平野啓一郎のレビュー一覧

  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初めて恋愛の小説をちゃんと読めた
    正直、三谷が憎くて苦しかった。過ちと同じ分何かを失えばいいのにと思ってしまう自分もいた。
    でも蒔野との間の子供だったりいろんなことを考えたとき、それはバッドエンドだよなって。
    二人が再会できてよかった。
    二人の今後が展開されると思っていたから終わり方にもびっくりした。

    0
    2026年08月03日
  • 死刑について

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    死刑制度がある日本に生まれて犯罪の程度で死刑になることがあるというのが当たり前だったので、恥ずかしながら死刑制度の是非について考えたことがなかったが、『ある男』で死刑制度についての記述があり詳しく知りたいと思い読んだ。
    死刑制度存置派も廃止派もどちらも読みやすい内容だったと思う。
    著者が、殺人事件の被害者に焦点を当てて遺族に共感しながら物語を書く中で、死刑制度に対する感情が変わったというのが興味深かった。

    ・自分の死が恐いということと、相手の死がどうだったのかということは、交換可能ではありません。
    ・根本的な問題が解決されていない以上、〜〜〜 これは行政や立法の不作為と言ってもよいでしょう。

    0
    2026年07月31日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

    Posted by ブクログ

    就活時代、落ち続けるたび、自分のすべてを否定された気持ちになり病むことが多かった。でもこの本を読んで、否定されたのは自分全体ではなく、ほんの少数の「対・就活の分人」だけだったんだと気づけた。
    また、就活以降自分のアイデンティティについて考えがちになって、相手によって色んな顔を持つ自分に「一貫性がない」と悩んでたけど、複数の「分人」があるのは当たり前で社会を生きていくには必要なことなんだと学んだ。
    自分を肯定できるようになる一冊

    0
    2026年07月31日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    めっちゃ面白かった!
    戸籍を人と交換して生きるなんてできるの?って感じだけど、この作品に出てくる人たちはそうでもしないと生きていけない辛さを抱えてる。
    ただ事件の真相を明かすミステリーなんじゃなくて、弁護士で在日3世の城戸が、この事件を調査しながら自分のアイデンティティや生活、夫婦関係についていろいろ悩んだり想いを巡らせたりする様子が描写されているのが面白さを増幅させていた。

    0
    2026年07月30日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

    Posted by ブクログ

    薄々感覚として理解していたものの、どこか受け入れられず追い求め続けてしまう「本当の自分」なるもの。その幻想を完全に破壊し、生きるということの本来の仕組み、各人とのコミュニケーションにおけるそれぞれの自分という存在の是非を受け入れて実践に繋げることのできる哲学的名著
    自分というものの芯を見つけられず中々苦労していた最中、読後から人生が変わるかもしれないような衝撃と納得感、感動さえ覚える論でした
    唯一、愛についての記述には少し疑問も持ちました。しかしながらこれほどの満足感を覚えた本も久しいです。おすすめの一冊です

    0
    2026年07月29日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

    Posted by ブクログ

    自分らしさとは何かと悩んでいる人にはぜひ一度読んでもらいたい!

    こんな考え方があるのか、、と目から鱗。そして読み終えた時に世界が違って見える。

    私自身、すぐに他人に影響されて染まりやすいことが嫌だったり
    人によって全然自分のイメージが違かったりして

    確固たる自分なんて存在しないのか?それは自分に限った話なのか?とモヤモヤ悩むことが多かったから。

    常に自分を貫いて確立してる人って格好良く見えるけれど、そう言う人であっても他人の影響を受けながら自分というものが形成されていて、それは過去形ではなく、現在進行形であり、他人の影響を受け続けながら今後も自分らしさというものは変わっていくんだという

    0
    2026年07月24日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    私の読書傾向からAIがおすすめしてくれた。
    ストーリーも面白いが、終始投げかけられる「自分とは何か」という問いを自身でも考えながら読書するという充実した時間を過ごせた。

    0
    2026年07月24日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ずっと読みたくてやっと完読。運命的な出会いってあるもんだなぁと感じると共に、大切な人と良い関係性を築いていくためには自分自身が癒やされている必要があって、相手との相性も大切だけど、人生のどのタイミングで出会うかの方が大切なのかなぁと感じた。

    0
    2026年07月18日
  • ある男

    Posted by ブクログ

    すごく読みごたえのある作品でした。
    どんどん話に引き込まれて途中でやめられないミステリー要素もあり、出自や自己について、過去について人を愛することについて、根本から深く深く考えさせられました。

    悠人が真実と向き合い、立ち直る術を自分自身で見出していく兆し、その描き方に涙しました。
    1冊の本を通じて、その人をより理解できるという感覚、私が積極的に本を読み始めたきっかけもそんな感じだったな…なんてふと思いました。

    考えさせられるテーマも数多く散りばめられていました。在日韓国人や複雑な出自をもつ子供が成長していく中で、その性格を決めるものが環境か遺伝か…そういった排他的な二項対立論で物を考えるべ

    0
    2026年07月17日
  • 小説の読み方

    Posted by ブクログ

    前著のスローリーディングを読んで、ゆっくり読んでいいんだと安堵したことを思い出しつつ読んだ。 冒頭の読む時の視点については、今後読む際に意識したいと思う。作品を読む中で、この著者の作家人生の中でどういう位置付けなのか、という読み方などは考えたことがなかった。 各作品の分析はわかりやすく、普段読む際も細部まで楽しんで読みたいと思った。

    0
    2026年07月14日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    恋愛小説ではあるけれど、主人公2人の激動の人生の一部を覗かせてもらった気持ち。
    生きてさえいれば、未来を変えることができるだけでなく、過去でさえ変えることもできる。

