平野啓一郎のレビュー一覧

  • 透明な迷宮

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    著者の試み通り、「ページを捲らずにいつまでも留まっていたくなる」小説。

    依田氏からの依頼は中盤からスローモーションの情景が頭に浮かんでくる。そんな情景を文体で表せるのは凄い。

    個人的には「消えた蜜蜂」が好き。

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    2020年05月30日
  • 「カッコいい」とは何か

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     SNSでの時事コメントやメディア上での時評では(ろくな文化人の少ないこの世代では例外的に)至極真っ当な平野啓一郎だが、肝心の書くもの(小説・評論)が個人的にはつまらないことが多い。本書も西欧中心主義的な思想系譜認識や、生理的な「体感」を「カッコよさ」受容の本質とするアクロバットな力技に恣意性を感じるが、その博覧強記による「情報量」自体が勉強になるため、読んで面白いことは面白かった。生まれてこの方「カッコよさ」とは無縁で、「カッコいい」「カッコ悪い」という価値判断自体の暴力性に対し、幼児の頃から嫌悪感を持ち続けている者としては、どうあっても「カッコよさ」という概念は肯定できず、(一応言及はされ

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    2020年04月25日
  • 「カッコいい」とは何か

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    ネタバレ

    つまりその、ついていけなかったわけで。古代から現代までに通じるあれこれを平野さんの博識で語る。カッコいいのはシビれる感じなんだって。

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    2020年02月22日
  • 賢人の読書術

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    ネタバレ

    流し読みができる本。筆者達の参考本を是非読んでみたい。本は批判精神を持って読むべしの部分は、なるほどと感じた。批判感情を持ち読むと、たしかに記憶に残りやすく、今後も活用できそう。

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    2020年01月18日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    ネタバレ 購入済み

    しんどい

    久しぶりにとても読むのが辛い本だった。中盤は噛み締めながら読むのが無理だった。明るい兆しを含むラストであったが、救われるわけではない。この本を読むには自分はまだ人間性や教養が足りてないと感じた。5年後10年後にまた読んでみたいと思う。その時人間的な深みを得られていればじっくりと読み込むことができるかもしれない。

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    2019年11月26日
  • あなたが、いなかった、あなた

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    作者の作品を読むのは、「決壊」に続いて二作目。難しい、難解。。読みやすいのは、「義足」と「慈善」くらいか。(「義足」は、あの後藤健二さんの著作を参考にしてるそう。)

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    2019年09月28日
  • 「カッコいい」とは何か

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    「かっこいい」という概念についての考察。平野さん的なかっこいい論。なかなかボリュームのある内容でとても興味深かった。

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    2019年12月19日
  • 賢人の読書術

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    著者が1人ではないのもあり部分により内容への賛否は分かれるのですが、全体的に納得できるような内容ではあったと思います
    しかし以前に読んだ読書本と比較するとどうしても薄いように感じました
    図説により取っ付きやすい仕上がりになっているのは良いのですが、それにより流行に乗っただけのビジネス本のような、何となくいいこと書いてあるな~としか思えない構成になってしまっているのは残念です
    私自身の読解力が低いせいもあるとは思いますが。

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    2019年09月14日
  • ドーン

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    分人やディヴ、それから次世代のテクノロジーに加えて火星探査など、なかなか想像の簡単でない近未来が描かれてました。偉業を成し遂げる人が登場して、大統領選挙に絡めた戦争や国家に対する思想が説明されているのに、みんな暗い一面を背負っていて、尊大な感じがないです。未来ってこんなに微妙なバランスの上に成り立っていくのかと、心配になります。

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    2019年09月05日
  • ウェブ人間論

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    『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者である梅田夫望と、『日蝕』『葬送』(ともに新潮文庫)などで知られる小説家の平野啓一郎が、ウェブ世界の可能性とそれにともなう人間観の変化について語った本です。

    両者とも、インターネットのもつインパクトの大きさを認めながらも、人間の理解については異なった意見をもっており、そのことは「おわりに」で梅田が次のような的確な表現で述べています。「私はむしろ「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」を最優先に考える。……「社会の変容」への対応という視点から「個の変容」をとらえようとする傾向が強い。しかし平野さんは「人間

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    2019年06月11日
  • 考える葦

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    「考える葦」
    「透明な迷宮」「マチネの終わりに」「ある男」執筆時に、作家は何を考えてきたのか。


    文学、思想、美術、音楽、エンタテインメントから社会問題まで広範なテーマに亘る六十七篇の論考を集成した批評・エッセイ集。


    第1章:私達自身のような「夭折の天才」(ドナルド・キーン「石川啄木」)から始まる本書は、とにかく読む疲れるものであった。広範なテーマだけであれば良いものの、中身が難解。文章の視点や書き振りは文学的であったり哲学的であったり、思想的であったりする。


