平野啓一郎のレビュー一覧

  • 賢人の読書術

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    多読
     覚えて活かすことが目的ではなく、刺激を受けることを目的とする
     スキマ時間を有効に
     色々なジャンルを並行して読む
     重要そうな部分のみ読む

    選書
     タイトル、帯で選ぶ
     目次前書き天気内容確認
     新聞、雑誌の書評欄を参考に波長の合う書評家を見つけてフォロー
     ベストセラーにも目を通してみる
     入門書から入る
     オリジナル、引用元にあたる

    インプット、アウトプット
     読む目的をはっきりさせる
     目次で全体像を把握する
     マーキング、メモ書き
      共感、疑問等を余白も使って書き込む
     図解を使って把握する
     批判精神を持って読む
     読書記録をつける
      本の情報
       タイトル、著者

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    2019年06月23日
  • かたちだけの愛

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    ネタバレ

    義足を作るということを通して、仕事とは、価値を生み出すとはということを問いかけてくる。自分自身でも良くわからない、処理できない気持ちにじっくり向き合って整理していく過程が印象的だった。
    最後に希望が持てて良かった、

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    2019年06月19日
  • 高瀬川

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    高瀬川、と氷解、が好きでした。

    高瀬川は少し官能小説のようでもあるのだけれど、陳腐でなく愛情を感じるまでもないような、表現の仕方で。
    でもやっぱり、少し男性目線かなと。

    氷解が良かったのは特異な文章構造でときたま2人の人生が交差するところに少しはっとさせられる。
    女の人から見た目線、思考、感情と
    男の子が考える構想と現実のあい交える妄想と

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    2019年05月21日
  • 「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

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    途中難しくてわからない箇所もあったが、平野啓一郎さんがぎゅっと詰まった一冊だと思った。横尾忠則さんとだけ、長電話をするというのもわかる気がした。

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    2019年03月07日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    さすが『物欲なき世界』を書いた菅付さんのキュレーション。VUCA時代を生き抜くための最新かつ普遍的な思想をもつ各界のイノベーターたちの言葉はすごくしっくりくる。

    テーマ偏らず、幅広い教養の基礎を身につけることかでき、ここから深掘りしていくことが、これからの時代を賢く楽しく生き抜く近道だと思う。

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    2018年12月02日
  • 決壊(下)

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    京都で崇と会ったあと、良介は猟奇的な殺人事件に巻き込まれてしまいます。さらに警察は、良介とのあいだに心理的な確執のあった崇が犯人ではないかと疑いをいだくことになります。警察の取り調べとマスコミの報道に加えて、家族や親しい人びととの関係が激しく揺さぶられた崇は、理知的な振る舞いによって接点を結んでいた現実との関係にヒビが生まれ、追いつめられます。

    その後、友哉が安由実を殺害する事件によって、崇への疑いは晴れますが、事件は「悪魔」による無差別テロへにつながっていくことになります。

    上巻とは打って変わってスピーディな物語の展開になり、一気に読んでしまいました。ただ、現代の社会のあり方のほうに焦点

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    2018年11月12日
  • 決壊(上)

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    デビュー以来、さまざまな手法で文学の可能性を追求してきた著者が、ミステリふうのストーリー構成によって、「現代社会」と「物語」の関係をテーマにした、長編小説です。

    30歳の沢野良介は、妻の佳枝と幼い息子の良太をともなって実家に帰省し、兄の沢野崇と会うことになります。良介は、幼いころから優秀だった兄を尊敬しながらも、同時に複雑な思いをいだいており、そんな心のうちを「すぅのつぶやき」というサイトに書き記していました。ところが、佳枝が偶然そのサイトに気づき、彼の悩みについて崇に相談をもちかけます。その後、サイトに「666」というハンドル・ネームで書き込みがなされるようになり、佳枝はそれが崇の書き込み

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    2018年11月12日
  • 透明な迷宮

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    久しぶりに、同時代の作家で、文学らしい作品を読んだ。という印象。
    わたしの言う「文学らしい」とは、ストーリーを追うのではなく、じっくり細部を読み込みたくなる、という意味。あらすじに還元してしまったら、もったいない感じ。

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    2018年11月04日
  • 決壊(上)

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    ハッとさせられる言い回しが多い。
    特に印象的だった下り。
    「現代では、冗談でもなんでもなく、悪は健康の欠如にすぎなくなっている。古の偉大な宗教家が悪の問題のつもりで扱っていた人間が、実は脳に気質的な障害を抱えた病人だったと知ったり、
    生育史に重大な問題を抱えた行為障害者だったと知ったら、愕然とするだろうね。篠原も、鳥取の少年も、悪ではけしてない。ただ、健康でなかったというだけだ」

    罪と罰はすでに古くなってしまった。
    罪は誰のものでもなくなってしまった。そんな時代に生きている。

    神は死んだ。
    そしてたぶん、罪も殉死したのだろう。

    この作品では、連続殺人犯をとおして、倫理というものの限界を

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    2020年10月04日
  • ドーン

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    火星探査船「ドーン」に乗り込み、人類初の火星探査を果たして一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、闇に葬られたはずの火星でのある「出来事」が、アメリカ大統領選を揺るがすスキャンダルに。
    近未来の宇宙飛行、ラブロマンス、大統領選をめぐる情報戦…輝かしい要素が満載にも関わらず、この小説が目指しているのはその方向ではないようでした。むしろ惨めで地味な現実が暗雲のように立ち込めています。精神に異常をきたしたクルーの世話に追われ、自らも薬に頼らざるを得ないほど追いつめられる明日人。帰還後は軍事企業のCEOに絡め取られそうになり、妻の今日子とは不和に。
    しかし読み進めるうちに、気が滅入るどころか、

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    2018年10月22日
  • 決壊(下)

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    非常に重い内容.赦すとは何か?強く考えさせれれる.この小説で提示している問題は,答えがでる事柄ではないと認識しつつ,自分なりに逃げずに考えると言うことが大事.著者はほぼ同い年.

