平野啓一郎のレビュー一覧
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匿名
購入済み読む価値有り!!
最近読んだ中で上位に入る作品でした。
続きが気になりすぐに読み終えました。
楽しい秋の夜長を過ごせました。
また、作者さんの他の作品にも興味がわきました。
是非、読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
素晴らしい本だった。数十年来の考え方がガラッと変わった。
現在、日本人の8割が死刑制度継続を支持しており、年に数件執行されている。死刑制度が無い国が多数派を占めるなか、日本で依然として死刑が行われている文化的背景などが書かれてある。
本書を読むまで知らなかったのだが、死刑制度が無いことがEU(欧州連合)に加入する条件なのだそうだ。私が居住する国も死刑制度は何十年も前に廃止になっているが、その理由は冤罪が後を絶たないからということだった。
死刑制度が存続する理由は、被害者に対して責任を取る、自分がしたことに対して罰を受けるというものだ。こういう行動に対して、従来から日本では潔く良いこととされてきた。一方、被害者のケアや、犯罪が起こった背景の分析にはあまり力を入れてこなかった。死刑を執行することにより、その人物がいなかった(社会から抹消する)ことになる。
著者の平野啓一郎氏は、本当に優しい人なのだと感じた。著者と同様に、私も死刑を積極的に支持というよりは、被害者の心情を考えるとやむを得ないのではないか、というスタンスだった。「大切な人が殺されても許せるのか」と問われれば、許せないし、これは当然である。著者は小説家であるが法学部を卒業している。本書では彼が死刑について考えることや外国の例が理路整然と述べられている。私の知人2人も、この本を読んで死刑に対する考えが変わったと言っていた。ぜひ一読いただきたい一冊である。 -
Posted by ブクログ
知性、思想、お人柄において信頼という意味では間違いない大澤真幸さんと平野啓一郎さんの、2019年1月平城天皇退位宣言の直後、コロナ禍となった2020年8月そしてロシアによるウクライナ侵攻後の2022年4月に行われた対談をまとめたもの、
コロナ禍、ウクライナ侵攻という大きなパラダイムシフトととなるような危機、事態を目の当たりにし、大変冷静に語られている。帯には、鍛え上げられた施策と言葉で日本をバージョンアップする、と書かれているが、悪夢の安倍一強政権(アベスガ時代)の後岸田政権以降もマシになりどころか酷くなるばかりの中、なかなか現実にはバージョンアップは起こりそうにない。
大澤真幸さんは前書きで、今は、絡み合ういくつもの問題があり一つの問題の解決に集中できなくなっており、行動の前に考え抜くことが必要と書いているが(前述の日本における政権、政治勢力の、考え抜かなさ視野の狭さ状況を悪化させる早計浅薄な行動が止まらぬ中、、)なかなか日本バージョンアップの道は険しそうだ。
平野啓一郎さんが言う、相変わらずな日本人。日本列島に長く住んで文化的に均質な人たちというイメージからいまだ抜けられない人が多い、多様な人たちが存在して日本が成り立ってきたことを認められない人たち、だから多様な人、社会における共通認識の形成がないと。そのような想像力や世界観の欠如から、例えばいかに少子化を克服するかを浅薄に考える限り、労働力を集めるとかなにか条件付けて子どもを産ませるとかそんなことで労働力(外国人に共に暮らす社会を形成する仲間隣人として移住共生してもらうのではなく使い捨て労働力のイメージのまま。うわべだけの外国人研修制度の改変とか国際目線では全くありえない人権侵害レベルの難民法ならぬ入管法改悪とか。LGBT 差別禁止も夫婦別姓も行動として至極当たり前なのに法制化もしたくなければ現実に実施することもできない、マカ不思議な日本)どの問題を取ってもバージョンアップはなさそう。
歪んだ歴史認識、あいまいな日本人という 同一性が幻想や一部の人の妄想ではなく支配的であること、多様性に移行できない政治それにより教育や自由な考えが歪められ相対的にも絶対的にも世界から取り残されてきているだろうと思っているので、その感覚をしっかりとしたお二人の思想で裏打ち、増強していただけた。そしてさらに悲観を強めてしまうのだが。
平野さんの文人主義、個人の中に複数性を抱えながらいきることは不可欠ということが通底している。
日本を日本たらしめる天皇制直結の元号という区分による時代感覚、集団的記憶もさまざまに語られていて新しく知ることも多かった。
