平野啓一郎のレビュー一覧

  • 葬送 第二部(下)

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     ついにショパンが逝ってしまう。第一部の冒頭がいきなりショパンの葬儀なわけだから分かりきったことなのだけど、死のシーンの喪失感は本当にすごい。第一部から長く長く続くこの小説を読み続けた人は、きっとこの感覚が分かると思う。ショパンが死んだという実感がすごく湧いてくる。
     「創作とは最も死に近づく行為」であるとしても、その行為によって芸術家自身が幸せになれるようなものであってほしい。

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    2009年11月19日
  • 葬送 第二部(上)

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     2部は革命が絡んでくる。それから、ショパンの死期を早めたといわれるイギリス行。前々からスターリング嬢というヤツはバカじゃないかと思ってたけど、なるほどそういうわけだったのか……。空気読めないっぷりが痛々しい。
     全てにおいて丹念な描写なのに無駄がないのがすごい。ショパンのリサイタルのシーンは圧巻の描写力。音楽が文章になっている!?!?

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    2009年11月19日
  • 葬送 第一部(下)

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     ドラクロワが作者の思索を請け負いつつ、ショパン側では人間模様が激しく入り乱れ、面白くなってきます。クレザンジェはイヤなヤツだけどなかなかの策士っぷり。むしろ私はサンド夫人のほうが腹立った。

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    2009年11月01日
  • 文明の憂鬱

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    平野啓一郎は、文体が好き。スコーンと頭に入ってくる。エッセイとなるとなおさら。所謂「文明論」ではないけれど、現代社会への平野氏なりの切り口が面白い。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(下)

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    愈々ショパンの容態が悪化。友人たちが見守る中、ただ一人パリを離れるドラクロワ。ショパンと彼を取り巻く友人たちの痛々しげな様子よりも、やはりドラクロワの苦悩の描写に惹かれました。何か奇想天外な展開がある訳でもないのに文章の巧さだけで4冊読ませる技術が凄い。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(上)

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    冒頭から始まる、ショパンの演奏会の描写で一気に引き込まれました。文字から音楽が聞こえてくるような。その演奏を是非とも聞いてみたいと思いました。あぁ、あの当時に録音技術があれば。他には、ドラクロワの語る「芸術とは」「才能とは」が印象的でした。著者の考えを一番代弁しているのが彼なのかな、と思います。

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    2009年10月04日
  • 文明の憂鬱

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    最新の技術や社会問題、著者のこれまでの経験などを
    私のような凡人にもわかりやすく、的確に表現されています。
    現在の世界に対して持つ、「ちょっと変じゃない?」という感情をしっかりと理論立てて説明してくれている、という感じです。

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    2009年10月04日
  • ウェブ人間論

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    ウェブ進化論を読んだ方にはおすすめ。対談自体がそれを読んでいることを前提にしているので、読んでいないとちょっとつらいか。
    梅田氏よりも平野氏の方がネットをよりポジティブに見ている点が意外というか世代的なものを見た気がする。
    個人的には本質的にネットは身体で言う神経系でしかないので社会に対する影響力は大きいけれども、その範囲にとどまっていくのだと思う。個人にとっても知覚を多いに拡張してくれるものとなるが、それだけで何かが実行できるわけではない。ネットを含めたICTはやはり後ろに控えた日陰役なんだ。

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    2009年10月07日
  • 葬送 第一部(上)

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    ショパンとドラクロワの交流を描いた作品、、、と一言では言い尽くせない内容。
    ドラクロワの芸術観にはものすごく共感を抱けます。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(下)

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    死が色濃くこの最終章を彩ってた。死について、そして生きるということについて、いろいろと考えさせられた。考えるという意味では、いろいろなことを考えさせられた。例えば、芸術について、愛について、恋について、愛の表現について、革命、政治、名誉、音楽、絵画、仕事、死ぬこと、生きること、友情、生きるということは喜びか、悲しみか、そういう意味では、さくっと読める作品ではないし、ある程度の時間を取って、ゆっくりじっくり読みたい作品だった。ここにもし、キリスト教やもしくは他の宗教的なスパイスが加わったら、どうなるんだろうと少し思った。それにしても、相当に質の高い本でした。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(上)

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    あのショパンやドラクロワが喋ってる、というだけで嬉しかったです。文章はやはりきれいですね。「日蝕」よりは読みやすい。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第二部(上)

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    この人は、文章で絵を描き、文章で音楽を奏でるすごい人です。特に第2部の始めで展開される、ショパンの演奏会の描写。繊細、大胆、優雅、華やか、小心、独創、芸術、思わず、ショパンの生演奏を聴きたくなった。あの難しい曲を作曲した人が、生で演奏するわけなんだから、それはそれは感動的な代物になるのだろうと思う。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(下)

