あらすじ
ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。
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Posted by ブクログ
「文人」という考え方、とても好き。
というより、普段から思っていた内容だったから仲間を見つけたような気分。
社会学におけるアイデンティティに近い考え方のようにも思う。
Posted by ブクログ
以前ドラマで見て
気になって買っておいた本
やっと手に取る
ドラマの内容は肝心なところは記憶にない
なんて頭なのでしょうか?
情けない!
がしかしまた味わえるのは嬉しいかな
平野啓一郎さんらしい文章で
手に汗握る展開に一気に入り込んでいく
はたして彼は自殺か?他殺か?
それとも?
生き返る意味は?
謎ばかり
誰もが秘密を抱えていそうで
誰も信用できなくなってくる
下巻に突入です!
表紙のゴッホの絵は何かを語っているのだろうか
惹きつけられる
Posted by ブクログ
すごく面白かった!平野啓一郎先生の本はこの本が初めて。オーディオブックで完聴。
自分が死んだあとに生き返る(復生)するという有り得ない設定ながら、登場人物の動きや分人主義という考え方や先が気になって読み進めるのが止まらなかった。
自分が自殺したあとに蘇ったら、自分の夫が蘇ったら、などと空想しながら読み進めたが、自分の立場と重ねて、夫の自殺という乗り越えるのが難しい壁をやっと乗り越えたところで夫が蘇えったら、嬉しい反面、この3年間は何だったんだろうと考えてしまうだろう。
途中出てくる佐伯という男の気味の悪さは印象的ではあるが、同意できる部分もあった。
命の価値って、重さって、何なんだろう。
自分の中に複数ある顔、分人。同じ生身の人間から発せられた分人同士なのに、その中の他者を消す。
自分自身でも、あまり好きじゃない自分の顔はある。それを消すのは殺人なのか、自殺なのか。
物語の途中、複生者たちが消えてしまう下りがあるが、私の理解不足たとは思うが、何故消えてしまったのかは私には分からなかった。
Posted by ブクログ
自殺をした主人公。
自分が自分を殺すとはどういうことか。
かつて誰かを守る部分だった自分が、表立っている自分を殺す。
少女革命ウテナでいう、アンシーがウテナを殺すみたいなことだね。あれってアンシーとウテナは実は同一人物だからね。
自殺について、よくわかってると思うよ。
私もかつて母を守る部分だった私が、彼を守ろうとし、表の自分と破綻を起こした。守るものは、守るべきモノでないと、やっぱり守りにくいね。信頼できる、守るべきモノじゃないと。裏切るものを守っていたら、自分の身が持たないよね。
面白い
車内広告からストーリーの続きが気になり、上下巻一気に読みました。
自分が何故一度死んだのか、謎を解き明かしていく面白さと、自分がいない間に起きた周囲への変化を理解していく話の深さに感銘を受けました。
Posted by ブクログ
平野啓一郎さんの本はやはり読みやすい…情景が簡単に思い浮かべられるというのが読んでいて嬉しい事だなと思う。
自分の身内が亡くなってから3年後に生き返ってきたらどんな気分だろう。1年とかなら嬉しいと思うが3年となると微妙な気がする。もう亡くなったことを受け入れていたのに…という感じで。こんなことが現実世界になくて良かったな…嬉しい人も居ると思うが自分はそれよりも生き返ってからの辛いことの方が多そうだと感じた。
徹生結局自殺だったのか…
でもまだ何かどんでん返しがありそうで楽しみだ。
Posted by ブクログ
自分はすでに死んでいる!?
主人公は、復生者として蘇った死者。
死ぬ直前の記憶がなく、妻と子供と幸せな家庭を築いていたはずなのに、自殺したと非難されていた。
自殺などするはずがない…。
死の間際には一体何があったのか、真実に迫る作品。
読んでいると、真実は一体何なのか、頭が混乱します笑
下も続けて読みます。
Posted by ブクログ
平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それゆえに物語の輪郭がぼやけてしまった?追えなくなった部分が発生した。
それでも読んで良かったと心から思う作品。
Posted by ブクログ
同じ著者の「決壊」は断念したけどなんとか読み切ることができた。
死んだ人が生き返るのは無条件でいいことだと思ってたけど、そんなに楽観視できることじゃないんだなぁ……そもそも幸せって一体なんなんだろう?
