平野啓一郎のレビュー一覧

  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    自分はすでに死んでいる!?
    主人公は、復生者として蘇った死者。
    死ぬ直前の記憶がなく、妻と子供と幸せな家庭を築いていたはずなのに、自殺したと非難されていた。
    自殺などするはずがない…。
    死の間際には一体何があったのか、真実に迫る作品。
    読んでいると、真実は一体何なのか、頭が混乱します笑
    下も続けて読みます。

    0
    2025年11月20日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「死」について深く考えさせられた作品。特に自殺について。自殺をしてしまう人の考えは、もちろん死者に聞くことができないのであくまで推測の話になると思うが、自分自身を消してしまいたくなるほどに追い込まれていると死のうとしていなくてもそういう行動となってしまうという作者の考えに深く考えさせられ印象に残った。最後の終わり方も読者にその後を託すような感じのため想像力を掻き立てられた。読後の口コミや評価などをみて読者それぞれの解釈、ストーリーがあって見ていて楽しい。

    0
    2025年11月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    いろんな雑誌に著者が書いたエッセイを中心にまとめた本。わかりやすい。
    平野氏はなんとなく敬遠していた作家だった。デビュー作の『日蝕』を読んだのもほんの数年前。ところがやはり同じころ、私は死刑について考えたくなっていて、たまたま書店で平野氏の『死刑について』を見つけ買って読んでみたところ、見事にはまった。文章の運び、思考の流れが滑らかで素直に頷けた。
    ちょうど同じころに東京新聞で「本心」の連載が始まり、毎日欠かさず読んだ。読ませる面白さがあった。
    そんなこんなで作家平野啓一郎の書くものが好きになった。
    そしてこの本。文学をどう捉えるか考える上で私にとってよい導き手になった。

    0
    2025年11月09日
  • 小説の読み方

    Posted by ブクログ

    本書は、文字通り小説の読み方を解説した作品。国語の教科書的な印象を受けつつ、小説ってそうやって読むんだという新鮮な気づきがあった。主語について、情報を追加していく文章と、物語のプロットを進めていく文章とに分かれるという視点だけでも、今後結構読み方が変わりそう。

    0
    2025年11月08日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やっぱり平野啓一郎さんの聡明で堅実な文章が好きだ。
    マチネの終わりに私も一緒に泣いてしまった。あくまでも賢い大人である二人の純愛が尊い。
    蒔野と洋子、それにリチャードや早苗や武田もそれぞれ違う価値観をもった深い人間味があって、今もそれぞれの人生を歩んでいる気がするから平野さんはすごい。現実にモデルがいるのだろうか。
    冷たいと評されていたけれも、大切な家族リチャードに対してもあくまで客観的に評価して真っ直ぐであり続ける洋子の強さに感銘を受けた。真似しようとしてもできないよ。

    0
    2025年11月05日
  • 決壊(下)

    Posted by ブクログ

    非常に陰惨。殺人描写だけではなくて、犯罪被害者や加害者家族を取り巻く状況が全てグロテスクに感じた。
    著者は本当に現代の日本社会のありようを、ものすごくシビアにみていて、その通りに写し込んである。
    読むのが辛くなるような展開なうえに救いがない。
    崇を誰も救えない、その状況がまた居た堪れない。

    特にリアルに感じたのは、義理の妹の態度だ。
    自分の言葉によって崇を冤罪一歩手前に追い込んだのにも関わらず、自責の念はあまり感じられない。
    他に犯人が見つかっても、心の中ではまだどこかで疑っているようで、子どもが抱き抱えられたとき、明らかに触ってほしくない、と思っているように描写されていた。

    一度疑われて

    0
    2025年11月03日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    「赦す」って難しい。負の感情を理性で納得させるのは難しい。
    アーレントの「赦しは、過去を消すことではなく、過去に対する自由を与えることである。」はこの作品にはまる言葉だと思う。

    0
    2025年11月01日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    外国が舞台に出てくる男女の物語ということで、最初、昔読んだ『冷静と情熱のあいだ』が思い出されました。

    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです」の言葉が心に残っています。なるほど、現在未来の捉え方によっては、過去の解釈が変わることはあり得るなと気付かされました。

    あと、無理をして通してきたことは、結局は何年かかってもバネのように戻ることになるのだなと思いました。大きな流れには逆らえず、在るべきところに向かって流れていく。

    平野啓一郎さん、沢山の文献を参考にしたり調査されたとは思いますが、このような作品に書き上げるなんて凄い方だなと思い

    0
    2025年10月30日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    次男の死と離婚を経て故郷に戻った里枝は「谷口 大祐」と出会い再婚する。長女も産まれ、家族4人で幸せに暮らしていた。しかし、大祐は林業の仕事中に事故死してしまう。
    大祐から止められていたが、大祐の親族に連絡を取ると、大祐は別人だと告げられる。
    里枝から相談をうけ、弁護士の城戸は「谷口 大祐」の正体を調べていく。

