平野啓一郎のレビュー一覧

  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    めっちゃ面白かった。
    私という「個人」は対人関係ごとのいくつかの「分人」によって構成されているという考え方がめっちゃ斬新!
    でも共感できるし、そういう風に考えたらかなり気持ち楽になる〜!と思えて、既に超好きな考え方になった。

    家族 友人 同僚…とか相手によって見せる顔って確かに違うけど、キャラを演じている感覚はなく、相手に応じて自然と切り替わる感覚で、その色々な顔のうちどれかが「本当の私」「ウソの私」ではなく、全部 本当の私なんだけどな〜というモヤモヤが一気に解消された。だって、私は分人の集合体だから!

    人という「個人」って板チョコみたいにパキッて分けられないけど、この考え方のおかけで、自

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    2025年08月31日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    ★★★★★大人の読み物。難しい漢字と熟語の乱舞。わからなさ過ぎて開き直ったくらいから物語に引き込まれる。蒔野と洋子のすれ違いにその度にハラハラされられ、その後の時の流れが痛々しい。離婚後のケンの親権については複雑な気分。ニューヨークで演奏中の蒔野のギターと溢れさせてしまった愛はもう止めようがなかった。眩しくて美しい再会に乾杯。残された早苗とゆきについてはご想像にお任せしますか。救われることを願ってやまない。

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    2025年08月30日
  • ある男

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    ネタバレ

    本人自身が犯罪を犯したわけでもないのにレッテルを貼られてその人の善良さなんか全く見てもらえない、そういう不寛容さはどうしてなんだろう

    弟と父親を亡くしたけど自力で創作することによって自分自身を救った息子さんの悠人くんとすぐに日韓友好のためのデモ行進に行った美涼さんの輝きがすごかった

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    2025年08月27日
  • 小説の読み方

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    言葉を商売道具にしている人が紡ぐ言葉の奥深くまで感受できたら楽しいだろうな。

    今の時代に逆行するようで、だからこそこの重要性を認識させられる。

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    2025年08月24日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    思わず読み入った。
    すれ違いこそあるが、純粋にお互いを思い、恋焦がれている2人を読みながら、一喜一憂して読み進められた。
    綺麗な物語でした。

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    2025年08月19日
  • マチネの終わりに

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    平野啓一郎さんの手による恋愛小説。
    フーガの技法のように、惹かれ合う男女の距離が縮まって離れて、双方に裏切りがあったりする話。
    エンターテイメントとしても極上。

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    2025年08月09日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    この人はえげつないものを書くなーと毎回思わされる。小説であり哲学書でもあるような。

    同著の『私とは何か』を読んだことがあったから文人主義の理解は容易かったけど、この概念を復生者のレンズでみるって言うのはほんとに面白い。

    なんかまたすごい本に出会ってしまったなぁ。
    しばらくは余韻に浸ろう。

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    2025年08月09日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    とても長く、ひとりひとりの思考、感情に重きを置いて写し出される大人の恋愛小説。
    たった3回会っただけで運命の人だと感じることができるくらい、言葉遣い、表情、所作、考え方が合う。その描き方が心に沁み入るように繊細かつ大胆。
    「1番に好きな人とは結婚できない」なんて簡単な言葉では片付けられない。ずっと読み終わりたくない、至高の読書体験でした。

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    2025年08月03日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    1冊に人生の重要部分が入ってて
    どきどきしたー(・*・♡⃜)スマートオブ賢い
    知的なのにユーモアある人だあいすき

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    2025年07月30日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    2025年1月ごろに読んだ本なので、
    思い返しながら感想を書きます。

    まず読み始めて思ったのは、
    「私の頭では難しい本かも」でした。
    でも、高校生の青春恋愛キラキラじゃなく、
    大人の恋愛を知りたいという好奇心からどうにか読み進めて見ることを心に決めてなんとか完読しました。

    完読した後、余韻がすごく、ついつい映画のサントラを聴いたりモデルとなったクラシックギターの人の演奏を聴いたりしてしまいました笑

    たった3回しか会っていないのに、
    運命の人とは歯車がばっちり合うような
    会話や温度感になるのが
    今の私にはまだわからない感情で、
    これからそんな人に出会えるのかなと将来に夢を抱きました。

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    2025年07月27日
  • マチネの終わりに

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    本当に愛する相手と一緒にいたい、というテーマが私にとって切実だったのでとてものめり込んで読んだ。

    独白のめんどくさい思考回路が私は好きだった。

    わかりあえる相手となんでも話せるっていう状況にときめいた。

    天才ギタリストとか天才映画監督の賢くて美しい娘とか、設定がおとぎ話的なのに、突っ込むのを忘れて、2人の再会を願ってしまった!

