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戦慄のバラバラ殺人──汚れた言葉とともに全国で発見される沢野良介の四肢に、生きる者たちはあらゆる感情を奪われ立ちすくむ。悲劇はネットとマスコミ経由で人々に拡散し、一転兄の崇を被疑者にする。追い詰められる崇。そして、同時多発テロの爆音が東京を覆うなか、「悪魔」がその姿を現した! 2000年代日本の罪と赦しを問う、平野文学の集大成。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
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Posted by ブクログ
初、平野作品。長編の上下巻で圧倒的な読み応え。 ストーリー展開よりも人間の思想、行動に重点が置かれ、純文学的な描写が難しいが今まで読んだことのないようなもので新鮮だった。夢に出てくるだろうな…と思ったら本当にでてきて恐ろしかった。 登場人物が次々と壊れていく。 読んでよかったけど、読まなければ良か...続きを読むったとも思えた。 読むのに体力がいります。晴れた日の、日中に読むことをオススメします。
主な感想は上巻に書きました。 いろいろな終わらせ方の可能性があったと思うが、著者があれを選んだ理由についてはじっくり考えてみたい。
再読。 私が平野啓一郎先生の本に嵌る切っ掛けとなった本。 2011年12月、これまで痛快娯楽小説しか読んでこなかった私が、単なる推理小説だと思い購入。 読み終わると共に放心状態に陥った。 感想は特に記録していなかったのだが、今でも覚えているのが、「この作者、天才!?」ということだけ。 それか...続きを読むら、「ドーン」「透明な迷宮」「本の読み方」「葬送」「顔のない裸体たち」「かたちだけの愛」「マチネの終わりに」「あなたが、いなかった、あなた」と読んでここに来て再読。 初めて読んだ時は、難しい小説だなというのが正直な感想だったのだが、再読だと随分変わる。 「葬送」に比べるとはるかに読み易い。 当時も思ったことだが、これはとても深い本だと思う。このたった2冊の中に、ありとあらゆる世界が詰め込まれている。 エリート公務員とその家族、ネット、少年犯罪、被害者家族、加害者家族、あらゆる側面から緻密に物語が紡がれている。 感想は書ききれない程頭に溢れてくるのだが、文章にするのはとても難しい。 一度手に取って読んでみてほしい。 平野啓一郎先生の本は、読む順番を間違ってしまうと、これは無理だとその後諦めてしまう可能性があるが、是非この本を先に手に取ってほしいと私は思う。 私のような、娯楽小説しか読まない人間にも十分に染みたから。
『だから、こんな世の中イヤだと思ったらさ、やっぱり、とうてい社会が受け止めきれないような過剰な方法を選ばないと。そうなると、もう無差別殺人しかないわけ。別に大袈裟なことやる必要はないんですよ。でっかい建物壊すとかさ、大義名分を掲げてエライ人暗殺するとか、そんなの要らないって。フツーの人が、意味なく隣...続きを読むにいるヤツをブスッとやるのが、システムエラーとしては一番深刻なわけ。オレらがやってるのは、要するにそういうことなんですよ。っていうか、オレの解釈ではね。これだけ言って分かんないっていったら、多分ね、馬鹿(爆)…』 ー 『《少年犯罪なら、警察は誤認逮捕が一番恐いはずだから、自首するように追いつめてくいくだろうな。マスコミに情報小出しにして、身内に気づかせるんだよ。》』 ー 「何もかもが、心底、イヤになってた。ー 何もかも、ね。…自分か、世界か、ーーどちらかを愛する気持ちがあれば、人間は生きていける。だけど俺は、そのどちらに対しても、あの頃、愛情を失いかけてた。そんなふうに感じる自分が恐かったよ。…死にたくなかったからね。」 ー 「人間は、本当に真剣に、誰がどう見ても絶対に信用するような顔で、平気で嘘を吐く。」 ー 『〈死者の名前など、失われたファイルのための「無効なショートカット」みたいなものだ〉』 ー 『《死んだらオシマイ/神サマいない/地獄もない/ヤリたいことヤッタ奴の勝ち》』 ー 「殺されてもいいと思ってるなら、殺してもいいということですか? ー いや、違う。…僕が殺されてイヤだっていうのと、人が殺されてイヤだって感じるのと、何か関係があるの…かな?