平野啓一郎のレビュー一覧

  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    初めて恋愛の小説をちゃんと読めた
    正直、三谷が憎くて苦しかった。過ちと同じ分何かを失えばいいのにと思ってしまう自分もいた。
    でも蒔野との間の子供だったりいろんなことを考えたとき、それはバッドエンドだよなって。
    二人が再会できてよかった。
    二人の今後が展開されると思っていたから終わり方にもびっくりした。

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    2026年08月03日
  • 死刑について

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    ネタバレ

    死刑制度がある日本に生まれて犯罪の程度で死刑になることがあるというのが当たり前だったので、恥ずかしながら死刑制度の是非について考えたことがなかったが、『ある男』で死刑制度についての記述があり詳しく知りたいと思い読んだ。
    死刑制度存置派も廃止派もどちらも読みやすい内容だったと思う。
    著者が、殺人事件の被害者に焦点を当てて遺族に共感しながら物語を書く中で、死刑制度に対する感情が変わったというのが興味深かった。

    ・自分の死が恐いということと、相手の死がどうだったのかということは、交換可能ではありません。
    ・根本的な問題が解決されていない以上、〜〜〜 これは行政や立法の不作為と言ってもよいでしょう。

    『母という呪縛、娘という牢獄』を思い出した。社会福祉が機能していないという感想を持ったが、本書でも行政の問題として記述されている。
    社会的な要因が影響するものに対して、自己責任論で個人のみの責任として死刑にするだけで問題が解決するのか、というのは死刑制度だけに言えることではなく社会に生きる人間として常に持っておきたい考えだ。

    また、なぜ死刑が支持され続けるのかの章で「日本の人権教育が失敗している」という視点の記述があったが、この考えは他の本でも見たことのあるもので、人権に対する認識を感情に依るものにしてしまうことの危うさは深く共感できた。

    ただやはり実際に人を殺した人間が出所すると近くに住んだり関わったりすることは恐ろしいし避けたいというのが個人の感情で、どのくらいの期間収監されるかなど刑罰の重さ・更生のための取り組みは重要になると思う。
    日本において死刑制度を廃止することになれば、刑罰の見直しは必要不可欠だろう。
    死刑制度が廃止されている他国の刑罰についての本も読んでみたい。

    少ないページ数でも、とても学びのある1冊だった。

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    2026年07月31日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    就活時代、落ち続けるたび、自分のすべてを否定された気持ちになり病むことが多かった。でもこの本を読んで、否定されたのは自分全体ではなく、ほんの少数の「対・就活の分人」だけだったんだと気づけた。
    また、就活以降自分のアイデンティティについて考えがちになって、相手によって色んな顔を持つ自分に「一貫性がない」と悩んでたけど、複数の「分人」があるのは当たり前で社会を生きていくには必要なことなんだと学んだ。
    自分を肯定できるようになる一冊

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    2026年07月31日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    薄々感覚として理解していたものの、どこか受け入れられず追い求め続けてしまう「本当の自分」なるもの。その幻想を完全に破壊し、生きるということの本来の仕組み、各人とのコミュニケーションにおけるそれぞれの自分という存在の是非を受け入れて実践に繋げることのできる哲学的名著
    自分というものの芯を見つけられず中々苦労していた最中、読後から人生が変わるかもしれないような衝撃と納得感、感動さえ覚える論でした
    唯一、愛についての記述には少し疑問も持ちました。しかしながらこれほどの満足感を覚えた本も久しいです。おすすめの一冊です

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    2026年07月29日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    自分らしさとは何かと悩んでいる人にはぜひ一度読んでもらいたい!