お二人が多岐にわたり本を引き合いに出して語られるので、ブックガイドとしても有用であり刺激的。
三島由紀夫、ベンヤミン、ブルシットジョブのグレーバー、斉藤幸平、ベルクソン、谷崎潤一郎、ジャレッドダイアモンド、ベネディクトアンダーソン
(想像な共同体)など。膨大なおふたりの知をお裾分けいただきたくさんのヒントと、なんとも言えない心地悪さ(悲観)をいただいた。あとがきで、平野啓一郎さんは、
未来予測はどうしても時間的になりがちだが私が大沢さんとエッチしているのは半シニシズムであり自己批判なきナルシシズムおよび「現実主義」を偽装した「現場追認主義」への批判であること、とし、それぞれにあるべき未来の理想について語りその選択の仕方を考えたと、書いている。
未来の理想など提示されないこの国で、未来の理想を考えること諦めないこと知恵を求め使うこと。理想は思索の糧となり理想は現実を追求する。
良書。落ち着いて考えていく。
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回もかなり盛りだくさんでした。
✔︎ショパンのピアノ論(リストとの比較)
✔︎ショパンの演奏会
→表現が秀逸過ぎて音色が聞こえるようだった
✔︎人々のショパンの演奏会の感想(技術面に特化した)に対してのドラクロワの反発
→分析よりも驚嘆が先に来るはずだというドラクロワの芸術論。「知識の増加が感性の摩耗を招くというのは、どうした不幸な現象だろう?」
✔︎フォルジェ男爵夫人の恋心と葛藤
→会えない寂しさと、会うことによって生じる寂しさ
✔︎ドラクロワの天才としての葛藤、それをヴィヨに言えなくなってしまった気まずさ
✔︎ショパンの事故
→死への恐怖よりもピアノが弾けなくなる恐怖の方が大きい
✔︎ドラクロワの花の模写
→「個々の事物を意味の交わりに於て眺めるのではなく、その色の関係に於てのみ観ることに彼は強い安堵と心地好さとを感じた。」 -
購入済み
気になる
いくつか無料試し読みを読ませていただきましたが、最も続きが気になりました。
映画も上映中で、読んでから見るか、見てから読むか悩ましいところです。
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ネタバレ 購入済み
とてもいい作品
最近読んだ中で1番良い作品で、1番表現しにくい作品。
最後に幸せがそこにあって、本当のことを言うべきなのかすら悩んだのではないか、その事で3回目の自殺だったのではないか...。
想像できる限りの当事者の心情を慮ったが、正解はわからない。
生きるとは誰しも難しいのだと、そこに立場や出自は関係なく皆悩みながらそれぞれ懸命に生きているのだと思った。
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Posted by ブクログ
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなってはどうだろうなんて底意地悪く読んでみたんだけど、けっこう的を射たこと言ってたんだなという印象。
当時にしてどっぷりウェブ社会にハマっている梅田さんと、ちょっと懐疑的に見ている平野さんの対話が面白い。平野さんのほうがだいぶ頭カタいなあという印象。自分もどっちかというと、(いまでもなお)平野さん寄りだけどその自分ですらそう思う。
でもそれって、ウェブ社会のとらえ方しだいなんだなとも思った。あくまでもポジティブに楽観的に先を見てウェブ社会の台頭を歓迎する梅田さん。平野さんが懐疑を呈しても、その切り返しになるほどそうかも、と思わせてしまうものがある。なかなかの論客のはずの平野さんがちょっと形無しな感じ。それって、従来の枠を軽く凌駕してしまう……具体的にいえば、平野さんが誰であろうと忖度せず発言する梅田さんのような……ウェブ社会の人たちならではといえるとも思う。
みんなの良心で世のなかを変えていかなければ的に述べる平野さんと、自分の楽なほう、したいほうへ向かっていけばいいという梅田さんも一見対象的。でも、ポジティブに楽観的に考えれば、みんながそれぞれの望む方向へ進んだ先がみんなにとって居心地のいい世界になる可能性もわりとありそう。つまり、ウェブ社会って根底に悪意がない世界とみなすべきってことかなと思った。
ウェブ的な世界って敬遠傾向にあるんだけど、見方が変わったというか、ウェブ的な世界をポジティブに見る視点を知った。スター・ウォーズ信奉者の集まりだってこととかね。