平野啓一郎のレビュー一覧
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ネタバレ私は死刑賛成派でした。揺らぎつつの賛成派で、本書を読んでからは揺らぎの振り幅が大きくなりました。
絶対支持ではないけど遺族がいる場合の感情を考えたら受刑者に死刑を望むのはやむを得ないのでは、とこれまで考えてきました。
ちょっと長いですが本書p37からの引用。
「劣悪な生育環境に置かれている場合だけでなく、加害者が精神面で問題を抱えている場合もあります。本来なら、そういう状況に置かれている人たちを、私たちは同じ共同体の一員として、法律や行政などを通して支えなければならないはずです。しかし支えられることなく放置されていることがあります。」
死刑についての話ではありますが、結局これは法で裁ききれな -
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死んで生き返った「復生者」の主人公と、彼をとりまく人々の話。死因は自殺と言われているが本当なのか?などミステリー要素も。
生き返ったらどうなる?というテーマひとつから膨大な思考や出来事が発生していて、それらはどれも納得のいく流れで、突飛な設定にもかかわらずリアリティがすごい。読み応えがあって面白かった。
自殺について、ひいては死について、考えさせられた。
自殺とは、単純に「1人で自分の人生を終わらせること」ではなく「自分を殺す」ということであり、もししてしまったらその人は紛れもなく「自分を殺害した犯人」なのだ、と認識させられた。「殺される被害者」のつもりでいても実際には「殺す加害者」「殺人犯 -
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面白くて…というわけではなく、先を読まざるを得ない様な感じで、結局一気読み(^◇^;)
難しいし、よくわからなくて読み飛ばした部分もあるんだけど、妙に共感しちゃう部分もあったり。
あー、芥川賞作家らしいわー、文学だわー、ところでいつ殺されるん?と思いながら読んでたんだけど、いやー、重くて、重くて…。
結末もね、衝撃的でしたわ、確かに。救いが無くて、ドーンと気分が沈んだわのさ…。
まぁ、いろいろ考えさせられる、ってのはあって、普段ボーッと生きてる私でも、たまにはね、という感じで良かったといえば良かったけど、あんまり読みたい作家さんではないな、うん。 -
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分人主義の話。
最近読んだ転職自己啓発本で、株式会社自分という概念があったんだけど、それと似ている。株式会社自分の中には、家族事業部やお仕事事業部、音楽事業部などがある。一個の事業が上手くいかなくなっても大丈夫なように、いろいろな事業部を抱えている方がリスク分散になって安心だなと、この本を読んだ時に考えたことを思い出した。
分人も、色々なタイプがいていいんだと思えるし、むしろそれが健全な人生に繋がる。この哲学を身につけると本当の自分探しという不毛な命題から自由になれると思う。
一つの分人だけだとやっぱりそれは息苦しい。リリアンが、誠実で正直な分人としての自分を生きていくと決めたシーンは感 -
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「小説読んだら深い感想を書けるようになりたい」そんな思いで本書を手に取った。本の読み方に関する本はたくさんあるが、小説の読み方に特化した本は少ないので貴重。また著者が現役の小説家なので説得力がある。
本書の重要キーワードでもある「四つの質問(メカニズム、発達、機能、進化)」が目から鱗だった。これを知れただけでも読んだ価値がある。本だけでなく映画を見るときにも役立ちそうなので汎用性が高い。
今後読書や映画を見る際、四つの質問を意識して鑑賞後のアウトプットに活かしていきたい。また、他人の感想を見るとき「どの質問に重点を置いてるか?」を考えるのも楽しそう。 -
購入済み
「個人individual」という単語は否定語inと「分ける」というdividualでできていて、「(もうこれ以上)分けられない」という意味なのだそう。ひと(人格)はこれ以上分けられないのかというと、そうではなくて、対応する相手や場面によりすこしずつ違った人格が生じていて、しかしそれは何も多重人格という意味ではない。それについて平野啓一郎さんは小説を書きながら気づき、「分人」と名付けて、「ドーン」と「空白を満たしなさい」という小説を書き、「私とは何か-「個人」から「分人」へ」という新書を書かれた。人に合わせて自分を変えるというと、マイナスの印象もあるが、「分人」という考え方を使うとそうわなくて
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ネタバレ「機能」というのは、ある小説が、作者と読者との間で持つ意味である。人間の優しさを伝えたいと作者が意図し、読者がそのように作品を受け止める。あるいは、自分を理解してもらいたいと思って小説を書き、読者がそれを読んで、少しだけ作者のことが分かったような気になる。現代社会の複雑さが映し出す。人間の心の暗黒面を追及する。いずれも、その小説が作者、読者双方に向けて持っている機能である。もちろん、作者の意図と読者の意図とが擦れ違ってしまうことは幾らでもある。
この「機能」を単純化して示したものが、ジャンル分けである。
小説は、ミステリーや恋愛小説、SF、ホラー小説など、様々なジャンルに分けられている。実 -
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