平野啓一郎のレビュー一覧

  • 高瀬川

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    ネタバレ

    短編「清水」
    中編くらいの表題作「高瀬川」
    詩「追憶」
    2つの小説が並行して進む実験的な「氷塊」
    の4つが入っています。

    「高瀬川」と「氷塊」はすごく良かった。
    「高瀬川」は、最終的にパンティがペットボトルに入って流れて行っちゃう話。
    その情景がすごく印象的なのと、コトに及ぶ男女の会話のぎこちなさが良い。
    村上春樹の小説で男女の会話がウィットに富んでいてリズミカルな感じなのと真逆で、すごくぎこちなく恰好悪く描いているのが妙に魅力的。
    「氷塊」はページの上半分が少年目線、下半分が30代の女性目線で進んで行って、ときどき真ん中に共通目線の文章が差し込まれる。
    どう読むかは読者次第だと思うが、読み

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    2021年05月30日
  • 「カッコいい」とは何か

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    「カッコいい」という感覚を言語化することの奥深さを知った。

    感覚的なイケてる、ヤバい、スゴいといった言葉にも共通する「理屈抜きの形容詞」をどのように明らかにするかということは、自分の美学を確認することに違いない。

    自分にとってのカッコいいとは何か、を突き詰めることは自分探しと言える。

    単なるルッキズムと言い切れない。
    カウンターカルチャーとしての反骨精神、感情をコントロールできる人、家族や身近な人をまもれる人、卓越した職人技を持っている人、、などなどもカッコいい。

    かわいいは目下に使う。
    カッコいいにはリスペクトを含む。

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    2021年04月14日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    個人的に興味深い作者名が並んでいたこともあり、本屋で衝動買いしたもの。ただひたすら真摯に、悲しみと向き合ったからこそ到達し得た心境が、ことばで生きている諸氏によって語り起こされる内容は圧巻で、それぞれに異なった対峙方法にも関わらず、通底する温もりは十分に享受できる。心のどこかに本書の存在を認識しているだけで、ずいぶん楽に感じられる、そんな座右の一冊。

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    2021年01月12日
  • マチネの終わりに

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    キレイ キレイな文章と情緒あふれるストーリー。誰も悪くない。
    最後の5ページは部屋の外では読めない。

    冷静と情熱の間に似た世界観。

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    2026年04月28日
  • ドーン

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    『空白を満たしなさい』に続いて分人主義が通奏低音になっている作品で、監視カメラネットワークやAR(拡張ではなく添付)そして火星有人探査などの実現する近未来が舞台。ただそこで語られるテーマは紛争、移民、そして民主主義のあり方など「近い将来ありある」というよりすでに今現在の私たちの社会で起こっていることを考えさせるものです。今年はちょうど米大統領選の年ですし、日本でも首相交代が行われたタイミングでもあるのでこの本を読んで少しだけ考えてみても良いのでは。

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    2020年10月03日
  • 『ある男』無料試し読み

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    偏狭な民族意識や差別感情の
    あふれる現代に「暮らしながら」「悩みつづける」私たちが読んでおくべき逸品であると思う。

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    2020年09月30日
  • 『マチネの終わりに』無料試し読み

    購入済み

    非常にリアリティと親近感を覚えます。
    しかも、その前後の2人の心理、回想、受能動的な先への向かい、
    身に覚えすら感じ、震えと奇妙な安堵すらもたらしてくれました。

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    2020年09月30日
  • ドーン

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    すごいよかった!

    いまは強固で社会の地盤となってるものごと、
    みんなが持ってる価値観が
    将来は跡形もなくなくなってるのかもしれない。
    と同時に人間が未来も解決できない
    しょうもない問題もあるんだなぁ

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    2020年09月10日
  • 「カッコいい」とは何か

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    ネタバレ

    いやあ、平野啓一郎の洞察は深いなあ。そして難しいテーマも簡潔に整理されていて、それでいて何度でも読み直したい。まさにクール。この新書自体が「カッコいい」な。印象に残ったのは、カッコいい人は、カッコいい名言を残しているということ。しびれるような経験を言語化することができて初めて物語に内包されて体感されるということ。カッコいいを語るにも知性が必要なんだなあ。

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    2020年09月06日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。」

    作中で洋子が何度か思い出す蒔野のこの言葉。この本の最後の1シーンを読み終えた後に思うことは、その後2人の過去は幸せな記憶として変わったのかどうかということと、そうあって欲しいと思うこと。
    それは2人が尊敬しあえる友人としてではなく恋人としてあの夜の続きを進めることで変えて欲しいと思った。

    2人のその後は読者のご想像にお任せしますという感じだったので、最後に蒔野が洋子に会う直前に思い返した幸福の硬貨の一節にあるように.....彼らは、きっと

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    2025年11月04日
  • 『ある男』無料試し読み

