平野啓一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死刑制度については勉強不足で存置派とも廃止派とも言えない状態だったが、本書を読んでこれまでにない死刑制度に対する捉え方を知ることができた。テーマの割に薄いこの1冊で、世界の死刑制度の現状、事例、著者の考えが分かりやすくまとめられていること自体も凄い。
特に日本ではなぜ死刑が支持され続けるのかについて著者が考える要因が、どれも思いつかなかったもので印象的。
著者の実体験に基づく考えや、小説家としての発信について触れられていたのもよい。
本書ももう一度読み直しつつ死刑制度に関する他の書籍も読んで理解を深めたいし、著者の作品ももっと読みたい。
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Posted by ブクログ
衝撃的なストーリー
哲学的であり、心理学的であり
その都度納得の内容にため息が出る
ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている
ただ、切ない
分人という考えにも納得ではあるが
すべてひっくるめてのその人で
自分でも考えれば
何個の分人を抱えているか数えきれない
なんともせつない
生き返った意味があったから
生き返ってやることがあったから
生き返ってきたのだろうか
そうでなければ
危険人物も蘇ってしまうわけで‥
閻魔様の悪戯なのか
だとしてもせつない
璃久ちゃんのどんぶらっこは
はたして父を運んできたのか
これからの父への暗示なのか?
今もどこかでこんなことが
おこっているのではないかと -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書好きになってすぐのころに読み始めたが、表現が難しくて挫折。
もう一度ゆっくりでいいから読んでみようと重い腰をあげ、時間をかけて読んだ。本当に読んでよかったと思えた。
難しい表現を自分なりに解釈しながら読み進めることが楽しかった。
未来は過去を変えられる。
わたし自身、過去の自分の行いを思い出して苦しむことがよくあるので、過去の捉え方を変えて思い出す記憶を全部幸せな記憶にできたらいいな〜、なんて。難しいけれど、この考えのおかげで少し前向きになれたような。
中盤からのイライラは半端なかった。感情移入しやすいタチなので、ハァ!?この2人を悲しませないで!?と叫び、せっかく順調に読み進めていた -
Posted by ブクログ
ネタバレゴッホのついての学びを深めたかった時に、ゴッホの表紙が気になり購読。
「分人」という新しい哲学に触れ、自分の中でも腑に落ちる点があったので、新たな視点として咀嚼していきたい。
分人は、相手毎に生じる自分の分身がいるという思想で、自分という根本は変わらないが、相手が恋人なのか友達か、嫌いな人かによって異なる分人がいるということである。
自殺についての解釈は、自身にいる嫌な分人を「消したい」という感情から生まれ、分人を理解していない人にとっては、嫌な自分を「殺す」しか手段がなく自殺するということに納得がいった。
嫌な分人と向き合うには、「見守る」と本書ではアドバイスしていたが、私の意見では「受け入 -
Posted by ブクログ
これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本 -
Posted by ブクログ
スローリーディングとはなんぞやというところから始まり、スローリーディングを実践することで、豊かな読書体験を得られる、ひいては読む人の人生がより豊かになる、ということを作家の平野啓一郎さんが丁寧に語られています。
本書の構成は、基礎編、テクニック編、実践編からの三部構成となっており、特に、わたしは実践編を楽しく読めた。
実践編は古典作品を通じてスローリーディングの実践を講義形式で書かれている。平野さんが、まるで国語か小論文の先生のように出題し、丁寧に解説してくれている。
わたし自身、ものすごく遅読者で、人生のことあるごとに速読できる人に憧れ、たびたび試みるべく速読術の本を何冊も買ったし実践 -
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Posted by ブクログ
“ビュフォンが『人間の博物誌』(一七四九年)を書いて以来、「男らしさ」は、”生物学”に基盤を得て、自然主義的に主張されるようになる。男女の性的二形性ーつまり、男女は解剖学的、生物学的に違うという事実ーから、その差異は社会的な存在論にまで拡張され、結局のところ、男性の優位を根拠づけようとする思想が、一九世紀以降、広まっていく。この時代、取り分け注目されたのは、男女の体液だった。女性が母乳や涙、分泌液など、「体液を排出するよう勧められた」のに対して、男性は「涙であれ精液であれ、自分の体液の流出を結し、抑制するよう促される。快楽を管理し、性的エネルギーを規制することが、男らしさを示すこと」と理解され