    こんな考え方があるのか、、と目から鱗。そして読み終えた時に世界が違って見える。

    私自身、すぐに他人に影響されて染まりやすいことが嫌だったり
    人によって全然自分のイメージが違かったりして

    確固たる自分なんて存在しないのか?それは自分に限った話なのか?とモヤモヤ悩むことが多かったから。

    常に自分を貫いて確立してる人って格好良く見えるけれど、そう言う人であっても他人の影響を受けながら自分というものが形成されていて、それは過去形ではなく、現在進行形であり、他人の影響を受け続けながら今後も自分らしさというものは変わっていくんだということ。
    また、変わっていくことは自然なことで、変わりたくないのであれば自分なりにコントロールしていくことも可能だということ。

    そのことがすごく自分を楽にしてくれたし、人間関係は意外とシンプルなんだなって思えた。

    これからも繰り返し読んでいきたい1冊。

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    2026年07月24日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ずっと読みたくてやっと完読。運命的な出会いってあるもんだなぁと感じると共に、大切な人と良い関係性を築いていくためには自分自身が癒やされている必要があって、相手との相性も大切だけど、人生のどのタイミングで出会うかの方が大切なのかなぁと感じた。

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    2026年07月18日
  • 小説の読み方

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    前著のスローリーディングを読んで、ゆっくり読んでいいんだと安堵したことを思い出しつつ読んだ。 冒頭の読む時の視点については、今後読む際に意識したいと思う。作品を読む中で、この著者の作家人生の中でどういう位置付けなのか、という読み方などは考えたことがなかった。 各作品の分析はわかりやすく、普段読む際も細部まで楽しんで読みたいと思った。

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    2026年07月14日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    恋愛小説ではあるけれど、主人公2人の激動の人生の一部を覗かせてもらった気持ち。
    生きてさえいれば、未来を変えることができるだけでなく、過去でさえ変えることもできる。

    あと、自分が知らない難しい言葉や言い回しや当時の世界情勢がたくさん出てきて自分の無知さも知ることができた。過去と地続きの今を生きている1人の人間として、過去のこと色々知っておきたいと思った。

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    2026年07月10日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    比喩が認識のあり様と密接にくっついているのは当然ではあるのだが。分人は生きやすくしてくれるのだろうか?うーん。なんか引っかかるってる。

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    2026年07月05日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    これ読んでると、マジで自分の分人について深く考えるし、みんなの分人についても考えるし、私の好きなみんなの私に対する分人が、その人にとってかけがえのない好きといえる分人だといいなと思う。結局何のために生きてるか、なんのために生き返ってるか、命は尊いものとこ自殺はダメとかそんなことを言いたいんじゃなくて、自分の好きと思える自分を生きることとか、そこに他者をうまく介入させなきゃいけないとか、どんなふうに生きたら良いのかなってことを深く考えさせられる。

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    2026年06月28日
  • 本心

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    一番心に残った言葉は「もう十分」。自分も孤独感に襲われた時、口にしていたかもしれないのでどきっとした。未来に期待することをあきらめた言葉ではないか。それを家族が聞いたら悲しむにちがいないと気付かされた。もし近くにいる人からその言葉を聞いたら、その人がその言葉を口にする原因を社会の中に探したい。そして私にもできることがあれば社会を変える活動に参加したい。

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    2026年06月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    2人が出逢ったのはたった3回だけなのに、人生で最も愛した人として、それぞれの男女の心に深く刻まれていく。しかし、相手を思いやるあまりに別々の道を選択してしまう2人。そこには、若さあふれる恋愛とは、ひと味もふた味も違う大人の恋愛の深さがある。

    一度は離れてしまった男女がまた巡り逢えたのは、魂の部分で通じ合うものがあり、それぞれに自分の人生を真摯に生きていたからこそ。神様から2人へのプレゼントのように感られる、最高のラストシーンだ。

    (2019.10.1 ノートに書いた感想です。)

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    2026年06月26日
  • マチネの終わりに

