平野啓一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々に死生観に問いかけるような内容のものを読んだ。
主人公の己の気持ちへの問いかけ部分が多くて、重ねて自分はどうだろうと考えているうちに読むのに時間がかかった。難しい議題がたくさん。
「最愛の人の他者性」は知りたくとも、その人が亡くなってしまえば相手の周りの環境から読み取ることしかできなくて。それもまた最愛の人が他者に向けて見せていた一面を認識するだけでその本心を知ることはできない。
生きている間も相手の本心は分からないけれど、もし自分に対して剥き出しの感情を伝えてくれることがあるとするのなら、常に真摯に相手の気持ちに向き合うことが大事だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
すごく面白いわけではなかったけど、
時折感じていたような疑問が言葉になっていた
行き止まりさえ想像できないような、時間の連綿とした流れの中で、終わりとは何なのか
経時的に絶えず微細な変化を繰り返し続ける世界において、ある一瞬の存在とその次の瞬間の存在は同じと言えるのか
生きている間も死後も正体は絶えず変化し続けるような気がする、一瞬一瞬別の存在っていうのも言い過ぎな気はするけど。
特に他者の認識のもとでの存在なんてブレが大きいわけで。
宇宙のvrの章がすごくよかったなあ
格差について取り上げていたが、
生きる意味を問うことが、無意識か意識的かは定かではないものの、豊かな者が、持たざる者を徐 -
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Posted by ブクログ
ファッション誌のキャッチコピーみたいなタイトルですが、「かっこいい」という概念について論じた本です。
意外にも、その歴史は浅く、戦後に作られた言葉だそうです。「人はどうあるべきか」という考えが、封建制や全体主義下とは異なり、個人に一定程度委ねられた結果、個人が憧憬の念を抱く対象が多様化し、その中で体感によって得た憧れを表す言葉として「かっこいい」が誕生したと書かれていました。
大切なのは、かっこいい対象を決める「体感」も、社会からの影響を強く受けているということだと思います。戦前の様に統制的に押し付けられるものではないにしても、社会の雰囲気、近しい人達の状況、企業のマーケティング等によって -
Posted by ブクログ
オスカー・ワイルド作、平野啓一郎訳
ワイルドはアイルランド人なのに、原作はフランス語とのこと。
筋書きは知っていたつもりだけど、元々持っていたイメージとはだいぶ異なる印象。とてもわがままな王女が無茶苦茶をする話であることは同じなのだが、少女の超ツンデレぶりが逆に清々しいくらいだ。サロメが、ヨカナーン(ヨハネ)の白い肌、黒い髪、赤い唇を順に褒めたり貶したりする様は、滑稽でもあり、切なくもあり、ストーカーが死を以て相手を独占しようとする様とも重なる。どうしてもキスしたいから首を斬る、と言う発想はぶっ飛んでいるが、紀元前からずっと語り継がれてきたお話である以上は、ある程度は普遍性のある感情なのだろ -
Posted by ブクログ
受け入れる心を持ちたい カタカナの標記が独特。ちょっと初めは違和感があったが、途中からはあまり気にならなくなった。AIに個人のデータをインプットしてカスタマイズするってアイデアは面白いと思った。どうも、主人公はマザコン過ぎて、どうやってそんな風になったかのいきさつはうまく描き切れていないように思った。それでも、人間の深いところにある、本心というものを上手くとらえてると感じた。登場人物の若者、老人、それぞれの本心、それが知りたい、いや知りたくない。本心だと思うかどうかは自分次第。それを受け入れる心を持ちたいと思う。
主人公は母親を亡くした少年です。彼は母の存在が心の支えであり、母との思いでを胸