ネタバレ
Posted by ブクログ
2016年01月03日
平野啓一郎のエッセイ集
社会論、思想論からエンターテインメント論まで、理論の納得感と博覧強記ぶりに感動しました。
以下、印象的だったところ
・教養は話題のデータベース。話題たりうるトピックが色々ある中でも、それを話題にすることでコミュニケーションが一段上等になるものが、教養だった(p.18)
・殺人...続きを読む事件には赦す本来の主体がいない(p.47)
・機能分化された社会では職業選択を自由化することが効率的。職業選択は義務でもある。自分のアイデンティティーに相応しい職業を選べと。自分とは何かを問うて人生の目的を考える必要が生じる(p.55)
・神秘主義・オカルティズムにおける病気治し。万人が否定しない価値、健康と幸福(p.59)
・松坂の60億円は"外貨"(p.84)
・原発と偽ソフィー問題。原発問題に関しては、ハイデッガーと逆のことを言わなければならない。すなわち、人は千年後、万年後にも生きているかのように考えなければならない(p.137)
・全体意志と一般意思。前者は特殊意志の集合(p.147)
・キャプ翼のロベルト本郷(p.158)
・PAシステムはヒトラーの演説のためにナチスが開発したとされるが、ロックコンサートはそれを言わば民主化した(p.185)
・人間は、穏やかなコミュニケーションの中では「人当たりのいい自分」をプレゼンしようとするが、危機的な状況に陥ってイライラさせられると、本音を言おうとする(p.293)
面白かったです。