平野啓一郎のレビュー一覧
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⚫︎受け取ったメッセージ
平野啓一郎さんの提唱する「分人主義」前期の作品。相手の、全く知らない相手の部分を知る怖さを、ミステリー、サスペンスの形で見せてくれる。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。
⚫︎感想
一気に引き込まれる設定。すぐに下 -
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ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ
信じることの難しさ
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
戦慄のバラバラ殺人──汚れた言葉とともに全国で発見される沢野良介の四肢に、生きる者たちはあらゆる感情を奪われ立ちすくむ。悲劇はネットとマスコミ経由で人々に拡散し、一転兄の崇を被疑者にする。追い詰められる崇。そして、同時多発テロの爆音が東京を覆うなか、「悪魔」がその姿を現した! 2000年代日本の罪と赦しを問う、平野文学の集大成。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
⚫︎感想(ネタバレ)
一度疑い始めると、とめどなく押し寄せる不信感。
宗の完璧さは高知能は、平均的な平凡を生きるには、解像度が高すぎて難しいのだろう。それ -
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ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ
奇妙、官能的、美しい短編集。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。その意外な顛末は……。表題作「透明な迷宮」のほか、事故で恋人を失い、九死に一生を得た劇作家の奇妙な時間体験を描いた「Re:依田氏からの依頼」など、孤独な現代人の悲喜劇を官能的な筆致で結晶化した傑作短編集。
⚫︎感想(ネタバレ)
平野啓一郎さんの作品は、静かで美しい空気が感じられて好き。
1.消えた蜂蜜 レアな特技、ハガキ全写し。
2.ハワイにさが -
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ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ、感想
印象的なフレーズは、
「自分勝手に、自分の欲するまま見せること
=遠慮のなさで愛を示す事」。
自分では思い至らず、ハッとさせられた。
遠慮する、気を遣うというのは、
時にその距離を見せつけられているようで
寂しい時もある。
どうしても欲しい!と激しく求める潔さの美しさ
みたいなものもあるよなぁと思った。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
事故による大怪我で片足を失った女優と、その義足を作ることになったデザイナー。しだいに心を通わせていく二人の前に立ちはだかる絶望、誤解、嫉妬…。愛に傷ついた彼らが見つけた愛のかたちとは?「分人」という概念で「愛」をとらえ直し -
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人が空白を埋めるのは、人が死んだときだけではない。いじめられたとき、挫折したとき、失恋したとき、深く傷ついたとき。事実を事実として受け入れたら、それは穴のまま。前を向いて動いていくには、自分に折り合いをつけ、事実を再解釈することが必要。そうして、自分の受け入れられるかたちに心をかえる。それが事実とは大きく異なっていたとしても、自分を守る術。その解釈が違っていたという事実を突きつけられるのは再び深い穴を掘り起こすことになる。たとえ良い方向だとしても、大きな苦しみをともなう。
私がモラハラ父と元カレと別れた時を思い出した。彼らの私への暴言、心をえぐる言葉の数々は深い傷を残した。私は、最初それらを -
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久しぶりに本屋(蔦屋書店)でジャケ買いした
本です。
平野啓一郎さんという作家も初めてだったので
予備知識もなく、ちょっとワクワクしながら
読み始めました。
「透明な迷宮」は短編小説で、どの話も少し奇妙で妖しい世界観が感じられて自分的に大好きな作品でした。
表題にもなっている「透明な迷宮」はまさに妖しい世界観とエロス、サスペンス的な要素が入り混じっていてとても面白かったです!
ブダペストっていう場所もなんか、こういう事が起こりそうっていう漠然としたイメージがあって
すごくしっくりきました。
「ホステル」ていう映画を少し思い起こさせる
雰囲気もあって、ちょっと興奮しました。
「火色の琥珀」 -
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これが「分人」の概念が登場した初めての小説らしい。2033年の火星探査とアメリカ大統領選という壮大な舞台とは対照的に、その時代でも尚続く人間の業の深さ、対人関係から生じる内面的葛藤が生生しく描かれている。
この小説の世界では「分人主義」が概念として一般化しているが、読み始めはその明示的な設定に違和感を感じた。ただ、主人公をはじめ様々な登場人物たちは、それぞれある分人には葛藤・苦悩を抱えながらも別の分人には未来への足場をつくりながら生きていく希望の輪郭が次第にくっきりと見えてきた。
後半、「恥」と「悪」に関する会話シーンがあるが、これが分人の考え方と相まって印象深かった。"恥" -
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言葉を重ねると悪魔はどんどん人間臭くなっていったなという印象。結局、最後までどのキャラクターも好きにはなれなかったし、物語の終わり方もモヤッとするものだった。それでも、「あー、こういう正義を振りかざす奴いるよな」とか「こういう境遇なら、こうなっちゃうかもな」とか、感じることは多かった。特に、「なぜ人を殺してはダメなのか」という討論会の内容は興味深かった。ある程度、共通の価値観(認識)を持たなければ、『なぜ?』に回答を示すことは難しい。悪魔の紡ぐ言葉がどうしても自己満足にしか聞こえないのは、私と悪魔の間の価値観(認識)が乖離しすぎているからだと思う。だから、悪魔が発する言葉は自己を満たすだけの、