平野啓一郎のレビュー一覧

  • ある男

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    ネタバレ

    印象に残る考え方やフレーズが多くあったので星4つ
    愛する人の過去が偽物だと知った時に、人はどうするのかという問いに対して、「愛し直す」という考え方。意外とない視点で、面白いと感じた。過去はもちろん愛を形成する重要な要素だが、全てではない。そもそも人間は過去のままではいられないのだから、愛を更新していくことは当たり前なのだと気付かされた。
    また、人生の交換というテーマは斬新だった。特に印象的だったのは、人生の評価を客観的にできる点である。
    もし自分がランダムで誰かの人生を引き継ぐとして、今の自分の人生が回ってきたとしたら、自分は喜ぶだろう。それはつまり、幸せということだ。
    この内容にはハッとさせ

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    2026年02月17日
  • ある男

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    読み始めから、ノンフィクションに手を出したのかと何度も確認するくらいリアリティのある内容だった。
    身近にいる人が本当に戸籍の通りの人生を歩んできたのかなんて調べようがないし、調べたところで本当にその人がその名前で生まれてきたのかなんて、わかるすべもないというのが非常に怖いと思った。
    100パーセント違う人に成り代わるのは無理だとしても、つかの間の違う人生が、幸せなものだったら良かったなと思った。

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    2026年02月15日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    壮大な恋愛小説。すごく好きだな。音楽と静寂、過去の意味付け、生きてることを罪に思う難民、子を産み育てること…。人間の色んな側面をページを捲るたびに見せられるような本。

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    2026年02月11日
  • トーマス・マンはなぜ日本で愛されるのか

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    三人のバランスが良い。
    平野氏の広範な議論は難しかったが、鈴木氏のゲーテを通したマン像は分かりやすい。
    小黒氏の翻訳の話が特に面白かった。

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    2026年02月07日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    天才クラシックギタリストの蒔野聡史と国際ジャーナリストの小峰洋子。40代の2人のささやかな邂逅と深い愛情、そしてそれを引き裂く消失点。出会いから別れ、そして最後の再会までを重厚な世界観で描き、それに随分と浸ることができた作品だった。

    作品の中で印象的な、過去は変えられない、しかし未来は常に過去を変えているのだという考えにひどく共感した。過去の事実は変えられないが、未来の出来事によって捉え方を変えることはできる。2人の愛やそれぞれの家族のこと、過去はさまざまな形でのしかかっているが、その先にある未来によって、今までの過去への思いが変わり、変化をもたらしてくれる。最後のシーンでは、そんな希望を抱

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    2026年02月02日
  • マチネの終わりに

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    音楽や歴史に自分が疎いこともあり、さらさらと滑らすように読んでしまった部分はあったものの総じて自分と向き合う時間になったと思う。

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    2026年01月27日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    スローリーディングという、速読法の新書に並びそうなワーディングに、初めの方は少し疑いながら読んでいたが、途中からどんどん面白くなった。
    音読や書写をすすめないというのは意外だった。
    大学での精読の講義を受けているような感覚で読んだ。

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    2026年01月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    カバーの優雅さと初めての平野さん作品ということで購入!

    なんかすごい、深いストーリーだったな、と。
    たった3回しか会っていないお互いのことを愛する、大切に想うという過程を通して運命とは何か、生きるとはなにか、ということを考えさせられた。
    自分が生まれ生きてきた時代の大きな課題や、自分自身と向き合うことの苦しさ、困難さを、ひしひしと感じることができました。
    最初から心を掴まれた最強の1冊です、!!

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    2026年01月25日
  • マチネの終わりに

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    すごく良かった!!!
    変わるのは未来だけじゃない。何かの渦中にいる時には知ることができなかったものを改めて知って、それだけで簡単に過去の見え方が変わってしまう感覚がそのまま感じられた。
    私も転勤が多くて、自分のルーツとかに関しては重なる部分があってすごく考えさせられた。
    恋愛小説なのに、むしろそこより哲学的な要素が強く感じられて面白かった

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    2026年01月21日
  • ある男

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    メインのストーリー(ミステリ)と、主人公の周囲のテーマと、蛇足に思われたりもしたけれど、結局自分の人生の選択でアイデンティティは変わって行く。僕も徐々にまた新しいアイデンティティと向き合って行くんだろうな。

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    2026年01月18日
  • 決壊(下)

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    崇の饒舌っぷりに何度も気を失いかけたけど、読破。文学的な描写がなんともすばらしく感じる反面、行間を読む隙間が1ミリもないような、みっちりしてた。
    平野さんが書く程度の低い人間は、みんな小学生みたいだった。

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    2026年01月18日
  • 本心

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    今後AIが発達していくと、こういう世界が出来上がるのか?と思えるほどのリアリティさだった。