    購入済み

    完全版が読みたくなる

    作品紹介によると謎の多い複雑な話のようで、謎が解明されていくのを追っていく興味だけでなく、読者自身が感じ、考える。何を、かは、それこそ読んでのお楽しみ。人それぞれ違って、そこが、いわゆるミステリーとは違う醍醐味ではないか、と思います。
    この無料お試し版で読める第三章までで、登場人物と謎のさわりが分かるので、これは完全版で最後まで読むしかない、そして読み終わった後の自分の感想が楽しみ、という感じです。

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    2020年05月29日
  • 決壊(下)

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    初、平野作品。長編の上下巻で圧倒的な読み応え。
    ストーリー展開よりも人間の思想、行動に重点が置かれ、純文学的な描写が難しいが今まで読んだことのないようなもので新鮮だった。夢に出てくるだろうな…と思ったら本当にでてきて恐ろしかった。

    登場人物が次々と壊れていく。
    読んでよかったけど、読まなければ良かったとも思えた。
    読むのに体力がいります。晴れた日の、日中に読むことをオススメします。

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    2020年06月01日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    購入済み

    距離感が程良いです

    人と人との程良い距離感が感じられる良い作品でした。仕事の同僚、親と子と孫、夫婦、そして男と女。ちょっとしたボタンの掛け違いから生じる人間関係が、最近の実際の社会的事件と相まって、実にリアルでした。

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    2020年04月10日
  • 「カッコいい」とは何か

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    この軽薄そうなタイトルに対してこのボリューム。
    新書というのは‘掲げたテーマを簡潔に読者に語る’というのをそのスタイルとしたのだと思っていたのに…。だからこの本を手に取った時は『何考えてんだ?』と呟いてしまった。
     著者の平野啓一郎氏も悪いと思ったのか「第10章にはまず目を通し、肝となる第3章、4章を読んでもらえれば…」と多方面の歴史をひもときながら解説するうちに、参考文献の量が多くなったことを詫びている。
     でも、この本の厚さに負けて、第10章だけを読んだ人は、全く面白さがわからなかったことだろうし、その後に肝となる第3章、4章を読んでもやっぱり、平野氏の「カッコいい」に対する熱量は伝わらな

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    2020年02月02日
  • 「カッコいい」とは何か

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    今を生きてて、これを読まないなんて勿体ない。
    カッコいいが生む「しびれ/体感価値」による凄まじい魅力とその危険性について。
    音楽、ファッション、マーケティング、政治、美術史、欧米史…etc.議論は縦横無尽にジャンルを駆け巡る。「暇と退屈の倫理学」に並ぶ、現代社会を解剖する新しい視座をくれる大作。

    ビジネスパーソンとして、一人の日本人として、本書をキッカケに、「カッコいい論」もとい「カッコいい学」が深まることを期待。
    というか、経営戦略・マーケ戦略視点で、「カッコいい」を深堀りしたい。

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    2026年06月25日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    純文学らしい丁寧で繊細な表現、複数の主題が折り重なる流れの一方で、テンポ良いストーリー展開を兼ね備えていて、一気に読み切った。
    抑制の効いた文章がかえってイメージを色鮮やかにさせる。
    ラストシーンが強く印象に残った。
    And now, at the end of the matinee, I will play one more melody, a very special melody, for you.

    2026.02.25 再読
    映画も非常に良いが、原作を読み直すと重要な部分の違いがあることに気づいた。
    すれ違いの原因を洋子が知る場面で、映画では早苗が自分から話していたのだが、

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    2026年02月28日
  • 日蝕・一月物語

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    世界観がすごい。読み進めるうちに異世界に連れ込まれるかのよう。大学生のうちにこの文章を書き上げることができる才能に嫉妬。

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    2019年04月16日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

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    多数のジャンルの話をまとめてくださっているので、自分の好奇心の幅が広げる、とても良い機会となりました。
    特に資本主義のお話や、アートのお話。デザインではなくアートというジャンルが私にとってはとても新鮮でした。改めて、勉強したくなりました。

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    2019年03月22日
  • ドーン

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    ネタバレ

    この「ドーン」という作品、結構な長編だし、場面の切り替わりに頭がついていけなくて最初は結構読み進めるのに苦労したのだけど、平野啓一郎さんが書く半分SF的な未来絵の結末がどうなるのかを知りたくて、少しずつ読み進めました。まず、面白いと思ったのは分人という考え方。本の中では、「日本語で〈分人〉って言ってるその dividual は、〈個人〉individualも、対人関係ごとに、あるいは、居場所ごとに、もっとこまかく『分けることができる』っていう発想なんだよ。(中略)相手とうまくやろうと思えば、どうしても変わってこざるを得ない。その現象を、個人 individual が、分人化 dividuali

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    2018年12月28日
  • 決壊(下)

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    主な感想は上巻に書きました。

    いろいろな終わらせ方の可能性があったと思うが、著者があれを選んだ理由についてはじっくり考えてみたい。

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    2018年12月24日