平野啓一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年前、某書評サイトに参加していた時期がありました。そこではみなさん競うように書評を上げていて、中には毎日3冊から4冊もの本の書評を上げる人も。私はそのスピードにまったくついていけず、大好きなはずの読書がちっとも楽しくなくなってきてしまい、これはいかんもうここにはいられない、と一年足らずで退会しました。
そんな私にとってこの本は、天から差し込まれたひと筋の光、「大丈夫だよ」とやさしく手を差し伸べてくれる、救世本です。まさに我が意を得たりな一冊で、読みながら「そうそうそうなんですよ!」、「ほんっとまさしくこれ!」と心の中で叫びどおし。
本書は、徹底的に〈アンチ速読〉。〈一年間に何冊読んだ、と -
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匿名
購入済み読む価値有り!!
最近読んだ中で上位に入る作品でした。
続きが気になりすぐに読み終えました。
楽しい秋の夜長を過ごせました。
また、作者さんの他の作品にも興味がわきました。
是非、読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分は本を読むスピードが遅い方なのでこの本を読んで、今までは読むスピードを早くして色々な本を読みたいと思っていたが、それよりも本の理解度や深く考える時間に費やしたほうが、より読書を楽しめて為になると思えた。
再読について書かれていたが、これは小説に限った話じゃなくて漫画、ドラマ、映画、アニメにも当てはまることだと思ったので、基本的に1回しか見ないので試してみたいと思う。
この本も再読しようと思う。
「自分だったらどうするだろう」と考えるのは元々、自然とやっていたので良い事だと知って嬉しかった。
「辞書癖」をつける、と書かれているがこれは前から実践してはいるが難しい言葉や読めない漢字が続く -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまでレビューを書いたことはありませんでしたが、「人に説明することを前提に読む」(93頁以下)ことを意識し、1冊読み通した今感じたことを卑見ながら公にしたいと思いました。
法学部の教授で、問題演習などは一度もせず、基本書一冊だけで司法試験に合格をしたという天才の話を聞いたことがあります。単に「問題集を何冊をやるな」というような話ではなく、一文一文に疑問を持ち、それを解消するためにほかの本にあたるということを繰り返し、そうした読み方をしたために1冊読み切るのに何年もかかり、それだけで終わってしまった、という事情です。
そのような天才には到底なれないことは承知の上で、ここで重要なのは、「どう -
Posted by ブクログ
「ポーランド人とは即ちポーランドだ。ポーランドとは即ちポーランド人だ。
この心のすべてが、いわばポーランドの文化の歴史だ。我々一人一人が感じ取り、考え、生み出そうとするとき、常に感じ取らせ、考えさせ、生み出させているのはポーランドだ。
このからだこそは。ポーランドの土が育んだパンが血となり肉となったものだ。十指の先端にまでその土の恵みを知らぬ箇所はない。」
優美で、神経質なまでに繊細、決して相手を傷つけることのない紳士的なショパンの胸の内にある、ポーランド人としての誇り、ポーランドへの熱い思いが伝わります。
「我々の心に訴えるものは、技量というよりも精神であり、技術というよりも人間である」 -
Posted by ブクログ
すごく面白かった!平野啓一郎先生の本はこの本が初めて。オーディオブックで完聴。
自分が死んだあとに生き返る(復生)するという有り得ない設定ながら、登場人物の動きや分人主義という考え方や先が気になって読み進めるのが止まらなかった。
自分が自殺したあとに蘇ったら、自分の夫が蘇ったら、などと空想しながら読み進めたが、自分の立場と重ねて、夫の自殺という乗り越えるのが難しい壁をやっと乗り越えたところで夫が蘇えったら、嬉しい反面、この3年間は何だったんだろうと考えてしまうだろう。
途中出てくる佐伯という男の気味の悪さは印象的ではあるが、同意できる部分もあった。
命の価値って、重さって、何なんだろう。
自分