    単に知識があればすらすら読めるってなもんでもない。読むのが大変。さらりと読めた所すら、果たしてこの解釈であっているのだろ

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    2019年02月24日
  • ドーン

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    人類初の火星の有人探査船ドーン。迫るアメリカ大統領選挙の行方と陰謀に巻き込まれていくクルーの運命は。火星探査は正直おまけであり、メインは大統領選挙。SF要素はほぼない。
    話としては正直詰め込みすぎで、宇宙の話必要なかったのでは?という気もする。しかし、背表紙解説にも書かれているが、「分人(ディビジュアル)」という概念については、かなりふに落ちるものがあった。作られたキャラクターではないが、相手や環境によって変わる自分をそれぞれのディブとして捉える考え方は、自分を統合しなければならないという考え方から自由になれる素晴らしい捉え方だと思った。対人関係と一くくりに考えてきたが、誰との関係が問題である

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    2019年02月16日
  • 透明な迷宮

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    短編。
    興味深い視点から書かれた内容が多く、気付かされることがある。
    これは平野啓一郎文学の特徴でもあると思う。
    でも長編の方が好き!

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    2018年12月15日
  • 決壊(上)

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    さすが京大出身という感じの文体。
    難しいところは読み飛ばしたが、
    文体は嫌いじゃない。
    他の平野啓一郎も読んだが、決壊が一番好き。

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    2018年12月15日
  • ドーン

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    ネタバレ

    作者が提唱する「分人」の思想にあまりしっくり来なかったため、ストーリー自体は楽しく追えたけれどイマイチはまりきれなかった。「会社での私、恋人の前の私、家族の前の私はみんな違うけどどれも自分の人格だよね」っていう主張自体はごもっともなのだけど、それが作中で世界的に、ここまで一般的に普及するほどのものかという説得力が感じられなかった。
    あとは普通に大気圏外まで出てきて浮気すんなよ、とどんな偉大っぽいことを言っていても下半身に逆らえない主人公がチンケに見えてしまって残念。

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    2018年12月13日
  • 日蝕・一月物語

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    著者のデビュー作である『日蝕』と、第二作『一月物語』を収録しています。

    『日蝕』は、ルネサンス期のリヨンを舞台に、トマス主義者である一人の青年僧が、ヘルメス主義にもとづいて錬金術をおこなっているという老人のもとを訪ね、奇怪な出来事を体験する話。『一月物語』は、明治30年の奈良県十津川村を訪れた青年が、夢とも現実ともわからないなかで美女と出会い、その謎めいた魅力に惹かれていく話。

    両作品ともに、晦渋な文体とシンプルなストーリー・ラインがアンバランスさを感じさせます。デビュー直後には「三島由紀夫の再来」という煽り文句と、何人かの批評家たちの辛辣な評価に取り巻かれていました。なかには「暴走族の落

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    2018年10月24日
  • あなたが、いなかった、あなた

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    ネタバレ

    様々な技法で小説、文章というか、本というメディアを
    分解、再構成している、そんな短編集。

    老いのために少しずつ体が崩れる世界の青年。
    ただ、その小説のページ下部には短いエッセイが
    挿絵の代わりについている作品。
    一文だけの作品。
    親子の人生をインタビュー形式で作り上げる作品 等々

    だが、この短編で最もコアなのは主人公が自殺する小説を
    書こうとしている小説家の作品だろう。
    おそらくは著者自身(平野)が投影された「大野」が
    主人公だが、その「大野」が、さらに自分の小説の
    主人公をみつめるため、実に不思議な感覚に陥る。
    さらにテーマは死である。
    死とは何か。小説にとっての。自分にとっての。
    小説

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    2018年10月13日
  • 顔のない裸体たち

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    おいおい平野啓一郎なんて小説書くんだ。「マチネの終わりに」のあと遡って読んで来ているけど、初期三作の格調高い作品が嘘のように下卑た題材である。しかし題材は下卑たものでも作風は一線を保っているのは流石と言っていいのだろうか。第2期にあたる作品群はこういう傾向になるのだろうか?楽しみでもあるが、ちょっと怖い。

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    2018年02月02日
  • 自由のこれから

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    さて、スノーデンのドキュメンタリーを見よう。

    自由に関する考察。
    自由とは、与えられるものなのか。
    獲得するものなのか。
    構築するものなのか。

    自覚する、しないも自由なのである。

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    2018年01月29日
  • 「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

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    作者の文学、アート、音楽、ファッションといった様々な分野への造詣の深さには感服せざるを得ない。自分と同い年くらいなのに圧倒的な知識の差を感じ、恥ずかしくなる。

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    2018年01月21日