平野啓一郎のレビュー一覧

  • 文明の憂鬱

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    平野啓一郎は、文体が好き。スコーンと頭に入ってくる。エッセイとなるとなおさら。所謂「文明論」ではないけれど、現代社会への平野氏なりの切り口が面白い。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(下)

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    愈々ショパンの容態が悪化。友人たちが見守る中、ただ一人パリを離れるドラクロワ。ショパンと彼を取り巻く友人たちの痛々しげな様子よりも、やはりドラクロワの苦悩の描写に惹かれました。何か奇想天外な展開がある訳でもないのに文章の巧さだけで4冊読ませる技術が凄い。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(上)

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    冒頭から始まる、ショパンの演奏会の描写で一気に引き込まれました。文字から音楽が聞こえてくるような。その演奏を是非とも聞いてみたいと思いました。あぁ、あの当時に録音技術があれば。他には、ドラクロワの語る「芸術とは」「才能とは」が印象的でした。著者の考えを一番代弁しているのが彼なのかな、と思います。

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    2009年10月04日
  • 文明の憂鬱

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    最新の技術や社会問題、著者のこれまでの経験などを
    私のような凡人にもわかりやすく、的確に表現されています。
    現在の世界に対して持つ、「ちょっと変じゃない?」という感情をしっかりと理論立てて説明してくれている、という感じです。

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    2009年10月04日
  • ウェブ人間論

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    ウェブ進化論を読んだ方にはおすすめ。対談自体がそれを読んでいることを前提にしているので、読んでいないとちょっとつらいか。
    梅田氏よりも平野氏の方がネットをよりポジティブに見ている点が意外というか世代的なものを見た気がする。
    個人的には本質的にネットは身体で言う神経系でしかないので社会に対する影響力は大きいけれども、その範囲にとどまっていくのだと思う。個人にとっても知覚を多いに拡張してくれるものとなるが、それだけで何かが実行できるわけではない。ネットを含めたICTはやはり後ろに控えた日陰役なんだ。

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    2009年10月07日
  • 葬送 第一部(上)

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    ショパンとドラクロワの交流を描いた作品、、、と一言では言い尽くせない内容。
    ドラクロワの芸術観にはものすごく共感を抱けます。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(下)

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    死が色濃くこの最終章を彩ってた。死について、そして生きるということについて、いろいろと考えさせられた。考えるという意味では、いろいろなことを考えさせられた。例えば、芸術について、愛について、恋について、愛の表現について、革命、政治、名誉、音楽、絵画、仕事、死ぬこと、生きること、友情、生きるということは喜びか、悲しみか、そういう意味では、さくっと読める作品ではないし、ある程度の時間を取って、ゆっくりじっくり読みたい作品だった。ここにもし、キリスト教やもしくは他の宗教的なスパイスが加わったら、どうなるんだろうと少し思った。それにしても、相当に質の高い本でした。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(上)

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    あのショパンやドラクロワが喋ってる、というだけで嬉しかったです。文章はやはりきれいですね。「日蝕」よりは読みやすい。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(上)

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    この人は、文章で絵を描き、文章で音楽を奏でるすごい人です。特に第2部の始めで展開される、ショパンの演奏会の描写。繊細、大胆、優雅、華やか、小心、独創、芸術、思わず、ショパンの生演奏を聴きたくなった。あの難しい曲を作曲した人が、生で演奏するわけなんだから、それはそれは感動的な代物になるのだろうと思う。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(下)

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    第一部(上)は、深い思索がとても哲学的で、時に難解さをも感じたけれども、(下)の途中からは一転、昼ドラ的などろどろとした人間模様が描写されていて、それはそれでおもしろかった。ドラクロワやショパン、ジョルジュ=サンドの感じている憂鬱は、現代の若者の抱えているそれにも通じるような気がしたが、これは、ドラクロワらが現代にも通じるような同じような悩みを抱えて当時を生きていたということを表しているのか、それとも著者である平野氏自身が感じている現代社会の若者の悩みを、ドラクロワ、ショパン、サンド夫人を通して語らせているのか、ちょっとした倒錯感があって、それがまたおもしろかった。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(上)

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    文庫なら…!と思って買ったのに、やっぱり積ん読になってしまった。。。
    精神的に余裕がないと読むのは辛いかもしれない。好きなのに、なかなか読んでいけないのはジレンマ。
    でもダメダメなショパンはちょっと分かった。

