平野啓一郎のレビュー一覧
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475ページ。長い。
足ることを知る、森鴎外、高瀬船。最愛の人の他者性と向き合う人間性としての誠実さ。
AIアバターという未来風の書き方だが、取り上げている議題は、死生観、格差社会といった、従来からある話。自由死を選ぼうとした母の本当の声を聞きたくてアバターを作るが、それは本当に母親か。いや、本当の母親とはそもそも何か。自分たちは普段、人の一面を見ているに過ぎない。加えて、それは変化していくものでもある。一面、一時それを切りとって、それは本当にそうなのだろうか?
格差社会においては、いろんな意味でもう十分という人々も出てくる。自由死を選ぶことは本当に良くないことなのだろうか。
人間とし -
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・ロボットと人間の最大の違いは、ロボットは–今のところ–分人化できない点である。もし、相手次第で性格まで変わるロボットが登場すれば、私たちはそれを、より人間に近いと感じるだろう。
2012年に発行された本書。時を経て現在、chatGPTの登場で(ロボットではなくAIではあるが)相手に合わせた返答ができるAIが当たり前になりつつある。筆者もある程度予想はしていたかもしれないが、ここまで早く浸透したことには驚きを感じているかもしれない。
特に若い世代のあいだでは、相談相手としてchatGPTが使われている。それは筆者も言うように「私たちは、尊敬する人の中に、自分のためだけの人格を認めると、嬉し -
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善とか悪とか、そういう平面的な判断基準を超越したところにある、二人の関係。
会っている時間の長さや回数、結婚とか付き合うとか明確な言葉で定義された明確な関係でいること、そういう社会的な俗的な一般的な交わりを超えた先にある、二人の深い交わり、心の結び付き、魂の深いところの共有。
その様がありありと、没入できるほどに事細かに描かれていて、ずっとずっと引き込まれた。
現実を生きることで変えていけるのは未来だけではなく、過去までをも変えられるというのは個人的には新しい視点だった。
展開がどうとかではなくて、情念の共有ができた感じ。
これから先も心に残り続ける小説だと思う。
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人にはいくつかの分人が存在する。
家族や友達、同僚、上司と。
それぞれと接する時の自分はテンションや気の使い方も異なっていていろんな自分がそのにいる。
どれが本当の自分なのか。
幸せであっても疲労は溜まるし嫌いな自分は消したくなる。
この装丁はなぜゴッホなんだろうという謎も納得。
ゴッホのいろんな顔と自殺の真実が物語と結びついて後半はかなり面白くなってきました。
そして、終わり方に鳥肌、、。
りっくんを抱きしめる直前に消えちゃったってこと、、?
彼の悔いが残った空白が満たされたから消滅したのかな。
2回も大切な人がいなくなるなんて耐えられないけど、これを読みきって生の尊さが身に染みました。
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「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。」
このパッセージがメインテーマだと思うが、蒔野と洋子の、未来だけでなく大切な過去を変えうる現在を繊細に扱うような生き方をすごく素敵に感じた。
また僕が一番心を惹かれたのは洋子の生き方だった。
世間では彼女のことを「冷たい」「選民思想的」と評する声もある。でも僕にはそうは映らなかった。
洋子はただ、自分に誇りを持って生きることを何よりも大事にしていた。それは他人を見下すためのものじゃない。人に真に優しくするためには、まず自分の自己愛を満たし、自分 -
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「大切な人へ贈る本」という帯が付いていました。
まさにその通りでした。
人を愛するということ…優しさと誇りと悲しみと切なさと、全てが詰まっていて、感動し涙が止まりませんでした。
読み終えた時、序盤の頃に出てきた「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。」という言葉の真意に触れた気がしました。
今を生きる私やこれからの私(未来)の考え方捉え方が、過去の出来事に違った意味を持ちうるという。私自身も過去の悲しみを優しく包み込む事ができた気がしました。この本との出逢いに感謝しています。
実話に基づく小説と、冒頭で述べられています。
あまりに -
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現代社会では、私たちの意志と関係なく膨大な情報に晒されている。だからこそ、自分が選び、情報を得たり、楽しむことができる「本」は、私にとって貴重なツールである。
これまで色々な本を読む中で、読みやすい本とそうでない本があり、それを理由に普段から複数の本を同時進行で読んでいた。積読を減らすために急いで本を読んだり、この読み方で本当に良いのだろうかと、どこかモヤモヤしていた。
そんな時にこの本を出会って衝撃を受けた。本を読むスピードが遅いことは、決して改善すべきことではない。筆者の伝えたいことをじっくりと読み解き、深く楽しむためには必要なことなのだと、考えを改めさせてくれた。
本書には、実際の書籍を -
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死刑制度については勉強不足で存置派とも廃止派とも言えない状態だったが、本書を読んでこれまでにない死刑制度に対する捉え方を知ることができた。テーマの割に薄いこの1冊で、世界の死刑制度の現状、事例、著者の考えが分かりやすくまとめられていること自体も凄い。
特に日本ではなぜ死刑が支持され続けるのかについて著者が考える要因が、どれも思いつかなかったもので印象的。
著者の実体験に基づく考えや、小説家としての発信について触れられていたのもよい。
本書ももう一度読み直しつつ死刑制度に関する他の書籍も読んで理解を深めたいし、著者の作品ももっと読みたい。
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衝撃的なストーリー
哲学的であり、心理学的であり
その都度納得の内容にため息が出る
ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている
ただ、切ない
分人という考えにも納得ではあるが
すべてひっくるめてのその人で
自分でも考えれば
何個の分人を抱えているか数えきれない
なんともせつない
生き返った意味があったから
生き返ってやることがあったから
生き返ってきたのだろうか
そうでなければ
危険人物も蘇ってしまうわけで‥
閻魔様の悪戯なのか
だとしてもせつない
璃久ちゃんのどんぶらっこは
はたして父を運んできたのか
これからの父への暗示なのか?
今もどこかでこんなことが
おこっているのではないかと -
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ネタバレゴッホのついての学びを深めたかった時に、ゴッホの表紙が気になり購読。
「分人」という新しい哲学に触れ、自分の中でも腑に落ちる点があったので、新たな視点として咀嚼していきたい。
分人は、相手毎に生じる自分の分身がいるという思想で、自分という根本は変わらないが、相手が恋人なのか友達か、嫌いな人かによって異なる分人がいるということである。
自殺についての解釈は、自身にいる嫌な分人を「消したい」という感情から生まれ、分人を理解していない人にとっては、嫌な自分を「殺す」しか手段がなく自殺するということに納得がいった。
嫌な分人と向き合うには、「見守る」と本書ではアドバイスしていたが、私の意見では「受け入 -
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これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本