…ないよねえ?…ねえ?」 ー 「いいか! 〈幸福〉とは、絶対に断つことの出来ない麻薬だ! それに比べれば、快楽などは、せいぜい、その門番程度の意味しかない! 違うか? 人間は、快楽を否定することはできる! しかし、〈幸福〉を否定すること絶対に許されない! このたった一つの残酷極まりない、凶悪な価値が、この社会のすべてを支配しているのだ!」 ー 「完全に脳ミソ、トケてた。」 ー 『僕は、正しいと信じることのために、人に侮辱されるのを誇りに思う』 ー 「人間の生の長さは、生物としての寿命か、それより短いかのどっちかだよ。その二つしかない。死刑は要するに、犯罪者の寿命を許さないっていうことだろうね。殺された人間が、寿命よりも短い生しか生きられなかったことの報いとして。」 ー 『ーーかつては誰もが子供だったという、その一事を以て、すべては赦されなければならない。』
言葉を重ねると悪魔はどんどん人間臭くなっていったなという印象。結局、最後までどのキャラクターも好きにはなれなかったし、物語の終わり方もモヤッとするものだった。それでも、「あー、こういう正義を振りかざす奴いるよな」とか「こういう境遇なら、こうなっちゃうかもな」とか、感じることは多かった。特に、「なぜ人...続きを読むを殺してはダメなのか」という討論会の内容は興味深かった。ある程度、共通の価値観(認識)を持たなければ、『なぜ?』に回答を示すことは難しい。悪魔の紡ぐ言葉がどうしても自己満足にしか聞こえないのは、私と悪魔の間の価値観(認識)が乖離しすぎているからだと思う。だから、悪魔が発する言葉は自己を満たすだけの、人間臭いものに聞こえてしまう。
面白くて…というわけではなく、先を読まざるを得ない様な感じで、結局一気読み(^◇^;) 難しいし、よくわからなくて読み飛ばした部分もあるんだけど、妙に共感しちゃう部分もあったり。 あー、芥川賞作家らしいわー、文学だわー、ところでいつ殺されるん?と思いながら読んでたんだけど、いやー、重くて、重くて...続きを読む…。 結末もね、衝撃的でしたわ、確かに。救いが無くて、ドーンと気分が沈んだわのさ…。 まぁ、いろいろ考えさせられる、ってのはあって、普段ボーッと生きてる私でも、たまにはね、という感じで良かったといえば良かったけど、あんまり読みたい作家さんではないな、うん。
ミステリー的要素があり内容も凄惨。個人的にはあまり好きではないジャンル。ただし平野啓一郎だけあってただのミステリーにはない深さがある。重く残る小説だが評価が難しい。ただ子供には読ませたくない。
ネット社会、少年犯罪、犯罪被害者、マスコミ報道、罪、病と責任、取り調べ、子との関わり、格差…… 衝撃的な事件をもとに現代が直面する様々な問題を炙り出す。 赦しは赦す側のためにある 共感でつながる現代人 読み進めていくにつれ、自分の心の闇に触れ、それを決して否定できないことに、また恐ろしさを感じる。
怒涛の展開で、下巻は息もつかせぬ感じだったような気もします。ドミノ倒しのように、悪意とそれに関わった警察・マスコミ・人がさらに人を壊していくということに圧倒されました。
決壊。 社会全体のことなのか、沢野家のことなのか、崇なことなのか、、、全て含むのか。 すごく考えることと、感じることを絶え間なくさせられる本で、そして終わりも、途中から予想はつくものの救いがなく、一言「疲れた」。 私は、どうも哲学的なことを、論理的に(?)的確に(?)言語化することが苦手なので、読後...続きを読むに改めて皆さんのレビューを拝見して、自分が感じたことが、整理出来たような状況で。なので、分人と言う平野さんの考え方とか、赦すと言うことについてとか、その辺りはここには書かない(書けない(笑))が。 ネット社会の孕む怖さ・危険性とか、警察の捜査のあり方とか、死刑制度の是非とか、現代の多くの問題を描きつつも、それらを表面的になぞり提議していると言うよりも、結局、人の内なる部分の描写にこそ引き込まれていく、平野さんらしい作品だと感じた。
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決壊
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平野啓一郎
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