平野啓一郎のレビュー一覧

  • 文学は何の役に立つのか?

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    「役にたつ」ではなく「価値がある」と言い換えたい。

    絵画については知識がなさすぎて言っている内容が理解できなかった。

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    2025年11月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    中盤まで回りくどく感じる描写に耐えていると、「何でそんなことするの?」ということが起きてからグっと2人が近しく感じてきて、ラストまで一気に読んでました。会えない時間が愛を育てるのですね。

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    2025年11月27日
  • ある男

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    『ある男』を読んで、私は二つの楽しみ方を味わった。

    第一の楽しみは、物語そのものの魅力だ。
    この作品は、登場人物の複雑な心理を精緻に描き出し、読者を深く物語へと引き込んでいく。里枝の再婚相手・谷口大佑が仕事中の事故で突然命を落としたことをきっかけに、彼が“谷口大佑として生きていた別人”であることが明らかになる。真実を求める里枝は、弁護士・城戸に依頼し、「夫はいったい誰だったのか」という謎に迫っていく。
    その過程で浮かび上がる人間模様は、ときに痛ましく、ときに深く考えさせられ、ただのミステリーにとどまらない重層的な読書体験をもたらしてくれた。

    第二の楽しみは、時系列を読み解く面白さだった。

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    2025年11月25日
  • マチネの終わりに

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    かなり良かった。過去は変えられるというキーワード。お互いがお互いを同じ尺度で理解し合える、ということの強い引力。外的要因での嘘みたいなすれ違いは後半ずっと苦しい。大人であることの難しさを感じた。

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    2025年11月25日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    人の死について考えさせられる作品でした。

    大切な人に先立たれ、この世に置いてかれた人たちは、その、ぽっかりと空いた「空白」をその大切な人との記憶や記録などで満たそうとする。
    それは故人を、ある意味「理想化」することでもあり、はたして正しかったとは限らない。
    しかし、そうでもしないと「空白」を満たせずに壊れてしまうから。

    「分人」という考え方に納得しました。
    (「分人」とは他人と関わっている自分の部分的一面のようなこと。)
    自分もこれに思い当たる節があり、裏表を使い分けているってよりかは、あの人といると自然とこういう態度をとるなぁってことがありました。
    完璧主義な自分でもあるので、自己否定し

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    2025年11月24日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    文章を添削する立場になって手に取った本。
    思ってたんと違う、って思ったのに、思った以上に面白くて全部読んでしまった。
    瀬戸内寂聴とドストエフスキーついて知りたくなった。

    役に立つことと価値がある事は違う。
    人間は役に立つかどうかは関係無く、存在そのものに価値がある。憲法で謳っている。
    主人公への共感から多くを得る。

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    2025年12月22日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    自分はすでに死んでいる!?
    主人公は、復生者として蘇った死者。
    死ぬ直前の記憶がなく、妻と子供と幸せな家庭を築いていたはずなのに、自殺したと非難されていた。
    自殺などするはずがない…。
    死の間際には一体何があったのか、真実に迫る作品。
    読んでいると、真実は一体何なのか、頭が混乱します笑
    下も続けて読みます。

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    2025年11月20日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    「死」について深く考えさせられた作品。特に自殺について。自殺をしてしまう人の考えは、もちろん死者に聞くことができないのであくまで推測の話になると思うが、自分自身を消してしまいたくなるほどに追い込まれていると死のうとしていなくてもそういう行動となってしまうという作者の考えに深く考えさせられ印象に残った。最後の終わり方も読者にその後を託すような感じのため想像力を掻き立てられた。読後の口コミや評価などをみて読者それぞれの解釈、ストーリーがあって見ていて楽しい。

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    2025年11月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    いろんな雑誌に著者が書いたエッセイを中心にまとめた本。わかりやすい。
    平野氏はなんとなく敬遠していた作家だった。デビュー作の『日蝕』を読んだのもほんの数年前。ところがやはり同じころ、私は死刑について考えたくなっていて、たまたま書店で平野氏の『死刑について』を見つけ買って読んでみたところ、見事にはまった。文章の運び、思考の流れが滑らかで素直に頷けた。
    ちょうど同じころに東京新聞で「本心」の連載が始まり、毎日欠かさず読んだ。読ませる面白さがあった。
    そんなこんなで作家平野啓一郎の書くものが好きになった。
    そしてこの本。文学をどう捉えるか考える上で私にとってよい導き手になった。

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    2025年11月09日
  • 小説の読み方

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    本書は、文字通り小説の読み方を解説した作品。国語の教科書的な印象を受けつつ、小説ってそうやって読むんだという新鮮な気づきがあった。主語について、情報を追加していく文章と、物語のプロットを進めていく文章とに分かれるという視点だけでも、今後結構読み方が変わりそう。

