平野啓一郎のレビュー一覧

  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    これまでレビューを書いたことはありませんでしたが、「人に説明することを前提に読む」(93頁以下)ことを意識し、1冊読み通した今感じたことを卑見ながら公にしたいと思いました。

    法学部の教授で、問題演習などは一度もせず、基本書一冊だけで司法試験に合格をしたという天才の話を聞いたことがあります。単に「問...続きを読む
  • 葬送 第二部(下)

    「ポーランド人とは即ちポーランドだ。ポーランドとは即ちポーランド人だ。
    この心のすべてが、いわばポーランドの文化の歴史だ。我々一人一人が感じ取り、考え、生み出そうとするとき、常に感じ取らせ、考えさせ、生み出させているのはポーランドだ。
    このからだこそは。ポーランドの土が育んだパンが血となり肉となっ...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    著者の本は「マチネの終わりに」を読みましたが、とても魅力的な本だったので本作品も読んでみました。
    この本は「本の読み方」の本ですが、本を書く作家さんの視点から、どのように本を読むべきかを丁寧に考察してあり、とても理解が深まり、益々好きな作家さんになりました。
    本が読みたくなる本です!!
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    読書について、今までの自分は活字を追って、本を読み終わる毎に満足感や達成感を抱いてました。
    この本を読んで、読書とは、速く読むことではなく、1文1文丁寧に深く読み、自分の想像力や思考力を使って楽しむことが読書の醍醐味であり、正しい読書であるということを学びました。

    この本もそうですが、1回限りでは...続きを読む
  • マチネの終わりに
    運命…さだめ…必ずあると私は思う!いや、あってほしい…とおもわせる本です。

    二人はこれからどんな人生を歩むのかな〜 

    二人の幸せを願って…


    ぜひ〜
  • マチネの終わりに(文庫版)
    2人のの恋愛模様を知的な文章で綴られている。
    初め、客観的なストーリーに入り込めなかった。
    しかし三谷の暴走行動から展開ががらっと変わっていき、難しい文章もなぜかすいすい読めた。

    薪野と洋子がもっと素直だったら、2人にとって良い流れになったのかな。
    でも物事を深く考え、相手の今の状況を尊重できる2...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
     再読・遅読推奨派の私には、とても頷ける内容。ここ最近の読み方はサブスク料金と読書アプリによる可視化のせいで速読寄りになってきていたな、と反省。選本もタイパ重視になりがちだった。速読が悪い訳ではないけれど、せっかく読んだからにはきちんと内容を理解して読みたい。読メの謎の棒グラフや連続読書日数など気に...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    すごく面白かった!平野啓一郎先生の本はこの本が初めて。オーディオブックで完聴。
    自分が死んだあとに生き返る(復生)するという有り得ない設定ながら、登場人物の動きや分人主義という考え方や先が気になって読み進めるのが止まらなかった。
    自分が自殺したあとに蘇ったら、自分の夫が蘇ったら、などと空想しながら読...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    自殺をした主人公。
    自分が自分を殺すとはどういうことか。
    かつて誰かを守る部分だった自分が、表立っている自分を殺す。
    少女革命ウテナでいう、アンシーがウテナを殺すみたいなことだね。あれってアンシーとウテナは実は同一人物だからね。

    自殺について、よくわかってると思うよ。
    私もかつて母を守る部分だった...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)

    スッキリした

    下巻に入り、謎が次々と明かされていく。
    少しずつ記憶が呼び戻され、周りの人との対話の中で考え方も変わっていく。
    分人の考え方や表紙になっているゴッホの考察も面白かった。家族の在り方もそれぞれだけど、主人公の母親の言葉には深いものがあった。毎日を大切に生きていきたいと思える本だった。
  • 空白を満たしなさい(上)

    面白い

    車内広告からストーリーの続きが気になり、上下巻一気に読みました。
    自分が何故一度死んだのか、謎を解き明かしていく面白さと、自分がいない間に起きた周囲への変化を理解していく話の深さに感銘を受けました。
  • 小説の読み方
    登場した主語に対して、どんな述語が続くのだろうという期待感が持続することが重要
    いじめられて苦しかったのさ分かる。しかし、どうして自殺や殺人という方法を選んでしまったのだろう?他にも選択肢はたくさんあったはずだ。他人に対する「決めつけ」を注意深く回避する。
    小説家にはとにかく書き続けるという無闇な態...続きを読む
  • 死刑について
    素晴らしい本だった。数十年来の考え方がガラッと変わった。
    現在、日本人の8割が死刑制度継続を支持しており、年に数件執行されている。死刑制度が無い国が多数派を占めるなか、日本で依然として死刑が行われている文化的背景などが書かれてある。
    本書を読むまで知らなかったのだが、死刑制度が無いことがEU(欧州連...続きを読む
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって
    知性、思想、お人柄において信頼という意味では間違いない大澤真幸さんと平野啓一郎さんの、2019年1月平城天皇退位宣言の直後、コロナ禍となった2020年8月そしてロシアによるウクライナ侵攻後の2022年4月に行われた対談をまとめたもの、
    コロナ禍、ウクライナ侵攻という大きなパラダイムシフトととなるよう...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    分人は生きていく上で参考になる考え方だなと感じた。「この人の前での自分の分人が本物」では無く「この人の前での自分の分人を大切にしたい」という考え方の方が正しいのだと分かった。
    最後、なぜ復生者が存在したのかなど謎は深まるばかりだが、精一杯生きている徹生とその周りの人々に感動した。
  • 空白を満たしなさい(下)
    人が亡くなって悲しいのは、その人との分人(対人関係ごとの自分)がいなくなるからという考えに、なるほど一理あるかもと思いました。その人だけに見せていた自分をもう誰にも見せることはないと気づくと孤独でいたたまれない気持ちになりそうだと思いました。
  • ご本、出しときますね?
    オードリー若林さんと作家さんの対談のような感じで進むテレビ番組の書籍化。 作家さんってなかなか面白い人がたくさんいるものだなと感じられるし、心の中はちょっと黒い人が多いのかなと。 そして、意外と作家さん同士って交流あるものなんだなと。
  • マチネの終わりに
    本当に愛しているからこそ自分以外の人との幸せも大事に思えるんだろう。年齢設定も良いと思った。大人の恋愛だなあ。
  • 葬送 第二部(上)
    今回もかなり盛りだくさんでした。
    ✔︎ショパンのピアノ論(リストとの比較)
    ✔︎ショパンの演奏会
     →表現が秀逸過ぎて音色が聞こえるようだった
    ✔︎人々のショパンの演奏会の感想(技術面に特化した)に対してのドラクロワの反発
     →分析よりも驚嘆が先に来るはずだというドラクロワの芸術論。「知識の増加が感...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    平野啓一郎さんの本はやはり読みやすい…情景が簡単に思い浮かべられるというのが読んでいて嬉しい事だなと思う。
    自分の身内が亡くなってから3年後に生き返ってきたらどんな気分だろう。1年とかなら嬉しいと思うが3年となると微妙な気がする。もう亡くなったことを受け入れていたのに…という感じで。こんなことが現実...続きを読む