平野啓一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ純文学らしい丁寧で繊細な表現、複数の主題が折り重なる流れの一方で、テンポ良いストーリー展開を兼ね備えていて、一気に読み切った。
抑制の効いた文章がかえってイメージを色鮮やかにさせる。
ラストシーンが強く印象に残った。
And now, at the end of the matinee, I will play one more melody, a very special melody, for you.
2026.02.25 再読
映画も非常に良いが、原作を読み直すと重要な部分の違いがあることに気づいた。
すれ違いの原因を洋子が知る場面で、映画では早苗が自分から話していたのだが、 -
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ネタバレこの「ドーン」という作品、結構な長編だし、場面の切り替わりに頭がついていけなくて最初は結構読み進めるのに苦労したのだけど、平野啓一郎さんが書く半分SF的な未来絵の結末がどうなるのかを知りたくて、少しずつ読み進めました。まず、面白いと思ったのは分人という考え方。本の中では、「日本語で〈分人〉って言ってるその dividual は、〈個人〉individualも、対人関係ごとに、あるいは、居場所ごとに、もっとこまかく『分けることができる』っていう発想なんだよ。(中略)相手とうまくやろうと思えば、どうしても変わってこざるを得ない。その現象を、個人 individual が、分人化 dividuali
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Posted by ブクログ
沢野家の長男、崇が中心となってはいますが、数多くいる登場人物のそれぞれの心の陰影が細かく描き分けられた群像劇風に仕立てられています。
難解というほどではないが、ほどよく読み応えのある文章で、読んでいて心地よかったです。
神戸連続児童殺傷事件や秋葉原通り魔事件を受けて、そのような犯罪を犯す人物の心理や、罪とは何かという問題にまで踏み込んでいます。
崇のセリフあたりはドストエフスキーを意識しているのかなと感じました。
この崇という人物がまた多面性があって一筋縄ではいかないのですね。主人公になるぐらいだからこういうタイプの人間は結構特殊なんでしょうか? -
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ネタバレ豊富な表現と筆力に引き込まれ、上下巻一気に読んでしまいました。読後は徒労感と悲しみが心を蝕ばみます。重くのしかかる小説です。
名も無い他人の底知れない悪意に恐怖しました。カフェで読み終えましたが、読後周りにいる他人を無性に怖く感じました。冷淡な社会に対して、信頼感をもてずにいる自分と、自分も他人から見ればその冷淡な社会そのものであるという事実に震えます。良介の最後の叫びには涙が止まりませんでした。
「空白を満たしなさい」「マチネの終わりに」に続いて読んだ平野啓一郎さんの作品でしたが、分人主義の鱗片がこの作品からも読み取れました。自分が知っていると思っている人が本当はどんな人間なのか、それは -
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『一日二四時間の中で、人間が考えられることって、三つしかないと思うんです。ー過去のことか、現在のことか、未来のことか。』
『人はなるほど、たまたまそんなふうに誰かを見ることなど出来ないのだろう。彼の中の何かが、そんなふうに彼女を見させていた。』
『私は、人間のへそ曲がりなんだと思いますね。完璧だって言われると、完璧じゃないところが気になるじゃないですか。』
『人が一緒の時には、相変わらずの他人行儀だったが、二人きりになると、もう敬語は使わなかった。お互いに、声のトーンが少し低くなり、ゆっくり話すようになって、ささやかな笑いの吐息が、電話をしていると、よく耳に触れた。大げさな相槌も、捻り出 -
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ネタバレ結核に冒されたショパンに遂に死が訪れる.ショパンの矜持と高潔さ,一方の画壇の異端者ドラクロワの生きるための処世術と密かな望みが対比され,二人の友情を軸に,スターリング嬢を代表とする周りの人々の視野の狭さや俗さ,あるいはショパンの死に際しての悲しみ,サンド夫人親子の確執などの多層構造を,ポトツカ伯爵夫人やフランショームの言葉を借りれば「不協和音」として描いた大河小説である.
細やかな心理描写が見事で,特にドラクロワの思考の流れに共感する場面が多々あった.また,本書の主人公は一見ショパンであるが,真の主人公はドラクロワであろう.ショパン死去,それにともなう葬儀の混乱,財産の処分などの喧噪から一歩身 -
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すごい。こういうのが読みたかった。
今の10代が30代、40代として活躍しているような近未来。
大震災後、有人火星探査、可塑整形、散影(divisual/監視カメラのオープンなネットワーク)、AR(死んだ人間のその後の人生をプログラムし、立体映像化する)、分人主義(dividualism)、生物兵器(蚊)、ウィキノベル(Wikinovel)。
これでもかというほどアイディアが詰め込まれている。
全般的に希望的な未来としては描かれていない。
書かれたのが2009年。東日本大震災以前というのがすごい。
そして、現実はこの小説が持つ雰囲気に近い状態で進んでいるように感じる。 -
Posted by ブクログ
読書感想文は苦手なのだが、この小説に感想を書こうなんて百万年くらい早い気がしてきた・・・。
再読しなければ、感想など書けないような、
そんな壮大な作品だった。
読み始めて挫折されている人が多いようだが、私も実にその一人である・・・。
読書にじっくり時間を割けないのであれば、
この作品は読まない方がいいのかもしれない。
じっくり向き合える時に読むべき、超大作なのではないかと思う。
この作品は「作者名」で「作者買い」してしまった一作なのだが、作者の初期の作品だからそこまでではないだろうと思ったのが敗因。。。
これは素晴らしい。
何度も何度も読み返し、web で調べて、また進んで、戻っ