年09月28日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    本書はいわゆる、エッセイ集といったものであるから、タイトルにある「文学は何の役に立つのか?」について、延々と語られるわけではない。
    小生はタイトルのみで本書を手にとったため、やや拍子抜けしたが、オッペンハイマーに関する内容はとても興味深かった。

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    2025年09月25日