    あと、自分が知らない難しい言葉や言い回しや当時の世界情勢がたくさん出てきて自分の無知さも知ることができた。過去と地続きの今を生きている1人の人間として、過去のこと色々知っておきたいと思った。

    0
    2026年07月10日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

    Posted by ブクログ

    比喩が認識のあり様と密接にくっついているのは当然ではあるのだが。分人は生きやすくしてくれるのだろうか?うーん。なんか引っかかるってる。

    0
    2026年07月05日
  • 空白を満たしなさい(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これ読んでると、マジで自分の分人について深く考えるし、みんなの分人についても考えるし、私の好きなみんなの私に対する分人が、その人にとってかけがえのない好きといえる分人だといいなと思う。結局何のために生きてるか、なんのために生き返ってるか、命は尊いものとこ自殺はダメとかそんなことを言いたいんじゃなくて、自分の好きと思える自分を生きることとか、そこに他者をうまく介入させなきゃいけないとか、どんなふうに生きたら良いのかなってことを深く考えさせられる。

    0
    2026年06月28日
  • 本心

    Posted by ブクログ

    一番心に残った言葉は「もう十分」。自分も孤独感に襲われた時、口にしていたかもしれないのでどきっとした。未来に期待することをあきらめた言葉ではないか。それを家族が聞いたら悲しむにちがいないと気付かされた。もし近くにいる人からその言葉を聞いたら、その人がその言葉を口にする原因を社会の中に探したい。そして私にもできることがあれば社会を変える活動に参加したい。

    1
    2026年06月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    2人が出逢ったのはたった3回だけなのに、人生で最も愛した人として、それぞれの男女の心に深く刻まれていく。しかし、相手を思いやるあまりに別々の道を選択してしまう2人。そこには、若さあふれる恋愛とは、ひと味もふた味も違う大人の恋愛の深さがある。

    一度は離れてしまった男女がまた巡り逢えたのは、魂の部分で通じ合うものがあり、それぞれに自分の人生を真摯に生きていたからこそ。神様から2人へのプレゼントのように感られる、最高のラストシーンだ。

    (2019.10.1 ノートに書いた感想です。)

    0
    2026年06月26日
  • マチネの終わりに

    Posted by ブクログ

    なんてドラマチックな大人のラブストーリー!今までで1番の恋愛小説だった。イラク戦争、PTSD、金融市場、音楽業界、広げ過ぎというくらい複雑な設定を丁寧に点と点を結んでいく、深くて緻密なプロットが凄まじい。平野さんからは世界がこんな風に見えてるのか。本物の教養ってこれか、、、。文章は抽象的な形容詞をわかりやすく使って描写されていて、読みやすいのに圧倒された。
    一階の奥の席に座る洋子に幸福の硬貨を贈る場面、大泣き。これは泣くなと言われても無理!!!
    心がぴったり合う、運命的な出会い憧れるなぁ。現実は違うにしても、物語で追体験できるならこれ程幸せなことはない。平野さんありがとう。 そして洋子が終始素

    0
    2026年06月25日
  • 空白を満たしなさい(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    死んだ人が生き返る、あるはずないのにもしかしたらあるのかもしれないと思わせてくれるような作品。平野さんの分人思考がよく伝わる。何も判明しないまま下巻へ。本当に自殺?悪いのは誰?鳩を殺してたのは?奥さんが隠してることって?本当に生き返ってるの?回収楽しみ~~

    0
    2026年06月21日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    『ある男』『私とは何か』を読んでようやく平野啓一郎さんの代表作『マチネの終わりに』を読むことができた。私はこの作品の放つ美しさと哀しさに心を動かされた一方で、うまく感想がまとまらないままでいる。だけど、あえて書いてみようと思う。

    平野啓一郎さんの作品はいつだって表面的ではない、人間自身について考えたくなるような本質を問うてきて、深く心が掴まれる。そしてその圧倒的な知性に敬意を感じている。そんな平野作品を読む時間は私にとってすごく特別で、好きな時間だと再認識した。

    小峰洋子と蒔野聡史からは、愛を超えたような深い魂からのつながりを感じた。お互いがお互いで安らぎを得るのは。そしてお互いでしか得ら

    0
    2026年06月17日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    普段恋愛小説はあまり読まないが、なんとなく題名に惹かれて手に取った。この本は心が揺さぶられる大人の切ない物語だった。
    蒔野と洋子が会う予定だった日、二人はほんの小さなすれ違いが重なって、更に早苗が洋子に送った別れを告げる偽メールによって一緒に歩むはずの二人の道が分たれてしまった。
    この時、蒔野も洋子も精神的にダメージを負っていたために、相手のことを想い、また自分が傷つかない方向に進んでいったのだと思う。
    早苗は大変なことをした、との自覚がありながらも自分の行為を自分の中で正当化していく。
    早苗には全く共感はできないが、自分の間違いをなんとか正当化しようとする心理は多少は理解できる。
    蒔野と洋子

    0
    2026年06月11日
  • マチネの終わりに(文庫版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    映画鑑賞時も馬に蹴られろ!と心底思っていたのだが、原作を読んだことでより詳細に深く彼女の心情や思想がわかった今でも、やはりわたしは三谷早苗という人物が嫌いだ。
    仕組んだ事そのものより、2人が許すしかなくなる要因を得た後に全て自白しているあたり、本当にタチが悪い(意図していないなら余計に)。せめて墓場まで持っていく気概は見せてくれよと思ってしまう。
    それはそうとして、「過去の意味合いは変えられる」という主題をニューヨークでの再会をもってして表現し締め括るストーリー構成がとても良いし、平野さんが綴る物語には心揺さぶられるなぁと改めて感じた。
    映画サウンドトラックは作中でキーとなっているクラシックギ

    0
    2026年06月11日