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    第一部(上)は、深い思索がとても哲学的で、時に難解さをも感じたけれども、(下)の途中からは一転、昼ドラ的などろどろとした人間模様が描写されていて、それはそれでおもしろかった。ドラクロワやショパン、ジョルジュ=サンドの感じている憂鬱は、現代の若者の抱えているそれにも通じるような気がしたが、これは、ドラクロワらが現代にも通じるような同じような悩みを抱えて当時を生きていたということを表しているのか、それとも著者である平野氏自身が感じている現代社会の若者の悩みを、ドラクロワ、ショパン、サンド夫人を通して語らせているのか、ちょっとした倒錯感があって、それがまたおもしろかった。

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    2009年10月04日
  • 葬送 第一部(上)

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    文庫なら…!と思って買ったのに、やっぱり積ん読になってしまった。。。
    精神的に余裕がないと読むのは辛いかもしれない。好きなのに、なかなか読んでいけないのはジレンマ。
    でもダメダメなショパンはちょっと分かった。

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    2009年10月04日
  • マチネの終わりに

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    すれ違いと運命

    面白かった。未来が変わることで過去が変わる。過去も変えることができる。

    抜粋
    「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
    洋子は、長い黒い髪を首の辺りで押さえながら、何度も頷いて話を聴いていた。
    「今のこの瞬間も例外じゃないのね。未来から振り返れば、それくらい繊細で、感じやすいもの。
    ....・生きていく上で、どうなのかしらね、でも、その考えは?少し怖い気もする。楽しい夜だから。いつまでもこのままであればいいのに。

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    2026年05月03日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    私自身、属するコミュニティによって無意識にキャラクターが変わることは、以前から自覚していた。
    ただ、その変化のなかで「他者の存在」をそこまで意識したことはなかった。ここでいう分人とは、「相手との反復的なコミュニケーションを通じて、自分の中に形成されていくパターンとしての人格」だという。

    個性とは分人の構成比率である。そう考えると、「自身の理想の個性を保つためには、付き合う人を選ぶことが重要だ」という考えが、腑に落ちた。

    特に印象に残ったのは、愛についての記述。愛する相手とは、その人に向き合うことで生まれる“自分の分人”を、好きでいさせてくれる存在なのだという。
    「一緒にいて楽しい人を選びな

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    2026年05月01日
  • ある男

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    戸籍を交換して新たに他人の人生を生きていたある男の話。

    法的にはよくないとされることではあるけれど、家庭環境や過去の人生から離れて新たな人として幸せを感じたいという心理からやっていること。

    そのある男と家族になった人たちにとっては、家族として幸せな時を過ごせたと思えている事実がある。その男にとっても幸せだったと思う!

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    2026年04月29日
  • ある男

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    人は時の流れによって、関わる人によって印象か変わる。正体を偽って生活を営んでいたある男を調査するにつれて、自分自身のルーツとも向き合う。人は過去によって現在の印象をいかようにでも解釈できるが、その中において愛とはなにかを問い続けている。

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    2026年04月26日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    分人とは、例えば学校の中のあなたと家庭内のあなたの人格、ネットの中全然違うよね。
    キャラとか人によってあなたは変容している。
    でも、顔はひとつしかない。
    個性だとか自分らしくとか言うけど、違うのが普通だし分人が多ければ多いほど、あなたと人との関係は柔らかくコミュニーションがとれている。
    嫌なことがあっても、それはその人と分人の自分が合わなかっただけで、自分は愛されなかった人間だと本質規定してしまってはならない。
    引きこもりなどの閉鎖的な環境は、過去の分人しか生きられないので苦しくなる。
    色んな人と出会い複数の分人がいるからこそ、幸せな自分に出会うことが出来る。
    分人のレベルで見ると、愛とはその

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    2026年04月26日
  • 私とは何か 「個人」から「分人」へ

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    日頃の対人での悩み事は、基本的には個人と分人の考え方を落とし込むことで解決すると感じた
    身近な人であればあるほど、どうしても相手をコントロールしたくなってしまうような瞬間があるけれど、『自分が口出しをして良いのは、自分の相手に対する分人と、相手の自分に対する分人だけだ』という文章に触れて、人と接するとはそういうことだと改めて感じた。
    自分自身とはなんだろう、という問いに対しても、全ての分人は自分であり、それらが合わさって自分を形成しているのだ、という内容についても、つい忙殺されると見落としがちな点だと感じた

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    2026年04月26日