平野啓一郎のレビュー一覧

  • マチネの終わりに(文庫版)
    2024.2.21
    高校ぶりに読み返した

    運命論を描いていると思うが、もう少し単純であれば、薪野と洋子がそれぞれの苦悩を相手に預けられれば、2人が結ばれる世界線は守られたのではないかと思う。

    でも、この小説で何度も唱えられる、「過去の記憶は変えられる」がお守りにもなるし、悲劇における幸福をしっか...続きを読む
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    ◾️内容
    人間の単位を「個人」から「分人」へ
    「本当の自分」つまり自我が一つであると言う幻想は捨てよ
    対人関係においてさまざまに変わる自分を「分人」とし、複数の分人の構成比率で私を成立させていると考える

    ◾️自分なりの解釈
    そうするといいことがたくさんある
    ・「あの人、裏では〇〇してて、本当は変な...続きを読む
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    以前、平野啓一郎さんの提唱する分人という考え方を使った話を聞いたことがあって、ずっと気になっている本でした。ようやく読めた!

    この個人を唯一のものとしない、分人の集まりと考えると、色んな自分がいるということに納得がいき、色んな自分がいることに安心できる。

    言葉一つ、考え方一つで、こんなに気がラク...続きを読む
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    平野啓一郎氏が提唱する分人主義という思想は、対人関係において「本当の自分」に悩まされてきた私たちの心を軽くしてくれる考え方である。本書を通して、その相手と一緒にいる時の自分(分人)が好きになれるような人間関係をたくさん築いていきたいと思えるようになった。
  • ある男
    愛とは
    人の何を愛しているのか

    遺伝と環境

    真面目に生きてたらいいことがあるって信じていたい

    映画やっぱり行きたい
  • マチネの終わりに(文庫版)
    あまりにも切なくてあまりにも美しい、

    物語が大きく変わった第六章での三谷の行動。
    一読者としても軽蔑したし大きな憤りを感じたけど、痛いほどに三谷の気持ちもわかる。
    あれだけ日々蒔野に寄り添い尽くしてきて、そして恋愛感情まで抱いていたら、その愛情の中には強い執着も混ざっていたのではないか。
    三谷があ...続きを読む
  • ドーン
    中盤まではなかなか読み進めるのがヘビーなのだが、登場人物たちが苦悩を自分自身の「分人」と結びつけて乗り越えようとしていく過程が読み応えがあり、特に主人公の明日人のそれの危うさを孕みつつ一種の誠実さと真摯さを手放さない感じが良かった。
  • ある男
    展開に驚かされる箇所がいくつかあったが、最後に読み終わった後に冒頭を読み直し、その部分の伏線の意味も分かりさらに大きな衝撃をうけた。読んだ後は興奮が冷めず、この本がどれだけすごいか家族に語ってしまった。
    途中で出てくるセリフや心情描写も心にぐっとくるものがあった。
    人生の中でも心に残る数冊のうちのひ...続きを読む
  • マチネの終わりに(文庫版)
    大人になるからこそ現実との折衝で動き出せない言葉にできない気持ちがあるんだろうなあ。
    些細な気持ちの変動を読者に読み取らせる言葉選びが繊細すぎる一札
  • ある男
    亡くなった夫が実は別人で、その真相を弁護士が調べるお話


    以下、公式のあらすじ
    -----------------------
    愛したはずの夫は、まったくの別人であった。
    「マチネの終わりに」から2年。
    平野啓一郎の新たなる代表作!
    弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」について...続きを読む
  • 本心
    【ネタバレ注意】
    物語としては現実を受け入れられない主人公→新しい出会いによる過去を乗り越えていく→自分の道へという起承転結がはっきりした物語。

    この本を読んですごく感じたことは2つ。ひとつ目は、人にはどんなことごあっても隠したいことが1つはあること。2つ目は“死の一瞬前”に誰と一緒にいたいか。哲...続きを読む
  • 本心
    最愛の母をVRで再現する場面から始まり、「もう十分」と語り自由死を望んだ母の本心を解明していく。冒頭はバーチャルフィギュアという、今後ありえるかもしれない未来を想像させられたが、それよりも、生と死の背景にある格差社会という大きな存在が、そう遠くない未来でも付きまとってるというのは、考えさせられる節が...続きを読む
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ
    他人の喜びは共に喜ぶべき、他人の苦しみには優しさで寄り添うべき。なぜなら自分の前で起こる他人の感情は自分への見せる分人の結果であるから。他人の感情の半分は自分という存在によってできているから

    これは主語を一つに。の考え方に似てると思った

    感情の起伏に共感する。ことが好きだし、それがどんな人でも潜...続きを読む
  • ある男
    ミステリ要素だけでなくて、戸籍や在日差別に関するアウトローな話、ギリシャ神話や愛について多元的に描かれていて、読み応えがありました。
    最後の2行でウルッときて、良い読後感でした。
    読んでる最中は誰が誰になって、何がどうなってるのか分からず、数ページ戻って読んだり、序文にまで戻ってみたりと忙しい内容で...続きを読む
  • マチネの終わりに(文庫版)
    いい意味というわけではないが、思わず叫びたくなるシーンがあった。面白いかどうかは置いておいて、初めての経験だったので星5
  • 葬送 第二部(下)
    「人生は大きな不協和音だ」

    これを20代で書ききった作者に感銘を覚えました。
    こんな描き物をされている最中、作者はすごい濃密な空間にいたんだろうなと、想像すると畏怖を覚えました。

    人は死ぬ、という事をこの2部ではずっと突き付けられた時間になりました。

    死が身の回りから現代的に忌避されている中、...続きを読む
  • 本心
    格差が広がる2040年代の日本
    「僕」は、突然の母の死に失意しVF(ヴァーチャル・フィギュア)を作成することに。
    生前、母は「もう十分」という言葉で自ら死を選ぶ「自由死」を望んでいた。
    最愛の母が、自由死を望んだ理由は何なのか?

    文章の1行1行が「僕」の心を丁寧に描いていく。
    閉塞感に満ちた世界で...続きを読む
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)
    速読が推奨されていることをよく見かけるのもあり、読むのが遅いことが悪いことかと思っていました。
    紹介されているスローリーディングのテクニックをすぐに習得することは難しいが、本を自分のペースで楽しんでいこうと前向きになれました。
  • マチネの終わりに(文庫版)
    最高でした。読み進めていくたびに充足感に浸れる本でした。世界観、人物、ストーリーどれもが素敵で、他の小説には得難い雰囲気を感じました。5年おきに再読したいと思える物語で、いろんな人に勧めたいです。
  • マチネの終わりに(文庫版)
    2023.12.17
    半日費やした
    なんでメールなんか不確実なもので気持ちを判断しちゃうの、会って確かめてってよ〜って気持ちになった
    もどかしかったなでもまた読みたい