無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
私の中で『サロメ』といえば、ビアズリーの悪魔的で蠱惑的なあの絵、あるいはモローのあの幻想的でアイコニックなあの絵。どちらもインパクト抜群でつい見入ってしまう歴史に残る絵ですが、当の文学作品は読んだことがなく、結局このワイルドの『サロメ』に私を導いたのはやはりビアズリーでした。ビアズリーの生涯を知るにつけて、ワイルドのサロメを読まずにはいられないわけだったのですが、もうひとつ、オスカー・ワイルドという人間への興味も、そこにはありました。
本書はオスカー・ワイルドのサロメを平野啓一郎版新訳として、現代に生きる私たちに馴染みやすい文体で読める、という楽しみ方だけでなく、平野氏によるサロメの解釈、さらには本作にまつわるさまざまなことがらについてのとても充実した解説がついてあって、実際、本編よりこちらのほうに多くの紙面があり、大変読み応えがあります。なんというか、ワイルドもすごいけど、平野氏もすごいというか、さすが一流の文学者だなと。私なんかは、聖書のことなどまったくの無知ですから、ただ本編をはじめから終わりまで読むだけでは、わかったようでほとんどわかっていなかったのだなと解説を読むと感じます。また、平野氏も述べていますが、私のようなビアズリーの絵から入った人間にとっては、ここに描かれるサロメの人物像はビアズリーの絵から連想されるそれとは違った印象を受けます。そこにあるのは、少女の幼気な悪の囁き。たぶん私はまだ本作の半分も理解できていないのだと思います。いろいろ知って、読めば読むほど、景色が広がる作品なのだと思います。
Posted by ブクログ
平野啓一郎によるサロメ。解説でご本人が述べられていたが非常に少女性があるサロメになっている。好きな男を振り向かせようとして一生懸命なサロメ。だけど振り向いてくれず最後は殺してしまう。ヘロデも娘を振り向かせようと領土の半分を与えようとする。耽美的になりすぎず一方でサロメ独特の魅力も残したままうまく訳されていると思う。
平野さんの解説も出色で世紀末の京都の雰囲気が懐かしかった。田中さんのワイルドに関する解説もワイルド、サロメ理解を深めてくれるもので、田中さんのアドバイスがあっての平野訳ということでもあるのだろう。リヒャルト・シュトラウスのサロメとは違うということも解説を通じて知ることができた。
宮本亜門による舞台は見てみたかった。舞台は終わってしまうともう見れないから残念だ。当たり前なのだけれど。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
試し読み
小説・文芸
小説・文芸
試し読み