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    なんてドラマチックな大人のラブストーリー!今までで1番の恋愛小説だった。イラク戦争、PTSD、金融市場、音楽業界、広げ過ぎというくらい複雑な設定を丁寧に点と点を結んでいく、深くて緻密なプロットが凄まじい。平野さんからは世界がこんな風に見えてるのか。本物の教養ってこれか、、、。文章は抽象的な形容詞をわかりやすく使って描写されていて、読みやすいのに圧倒された。
    一階の奥の席に座る洋子に幸福の硬貨を贈る場面、大泣き。これは泣くなと言われても無理!!!
    心がぴったり合う、運命的な出会い憧れるなぁ。現実は違うにしても、物語で追体験できるならこれ程幸せなことはない。平野さんありがとう。 そして洋子が終始素敵すぎる。賢くて温かくて、内面から溢れ出るセンスを身に纏うようなこんな女性になりたい、、、。余韻に1ヶ月くらい浸った。最高の読書体験をありがとうございます。

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    2026年06月25日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    ネタバレ

    死んだ人が生き返る、あるはずないのにもしかしたらあるのかもしれないと思わせてくれるような作品。平野さんの分人思考がよく伝わる。何も判明しないまま下巻へ。本当に自殺?悪いのは誰?鳩を殺してたのは?奥さんが隠してることって?本当に生き返ってるの?回収楽しみ~~

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    2026年06月21日
  • 決壊(上)

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    平野啓一郎氏の方が好きなので、いろいろ読んでみようと思い、流れで手に取った。
    読んだ後、しばらく気分が重かった。続きが気になるので、どんどん読み進めたくなる面もあるし、内容も難解だし、グロテスクな表現もあるし読むのがしんどかったと言う両面もある。
    傑作である事は間違いないけれど、うまく言葉で表現できない。消化しきれてはいないかもしれない。また読むかもしれない。

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    2026年06月04日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    自分の核なんてものは無くて、
    分人の集合体に過ぎないとすると、
    核がだめなら何をやってもだめだ、とはならず
    いくつかある分人の一つが、良くない状況を
    作っていただけなんだと思える。
    これからいくらでも修正できるんだと。

    いじめや虐待の過去があっても、
    分人の考え方があれば
    「自分は嫌われやすい人間だから‥」とか、
    「この人は暴力を振るわないだろうか‥」と
    思わずにいられる。
    自分も過去の経験から、自分なんてと思うことが
    あるけど、現在の分人の比率は
    当時のそれとは変わっているんだと知れば
    少しは安心できるかもしれない。

    数年にわたる変化に限らず、一日単位でみても
    会社にいる自分、家にいる自分、
    自分が心地よい方の分人を足場にすることを
    大事にしたい。自分の全部は好きになれなくても
    どれか一つでも好きになれる分人があれば
    まずは良いんじゃない、と思えた。

    同時に、他人もまた複数の分人の集合体であり、
    自分が接することができるのは
    その中の一面にすぎないということになる。
    自分にとっては嫌な人でも、周りの人には
    そうでないこともたくさんある。そのとき、
    周りの人へ向けた分人まで批判はできない。
    自分が口出しできるのは、
    自分に向けられた分人だけ。確かに、納得。

    「私たちは隣人の成功を喜ぶべき。
    なぜなら、分人を通じて私たち自身が
    その成功に与っているから。
    隣人の失敗には優しく手を差し伸べるべき。
    なぜなら、分人を通じてその失敗は
    私たち自身にも由来するものだから。」
    この思考は、とても好きだと思った。
    お互いに影響し合っているのなら、
    綺麗事じゃなく、それもそうだな、と腑に落ちた。
    無理なく人に優しくできたり、
    寛容になれたりできる考え方だなと。

    引きこもりは「消したい分人」を消滅させる行為。
    出家は社会的分人を消し、
    宗教的分人のみで生きるためのもの。
    コスプレはフィクションの世界との分人化。
    独裁政権時は統治がしやすいように
    分人化の監視、禁書・焚書が行われてきた。
    ストックホルム症候群は、
    犯人との分人の肥大化によって起こるもの。
    など、一つひとつの例がとても分かりやすいし、
    こんなに色んなことに説明がつくのか!と
    面白く読めた。

    日常の色んな場面で使える考え方だろうから
    平野さんの作品に限らずこれから本を読むとき、
    「分人」という視点を取り入れてみるのは
    面白そうだなと思った。


