平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(上)

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    他の作品と比べたら、すらすら読める。

    分人主義を先に読んでおくと深く読めるかも。
    ミステリー感は強めで下巻を読むのが楽しみ。


    ※ハイライト
    人の死は悲しいものだと、みんな当たり前のように考えている。しかし、「死」というそのたった一音が耳に触れただけで、スイッチでも入れたように、人はそんなに簡単に悲しめるものだろうか?  そういう知人は、他にもたくさんいたはずである。ずっと会ってなかった昔馴染みにとって、「どこかにまだいる」ことと、「どこにももういない」こととは、一体、どう違うのだろう?  二度と会うことも、連絡することもない人は、死ぬ遥か以前から、実は死んでいるも同然なのではないだろうか

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    2024年10月17日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践

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    「スロー·リーディング」とは、焦らずゆっくりと自分の読書ペースで読むことで、作品への理解が深まるとのことだった。速読も魅力的だと思っていたが、この「スロー·リーディング」もなかなかいいと思った。実践編での、森鷗外の「高瀬舟」の解説は、真に迫っていたように感じた。読書の量ではなく、質にこだわってみたいと思った。

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    2024年09月30日
  • 透明な迷宮

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    愛情や欲求、善悪、時間や空間の掛け違い、すれ違いといった、平野さんの描く異次元ワールドを、次々に擬似体験させられる傑作短編集。不思議な後味がしばらく残ります。

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    2024年09月14日
  • 死刑について

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    死刑制度の存廃を筆者平野啓一郎の言葉から考える。この国の死生観や儀式、宗教、そしてムラ社会の因習などが背景となって、復讐心と人権の対峙は責任と優しさを天秤にかける。現状の看過は社会の荒廃へと連なっていく。そこに私たちは気付く、教育や情報リテラシーの大切さが問われている。謀(はかりごと)は便利アイテムやお得ポイント、そして怪しい "豊かさ" に包装されて見えにくくなっている。死刑制度も鵜呑みは危ない。被害者心情を名目とした "同情" や "憎悪" は "人間らしさ" と "尊厳の軽視" の表裏一体

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    2024年08月16日
  • ドーン

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    ネタバレ

    パリ五輪中、読書ペースがガクッと落ちていたが、漸く平野啓一郎の長編(640頁)を読み終えた。

    2036年のアメリカ大統領選挙と有人火星探査におけるスキャンダルがもつれ合う。

    米大統領選挙では「中絶の是非」がよく争点となるが、国家プロジェクトである火星探査の最中に本当に女性宇宙飛行士に対して中絶手術が行われたのか、父親は誰か(女性本人が言う通りノノなのか佐野明日人なのか)、女性宇宙飛行士の父親である共和党副大統領候補は、公人としての立場(中絶反対)と父親としての立場のどちらを優先するのか、と、人それぞれの立場に応じて悩みは尽きず、組織の中で生き抜くうえで、また選挙で勝つために、(加えて自分を

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    2024年08月14日
  • ドーン

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    平野啓一郎さん近未来ワールド。2012年によくここまで将来の話を書かれたなあと感心です。しっかりと、虜にさせる内容です。

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    2024年08月12日
  • 日蝕・一月物語

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    すごい文章力!これを20代で書けるのは天才だと思います。一月物語のベースになった場所に行ってみたい。日蝕も翻訳小説みたいで好きでした。

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    2024年07月13日
  • 「カッコいい」とは何か

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    想像していたより遥かに重厚で濃厚な内容だった。正直一読しただけでは自分の中で理解や解釈が及んでいないところも多い。多面的多角的な考察や検証はすごいんだけど、特にファッションの話とかは背景知識や関心が不足している部分が少なくなく、感覚的な理解が及んでいないという感じ。まぁそれはそれで仕方ないかもしれない。でも総じての主張として、カッコいいって体感主義的ということと理解していて、それって結局自分の中でビビッと来たかどうかで、周りがどう思うかとかどう思われるかとかはあまり関係ない。それって頭ではわかっているんだけどやっぱり特に10代20代のころはそこまで割り切れなくて、常に周りの目や評価評判を気にし

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    2024年07月10日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    少し前の本ですが、学びある。

    動物の世界は必然性の世界であり、
    アルゴリズムが支配する世界であり、
    強いつながりの世界である。
    それは友達を作りたいなと思ったら自分と趣味の合う人たちを探してオフ会をやる世界です。

    人間が人間らしいと思っているものの多くは誤作動の結果起きている。
    だから人間らしい感情は根拠づけたり設計したりするものではない。
    人間のコミュニケーションには誤作動がすごく多くて、その誤作動こそが我々の自由や生きているという事実を支えている。
    だから、それをなるべく潰していくというのはまずいと思います。
    そうした誤作動をどうこれからの社会に組み込んでいくかという話になると思います

