平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    今までは速読でなんとなく分かったつもりでいたのが全く意味のないことに気づかされた。スローリーディングによって得られるもの、また、実践などができてとてもいい本だと思う。

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    2025年12月08日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    起承転結が明白なスリリングなお話ではなく、もっと哲学的な内容だった。作者の平野さんは、「主人公の自殺」という極端な例を用いて、「分人主義」という思想を提唱している。
    分人主義とは、個人主義とは違い、対人ごと、環境ごとにいろいろな自分になり、鎧をかぶった「本当の自分」を認めないという考え方だそう。
    作者の平野さんがこの分人主義を使って願っていることは意外とシンプルで、ただ生きてほしい、己の人生を全うしてほしい、それだけじゃないかなと思う。
    物語だからこの主人公は空白を満たすために戻ってきた。でもこれは物語だから。現実世界に生きて、今どこかで思い悩んでいる人にもしもがあれば、もう二度と空白は満たせ

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    2025年12月08日
  • 高瀬川

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    清水
    人の生死の一部始終は、清水の水滴が落ちるその一瞬なのかもしれない。滴り落ちる水滴の音は希死念慮だったのか…。

    高瀬川
    官能的な時間は、その後の出来事や明かされる過去によって、こうも印象が変わってしまうのか、と感じた。一度読んで感じた気持ちはもう戻ってこないと思い知らされます。

    追憶
    「複雑なことを複雑に考えている人にとっての追憶とはこうなのか?」と思う新たな読者体験。
    伝えたい内容の難解さを前に、言葉の定義を自分は果たしてしっかりと理解できているだろうかと自問させられた。

    氷塊
    氷は2人にとって何を意味していたのだろう。溶けることは…
    描かれなかった物語の背景ー氷山の下では、氷に触

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    2025年12月07日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    読むの遅いのがずっとコンプレックスだったけど、ゆっくりじっくり読んで、着実に自分の中に生かしていく読み方もありだと思った。能動的に読もうと思う

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    2025年12月06日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    何度読んでも2人が結ばれなかったのが惜しく感じてしまいます( ᐪ ᐪ ) 後半にかけて止まらなくなる。かっこいい洋子さんが大好き

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    2025年12月02日
  • ある男

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    最後の方は人がたくさん出てきてややこしかったけど笑、全体的にすごくよくできていて、いろいろな伏線も回収していた。関係なさそうな変身物語の話とかも話に実は関係していたところがよかったなぁ。

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    2025年11月30日
  • ある男

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    実写化の方を先に視聴。
    改めて原作を読んで振り返り。

    労働事故で亡くなった夫の素性を調べながら
    社会で起きている色々な問題が描かれています。
    差別、家族、死刑制度、ちょっとした恋慕。
    何というか、いい意味で"人間臭さ"がキャラクター達に
    出ていて、共感は出来ない所もあったが
    考え方とか見れて楽しく読めました。

    過去を書き換える事は出来ないからね。
    読んでいて"世知辛い"なと思いました。
    騙したくはないけど、自分を偽らないといけない。
    忘れたくても、背負ってしまう辛い過去。

    行きついた答えが"戸籍"だったのかもね。。

    人間は過去

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    2025年11月29日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    「役にたつ」ではなく「価値がある」と言い換えたい。

    絵画については知識がなさすぎて言っている内容が理解できなかった。

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    2025年11月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    中盤まで回りくどく感じる描写に耐えていると、「何でそんなことするの?」ということが起きてからグっと2人が近しく感じてきて、ラストまで一気に読んでました。会えない時間が愛を育てるのですね。

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    2025年11月27日
  • マチネの終わりに

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    かなり良かった。過去は変えられるというキーワード。お互いがお互いを同じ尺度で理解し合える、ということの強い引力。外的要因での嘘みたいなすれ違いは後半ずっと苦しい。大人であることの難しさを感じた。

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    2025年11月25日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    人の死について考えさせられる作品でした。

    大切な人に先立たれ、この世に置いてかれた人たちは、その、ぽっかりと空いた「空白」をその大切な人との記憶や記録などで満たそうとする。
    それは故人を、ある意味「理想化」することでもあり、はたして正しかったとは限らない。
    しかし、そうでもしないと「空白」を満たせずに壊れてしまうから。

    「分人」という考え方に納得しました。
    (「分人」とは他人と関わっている自分の部分的一面のようなこと。)
    自分もこれに思い当たる節があり、裏表を使い分けているってよりかは、あの人といると自然とこういう態度をとるなぁってことがありました。
    完璧主義な自分でもあるので、自己否定し

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    2025年11月24日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    文章を添削する立場になって手に取った本。
    思ってたんと違う、って思ったのに、思った以上に面白くて全部読んでしまった。
    瀬戸内寂聴とドストエフスキーついて知りたくなった。

