平野啓一郎のレビュー一覧

  • 死刑について
    死刑の是非なんて、殆ど考えることもなかったが、考え方に共感する平野さんの著書なので手に取った。

    重い課題だと思うし、簡単に決められる問題でもないでしょう。自分の考えでは、直感的に死刑やむ無し。
    これは、平野さんも当初同じだったようですが、人の命は何よりも大切で、殺人は絶対的に悪いことなはずなのに、...続きを読む
  • ある男

    とてもいい作品

    最近読んだ中で1番良い作品で、1番表現しにくい作品。
    最後に幸せがそこにあって、本当のことを言うべきなのかすら悩んだのではないか、その事で3回目の自殺だったのではないか...。
    想像できる限りの当事者の心情を慮ったが、正解はわからない。
    生きるとは誰しも難しいのだと、そこに立場や出自は関係なく皆悩み...続きを読む
  • 死刑について
    どっちとも考えたことがなかったのできっかけになった。オウム事件の執行時、テレビでカウントダウン的な中継をしていたのは異常だと思ったが。
  • ウェブ人間論
    何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなってはどうだろうなんて底...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(下)
    自分の人生でこれまで追い求めてきたひとつの答えをもらえた。


    分人という考え方が全てではないが、その考え方によって救われる人や救われる瞬間はある。

    節目節目で読み返したい。

    これから生きるのが恐くなるけど、それ以上に愛情と誇りを持って死ぬために生きたいと思えた。
  • 平野啓一郎「分人」シリーズ合本版:『空白を満たしなさい』『ドーン』『私とは何か―「個人」から「分人」へ』

    分人と個人について

    空白を埋めなさいのドラマを観て興味を持ち読みました。統一されない人格として人を考えると破綻してしまいますが、分人としてレイヤーする状態で存在する人と捉える考え方で少し気持ちが楽になりました。また分人の好き嫌い相手にも半分責任があるという言葉で何処で誰といる時の自分の状態を分析して考えられました。
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  • 空白を満たしなさい(上)
    徹生の身に起きたことが理不尽すぎて可哀想だった。自分だったら、生き返れて喜ぶ反面、もっと自殺ではないことを訴え続けると思う。死後の世界で、自分を他人に勝手に解釈されるのはすごく不快。亡くなったら他人の解釈を指摘することもできない。また、家族に自分の物を片付ける段階で見られるのも耐えられない。実際には...続きを読む
  • 空白を満たしなさい(上)
    読んでいてすごくリアルで、すごくフィクションで、苦しくなる。

    しかし、読み進めていく気持ちを止められないエンターテイメント性もある。

    自分自身の生い立ちと似ているところもあり、著者がどういう考えでこのような小説が書けたのか気になった。
  • 空白を満たしなさい(上)
    オーディブルにて聴く。
    徐々に引き込まれていった。おもしろい!

    主人公は復生者(生き返った者)の徹生。
    「徹底的に生きる」という名にもかかわらず一度自死した(ことになっている)。その真相は…?

    下巻へ続く!


  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    スローリディングのススメ。量より質。おっしゃる通りだと思いながら、感覚的に読みたい時もある。しかし、それだけではもったいないことが理解できた。再読をしていこう。ただここでもまず自分がよかった、面白かったと思った本からになるだろう。ここの意識を変えると、見えてないことがよくわかるのだろうけど。
  • 葬送 第二部(下)
    ショパンとパトロンのジョルジュサンドとの係わりがよく分かる。ポーランド人ショパンのパリやロンドンでの苦闘、作曲や演奏会がダイナミックに描かれている。
  • マチネの終わりに
    いたずらに難解な文字を並び立てたデビュー作とは一転、商業主義的大衆迎合作品かと思わせたが、確かな筆致と見えない着地点の構成力でぐいぐい引き込まれた。
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    スローリーディングの指南書。
    メリットとテクニックについて具体的に説明があり、目から鱗の部分もあった。
  • マチネの終わりに
    私にとって不思議なタイミングで読みました。
    深く重たいテーマは、今の自分には辛いものでしたが向き合い考えることが出来たありがたい物語です。見事な構成でぐいぐい読み切らせてもらた初めての平野啓一郎作品でした。他の作品も読ませてもらいたいと思います。
  • サロメ
    平野啓一郎によるサロメ。解説でご本人が述べられていたが非常に少女性があるサロメになっている。好きな男を振り向かせようとして一生懸命なサロメ。だけど振り向いてくれず最後は殺してしまう。ヘロデも娘を振り向かせようと領土の半分を与えようとする。耽美的になりすぎず一方でサロメ独特の魅力も残したままうまく訳さ...続きを読む
  • マチネの終わりに
    大人のための極上の恋愛小説。
                                      
    主人公の蒔野は天才ギタリスト。
    レコード会社担当者と演奏を聴きに来た洋子に、ひと目で惹かれます。
    そして初対面での会話が、二人を特別な世界に連れて行ってしまいます。
    分かるような気がしました。
    時間を...続きを読む
  • マチネの終わりに


    "自由意志というのは未来に対してはなくてはならない希望だ…だからこそ、過去に対しては悔恨となる…運命論の方が慰めになることがある"p426

    時間の経過と共に過去の行為を振り返って捉え直していく登場人物たちに共感しました。
    こんな風に時間とともに人として成長できたらいいなと思える作品でした。
  • 葬送 第二部(下)
    今年は5年に1度開催される『ショパン国際ピアノコンクール(ショパコン)』の開催年、この年にこの本と巡り会い幸運でした。 ショパコンでの演奏曲もちらほらと‥
    ショパンの生に対する限りなく強い思い、執着、画家ドラクロワの鋭い洞察力、そして自由奔放、強い個性の執筆家サンド、三人が織り成す人間模様は複雑です...続きを読む
  • マチネの終わりに
    こころに残る一冊。せつなすぎる、この後の二人を知りたくなる。
    今だから感じるものもあると思うが、自分の人生の中でいろいろな人ととの出会いや別れ、恋愛だけでなくひととき通い合う心や一緒に感じた達成感。素敵な思い出、苦い思い出を想起させる。「未来は常に過去を変えている」こんなこと考えたこと無かったです。
  • 日蝕・一月物語

    『とある魔術』世界の根源の考察

    〇聖トマスとはトマス・アクィナスですね。
     宗教と科学、神中心と人中心の両立を
     考えた?
    〇もちろん現代人にとっては
     科学的に人造人間を作るとしたら今後かな?
     でも、世界のことわりを知ったら、
     錬金術的に実現していたかもしれない。
    〇両性具有者は単に両性を備えるだけでなく、
    ...続きを読む