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    2018年10月09日
  • 自由のこれから

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    今まで自分が考えていたことを正確に言葉で表現してくれていて、すごくスッキリした。
    自分の行動は全て自由で自分自身が決断しているのだと思われがちだが、実は周りの価値観や環境によって行動が制限されている事実を認識しておかなければいけない。

    この「〇〇しなければいけない」という表現自体も誰にとってどういう結果にとって〇〇しなければいけないのか、定義されていない。
    こうやって設定を曖昧にして、自分に関係しているのではないかと思わせることも、人の行動を制限している。

    自由と制限は表裏一体で、どちらかが大きくなれば、もう一方は小さくなる。そのバランスを認識しながら自分たちが、世の中がどの方向に進んでい

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    2018年09月23日
  • 決壊(下)

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    ネタバレ

    深い心の闇。暗く渦巻く謎。
    未成年者の犯罪。ネットを介した脅威。警察の横暴。
    現実にありそうな恐怖。
    それらを奥深く描いている作品。
    犯人は主人公??と思わせるストーリー。ラストは辛いものでした。
    難しい会話が続き、主人公・崇の言葉を理解していないところもあると思う。登場人物の心の声が痛い。
    犯罪物の声は理解を絶する。殺人に快楽を覚える闇は、常人では理解できないが、そこをえぐるように描いているのが、ますます恐怖というか気味悪い人物像を想像していきました。
    ラストは本当に痛い。悲しいとか、簡単な言葉では表現できません。
    胸の奥に真っ黒なインクをこぼしたみたい。それが浸透してしまわないように……。

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    2018年03月19日
  • 自由のこれから

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    自由の根幹である「〜がしたい」あるいは「〜がしたくない」さらには「どっちでもいい」という欲望が自発的なものと外部から刺激がどのように組み合わさって作用するのかを考察。
    イノベーションによる未来、法のシステム、遺伝と環境それぞれと自由の関係性についてはその道の専門家と対談を行い掘り下げる。
    締めは著者の持論である分人、以前は個人の自立が無いように思えた分人ですが、膨大な選択肢に対して複数の分人を持ち、時間の経過(いわゆる加齢)に伴って自身の分人の比率を変えるとの考えは、100年ライフにふさわしい気がしてきた。

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    2018年03月11日
  • かたちだけの愛

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    作者の恋愛観には、そうだよなあと共感できるところが多かった。分人主義を恋愛の形から理解するにはもってこいの一冊。

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    2018年02月04日
  • ドーン

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    分人主義の理解を深めようと読む。自分としては「空白を満たしなさい」の方が、よりポジティブな分人主義の理解に役立った。本作は、600ページを超える大作だが、全体を通して暗く陰鬱な気持ちから逃れられない。ただ、分人主義の考え方がなければ、未だに主人公の救いはないのかもしれない。

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    2018年02月26日
  • 自由のこれから

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    自由について、それはどういうことが問題になるの色々な話を通して見つめる。体系的な本ではないけれど対談などもあるので、多角的でわかりやすいかもしれない。自動運転の例なんかはわかりやすかった。

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    2017年12月18日
  • サロメ

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    妖しい月光の下、継父ヘロデ王の御前で艶やかに舞ってみせた王女サロメが褒美に求めたものは、囚われの美しき預言者ヨカナーンの首だった――少女の無垢で残酷な激情と悲劇的結末を鮮烈に描いた「世紀末最大の傑作」が、芥川賞作家・平野啓一郎の新訳で甦る! 宮本亜門舞台化原作。(裏表紙)

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    2017年12月12日
  • マチネの終わりに

    購入済み

    大人の恋愛小説

    ピースの又吉さんイチオシの小説ということで購入した一冊。
    この本のキーワードを自分なりに5つ挙げるとしたら、すれちがい、嫉妬、過去と未来、後悔、葛藤。
    イラク情勢やリーマンショックからの経済破綻や大規模災害などの世界的なテーマを絡ませ、その時代的な流れと共に愛し合う二人の主人公の恋愛を描いた作品。専門的な知識がなく難解な部分も多いが人間関係の部分に関しては話が分かりやすいので特に問題なく読めた。
    嫉妬により二人の恋愛関係を破滅させる人物、婚約者であった人物の泣きつきなどなかなかワクワクさせる展開も多く、主人公に感情移入できる要素満点な面白い話だった。THE文学といったかんじの文章でそこだけ少し

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    2017年10月26日
  • 高瀬川

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    「高瀬川」と「氷塊」は面白かった。「氷塊」のつながりは見事。「清水」と「追憶」はよくわからなかったが、全体を通して構成が芸術だと思った。カバー写真も美しい。

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    2017年08月24日