    役に立つことと価値がある事は違う。
    人間は役に立つかどうかは関係無く、存在そのものに価値がある。憲法で謳っている。
    主人公への共感から多くを得る。

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    2025年12月22日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    自分はすでに死んでいる!?
    主人公は、復生者として蘇った死者。
    死ぬ直前の記憶がなく、妻と子供と幸せな家庭を築いていたはずなのに、自殺したと非難されていた。
    自殺などするはずがない…。
    死の間際には一体何があったのか、真実に迫る作品。
    読んでいると、真実は一体何なのか、頭が混乱します笑
    下も続けて読みます。

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    2025年11月20日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    「死」について深く考えさせられた作品。特に自殺について。自殺をしてしまう人の考えは、もちろん死者に聞くことができないのであくまで推測の話になると思うが、自分自身を消してしまいたくなるほどに追い込まれていると死のうとしていなくてもそういう行動となってしまうという作者の考えに深く考えさせられ印象に残った。最後の終わり方も読者にその後を託すような感じのため想像力を掻き立てられた。読後の口コミや評価などをみて読者それぞれの解釈、ストーリーがあって見ていて楽しい。

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    2025年11月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    いろんな雑誌に著者が書いたエッセイを中心にまとめた本。わかりやすい。
    平野氏はなんとなく敬遠していた作家だった。デビュー作の『日蝕』を読んだのもほんの数年前。ところがやはり同じころ、私は死刑について考えたくなっていて、たまたま書店で平野氏の『死刑について』を見つけ買って読んでみたところ、見事にはまった。文章の運び、思考の流れが滑らかで素直に頷けた。
    ちょうど同じころに東京新聞で「本心」の連載が始まり、毎日欠かさず読んだ。読ませる面白さがあった。
    そんなこんなで作家平野啓一郎の書くものが好きになった。
    そしてこの本。文学をどう捉えるか考える上で私にとってよい導き手になった。

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    2025年11月09日
  • 小説の読み方

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    本書は、文字通り小説の読み方を解説した作品。国語の教科書的な印象を受けつつ、小説ってそうやって読むんだという新鮮な気づきがあった。主語について、情報を追加していく文章と、物語のプロットを進めていく文章とに分かれるという視点だけでも、今後結構読み方が変わりそう。

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    2025年11月08日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    やっぱり平野啓一郎さんの聡明で堅実な文章が好きだ。
    マチネの終わりに私も一緒に泣いてしまった。あくまでも賢い大人である二人の純愛が尊い。
    蒔野と洋子、それにリチャードや早苗や武田もそれぞれ違う価値観をもった深い人間味があって、今もそれぞれの人生を歩んでいる気がするから平野さんはすごい。現実にモデルがいるのだろうか。
    冷たいと評されていたけれも、大切な家族リチャードに対してもあくまで客観的に評価して真っ直ぐであり続ける洋子の強さに感銘を受けた。真似しようとしてもできないよ。

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    2025年11月05日
  • 決壊(下)

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    非常に陰惨。殺人描写だけではなくて、犯罪被害者や加害者家族を取り巻く状況が全てグロテスクに感じた。
    著者は本当に現代の日本社会のありようを、ものすごくシビアにみていて、その通りに写し込んである。
    読むのが辛くなるような展開なうえに救いがない。
    崇を誰も救えない、その状況がまた居た堪れない。

    特にリアルに感じたのは、義理の妹の態度だ。
    自分の言葉によって崇を冤罪一歩手前に追い込んだのにも関わらず、自責の念はあまり感じられない。
    他に犯人が見つかっても、心の中ではまだどこかで疑っているようで、子どもが抱き抱えられたとき、明らかに触ってほしくない、と思っているように描写されていた。

    一度疑われて

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    2025年11月03日
  • マチネの終わりに

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    「赦す」って難しい。負の感情を理性で納得させるのは難しい。
    アーレントの「赦しは、過去を消すことではなく、過去に対する自由を与えることである。」はこの作品にはまる言葉だと思う。

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    2025年11月01日
  • マチネの終わりに

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    外国が舞台に出てくる男女の物語ということで、最初、昔読んだ『冷静と情熱のあいだ』が思い出されました。

    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです」の言葉が心に残っています。なるほど、現在未来の捉え方によっては、過去の解釈が変わることはあり得るなと気付かされました。

    あと、無理をして通してきたことは、結局は何年かかってもバネのように戻ることになるのだなと思いました。大きな流れには逆らえず、在るべきところに向かって流れていく。

    平野啓一郎さん、沢山の文献を参考にしたり調査されたとは思いますが、このような作品に書き上げるなんて凄い方だなと思い

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    2025年10月30日