そんなことを深く考えさせる作品でした。
Posted by ブクログ
自分は何故死んだのか?を探るミステリーな面もありつつ、哲学的側面もあって面白い。
どうやら「分人」という考え方を知っておくとより深く楽しめるらしい。
最後が「え?」ってなったので、下巻もそのまま読もう。
Posted by ブクログ
豊崎書評から。現代文学には違いないけど、作家名を知らずに読めば、これはSFですわな。”空白”って、そういう意味ね。ミステリ的趣向も凝らされていて、後半の展開もとても気になる。
Posted by ブクログ
前情報を入れずに読むので、上巻はミステリー展開でドキドキハラハラしながらも「でも平野啓一郎だぞ?そんなシンプルミステリーな訳ないよな?」と構えながら読みました。
予想通りでした。笑
ドーンは苦手で最後まで読めずでしたが、ある男、マチネの終わりにに続き、読み応えのある興味深い本でした。
Posted by ブクログ
他の作品と比べたら、すらすら読める。
分人主義を先に読んでおくと深く読めるかも。
ミステリー感は強めで下巻を読むのが楽しみ。
※ハイライト
人の死は悲しいものだと、みんな当たり前のように考えている。しかし、「死」というそのたった一音が耳に触れただけで、スイッチでも入れたように、人はそんなに簡単に悲しめるものだろうか? そういう知人は、他にもたくさんいたはずである。ずっと会ってなかった昔馴染みにとって、「どこかにまだいる」ことと、「どこにももういない」こととは、一体、どう違うのだろう? 二度と会うことも、連絡することもない人は、死ぬ遥か以前から、実は死んでいるも同然なのではないだろうか? ただその「死」という言葉を、聞くかどうかの違いだけで。……
Posted by ブクログ
人が空白を埋めるのは、人が死んだときだけではない。いじめられたとき、挫折したとき、失恋したとき、深く傷ついたとき。事実を事実として受け入れたら、それは穴のまま。前を向いて動いていくには、自分に折り合いをつけ、事実を再解釈することが必要。そうして、自分の受け入れられるかたちに心をかえる。それが事実とは大きく異なっていたとしても、自分を守る術。その解釈が違っていたという事実を突きつけられるのは再び深い穴を掘り起こすことになる。たとえ良い方向だとしても、大きな苦しみをともなう。
私がモラハラ父と元カレと別れた時を思い出した。彼らの私への暴言、心をえぐる言葉の数々は深い傷を残した。私は、最初それらを見て見ぬふり、彼らは彼らの素晴らしい考えがあるんだ、私が間違っているからもっと勉強しよう、という風に解釈をしていた。そうすることで耐えていた。でも、彼らの言葉がただ人を否定して優越感に浸りたいだけだったと気付いた(直接聞いた)後は、幼い頃からの考えが全てひっくり返り、精神が崩壊した。
ただ価値観が変わったから崩壊したのではなく、深い傷を負っていたからこそ崩壊したのだと思う。
自分の記憶が信じられない、その感覚は精神崩壊してた時の自分を少し思い出した。
自分で自分の辛さを隠すことは、一番怖いと思う。
Posted by ブクログ
死んで生き返った「復生者」の主人公と、彼をとりまく人々の話。死因は自殺と言われているが本当なのか?などミステリー要素も。
生き返ったらどうなる?というテーマひとつから膨大な思考や出来事が発生していて、それらはどれも納得のいく流れで、突飛な設定にもかかわらずリアリティがすごい。読み応えがあって面白かった。
自殺について、ひいては死について、考えさせられた。
自殺とは、単純に「1人で自分の人生を終わらせること」ではなく「自分を殺す」ということであり、もししてしまったらその人は紛れもなく「自分を殺害した犯人」なのだ、と認識させられた。「殺される被害者」のつもりでいても実際には「殺す加害者」「殺人犯」になる。
自殺しようとする人がもし何らかの目的をもって死を選んだとしても、その目的は果たされない可能性が高いようにも感じた。たとえば自分が死ぬことで周りの人に後悔させたい苦しめたいとか、あるいは自分がこれほど苦しんでいたと知ってほしいとか思って死んでも、すべての人は複雑で、想像通りの受け止め方をしてくれるとは限らない。むしろ全く期待に添えない形になることが多いように見えた。せっかく自分の最高限度のアイテム「命」をベットしたとしても、その賭けは当人が思うよりずっと勝てる可能性が低そうだ。生きている間も他人を思い通りに動かすことなど基本的にできないのだから、死んでその場にいなくなったら更に難しくなるのは当然かもしれない。
