平野啓一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分の心が考えさせられたフレーズ
人は変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?
生きることと引き換えに、現代人は際限もないうるささに耐えている。音ばかりじゃない。
映像も、匂いも、味も、ひょっとすると、ぬくもりのようなものでさえも。
人類は今後、未来永劫、疲れた存在であり続ける。五感を喧噪に直接揉みしだかれながら、毎日をフーフー言って生きている。痛ましいほど必死に。
美しくないから、快活でないから、自分は愛されないのだという孤 -
Posted by ブクログ
これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本 -
Posted by ブクログ
スローリーディングとはなんぞやというところから始まり、スローリーディングを実践することで、豊かな読書体験を得られる、ひいては読む人の人生がより豊かになる、ということを作家の平野啓一郎さんが丁寧に語られています。
本書の構成は、基礎編、テクニック編、実践編からの三部構成となっており、特に、わたしは実践編を楽しく読めた。
実践編は古典作品を通じてスローリーディングの実践を講義形式で書かれている。平野さんが、まるで国語か小論文の先生のように出題し、丁寧に解説してくれている。
わたし自身、ものすごく遅読者で、人生のことあるごとに速読できる人に憧れ、たびたび試みるべく速読術の本を何冊も買ったし実践 -
Posted by ブクログ
40代の大人ラブストーリーですが、恋愛を通して多くの人が人生で悩む課題が描かれています。
価値観や環境、経験など大人の恋愛には必ずついてまわるアイデンティティの判断材料や
苦悩、罪悪感、愛情、自己保身など人間が抱く情緒が丁寧に描写されているので共感する部分が多かったです。
不可抗力によってすれ違ってしまう人生の理不尽さ、たった一言で変わる過去と現在の記憶や感じ方に向き合う姿勢に、登場人物の年齢ゆえの静けさや現実味を感じました。
音楽の専門用語が多いため読むのに時間がかかりましたが、曲をかけるだけでも没入感を高めることが出来ると思います。
読者の年齢によって感じ方も変わると思うので、人生の -
-
Posted by ブクログ
“ビュフォンが『人間の博物誌』(一七四九年)を書いて以来、「男らしさ」は、”生物学”に基盤を得て、自然主義的に主張されるようになる。男女の性的二形性ーつまり、男女は解剖学的、生物学的に違うという事実ーから、その差異は社会的な存在論にまで拡張され、結局のところ、男性の優位を根拠づけようとする思想が、一九世紀以降、広まっていく。この時代、取り分け注目されたのは、男女の体液だった。女性が母乳や涙、分泌液など、「体液を排出するよう勧められた」のに対して、男性は「涙であれ精液であれ、自分の体液の流出を結し、抑制するよう促される。快楽を管理し、性的エネルギーを規制することが、男らしさを示すこと」と理解され
-
-