平野啓一郎のレビュー一覧
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めっちゃ面白かった。
私という「個人」は対人関係ごとのいくつかの「分人」によって構成されているという考え方がめっちゃ斬新!
でも共感できるし、そういう風に考えたらかなり気持ち楽になる〜!と思えて、既に超好きな考え方になった。
家族 友人 同僚…とか相手によって見せる顔って確かに違うけど、キャラを演じている感覚はなく、相手に応じて自然と切り替わる感覚で、その色々な顔のうちどれかが「本当の私」「ウソの私」ではなく、全部 本当の私なんだけどな〜というモヤモヤが一気に解消された。だって、私は分人の集合体だから!
人という「個人」って板チョコみたいにパキッて分けられないけど、この考え方のおかけで、自 -
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2025年1月ごろに読んだ本なので、
思い返しながら感想を書きます。
まず読み始めて思ったのは、
「私の頭では難しい本かも」でした。
でも、高校生の青春恋愛キラキラじゃなく、
大人の恋愛を知りたいという好奇心からどうにか読み進めて見ることを心に決めてなんとか完読しました。
完読した後、余韻がすごく、ついつい映画のサントラを聴いたりモデルとなったクラシックギターの人の演奏を聴いたりしてしまいました笑
たった3回しか会っていないのに、
運命の人とは歯車がばっちり合うような
会話や温度感になるのが
今の私にはまだわからない感情で、
これからそんな人に出会えるのかなと将来に夢を抱きました。
こ -
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この本に、大学生の時に出逢えてよかった。
平野啓一郎さんの本はこの作品が初読みで、最初は慣れない文体や語彙の難解さに幾度となく躓いた。現代文学とは思えない格式高い日本語の美しさに久々?いや、初めてかな?というくらいに浸らせていただいた。
また、著者の教養が幅広いことに終始驚いた。世界情勢、歴史、宗教、言語、医療、音楽、哲学。。。時折図鑑や新書を読んでいるような気分だった。
三谷早苗さんが洋子さんに打ち明けたシーンが終わり、洋子さんが一人で号泣したというシーンで私も号泣した。
洋子おおおおおおおおおお、毅然としていて、芯が強くて、思いやりがあって、優しい。誰がなんといおうと、優しいよ、洋子! -
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「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
未来は過去を変える。この小説のなかで、あまり象徴的で印象深い言葉だった。逡巡と悔恨の狭間で無情なすれ違いが時計の針を進めていくが、理知的な二人の運命を変えていったのはそこから逸出した情動だったのだろう。
幸福とは何かを考えさせられる物語だった。分人が自分らしさの多様性を示すのであれば、幸福の複数性もまた、一つひとつそれは確かなものであろう。早苗のように、時には懺悔が生み出す不幸もある。「 -
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衝撃的なストーリー
哲学的であり、心理学的であり
その都度納得の内容にため息が出る
ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている
ただ、切ない
分人という考えにも納得ではあるが
すべてひっくるめてのその人で
自分でも考えれば
何個の分人を抱えているか数えきれない
なんともせつない
生き返った意味があったから
生き返ってやることがあったから
生き返ってきたのだろうか
そうでなければ
危険人物も蘇ってしまうわけで‥
閻魔様の悪戯なのか
だとしてもせつない
璃久ちゃんのどんぶらっこは
はたして父を運んできたのか
これからの父への暗示なのか?
今もどこかでこんなことが
おこっているのではないかと -
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ネタバレ読書好きになってすぐのころに読み始めたが、表現が難しくて挫折。
もう一度ゆっくりでいいから読んでみようと重い腰をあげ、時間をかけて読んだ。本当に読んでよかったと思えた。
難しい表現を自分なりに解釈しながら読み進めることが楽しかった。
未来は過去を変えられる。
わたし自身、過去の自分の行いを思い出して苦しむことがよくあるので、過去の捉え方を変えて思い出す記憶を全部幸せな記憶にできたらいいな〜、なんて。難しいけれど、この考えのおかげで少し前向きになれたような。
中盤からのイライラは半端なかった。感情移入しやすいタチなので、ハァ!?この2人を悲しませないで!?と叫び、せっかく順調に読み進めていた -
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ネタバレゴッホのついての学びを深めたかった時に、ゴッホの表紙が気になり購読。
「分人」という新しい哲学に触れ、自分の中でも腑に落ちる点があったので、新たな視点として咀嚼していきたい。
分人は、相手毎に生じる自分の分身がいるという思想で、自分という根本は変わらないが、相手が恋人なのか友達か、嫌いな人かによって異なる分人がいるということである。
自殺についての解釈は、自身にいる嫌な分人を「消したい」という感情から生まれ、分人を理解していない人にとっては、嫌な自分を「殺す」しか手段がなく自殺するということに納得がいった。
嫌な分人と向き合うには、「見守る」と本書ではアドバイスしていたが、私の意見では「受け入