平野啓一郎のレビュー一覧
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【文学は何の役に立つのか?】 平野 啓一郎 著
いつも疑問に思うことがタイトルになっていたので読んでみました。本書は、著者の講演などをまとめたもので、表題については冒頭の35ページとなっています。著者も「答えるのに苦慮する問い」とのことですが、「一つの理由」を見つけたとあります。ネタバレはまずいと思いますが、この理由やその後の論考などは同意するところ大でした。
平野氏の著作は好きでほとんど読んでいますが、本書のほかの論考を読むと、自分と幼少期の経験が似ていることがわかりました。また、文章もきらきらと美しいのですが、三島由紀夫に留まらず、ハイデガー、大江健三郎など多数の文学・芸術に接していることもわかり、本書は一つの芸術評論という建付けにもなっています。
平野氏の『あなたが政治について語る時』も8月に出版され、並行して読みましたが、時事問題についても強い関心を持っていることがわかり、平野ワールドに浸った猛暑日でした。 -
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平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それゆえに物語の輪郭がぼやけてしまった?追えなくなった部分が発生した。
それでも読んで良かったと心から思う作品。 -
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平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それゆえに物語の輪郭がぼやけてしまった?追えなくなった部分が発生した。
それでも読んで良かったと心から思う作品。 -
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ついに終わりがやってきてしまいました
イギリスで体調を崩して
やっとパリに戻ったショパン
自分の死期を少しずつ受け入れて
言葉を残していく
どうしても会いたい人がいた
母親、そしてサンド
どちらも叶うことはなかった
ショパンの人生ははたして
輝かしいものだったのか?
少なくとも亡くなる前のこの3年間は
苦悩ばかり
天才ゆえに受け入れられない
ことがある
天才ゆえに思い通りに
生きられないことがある
ドラクロワとて同じ
同じような苦悩を抱えながら
不器用に生きていくことに
必死で
ショパンの死を受け入れることが
できなかった
ショパンのそばで寄り添うことが
できなかった
毎日会わなくても
心通う2人だけに
ショパンもわかっていたのかもしれない
ショパンの楽譜だけは残った
今も演奏する人々がいる
だが、ショパンが奏でるピアノは
もう聞くことはできない
どれほどやさしく
どれほどかなしい音だったのだろう‥
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ショパンが演奏会をするらしい!
パリの社交界は噂で賑わった
『ピアノの周りに集まった親しい友人の胸の奥に巣食う本人すらも定かには知らない秘密にそっと触れ、彼らの無言の告白を自然に引き出してやるような演奏』
を好んでいたショパンがなぜ?
それはショパンをどうしても元気づけたく、
そして、収入を得た上で、また作曲に没頭できるようにとの仲間たちの愛だった
誰一人としてショパンをほっておくことは
できなかったのでしょう
演奏会の一週間後3月革命が勃発
かつての愛人サンドの活躍や訳のわからない
世間から逃れるようにショパンは
イギリスに移る
スターリング嬢の思惑通りイギリス、スコットランドで演奏や、挨拶周りなどこなすうちに
ショパンの体調はどんどん悪くなっていく
一方でドラクロワは親友とのすれ違い、わだかまりを抱えたまま、憂鬱な日々を過ごす
時代の流れの中で必死に生きる
歴史上の人々
こんな身動きの取れない時代だったからこそ
今尚残る名作が生まれたのだろうか?
ショパンの体調が悪すぎてつらい
そこまでして何が得られたのか?
いよいよ最終巻に突入です -
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パリ社交界で活躍したショパン
物語は
ショパンが結核と思われる病によって死去した
その葬儀の当日の騒ぎから始まっている
そして
そこから遡ること3年ほど前
病に蝕まれつつも
女流作家ジョルジュサンドや、その子供たち
画家のドラクロワらと過ごす日々が綴られている
それぞれの心情が細かく表現されているので
その場で見ている気分になる
今も伝わる有名な芸術家たちが
パリを中心に集い
芸術に悩み、私生活で悩み
喜び、悲しみ、恨み
あるいは噂を語る
どれもが、些細なことであったりと
身近に感じてしまう
少し疲れたショパン
少し疲れたドラクロワ
次の下巻に続きます
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Posted by ブクログ
若松英輔さんと平野啓一郎さんの名前があるし、と軽い気持ちで手にした本。そして、長らく積読本。今回、ようやく読み始め、初めて世田谷事件の被害者家族である入江杏さん主催のミシュカの森という会があることを知った。そして、その会の講演をまとめたのがこの本であることも初めて知り、心して読まねば、との気持ちになって読んだ。
平野啓一郎さんの話では、死刑について考えさせられ、東畑開人さんの話では、居場所についてを考えた。特に居場所の話は自分レベルで考えられたと思う。そして、自分にとっての居場所について考えられた。もっと居場所を作らなくては、とも思う。居場所、座っていられる場所。立っている場所は落ち着かず、疎外感を感じる。だから、座ればいいのだ、そこが居場所になる。体と心は繋がっているのだと改めて思わせてくれる、話の流れだった。と思ったことが、私の文章では伝わりにくいとは思うが、私としては腑に落ちた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【一言まとめ(キャッチフレーズ風)】
「カッコいい」は見た目だけじゃない。
私たちの生き方や価値観にまで響く“体感主義”だ。
③【要約(内容の流れ・ポイント)】
本書は、大きく分けて以下の3つのポイントで構成されています。
「カッコいい」という言葉の歴史と意味の広がり
テレビ普及期に生まれた言葉で、外観だけでなく個人の生き方や価値観と結びついてきたことを解説。
「カッコいい」の基準は“しびれる体感”
理屈ではなく、体が震えるような感覚こそが「カッコいい」の本質。ジャンルを超えて多様化し、個人のアイデンティティと結びついている。
外見と内面の関わり、そしてその裏に潜む危うさ
外見と本質は無関係ではなく、国家や権力が「カッコよさ」を利用するリスクもあると指摘。
最終的に「カッコいい」を考えることは、自分の生き方を見つめ直すことにつながる。
④【読んで感じたこと・自分の意見】
読んでいて強く感じたのは、「カッコいい」を探すことは、自分らしく生きるための問いかけだということ。
テレビや広告がつくるイメージに振り回されず、何に「しびれる」のか、自分自身に問い続けたい。
クレージーキャッツの例やデザイナーの比較が示すように、「ギャップ」にこそ人は心を動かされる。
おちゃらけて見えても本質的には高い技術を持っている──そんな姿勢に、私も“カッコよさ”を感じる。
そして、「カッコいい」を考えるとき、外見も内面も切り離せないことにハッとさせられた。
日々の身だしなみや行動は、結局その人の生き方や信念がにじみ出るもの。
この本を読みながら、自分自身がどんな「カッコよさ」を積み重ねていきたいか、改めて考えたくなりました。