平野啓一郎のレビュー一覧

  • ウェブ人間論
    2008/11/13開始
    対談形式で読みやすいと思いきや、お二方とも頭の良い人なので、逆にちょっとだけ読みづらかった(笑)

    ウェブ進化論に関してつっこんだ内容を、平野啓一郎氏による文学的検知からひたすら語りまくった内容をログしただけの本であるが、ウェブ進化論で語られなかった部分についてもかなり深い...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
    タイトル通り「カッコイイとは何か」について考察した本。カッコイイは巷で特に若い人達の間で使われるが、その語源、定義は曖昧で、何をもってカッコイイというのかは、人それぞれである。
    著者は古今東西のカッコイイ事例を取り上げ、思想、歴史、芸術、ファッション等様々な観点で考察している。著者の定義によると主に...続きを読む
  • ドーン
    長編だけど、読みやすい。
    二つのストーリーが進んでいくので、あきが来ないし、シチュエーションを上手に利用していると思った。
    何よりは、この本の面白さをTwitterで呟いたら、作者様からリツイートしてもらえたこと。
  • 決壊(下)
    ひたすらハード。ほとんどの登場人物が砂像のようにジワジワ壊れてゆくその先に希望はない。
    主人公の崇の言ってることが難しくて理解できず字面だけ追った頁もあった。なんだか頭が冷静になってしまい「作者が考えてることを言わせてるだけ」じゃないかと思ったり…
    読みごたえはある。随所に見られる純文学的表現はさす...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
    どうしてだ、デクスター。このスーツだってキマってるだろ、高かったんだぜ

    マイルス、違うね。ヒップとは言えないな。値段なんて関係ないんだ、わかるだろ、ジム。ヒップかどうかだけが問題で、お前が着ているものときたら、ヒップなんて代物じゃないね
  • 高瀬川
    実験的な試みによる短編が収められた短編集。

    ある一夜を切り取って細かな行動描写と
    心理描写で男女の心のなかを探った高瀬川は、
    セクシャルな内容に目が行きがちだけど
    描写の模索が感じられて面白かった。

    あとは、氷塊。
    2人の物語の交錯が見事だった。
  • 決壊(上)
    平野作品初読。短い叙述でもいちいちうまいなあ、プロだなあ、と感心しつつ読み進めました。
    筋は下巻からいよいよ佳境で、読むのが楽しみ。
  • 「カッコいい」とは何か
    なかなか読み応えのある『カッコいい論』で、近代史やロックミュージック等、自分も興味のある内容から話が展開されているため、読みやすかった。本題とは別に、なんとなくわかっていたような気になっていたモッズやヒップ、ダンディズム等の由来についての解説も勉強になった。

    理想的な自己・生き方の投影が、痺れるよ...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
    カッコいいを、服装、音楽、思想なんかの観点から考える。海外での岩倉具視の着物を着こなし方や、西洋に対するコンプレックス。ロックが反体制的なものとしてひとに受け入れられたり。
    戦争や政治の道具として、民衆へのアピールとして使われたり。絶対的にカッコいいものはなく、時代やその時のトレンドに左右されるもの...続きを読む
  • 「カッコいい」とは何か
     今日でも私たちは、ルーヴル美術館でドラクロワの≪サルダナパールの死≫の前に立ったり、ブルーノ・マーズがコンサートで≪Just the Way You Are≫を歌い出したり、ワールドカップでメッシがスーパーゴールを決めた瞬間などには、激しく「戦慄」し、「しびれる」ような生理的興奮を味わう。何かスゴ...続きを読む
  • 決壊(下)
    読むのきつかったなー。
    最後の罪に対する考えは、なかなか考えさせられる。許すのは誰のためなのか。
    人は「失うものなんてもうない」と思ったら鬼になると改めて思った。
    幸福主義が不完全なシステムを支えている。遺伝と環境。生まれと育ち。罪と病気。

    人を殺した人間が病気だとなったら、一体罪はどこにいくんで...続きを読む
  • 賢人の読書術
    多読
     覚えて活かすことが目的ではなく、刺激を受けることを目的とする
     スキマ時間を有効に
     色々なジャンルを並行して読む
     重要そうな部分のみ読む

    選書
     タイトル、帯で選ぶ
     目次前書き天気内容確認
     新聞、雑誌の書評欄を参考に波長の合う書評家を見つけてフォロー
     ベストセラーにも目を通してみ...続きを読む
  • かたちだけの愛
    義足を作るということを通して、仕事とは、価値を生み出すとはということを問いかけてくる。自分自身でも良くわからない、処理できない気持ちにじっくり向き合って整理していく過程が印象的だった。
    最後に希望が持てて良かった、
  • 高瀬川
    高瀬川、と氷解、が好きでした。

    高瀬川は少し官能小説のようでもあるのだけれど、陳腐でなく愛情を感じるまでもないような、表現の仕方で。
    でもやっぱり、少し男性目線かなと。

    氷解が良かったのは特異な文章構造でときたま2人の人生が交差するところに少しはっとさせられる。
    女の人から見た目線、思考、感情と...続きを読む
  • 「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義
    途中難しくてわからない箇所もあったが、平野啓一郎さんがぎゅっと詰まった一冊だと思った。横尾忠則さんとだけ、長電話をするというのもわかる気がした。
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    さすが『物欲なき世界』を書いた菅付さんのキュレーション。VUCA時代を生き抜くための最新かつ普遍的な思想をもつ各界のイノベーターたちの言葉はすごくしっくりくる。

    テーマ偏らず、幅広い教養の基礎を身につけることかでき、ここから深掘りしていくことが、これからの時代を賢く楽しく生き抜く近道だと思う。
  • 決壊(上)
    デビュー以来、さまざまな手法で文学の可能性を追求してきた著者が、ミステリふうのストーリー構成によって、「現代社会」と「物語」の関係をテーマにした、長編小説です。

    30歳の沢野良介は、妻の佳枝と幼い息子の良太をともなって実家に帰省し、兄の沢野崇と会うことになります。良介は、幼いころから優秀だった兄を...続きを読む
  • 決壊(下)
    京都で崇と会ったあと、良介は猟奇的な殺人事件に巻き込まれてしまいます。さらに警察は、良介とのあいだに心理的な確執のあった崇が犯人ではないかと疑いをいだくことになります。警察の取り調べとマスコミの報道に加えて、家族や親しい人びととの関係が激しく揺さぶられた崇は、理知的な振る舞いによって接点を結んでいた...続きを読む
  • 透明な迷宮
    久しぶりに、同時代の作家で、文学らしい作品を読んだ。という印象。
    わたしの言う「文学らしい」とは、ストーリーを追うのではなく、じっくり細部を読み込みたくなる、という意味。あらすじに還元してしまったら、もったいない感じ。
  • 決壊(上)
    ハッとさせられる言い回しが多い。
    特に印象的だった下り。
    「現代では、冗談でもなんでもなく、悪は健康の欠如にすぎなくなっている。古の偉大な宗教家が悪の問題のつもりで扱っていた人間が、実は脳に気質的な障害を抱えた病人だったと知ったり、
    生育史に重大な問題を抱えた行為障害者だったと知ったら、愕然とするだ...続きを読む