平野啓一郎のレビュー一覧
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これまでレビューを書いたことはありませんでしたが、「人に説明することを前提に読む」(93頁以下)ことを意識し、1冊読み通した今感じたことを卑見ながら公にしたいと思いました。
法学部の教授で、問題演習などは一度もせず、基本書一冊だけで司法試験に合格をしたという天才の話を聞いたことがあります。単に「問...続きを読むPosted by ブクログ -
著者の本は「マチネの終わりに」を読みましたが、とても魅力的な本だったので本作品も読んでみました。
この本は「本の読み方」の本ですが、本を書く作家さんの視点から、どのように本を読むべきかを丁寧に考察してあり、とても理解が深まり、益々好きな作家さんになりました。
本が読みたくなる本です!!
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読書について、今までの自分は活字を追って、本を読み終わる毎に満足感や達成感を抱いてました。
この本を読んで、読書とは、速く読むことではなく、1文1文丁寧に深く読み、自分の想像力や思考力を使って楽しむことが読書の醍醐味であり、正しい読書であるということを学びました。
この本もそうですが、1回限りでは...続きを読むPosted by ブクログ -
2人のの恋愛模様を知的な文章で綴られている。
初め、客観的なストーリーに入り込めなかった。
しかし三谷の暴走行動から展開ががらっと変わっていき、難しい文章もなぜかすいすい読めた。
薪野と洋子がもっと素直だったら、2人にとって良い流れになったのかな。
でも物事を深く考え、相手の今の状況を尊重できる2...続きを読むPosted by ブクログ -
再読・遅読推奨派の私には、とても頷ける内容。ここ最近の読み方はサブスク料金と読書アプリによる可視化のせいで速読寄りになってきていたな、と反省。選本もタイパ重視になりがちだった。速読が悪い訳ではないけれど、せっかく読んだからにはきちんと内容を理解して読みたい。読メの謎の棒グラフや連続読書日数など気に...続きを読むPosted by ブクログ
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すごく面白かった!平野啓一郎先生の本はこの本が初めて。オーディオブックで完聴。
自分が死んだあとに生き返る(復生)するという有り得ない設定ながら、登場人物の動きや分人主義という考え方や先が気になって読み進めるのが止まらなかった。
自分が自殺したあとに蘇ったら、自分の夫が蘇ったら、などと空想しながら読...続きを読むPosted by ブクログ -
自殺をした主人公。
自分が自分を殺すとはどういうことか。
かつて誰かを守る部分だった自分が、表立っている自分を殺す。
少女革命ウテナでいう、アンシーがウテナを殺すみたいなことだね。あれってアンシーとウテナは実は同一人物だからね。
自殺について、よくわかってると思うよ。
私もかつて母を守る部分だった...続きを読むPosted by ブクログ -
下巻に入り、謎が次々と明かされていく。
少しずつ記憶が呼び戻され、周りの人との対話の中で考え方も変わっていく。
分人の考え方や表紙になっているゴッホの考察も面白かった。家族の在り方もそれぞれだけど、主人公の母親の言葉には深いものがあった。毎日を大切に生きていきたいと思える本だった。 -
車内広告からストーリーの続きが気になり、上下巻一気に読みました。
自分が何故一度死んだのか、謎を解き明かしていく面白さと、自分がいない間に起きた周囲への変化を理解していく話の深さに感銘を受けました。
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知性、思想、お人柄において信頼という意味では間違いない大澤真幸さんと平野啓一郎さんの、2019年1月平城天皇退位宣言の直後、コロナ禍となった2020年8月そしてロシアによるウクライナ侵攻後の2022年4月に行われた対談をまとめたもの、
コロナ禍、ウクライナ侵攻という大きなパラダイムシフトととなるよう...続きを読むPosted by ブクログ -
分人は生きていく上で参考になる考え方だなと感じた。「この人の前での自分の分人が本物」では無く「この人の前での自分の分人を大切にしたい」という考え方の方が正しいのだと分かった。
最後、なぜ復生者が存在したのかなど謎は深まるばかりだが、精一杯生きている徹生とその周りの人々に感動した。Posted by ブクログ -
人が亡くなって悲しいのは、その人との分人(対人関係ごとの自分)がいなくなるからという考えに、なるほど一理あるかもと思いました。その人だけに見せていた自分をもう誰にも見せることはないと気づくと孤独でいたたまれない気持ちになりそうだと思いました。
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オードリー若林さんと作家さんの対談のような感じで進むテレビ番組の書籍化。 作家さんってなかなか面白い人がたくさんいるものだなと感じられるし、心の中はちょっと黒い人が多いのかなと。 そして、意外と作家さん同士って交流あるものなんだなと。Posted by ブクログ
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平野啓一郎さんの本はやはり読みやすい…情景が簡単に思い浮かべられるというのが読んでいて嬉しい事だなと思う。
自分の身内が亡くなってから3年後に生き返ってきたらどんな気分だろう。1年とかなら嬉しいと思うが3年となると微妙な気がする。もう亡くなったことを受け入れていたのに…という感じで。こんなことが現実...続きを読むPosted by ブクログ