平野啓一郎のレビュー一覧

  • サロメ

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    オスカー・ワイルド作、平野啓一郎訳
    ワイルドはアイルランド人なのに、原作はフランス語とのこと。

    筋書きは知っていたつもりだけど、元々持っていたイメージとはだいぶ異なる印象。とてもわがままな王女が無茶苦茶をする話であることは同じなのだが、少女の超ツンデレぶりが逆に清々しいくらいだ。サロメが、ヨカナーン(ヨハネ)の白い肌、黒い髪、赤い唇を順に褒めたり貶したりする様は、滑稽でもあり、切なくもあり、ストーカーが死を以て相手を独占しようとする様とも重なる。どうしてもキスしたいから首を斬る、と言う発想はぶっ飛んでいるが、紀元前からずっと語り継がれてきたお話である以上は、ある程度は普遍性のある感情なのだろ

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    2024年05月21日
  • 本心

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    受け入れる心を持ちたい カタカナの標記が独特。ちょっと初めは違和感があったが、途中からはあまり気にならなくなった。AIに個人のデータをインプットしてカスタマイズするってアイデアは面白いと思った。どうも、主人公はマザコン過ぎて、どうやってそんな風になったかのいきさつはうまく描き切れていないように思った。それでも、人間の深いところにある、本心というものを上手くとらえてると感じた。登場人物の若者、老人、それぞれの本心、それが知りたい、いや知りたくない。本心だと思うかどうかは自分次第。それを受け入れる心を持ちたいと思う。

    主人公は母親を亡くした少年です。彼は母の存在が心の支えであり、母との思いでを胸

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    2025年12月03日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    テーマが面白くて進んで読めた。上巻だけでは、どのタイプのストーリーに収まるのか全く想像がつかない。色んな可能性が見えてきてどうなるのか先が気になるので、2冊両方手元に置いておくのがおすすめ。さて続きを読もう。空白はまだまだ満たされていない。

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    2024年04月10日
  • 決壊(下)

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    一犯罪を取り巻く人々の悲哀がよく書かれている作品。崇を待ち受ける運命はただひたすら暗鬱であるが,それだけに共感をする人も多いのだろう。

    ただ各出来事がダイジェスト的にまとめられており,もっとやってくれれば面白いところなのに……という場面が多かった。オチは無難にまとめられているが,そこで問題提起が終わってしまうのはもったいなく思う。

    著者の哲学講義は確かに魅力的ではあるが,華麗な修辞による重厚感の演出かもしれず,神学などの学問から注意深く批判する必要がある。

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    2024年04月01日
  • 決壊(上)

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    一犯罪を取り巻く人々の悲哀がよく書かれている作品。崇を待ち受ける運命はただひたすら暗鬱であるが,それだけに共感をする人も多いのだろう。

    ただ各出来事がダイジェスト的にまとめられており,もっとやってくれれば面白いところなのに……という場面が多かった。オチは無難にまとめられているが,そこで問題提起が終わってしまうのはもったいなく思う。

    著者の哲学講義は確かに魅力的ではあるが,華麗な修辞による重厚感の演出かもしれず,神学などの学問から注意深く批判する必要がある。

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    2024年04月01日
  • 小説の読み方

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    ネタバレ

    後半の具体ケースは読んでいないが、小説とは正式でない物語であること、観点のフレームとして、①メカニズム、②発達、③機能、④進化はわかりやすい。プロットの大きな矢印と小さい矢印のバランスはまさにアートだなと思った

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    2024年03月31日
  • 決壊(下)

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    ネタバレ

    感想
    非常に内面的に切り込んだ作品。言い回しや文学的な表現が多いため、分からない部分もあるが、この作品を通して色々考えさせられることは間違いない。最後に何かどんでん返しがあるかと思ったが、救いようのないまま終わった。

    残された家族の苦しみなど色々考えてしまう。被害者家族も加害者家族も生きていくのが辛い。

    サイコパスはどうしても発生してしまうので一概に社会や家族のせいのするのは違うような気がする。

    マスコミの過剰な煽りや一部の騒ぎ立てる人に社会が合わせていくと社会が成り立たなくなるし、みんなウンザリする。昨今の社会はそのような気配を多分に感じる。

    あらすじ
    バラバラ事件以降、模倣犯による

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    2024年03月04日
  • 決壊(上)

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    ネタバレ

    感想
    内面的に複雑な心情描写が多いので、登場人物の心情を容易に理解するのは難しいな。

    兄の崇の話が文学的過ぎて難しい。自分なんかもっと単純に物事を考えて生きてるって思ってしまう。

    上巻の最後になってようやく事件。殺人事件ものの小説で誰かが殺されるまでたどり着くのにここまで長かった小説は記憶にない。兄怪しすぎる。

    あらすじ
    良介は、母の兄弟が亡くなったことを機に家族3人で実家に帰る。兄も久しぶりの帰省となった。母親が兄に昔から不気味な怖さをかんじていたことを聞く。また、父親がずっと伏せっていることから、兄は鬱病ではないかと懸念を持ち、病院に行くことを進める。

    北崎友哉は中学生。いじめられ

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    2024年03月03日
  • 死刑について

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    ネタバレ

    普段はあまり考えない、死刑に関する主張の本でした。元々死刑は必要だと考えていました。
    読み終えて、共感する部分も多かったですが、やはり死刑は必要だという考えは消えませんでした。
    しかし、残された被害者の感情を加害者への憎しみの一点と捉え、そこだけに第三者たちの感情が乗ってしまい、被害者のケアが疎かであることにはとても共感し、はっとさせられました。
    考えるいい機会になりました。