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    2025年07月24日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    物語の半分をちょうど過ぎたところ、まさにマチネから、物語は大きく動きだし、一気読みしてしまうほど引き込まれた。

    愛とは何なのかを考えさせられ、大切な人がいることは当たり前ではなく、感謝しなければならないと思った。

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    2025年07月19日
  • マチネの終わりに

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    この本に、大学生の時に出逢えてよかった。

    平野啓一郎さんの本はこの作品が初読みで、最初は慣れない文体や語彙の難解さに幾度となく躓いた。現代文学とは思えない格式高い日本語の美しさに久々?いや、初めてかな?というくらいに浸らせていただいた。
    また、著者の教養が幅広いことに終始驚いた。世界情勢、歴史、宗教、言語、医療、音楽、哲学。。。時折図鑑や新書を読んでいるような気分だった。

    三谷早苗さんが洋子さんに打ち明けたシーンが終わり、洋子さんが一人で号泣したというシーンで私も号泣した。
    洋子おおおおおおおおおお、毅然としていて、芯が強くて、思いやりがあって、優しい。誰がなんといおうと、優しいよ、洋子!

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    2025年07月14日
  • 三島由紀夫論

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    著者畢生の三島論である。とにかく長いが、文芸誌から文芸批評の新人賞が消えた現代にもうこういう文芸批評は世に出ないかもしれない。結局、三島は通俗的な人間で、軍国主義、ルッキズム、エイジズムを逃れられない面白味のない人間だったかもしれない。しかし、かんたんに断罪することなく、著者がこれだけていねいになぜ三島はこうだったのかを説明していく誠実さには感銘を受けずにはいられなかった。

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    2025年07月14日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」

    未来は過去を変える。この小説のなかで、あまり象徴的で印象深い言葉だった。逡巡と悔恨の狭間で無情なすれ違いが時計の針を進めていくが、理知的な二人の運命を変えていったのはそこから逸出した情動だったのだろう。

    幸福とは何かを考えさせられる物語だった。分人が自分らしさの多様性を示すのであれば、幸福の複数性もまた、一つひとつそれは確かなものであろう。早苗のように、時には懺悔が生み出す不幸もある。「

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    2025年07月12日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    衝撃的なストーリー
    哲学的であり、心理学的であり
    その都度納得の内容にため息が出る
    ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている
    ただ、切ない

    分人という考えにも納得ではあるが
    すべてひっくるめてのその人で
    自分でも考えれば
    何個の分人を抱えているか数えきれない
    なんともせつない

    生き返った意味があったから
    生き返ってやることがあったから
    生き返ってきたのだろうか
    そうでなければ
    危険人物も蘇ってしまうわけで‥
    閻魔様の悪戯なのか
    だとしてもせつない

    璃久ちゃんのどんぶらっこは
    はたして父を運んできたのか
    これからの父への暗示なのか?
    今もどこかでこんなことが
    おこっているのではないかと

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    2025年07月06日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    芸術や文学の引用を多用しながら複数のテーマを描いていて少し取っ掛かりにくい部分はあるものの、2人の大人がそれぞれの人生を生きる中で得る何事にも代え難い深い愛と、それに関連して起こる出来事の中で生じる葛藤など、それぞれの内面が深いところまで丁寧に表現されていて、読む手が止まりませんでした。
    若者の恋愛を描いたものとはまた違う、40歳を手前に出会った2人だからこその物語に、ただただ素晴らしいという感想しか出てきません。

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    2025年07月05日
  • 空白を満たしなさい(上)

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    以前ドラマで見て
    気になって買っておいた本
    やっと手に取る
    ドラマの内容は肝心なところは記憶にない
    なんて頭なのでしょうか?
    情けない!
    がしかしまた味わえるのは嬉しいかな

    平野啓一郎さんらしい文章で
    手に汗握る展開に一気に入り込んでいく
    はたして彼は自殺か?他殺か?
    それとも?
    生き返る意味は?
    謎ばかり
    誰もが秘密を抱えていそうで
    誰も信用できなくなってくる
    下巻に突入です!

    表紙のゴッホの絵は何かを語っているのだろうか
    惹きつけられる

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    2025年07月05日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    ネタバレ

    読書好きになってすぐのころに読み始めたが、表現が難しくて挫折。
    もう一度ゆっくりでいいから読んでみようと重い腰をあげ、時間をかけて読んだ。本当に読んでよかったと思えた。
    難しい表現を自分なりに解釈しながら読み進めることが楽しかった。

    未来は過去を変えられる。
    わたし自身、過去の自分の行いを思い出して苦しむことがよくあるので、過去の捉え方を変えて思い出す記憶を全部幸せな記憶にできたらいいな〜、なんて。難しいけれど、この考えのおかげで少し前向きになれたような。

    中盤からのイライラは半端なかった。感情移入しやすいタチなので、ハァ!?この2人を悲しませないで!?と叫び、せっかく順調に読み進めていた

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    2025年06月29日
  • 空白を満たしなさい(下)

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    ネタバレ

    ゴッホのついての学びを深めたかった時に、ゴッホの表紙が気になり購読。
    「分人」という新しい哲学に触れ、自分の中でも腑に落ちる点があったので、新たな視点として咀嚼していきたい。
    分人は、相手毎に生じる自分の分身がいるという思想で、自分という根本は変わらないが、相手が恋人なのか友達か、嫌いな人かによって異なる分人がいるということである。
    自殺についての解釈は、自身にいる嫌な分人を「消したい」という感情から生まれ、分人を理解していない人にとっては、嫌な自分を「殺す」しか手段がなく自殺するということに納得がいった。
    嫌な分人と向き合うには、「見守る」と本書ではアドバイスしていたが、私の意見では「受け入

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    2025年06月29日