    難しい!? いや、面白かったんです! でも、最後までいろいろ考えました。
    時間がかかりました。Audibleなのに。

    城戸と里枝を中心に、登場人物に感情移入し、楽しみながらも、自分は全てを理解しきれない、明確な答えを出しきれないモヤモヤを抱えて読み進めてるしんどさがありました。

    0
    2025年10月19日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    リアルアバターとして働く主人公が、自由死を望むも息子である主人公に反対されながら事故死してしまった母のバーチャル・フィギュアを創り、コミュニケーションを取り自由死を望んだ真相を確かめようとする過程を軸に、格差社会を通奏低音としLGBT的な要素も織り交ぜながら、その中で出会う人々との触れ合いや出来事を通して、新たな自立した自分を見つけて行く物語。
    AI、格差、自由死等の社会問題に対する問題意識を近未来を舞台にちょうど良いテイストで描いているのが秀逸。

    0
    2025年10月12日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    2040年、今から15年後の近未来。
    アナログな私にとって、物語の始めは世の中の移り変わりに置いていかれそうでなかなか先に進めませんでした。
    それでも読む進めていくうちに、世が変わっても人間にとっては避けられない「死」について正面から対峙する作者の信念のようなものに引き込まれていきました。
    身近な人の「死」という喪失、そして自分が「生きていくこと」の意味。
    わかっていてもどこかで無意識に避けているこの永遠のテーマが、読み終わって自分の心のどこかに根付いたような気がします。
    それぞれの登場人物が向き合っている、日々の生活、生きていくこと。
    重く心にのしかかる場面もあったけれど、どの人の人生もその

    0
    2025年10月12日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    全体のテーマ

    『本心』は、テクノロジーが人間の記憶や死後の存在までも再現できるようになった社会で、「愛」「自己」「他者とのつながり」が何によって成り立つのかを問う物語

    ・「愛は、今日のその、既に違ってしまっている存在を、昨日のそれと同一視して持続する。」
    …愛とは変化し続ける他者を「同じ存在」と見なす行為であることを示す。
    相手が変わっても、それでも愛そうとする「鈍感さ」「誤解」「強さ」のいずれかによって、愛は続く一方で、「今日の愛もまた昨日とは違い、明日には消えてしまうかもしれない」という、愛は永遠ではないが、だからこそ尊いのだという哲学的命題。

    ・「どの自分として死を迎えるか」という

    0
    2025年10月11日
  • 悲しみとともにどう生きるか

    Posted by ブクログ

    東畑開人さんのアジールとアサイラムの話、そして若松英輔さんの「死者は、、」という話がすごく良かった。

    0
    2025年10月11日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    秀作。
    読む度に作者の見識の高さを感じさせられる。
    戦争についての内容が多い。作者は戦争を体験した世代でないのを踏まえながら。
    森鷗外の良さは分からない。三島由紀夫は凄い作家だと思う。
    分人は面白い発想。人は場面毎に色々な顔を持つが全てその人なのだと。なるほどと思わされた。それでいいんだと。

    0
    2025年10月11日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    「人はかえられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど実際は、未来は常に過去を変えている、変わってしまうとも言える。過去はそれくらい、繊細で感じやすいもの」という蒔野の言葉が心に残った。なるほどなー。
    福山と石田ゆり子の映画も見てみたいなーと思った。大人な素敵な恋愛小説だった。

    0
    2025年09月27日
  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    ありきたりな設定ではあるが、それぞれの心理描写と社会的な立ち位置が想像以上に面白くて、サクサク進む。下巻が楽しみ。

    0
    2025年09月26日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

     ギターリストが魅力的な女性と出会い、お互いに想いを深めてゆくの物語。男性女性のそれぞれの視点から物語が進むが、非常に長い年月が語られる。お互いの想いと、そのずれを長い時間の中で描いてゆくところは、「汝、星の如く」とも少し似ている気もしたが、それよりは硬い雰囲気の小説だった。

    0
    2025年09月21日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    手術直後の満身創痍な状態で読んだので、深くは読めなかったのだけれど、それでも惹き込まれる本だった。元気になった時にもう一度しっかりと読みたい。
    ただ、他の平野啓一郎の本とは違い、かなり主人公やヒロインから距離を置いた視点で書かれていると感じた。序文でもチョロっとは言っていたが。
    作者の有り余る知識量と文体の快さにノックアウトされそう。クラシックギターを聴いた事がなかったので、入院中のベッドの上で聴いた。

    0
    2025年09月19日
  • 文学は何の役に立つのか?

    Posted by ブクログ

    【文学は何の役に立つのか?】 平野 啓一郎 著

     いつも疑問に思うことがタイトルになっていたので読んでみました。本書は、著者の講演などをまとめたもので、表題については冒頭の35ページとなっています。著者も「答えるのに苦慮する問い」とのことですが、「一つの理由」を見つけたとあります。ネタバレはまずいと思いますが、この理由やその後の論考などは同意するところ大でした。

     平野氏の著作は好きでほとんど読んでいますが、本書のほかの論考を読むと、自分と幼少期の経験が似ていることがわかりました。また、文章もきらきらと美しいのですが、三島由紀夫に留まらず、ハイデガー、大江健三郎など多数の文学・芸術に接して

    0
    2025年09月18日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    凝った文体ではあるが伏線があって楽しめる。大人の生きざま。三島的な言葉遣いと耽溺の色合い、次作が楽しみになります。

    0
    2025年09月15日