また、この世には「人は死に、二度と生き返らない」ということを前提に成り立っていること・ものがこんなにもたくさんあるんだなと再認識した。意外と社会の全員が死を受け入れて生きているようだ。
この前提が崩れるだけで一気にバランスが崩れてしまう。単純に葬儀屋や保険屋の仕事が成り立たなくなるとかもそうだし、宗教とか、人の価値とか、色んなことがめちゃくちゃになる。死んだ人を美化したり、その人が今も心の中にいてくれると思ったり、そういう心の保護壁も砕かれる。
自分たちがこんなにも死に支えられて生きているなんて知らなかったし、逆に、他者の死に直面した人を支えるものがたくさんあることにも気付かされた。
登場する佐伯という人物があまりにも嫌すぎて、この人が出てくるとかなり読むのがきつかった。この世の「嫌」をかき集めて1人の人間を作ったような、嫌悪の擬人化みたいな存在。吐き気を催すレベルの気持ち悪さ。そんなやつが最低最悪なことをもっともらしく堂々と喋り、主人公らも読み手も「もしかしてこいつの言うとおりなのかな」と引っ張られそうになり、なんとか踏みとどまって抵抗する。
今後こいつとの絡みも含めて話がどう展開するのか気になる。でもできればもう出てこないでほしい…くらい本当に無理……でもこいつの言う通りだったらどうしよう……うう……
Posted by ブクログ
ドラマが面白く、先が待ちきれずに原作を読んだ。
自分が死んでから(自死)3年後に自分としてまた生きる。そして自分が死んだ理由を探すという設定があり得ないはずなのに妙にリアルで。旦那を亡くして3年をとにかく生きた妻、自分との記憶がほとんどない息子、確執のあった義理の親との関係など、再構築する様は、ただ生きているだけではなかなか踏み出せないものばかりだった。
Posted by ブクログ
死んだはずなのに3年ぶりに生き返った徹生。しかしその死因は「自殺」。愛する妻と子供を置いて本当に自殺していたのか。
上巻読んで、続きがめちゃめちゃ気になる…
徹生は果たして自殺なのか殺されたのか。殺されたのなら誰が犯人なのか気になるし、怪しい人々も。
Posted by ブクログ
装丁に惹かれました。
ゴッホと目が合って。
そんな人も多いはず、、!
死んだ人が生き返るなんて嬉しいにきまってる、なんてこともないんだな。
当の本人は復生者として肩身の狭い暮らしを余儀なくされ、死に方が自殺だったならば余計に生きづらい。
自分の本当の顔というのはどれが正解なのか、親といるときか友人か家族か1人でいる時か。
分人という考え方をそのまま物語に落とし込んだような世界観。
大切な人を失うということは、その人と過ごした自分の分人も失うということ。
深いところまで掘り下げて結局本当のところが見えないから人を心から信じられない。
ドラマで実写もやってたの知らなくて、途中から役者さんに当てはめて読み進めたんだけど、佐伯の阿部サダヲ合うな、、観たい、、
Posted by ブクログ
「生き返る」ことは御伽話の世界で、かつポジティブなイメージを持つものだ。しかし本書では生き返ることで生じるつらさを生々しく描いていると感じる。働き口が無い、運転免許が無いなど社会的な部分もあるが、妻や子供に100%歓迎されてるわけではない雰囲気が切実につらい。さらに主人公の死ぬ直前の記憶が曖昧なことが不幸を呼んでいる。自殺なのか他殺なのかで社会からの受け入れられ方はかなり異なる。彼の死因は自殺とされているが、認めたくない気持ちが強くなっていくのとは反対に佐伯の存在やDVDの記録から自殺の可能性が強まってくるところは見てて可哀想だった。
Posted by ブクログ
前半サスペンス要素強くどんどん読み進めたが、後半(下巻)ちょっと精神的な話がメインすぎてトーンダウンしてしまった。
小説そのものの感想ではないが、分人思考という考え方は納得。父親が死にそうになったとき、あぁ娘としてはもう生きられないんだな、と感覚的に思った。
友達にも、この人といると素直になれるという人がいる。
本当の自分というより、厳密に言えば関わる人の数だけ分人がいるということだ。
自分の価値観と自分が合致してると幸せ、みたいな文章がありなるほどと感じた。
Posted by ブクログ
テーマが面白くて進んで読めた。上巻だけでは、どのタイプのストーリーに収まるのか全く想像がつかない。色んな可能性が見えてきてどうなるのか先が気になるので、2冊両方手元に置いておくのがおすすめ。さて続きを読もう。空白はまだまだ満たされていない。
Posted by ブクログ
難しいなぁ。そして胸糞。
なぜゴッホの表紙なのかまだ謎。
でもところどころにゴッホの人生とリンクするような事がちりばめられてる気がする。
下巻はすぐ読んだ方が良さそうだな。