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    2024年02月15日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    徹生の死の真相や、改めて生きたいという気持ち、3年間にあったことなど次々と明らかになっていく。やっぱりなと思ったけれど、復生者たちが消えてしまうことも…

    徹生が、というより妻の千佳がいたたまれなくて
    千佳のために徹生を生かしてくれないだろうかとも思ったり。
    どんな経緯で死んでも、どんなにやり直したくてもやり直しは効かない一度きりなものが命。そう分かっていても家族が最後に集まった時間は切なかったです。

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    2024年02月11日
  • 決壊(下)

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    重いわ。
    すごい筆力だけど、なにしろ重い読後感。

    「決壊」というワードは、ダムを連想させる。

    思えば、崇のダムははじめから満水だった。
    それでも、なんとか騙し騙し、運用上の工夫で決壊せずに踏ん張ってきた。
    そこへ、既に決壊してしまった者の濁流が、周囲のダムの決壊を誘発し、流量を増した急流となって流れ込んできた。
    崇のダムはそれでも持ち堪えた。そして、流域の住民を避難させ、安全を確認した後、決壊した。ダムはもう、カラだ。

    僕らはダムを決壊させてはならないルールの中で社会性を保っている。そのルールに縛られているからこそ、決壊への、破壊への欲望が頭をかすめることがある。それにどう立ち向かうか。

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    2025年03月05日
  • 死刑について

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    ヨーロッパで取り入れられている修復的司法に関するニュースを見て、日本における死刑制度について考えを深めたいと思いこの本を手に取った。人権という視点から死刑について考えるという発想が全く無かったので、先ずは人権を理解するところから始めなくてはいけないと感じた。この本を読んだだけで自分はこう思うと決められる問題では無いと思うが、考えるきっかけとしてはとても良い一冊だと思う。またこの本の中で取り上げられていた幾つかの本を読んでみたいと感じた。

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    2023年11月30日
  • 自由のこれから

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    膨大な選択肢から選び取る自由。
    一つの分人が失敗したとしても、
    別の分人たちが支えてくれる。
    そして自分は死ぬ瞬間まで変化し続ける。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    人間がテクノロジーに管理される、暗い未来を乗りこえる――
    ベストセラー『マチネの終わりに』著者が挑む、人間×自由の可能性とは。

    人工知能、自動運転、ドローン、ビッグデータとレコメンド機能……
    技術の進化によって、私たちの生活からは「自分で選択する機会」が失われつつある。
    人間の自由意志はどこへ向かうのか?
    予測不可能な未来と、その過渡期を乗りこえるための、新しい自由論。

    田川欣哉氏(Takram代表

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    2023年11月23日
  • 小説の読み方

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    小説は好きなように読めば良いとは思いつつ、読解力に自信がない私は本書を手にとった。

    やっぱり読んでよかった!

    小説って、こんなに深く読めるんだと衝撃の連続だった。

    特に、私の好きな伊坂幸太郎のゴールデンスランバーの解説は、深すぎ!と思わず唸った。

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    2023年11月14日
  • かたちだけの愛

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    多弁は織り込み済みなのでしょうが、饒舌は冗漫に通じます。語り過ぎは面白くないし、小学生の作文みたい。
    知的な平野さんなんで、意図するところかもですが、やっぱり不作かな。
    「よくやく」ではなく「ようやく」(405p)でしょうね。
    校正もちゃんとできてないし。

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    2023年11月01日
  • 決壊(上)

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    オーディブルで聴いたので、小難しいこと言ってるところはなかなか頭に入ってこなかったが、面白かった。地の文の視点がコロコロ変わるので、ちょっと聴きづらいと感じるところはあったが。
    早く下巻を聴きたい。

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    2023年10月30日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    難しいなぁ。そして胸糞。
    なぜゴッホの表紙なのかまだ謎。
    でもところどころにゴッホの人生とリンクするような事がちりばめられてる気がする。
    下巻はすぐ読んだ方が良さそうだな。

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    2023年10月23日
  • 小説の読み方

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    第一弾の「本の読み方」では、スローリーディングについて語られていたが、第二弾のこちらは、小説の仕組みについて語られていた。小説を書く人、書いたことのある人が読むと、新しい視点や面白い試みなどが得られると思う。

    前作の方は高校生にもおすすめしたいが、こちらは高校生では少し難しいかもしれない。それだけ小説が複雑で深みのあるものなのだと感じた。

    ・四つの質問
     1.メカニズム(小説の仕組みはどうなっているか)
     2.発達(その作家の人生のいつごろの作品か)
     3.進化(社会・文学の歴史的にどんな意味を持つか)
     4.機能(作者意図と読者の意味づけ、小説の振る舞いはどうか)
    ・主語になる登場人物と

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    2023年09月17日
  • 顔のない裸体たち

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    露出プレイから生じた事件のルポルタージュに見せかけた、純文学。テーマがテーマのため性的な描写が散見される。好き嫌い別れるだろうから人には薦めづらいな。

    ただのありふれた事件のルポルタージュかと思っていたら、実生活を『本当』と捉え、ネット上の記号に適応した姿を『嘘』と捉える女と、性欲の発露こそ『本当』で、澄ました顔で取り繕う社会生活こそ『嘘』と捉えた男。その場限りの行為の上では利害が一致していたのに、関係が続き今後を考えていく上で互いの世界の捉え方の違いが破滅に繋がっていくという、作者の考えが伺える、評論じみた小説だった。私はこの意図に終盤まで気付けなかった…。
    この方ルポも書くんだな、なんて

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    2023年08月31日
  • ご本、出しときますね?

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    最近オードリーの若林さんにハマっており、たどり着いた一冊です。
    この番組見たかったなー。対談相手の作家さんも好きな人達ばかり!

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    2023年08月26日