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    2025年11月08日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    やっぱり平野啓一郎さんの聡明で堅実な文章が好きだ。
    マチネの終わりに私も一緒に泣いてしまった。あくまでも賢い大人である二人の純愛が尊い。
    蒔野と洋子、それにリチャードや早苗や武田もそれぞれ違う価値観をもった深い人間味があって、今もそれぞれの人生を歩んでいる気がするから平野さんはすごい。現実にモデルがいるのだろうか。
    冷たいと評されていたけれも、大切な家族リチャードに対してもあくまで客観的に評価して真っ直ぐであり続ける洋子の強さに感銘を受けた。真似しようとしてもできないよ。

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    2025年11月05日
  • 決壊(下)

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    非常に陰惨。殺人描写だけではなくて、犯罪被害者や加害者家族を取り巻く状況が全てグロテスクに感じた。
    著者は本当に現代の日本社会のありようを、ものすごくシビアにみていて、その通りに写し込んである。
    読むのが辛くなるような展開なうえに救いがない。
    崇を誰も救えない、その状況がまた居た堪れない。

    特にリアルに感じたのは、義理の妹の態度だ。
    自分の言葉によって崇を冤罪一歩手前に追い込んだのにも関わらず、自責の念はあまり感じられない。
    他に犯人が見つかっても、心の中ではまだどこかで疑っているようで、子どもが抱き抱えられたとき、明らかに触ってほしくない、と思っているように描写されていた。

    一度疑われて

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    2025年11月03日
  • マチネの終わりに

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    「赦す」って難しい。負の感情を理性で納得させるのは難しい。
    アーレントの「赦しは、過去を消すことではなく、過去に対する自由を与えることである。」はこの作品にはまる言葉だと思う。

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    2025年11月01日
  • マチネの終わりに

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    外国が舞台に出てくる男女の物語ということで、最初、昔読んだ『冷静と情熱のあいだ』が思い出されました。

    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです」の言葉が心に残っています。なるほど、現在未来の捉え方によっては、過去の解釈が変わることはあり得るなと気付かされました。

    あと、無理をして通してきたことは、結局は何年かかってもバネのように戻ることになるのだなと思いました。大きな流れには逆らえず、在るべきところに向かって流れていく。

    平野啓一郎さん、沢山の文献を参考にしたり調査されたとは思いますが、このような作品に書き上げるなんて凄い方だなと思い

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    2025年10月30日
  • 本心

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    リアルアバターとして働く主人公が、自由死を望むも息子である主人公に反対されながら事故死してしまった母のバーチャル・フィギュアを創り、コミュニケーションを取り自由死を望んだ真相を確かめようとする過程を軸に、格差社会を通奏低音としLGBT的な要素も織り交ぜながら、その中で出会う人々との触れ合いや出来事を通して、新たな自立した自分を見つけて行く物語。
    AI、格差、自由死等の社会問題に対する問題意識を近未来を舞台にちょうど良いテイストで描いているのが秀逸。

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    2025年10月12日
  • 本心

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    2040年、今から15年後の近未来。
    アナログな私にとって、物語の始めは世の中の移り変わりに置いていかれそうでなかなか先に進めませんでした。
    それでも読む進めていくうちに、世が変わっても人間にとっては避けられない「死」について正面から対峙する作者の信念のようなものに引き込まれていきました。
    身近な人の「死」という喪失、そして自分が「生きていくこと」の意味。
    わかっていてもどこかで無意識に避けているこの永遠のテーマが、読み終わって自分の心のどこかに根付いたような気がします。
    それぞれの登場人物が向き合っている、日々の生活、生きていくこと。
    重く心にのしかかる場面もあったけれど、どの人の人生もその

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    2025年10月12日
  • 本心

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    全体のテーマ

    『本心』は、テクノロジーが人間の記憶や死後の存在までも再現できるようになった社会で、「愛」「自己」「他者とのつながり」が何によって成り立つのかを問う物語

    ・「愛は、今日のその、既に違ってしまっている存在を、昨日のそれと同一視して持続する。」
    …愛とは変化し続ける他者を「同じ存在」と見なす行為であることを示す。
    相手が変わっても、それでも愛そうとする「鈍感さ」「誤解」「強さ」のいずれかによって、愛は続く一方で、「今日の愛もまた昨日とは違い、明日には消えてしまうかもしれない」という、愛は永遠ではないが、だからこそ尊いのだという哲学的命題。

    ・「どの自分として死を迎えるか」という

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    2025年10月11日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    東畑開人さんのアジールとアサイラムの話、そして若松英輔さんの「死者は、、」という話がすごく良かった。

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    2025年10月11日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    ネタバレ

    秀作。
    読む度に作者の見識の高さを感じさせられる。
    戦争についての内容が多い。作者は戦争を体験した世代でないのを踏まえながら。
    森鷗外の良さは分からない。三島由紀夫は凄い作家だと思う。
    分人は面白い発想。人は場面毎に色々な顔を持つが全てその人なのだと。なるほどと思わされた。それでいいんだと。

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    2025年10月11日
  • マチネの終わりに

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    「人はかえられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど実際は、未来は常に過去を変えている、変わってしまうとも言える。過去はそれくらい、繊細で感じやすいもの」という蒔野の言葉が心に残った。なるほどなー。
    福山と石田ゆり子の映画も見てみたいなーと思った。大人な素敵な恋愛小説だった。

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    2025年09月27日