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    2009年10月04日
  • 高瀬川

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    清水
    人の生死の一部始終は、清水の水滴が落ちるその一瞬なのかもしれない。滴り落ちる水滴の音は希死念慮だったのか…。

    高瀬川
    官能的な時間は、その後の出来事や明かされる過去によって、こうも印象が変わってしまうのか、と感じた。一度読んで感じた気持ちはもう戻ってこないと思い知らされます。

    追憶
    「複雑なことを複雑に考えている人にとっての追憶とはこうなのか?」と思う新たな読者体験。
    伝えたい内容の難解さを前に、言葉の定義を自分は果たしてしっかりと理解できているだろうかと自問させられた。

    氷塊
    氷は2人にとって何を意味していたのだろう。溶けることは…
    描かれなかった物語の背景ー氷山の下では、氷に触

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    2025年12月07日
  • 本の読み方 スロー・リーディングの実践(PHP文庫)

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    読むの遅いのがずっとコンプレックスだったけど、ゆっくりじっくり読んで、着実に自分の中に生かしていく読み方もありだと思った。能動的に読もうと思う

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    2025年12月06日
  • マチネの終わりに

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    ネタバレ

    何度読んでも2人が結ばれなかったのが惜しく感じてしまいます( ᐪ ᐪ ) 後半にかけて止まらなくなる。かっこいい洋子さんが大好き

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    2025年12月02日
  • ある男

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    最後の方は人がたくさん出てきてややこしかったけど笑、全体的にすごくよくできていて、いろいろな伏線も回収していた。関係なさそうな変身物語の話とかも話に実は関係していたところがよかったなぁ。

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    2025年11月30日
  • ある男

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    実写化の方を先に視聴。
    改めて原作を読んで振り返り。

    労働事故で亡くなった夫の素性を調べながら
    社会で起きている色々な問題が描かれています。
    差別、家族、死刑制度、ちょっとした恋慕。
    何というか、いい意味で"人間臭さ"がキャラクター達に
    出ていて、共感は出来ない所もあったが
    考え方とか見れて楽しく読めました。

    過去を書き換える事は出来ないからね。
    読んでいて"世知辛い"なと思いました。
    騙したくはないけど、自分を偽らないといけない。
    忘れたくても、背負ってしまう辛い過去。

    行きついた答えが"戸籍"だったのかもね。。

    人間は過去

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    2025年11月29日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    いろいろな「分人」は私にはあまりない。
    いつでも大体同じ。八方美人。
    ただ、その時に所属する組織によって立ち位置は違う。
    違和感を感じる場合と、自分を全力発揮できる場合がある。

    著者と違って、自分が普通すぎることが私は嫌だった。
    特に何も飛び出たところがなく、特別な人が羨ましいと今でも感じる。
    みんないろんな悩みや思いがあるんだなと思った。

    友人知人の私といる時以外の分人も知りたい!

    誰と一緒にいる時の自分が好きか?
    これを考えることで自己分析に繋がりそう。

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    2025年11月29日
  • 文学は何の役に立つのか?

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    「役にたつ」ではなく「価値がある」と言い換えたい。

    絵画については知識がなさすぎて言っている内容が理解できなかった。

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    2025年11月27日
  • マチネの終わりに(文庫版)

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    中盤まで回りくどく感じる描写に耐えていると、「何でそんなことするの?」ということが起きてからグっと2人が近しく感じてきて、ラストまで一気に読んでました。会えない時間が愛を育てるのですね。

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    2025年11月27日
  • ある男

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    『ある男』を読んで、私は二つの楽しみ方を味わった。

    第一の楽しみは、物語そのものの魅力だ。
    この作品は、登場人物の複雑な心理を精緻に描き出し、読者を深く物語へと引き込んでいく。里枝の再婚相手・谷口大佑が仕事中の事故で突然命を落としたことをきっかけに、彼が“谷口大佑として生きていた別人”であることが明らかになる。真実を求める里枝は、弁護士・城戸に依頼し、「夫はいったい誰だったのか」という謎に迫っていく。
    その過程で浮かび上がる人間模様は、ときに痛ましく、ときに深く考えさせられ、ただのミステリーにとどまらない重層的な読書体験をもたらしてくれた。

    第二の楽しみは、時系列を読み解く面白さだった。

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    2025年11月25日