平野啓一郎のレビュー一覧
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ここのところ、バナナの柿内尚文さんなど、教科書のように読みやすい自己啓発本ばかり立て続けに読んでいたために、最初の入が「うっ…理屈っぽい文面ひさびさ…」と少し臆したがw、読み進めるうちにあれよあれよと引き込まれてあっという間に完読した。
いやーーーこれだわこれ。
これなんだわよ、って感じ。
元々自分自身がとんでもなく八方美人な上に気分の波があり(一応ほぼバレていない)、鬱期のどす黒い部分は全て夫と息子に請け負ってもらえているものの、私って多重人格なのかな…くらいに長年悩んでいたので、この本でようやく自分というキャラクターに対しての辻褄が合ったなぁと思えた。
とんでもなく面白かった。
対人関係が -
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なんじゃこれはーーーー!!!
SUKI!!!
小説家平野啓一郎さんの「分人主義」について書かれた新書。
個人とは英語でindivisual。
つまり「分けられない」って意味。
でも平野さんは個人は人格を表す最小単位ではなくて、
「divisual」つまり「分けられる人」である「分人」が最小単位だと考えた。
分人とは、
対人、対グループによって変わるその人の人格。
確かに、あなたも会社での自分、家族といるときの自分、友達といる時の自分とでは性格が違う気がしない?
もっと言えば、大学自体の友達と高校時代の友達とでも違うし、大親友の前でも違う。
だから、たった一つの「本当の自分」なんて存 -
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たとえば、会社で仕事をしているときと、家族と一緒にいるとき、私たちは同じ自分だろうか?
本書では、それぞれの自分を『分人』と定義して解説している。
学校や仕事、家庭で辛い思いをしている人に読んでほしいし、自分ももし辛いと感じたときは読み直したい。
絶対にそれがその人の全てにはなり得ないし、その理解は人生を楽にしてくれるはず。
以下印象に残ったこと
・『分人』の構成比率がその人の個性となる。
もし生きづらいと思えば、金融資産のようにそのポートフォリオを調整していけばいいし、いろんな分人に分散させることはリスクヘッジにもなると思った。
・自分が好きな分人を大切にすれば、自己肯定感や幸福感が -
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- おもろいなぁ
- 自分の中には幾つの、どんな分人があるんだろう
- 「愛とは、相手の存在が自分自身を愛させてくれること。そして同時に自分の存在によって、相手が自らを愛せるようになること」。これは尊い考え方・尊い関係性だなぁと思った。大切な人にとって、そういう人間でありたいなぁと思った。
- 1人で部屋で考え事している時の自分もやっぱりいわゆる「本当の自分」ではなくいろんな分人が入れ替わり立ち替わりして思考している、というのは納得した
- 一方で、部屋でダラダラTwitter見たり怠惰に過ごしている自分はどうなんだ?と思った。これも誰かに対する分人の影響でダラダラしているのかな? -
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平野啓一郎さんがこれまで講演で話されたことや、文芸誌などに寄稿された文学・文豪・文学作品への批評やエッセイなどを収録したものとなっています。その冒頭に収録されている或る研究集会の基調講演のテーマが「文学は何の役に立つのか?」ということで、これがそのままこの本のタイトルになっています。
このタイトルを少し噛み砕くと、「文学は、私たちの人生や社会に対して、どんな価値があるのだろうか」ということになるのかと思いますが、この本を読んで私なりに思ったのは、以下のことでした。
文学は、①社会の不条理に気づかせ考えさせてくれること、②人間関係の機微を巧みな表現で心を動かされること、③現実社会からの解放す -
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アラフォーになって運命の人に出会うという大人の恋愛小説。
40代目前とは、一般的に社会的な地位をある程度確立し、人生設計を考える時期なのかなあと思う。
そんな中で人生のパートナーを決めるというのは、愛以上に安定を求めるものなのかなと私は考えている。
そんな中で、まるで学生の恋愛のように、燃えるような愛に突き動かされて惹かれ合う2人が印象的だった。
こんな運命の人って素敵だなあ。
安定や好条件を投げ打ってでも、愛に従う2人がかっこいいなあと思った。人を愛している自分が好きってめちゃめちゃ素敵だと思う。
2人の大人な価値観とその葛藤もとても丁寧に描写されていて引き込まれた。文章表現がとても繊細で -
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とても良かった、読後感がすごい。。。
平野さんの「私とは何か 個人から分人へ」を読んだ後に読むと、より分人が実感として得られる。
2人の関係は綺麗な愛とは正直言い切れないとは思う。世に言う”不倫”の正当化にも感じ取れる。
ただ、心で惹かれあっただけの2人はどうしたらいいのだろうか。出会うタイミングが異なっただけの2人はどうしたら良いのだろうか。
好きな小説の一節に、「映画も小説も人も、出会うタイミングってもんがあるんだ」という一節がある。
ふむ、難しい問題だ。。。。と思う。
このタイミングは自分で決められるものなのだろうか?
そこで出てくるのは、自由意志・運命論だ。こうなる定めだっ