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    2024年06月30日
  • ある男

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    ネタバレ

    たった今その人生を譲り受けたかのように生きられたら、どれほど感謝するだろう……のようなことを言っていた一節が良かった。
    恵まれすぎている私たちは、それを忘れすぎるから。

    愛にとって過去とは?の普遍的な問いを投げる物語。過去を知っていても、知らなくても、愛は存在できると思わせてくれる小説だと思う。
    その人の本質は、その人の過去で説明できるものではないはずだから。

    伊坂幸太郎さんの、確か「モダンタイムス」にでてきた「人生は要約できねぇんだよ」という台詞を思い出した。その人の人生を要約した途端に本質から離れてしまう、どれだけ正確に緻密に誠実に表現しても、その要約は失敗なんだ。

    谷口(あらため、

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    2026年05月11日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    現実がわからなくなる。不思議な感覚だ。自分なら人間不信に陥るんじゃないかと思う。下巻の続きが気になる。ということは、そういうこと。

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    2024年06月02日
  • 小説の読み方

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    平野啓一郎さんだし、こ難しくて面倒くさい本に違いない…と思いつつ読んでみた。

    予想を裏切り読みやすかった。
    自分がいかに上っ面しか読んでいないことがよくわかる。同時に自分はとても物書きにはなれないと思わせる本だった。

    取り上げられている本が蹴りたい背中とゴールデンスランバーしか読んだことなかったので、それぞれの作品を読んでからの方が良いのかと身構えたが、丁寧なあらすじと長めの引用でよくわかった。
    今後に活かせるか…はさておき、楽しく読めた。

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    2024年05月26日
  • 透明な迷宮

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    依田さんの話はインテリ過ぎてよくわからんかったけど、火しか愛せない彼と、書写の天才の彼の話がお気に入りでした。

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    2024年04月21日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    たしかに、誰かの知らない一面は裏の顔っていうよりもう一つの顔。たしかに、好きでいられる自分の割合を増やしていけば良いのだ。他人は自分を映す鏡ってそういうことか。。。納得の考え方
    結局、人間は社会の中、他人との関わりの中で形成されていくんだなあ。アドラー的。
    そのへん、動物ってどうなんだろう。

    2026.4.19 2回目
    世界99を読んで、分人だなあと思ってもう一度読みたくなった。前職辞めて、その会社での分人は死んだ。新しい職場での分人を好きになれるといいな。子供時代は親との分人が全てだけど、その割合は徐々に徐々に小さくなっていく。すごく整理しわすくなる概念だなと思う。

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    2026年04月19日
  • かたちだけの愛

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    平野作品は「分人」という概念でよく言われますが、この概念を特に持ち出さなくても、愛することに揺れ動く主人公の気持ちや考えが丁寧に描き出されています
    無理のない、時にハラハラさせるストーリー展開で、ページがどんどん進みます
    悲惨な事故に遭った女性が、愛されることでそれを乗り越えていく・・・純粋な気持ちでラストでは涙が溢れました

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    2024年04月08日
  • かたちだけの愛

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    ー それで、いつの間にか、こう思うようになってた。愛って、もっと偶然的で、選ばれる人間に優劣があるわけでもなければ、選ぶ人間が賢かったり、愚かだったりするわけでもない。ただたまたま、誰かと誰かが出会って、うまくいったり、いかかったりするだけだってね。

    そう思えば、俺の家族は、誰も傷つかずに済む。組み合わせの不幸だったって。―けど、そんなのが愛なんだろうか?別れた俺の妻が、ど うしても我慢できなかったのは、俺のそういう考えだった。なぜわたしと結婚したのって、よく訊かれたけど、あの頃は、今みたいなことが自分の中で整理できてなかったから、きちんと答えられなかった。……悪いことしたよ、彼女にも。ー

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    2024年03月29日
  • 死刑について

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    死刑制度について深く考えたことはありませんでしたが、何となくあった方が良いと考えていました。しかし、作者の考えに触れ、感情とは切り離して、国家が合法的に人を殺すことができる恐ろしさを理解しました。ただ、もし自分が被害者家族になってしまったら、やっぱり死刑をもとめるかもしれません。それくらい難しい問題ですね。

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    2024年03月25日
  • サロメ

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    なぜ『サロメ』を平野啓一郎が?その狙いは?という答えは本人によるあとがきと宮本亜門が寄せた文章でしっかりと明らかに。そういうところから、この「古典新訳」シリーズ自体の意義や面白さについても考えさせられる。

    ファムファタール的イメージに支配されない、無垢な乙女であるサロメ像が、奇を衒わない堅実な訳文から確かに浮かび上がっているように思う。その試みから、ワイルド→三島→平野の文学の系譜も見出せる。

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    2024年03月13日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    いろんな視点から「悲しみ」について書かれており、とても良い本でした。
    大小あれど悲しみのない人生なんて存在しないと思います。そんな悲しみに寄り添ってくれる本でした。

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    2024年03月12日