    「自由死」に対し、様々な角度からの意見が見れたが、果たして「正しさ」とは何か?「倫理観」とは何か?を問いただけれ、難しさを感じた。

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    2026年01月17日
  • 死刑について

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    死刑を廃止するか、存置するか。

    日本ではまだまだ存置派が多い中で、
    著者の小川哲也さんは廃止派。

    その理由を書いているわけだけど、
    さすが芥川賞受賞歴のある作家さんなだけあって、
    思慮深さがえぐい。

    単に、廃止すべき理由を書いているだけでなく、
    もともと存置派だったからこその視点も書かれているから、例え廃止派だったとしても違和感なく読める。

    私たちは日本人だから、
    死を待って償うという概念が
    当たり前に染み付いてたのかもしれない。

    死が本当に償いになるのか、
    という前提が少し揺らいだ。

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    2026年01月16日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    書き下ろしでなく、寄稿したものを集めたものだが、書名の答えを多くの方は感じられると思う。本書の内容そのものが、文学から得られること、考えること、書くことなどが凝縮されているし、改めて著者の凄さを実感できた。

    登場人物の描写を詳細にすると、読者も同じように感じるので、読み疲れしないようにコントロールしているとの内容が、個人的に大きな気づきだった。

    そんなに文学作品は読まないが、読んで良かったと思う。

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    2026年01月11日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    ネタバレ

    最近、自分でも本の読み方にスピードを求めず、ゆっくり、じっくり読むことを心掛けている。丁寧に本を読み終えることで、読書により得られるものが濃厚になってきたように感じる。そのことを確かめたいという目的もかねて、本書を読んでみた。

    ”「スロー・リーディング」とは、差がつく読書術である。その「差」とは、速さや量ではなく、質である。”とあり、これの事だな思った。確かに著者が言われるように、試験勉強や、期限に間に合わせるために論文を仕上げるというような目的でもなければ、本を速く読まなければならない理由など何もない(笑)。

    ”「速読」は明日の為の読書、「スロー・リーディング」は、5年後、10年後の為の

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    2026年01月09日
  • 本心

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    これからの未来にありそう、というかほぼ同じような状況になっているのではないか。

    AIとの関わり方を考えさせられる。

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    2026年01月07日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    上下巻を一気に読んだので疲労感と謎の涙。
    黄泉がえりという映画が昔あったなぁ。
    死者がやり残したことをやるというファンタジー感と、誰が犯人なのか?というサスペンスミステリー感がありつつも、テーマは「死」そのもの。残された人の空白や、残してしまう人への焦燥感、一瞬の死際の印象でそれまでの「生」が塗り変わってしまう影響力、自殺、分人の概念など、さまざまな角度から「死」を照らしている。
    「死」は暗闇、消滅といったイメージもある一方、佐伯のいうように、義務からの解放という救いの側面もあるように思う。
    「死」という事実やそれまでの過程を知ってしまうと思い出すたびに胸が苦しくなるので、いっそのことなにも知

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    2026年01月06日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    創作活動と並行して積み重ねた講演、批評、随筆をまとめたもの。
    文学は、声にならない違和感、説明できない痛み、うまく言えない孤独。そういうものを、
無理に整理せず、そのまま差し出す。
    平野啓一郎氏が
    読んでると、どんな文学に影響を受け、どんな作家を座標軸にしているのかがわかる。
    
流行や話題性ではなく、
人間の内面・倫理・孤独・分断・時間を
粘り強く掘り下げてきた作家たち。
    だからこの本は、
文学論であると同時に、
平野啓一郎という作家の精神史みたいにも読める。
    文学は役に立つか、ではなく
自分はどんな文学を必要としてきたか。
    と言う感じ?

    関係ないけど、
    最近「瀬戸内寂聴」というワードが出て

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    2026年01月02日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    2026年1冊目はこちらの本。何気なく買ったものの積読されていた本。読み始めたらあっという間に読み終わってしまった…面白い…

    まず速読というものについて、痛烈な批判が展開されるのがなんとも面白い、まったく容赦がない。速読というものに憧れたことも取り組んでみたことは無し、逆にいうと特に悪いイメージもなかったけど、この本で完全に否定派になりました笑 速読本が最終的には自己啓発と結びついており、未知なる自分を解放していく的な文脈で語られている、というのは大変面白いなと思った。

    第2部、魅力的な誤読、そもそもこの捉え方がもう面白い。そうか、誤読って別に悪いことじゃ無いんだ。余地が残された点について

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    2026年01月02日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    「大人の恋愛小説を、インテリな著者が文学にしたらこうなりました」という感じ。

    以下、少しネタバレになりそうです。

    韓国ドラマとかの設定にもありそうな、壮大な設定やすれ違い、恋の天敵、ドラマチックな展開などなど、一見俗っぽい??って思うんだけど、旧ユーゴスラビアの歴史的な問題や、シリアの紛争、クラシック音楽やドイツ文学をはじめとする文学や詩の世界の奥深さなどをお話に盛り込みながらなので、俗っぽさがなくなる感じでした。

    このスタイルの本、初めてでした。
    初めての読書体験。

    私の教養が浅いので、分からない文学作品等も多く、後から読み返して学びたいので付箋を貼りました!
    トーマス・マンとか、読

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    2025年12月31日