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    2026年09月07日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    誰かといるときの分人が好き、は必ず1度他者を経由している。
    自分を愛するためには、他者の存在が不可欠だ。
    あなたと一緒にいると、すごく好きな自分(分人)でいられる。
    その好きな自分をこれからの人生でできるだけ沢山生きたい。
    だからあなたがいてくれないと困ると思った。
    ⇔
    愛とは、相手の存在があなた自身を愛させてくれること。
    その人と一緒にいる時の分人が好き。
    もっとその分人を生きたい。
    自分と互いにかけがえのない存在になり、お互いに愛しているとアピールしなくても互いの存在その物が一緒に居続ける理由になる。

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    2026年05月31日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」という映画の「出会う男すべて狂わせるガール」がこの分人主義なのではないかという考察と繋げて読むとより面白かった。
    この本に出会ってから一つ見方が増えた

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    2026年06月10日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    もっと広まっていいと思える考え方。少し生きやすくなる言葉が多々あった。この人の本をもう少し読んでみようと思う。

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    2026年05月27日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    名作、、、平野さんの本はどれも示唆に富んでいて考えさせられるけど、中でも一番好きかも。
    どの瞬間か分からないけどどこかで消失してしまうと分かってからの日常の輝きたるや、、最後の湖のほとりのピクニックは本当に何気ない一瞬なのに儚くて美しくてぼろぼろと泣いてしまった。公園の「イカ」も、何気ないけど楽しい日常の1シーンとして良い象徴だった。
    千佳の「秘密」のこともすっかり忘れていたけど、一緒に実家に帰って徹生が千佳のことを「善い人」だと説いたシーンもとても印象的で泣いてしまった。このあとも一緒に生きていけたらいいのにね、残された千佳がまた実家に帰れる未来はあんまり想像できなかったな。分人主義の考え方も含め、自殺遺族の救いの書になり得るテーマだった。

    ラデックとの会話は深くて、でも穏やかな時間で何度も読み返したくなる魅力がある。

    「アダムとエヴァを追い出したあと寂しくなる神様」の詩
    「誰も、人間の苦悩する権利を否定することは出来ません。それは、残酷なことです。我々はいつでも、癒しを与えることを急ぎすぎ、自分の住んでいる世界を憎悪から守るのに必死で、他者の苦悩を尊重することを忘れがちです。」
    「苦悩を否定された人間は、悲劇的な方法で、それを証明するように追い詰められます。多くの場合、我々は、決して否定できない深刻な事態が生じてから、初めて彼の苦労を知るのです。」
    「生きることに肯定的な人間も、否定的な人間も、同じこの世界を生き、同じ人間としての生を生きています。世界を愚弄され、人生を貶められれば、生きようとする人間は、当然、反発します。自分を守るためです。私たちは無価値な世界で、無価値な生を生きているなどということには到底耐えられません。それは恐ろしいことです。」

    →本当に、だから生きることに否定的な人間は孤独なんだなあと思った。生きることに否定的だから死ぬんじゃなくて、否定的であることが許されないから死ぬって選択になることもあるよなあと思った。

    「死は傲慢に人生を染める」
    自分の人生を彩るための様々なインク壺で丹念にいろんな色を入れて重ねていく。たまたま最後に倒してしまったインク壺の色が全部を一色に染めてしまう。

    →死に方で判断するのは違う。違うんだけど死ぬ瞬間はセンセーショナルで、その先のその人の話は新たに紡がれなくなって、周りの人の頭の中で想起されるのは常に「過去」
    そして最も最近の過去が死ぬ瞬間だから(上巻の冒頭に繋がるが)、死に方でどうしても判断してしまうのだろうな。

    文人主義の考え方、「誰かといるときの自分を愛す、その分人を足場に生きていけばいい。」というの刺さったなあ。

    「心の誤訳」ラデックが説明した、伊勢物語の時代は現代の「自殺したい」という感情を「出家したい」と訳したのだろう、という考え面白いな。社会的な文人を消すことで命まで失わずに済む。この考えが自殺者を救う気がするな。

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    2026年05月30日