平野啓一郎のレビュー一覧

  • マチネの終わりに(文庫版)
    平野啓一郎「ある男」が、めっちゃくちゃ面白かったので「平野さんの他の作品はどないなものなんだろう?」と興味を持ちまして。この「マチネの終わりに」読んだ次第です。こちらも見事な作品だなあ、とね、思いましたね。うむ。良かった!

    クラシック・ギタリストとしての蒔野聡史は、間違いなくなんらかの特別な才能を...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    2006年の単行本を2019年に文庫版として新装。タイトルにあるようにスロー・リーディングこそが本来の読書のあり方、楽しみ方であるとのメッセージに多いに安心させられる。深読みのこつも第3部以降に古今の名著を題材にして解説され得ることの多い一冊。
  • マチネの終わりに
    静謐で美しい物語。難しい内容も多かったけれど、それもよい個性に感じられた。「過去は変わる」の考えに感銘を受けた。
  • 日蝕・一月物語
    久々にこんなカチコチの文体に目を通しました いやはやこの本を大学生?の時に書ける平野啓一郎さんに感動しかない 読破出来て良かった
  • 決壊(上)
    圧倒的な迫力でどんどん読み進めた。まとわりつくような情景描写と理屈っぽい語りも、この作家の特徴として慣れてきた。10年前にもインターネットの世界でこんな事があったんだろうか?と思った。誰も幸せにならない、読み進めるほど皆が不幸になっていく重さがあるが、家族を持つ親として、いろいろ考えさせられた。
  • ご本、出しときますね?
    作家さんの生の声というか、フィクションではない部分を知る機会ってあまりないので、こういう対談集で人となりを知るのはとても興味深い。ますます好きになったり、まだ読んだことのない作品を読みたくなったり。
    知らなかった作家さんも、まずこんな人なんだということがわかってから読んでみたい!と思うのも新鮮。
  • ドーン
    分人主義という考え方を知って読もうと思いました。2030年代の近未来をディストピア的に描かれてますが、発行が2009年という事に驚きます。散影、ウィキノベル、AR、プラネットなど、2022年の今、すでにあり得そうな設定を実感しながら読み進められます。大きな震災、大統領選、大国の戦争への介入など、今の...続きを読む
  • かたちだけの愛
    事故で片脚を失った女優と義足デザイナーの間に生まれた愛を描く

    設定も登場人物もそこまで好きになれなかったけど(それも計算のうちかも)、はっとさせられる表現に出会えるから平野さんの本はやめられない

    話としてはシンプルだけど繊細な心理・情景描写でドラマの中に入り込んだ気分になれる

    ✏技能とは、何で...続きを読む
  • ドーン
    壮大な物語と緻密な心理描写。なにより、日本語の美しさを感じる。「ある男」で感じた言い得て妙というか、細かな機微を言葉にする力を、また違った形で感じられる。平野さんの丁寧な言葉たちが、ともするとどこまでもひろがっていってしまいそうなストーリーをきれいにひとまとまりにおさめている。
    分人主義というものを...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    小説家ってぶっ飛んでる!と思ったり、意外と庶民的、と思ったり。なかなか知ることのできない彼らの本音やキャラクターを垣間見れてうれしい。
    対談形式なので、すらすら読めた。
  • 空白を満たしなさい(上)
    分人の概念が、一番わかりやすく説明されていた

    人格の切り替えではなくて、mixture、他者との交流によってその割合は変わる

    自殺の説明として、分人概念を持たず、ある分人を消そうとして自分全体を消してしまう
    ゴッホの例
  • ご本、出しときますね?
    その人特有の変な癖や、趣味趣向×本
    という、私の好きなものが詰まってた。

    おもしろくない訳がないじゃないか!

    好きな作家さんもで出て、その人となりが知れたのが興味深かった。

    尾崎世界観×光浦靖子の歪んでるけど、
    優しくて、不完全な感じがよき。


    あぁ、もっと力を抜いていいんだなー
  • マチネの終わりに
    後半の展開が面白い。好きな人同士なのに一緒になれないのつらい…。どうしてこの二人はこんなにもタイミングが悪いのか…。
    (まな)
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    #本の読み方
    #平野啓一郎
    #スローリーディング
    #PHP文庫
    スローリーディングの概念は理解できたし大変共感した。情報があふれる現代においてゆっくり本を読むことこそ豊かさ。焦らなくていいんだな、とホッとした。実践方法とかは私には難しくて真似できそうにない。また、いつか再読してみよう。
  • マチネの終わりに
    独特の序章ではじまる。

    主人公の二人、蒔野聡史と小峰洋子が実在したかのような語り口。

    実際のところは知る由もない。

    大人の恋の物語。こう書くと安っぽくなってしまうが、途中はすれ違いや恋敵、運命の悪戯的な出来事が出てくる。

    上質の恋愛小説。
    但し、難しい漢字が多いね。
  • マチネの終わりに
    過去は変えられる。そして過去を変えながら、現在を変えないままでいる。人生で3度しか会ったことがなく、しかも人生で最も深く愛した人。天才ギタリストの聡史とジャーナリスト洋子の切ない愛の話。
  • 空白を満たしなさい(上)
    まず、思ったのは
    生き返るって
    まあ何かのかげんで息を吹き返したとしても
    肉体はどーすんの?
    灰になってるでしょ?
    しかもそういう現象が増えてきている世界設定

    でもね
    読んでいるうちに
    そんなことよりいろいろ考えちゃうんだよね

    とくにあの佐伯という男の言葉には
    胸が悪くなるような嫌悪感を覚えるん...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    なるほど、もっと楽しんでじっくり読まないと骨身にならないよと。消化せずに通過してるだけの読書じゃ勿体無いよ。そんなメッセージです。
    例示される読解の内容自体は特別深いわけではないけれど、落ち着いて読んで良いんだって安心させられる。
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。
  • 「カッコいい」とは何か
    自分には少し難しいと感じたものを読み返してみたら、案外スラスラ読めた。それに、それそれ!って思うことばかりが書かれていて、自分が感じていたことを言語化してくれている本だと思った。