森見登美彦のレビュー一覧

  • 四畳半王国見聞録

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    東山にある男子たちが住まう一部屋四畳半の「法然院ハイツ」では、夏でも汗だくでキムチ鍋をつつく貧乏男子学生が住んでいた。ある人物は向かいのマンションに住む三浦さんと浅からぬ仲となり、女性と縁のないものは山を縦走し、実体を生み出す空想数学の式に熱中する。そんな魑魅魍魎の集まった四畳半の部屋とその周辺で生まれる短編集。

    前作なのか全前作なのか、名作『四畳半神話大系』の続編だろうと読みかけたが、のっけから過去の文学のパロディらしきひとり語り、2本目でひとり語りのひねりが来るのかと思いきや全く別のスタイルで、登場人物の名前が出てこない。次には奥歯のギザギザが連なる山になりその山での出来事という、音楽ビ

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    2024年01月13日
  • きつねのはなし

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    京都を舞台にしたホラー短編集。森見登美彦氏としては珍しい一冊。ドタバタのコメディ感は全くなく、独特の空気感や湿度を感じる。ホラーといっても、パワー系のコワい!とかジワジワ系とかではなく、嫌な怖さですね。嫌らしさなホラー。

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    2024年01月02日
  • きつねのはなし

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    最上級のもやもや。おそらくこのふわふわした感覚が正しい受けとり方なんだろうけれど、メモをとりながら再読したい。そうしたとて、もっとわからなく気はする笑 そもそも解読できるものではないだろうな。
    好き嫌いは分かれると思う。読書初心者にはまずオススメしない。私も得意なジャンルではないけれど、それにしても惹きつける力というのがすんごいな、森見さん。
    繋がっているようで、繋がっていないような不思議な世界。
    おかげさまでしばらく引きずったわ笑

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    2024年01月02日
  • きつねのはなし

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    オチがふんわりしてる
    話リンクしてそうだけど矛盾するとこもある気がするので別の世界線なのかも
    古道具屋っていいよね

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    2023年11月23日
  • きつねのはなし

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    ネタバレ

    湯浅正明監督「夜は短し歩けよ乙女」で触れたり、アンソロジーで数作読んだだけの森見作品を、初めて一冊通して読んだ。
    (「水神」は東雅夫・編「平成怪奇小説傑作集2」で既読。)
    で、どれもよかった。
    おそらく森見作品群の中では傍流なのではないかと思われる、怪奇幻想もの。
    凄惨な奇妙ともいうべき「きつねのはなし」、茫洋な語りそのものがうら恐ろしくなる「魔」。
    個人的に好みなのは創作の魔ともいえる「果実の中の龍」は、読んでいるこちらの腹がぎりぎりするようだった。
    全作、解かれる謎があるわけではない、謎放置の味わい。
    得体の知れなさこそが一番の恐怖だ。

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    2023年11月22日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    森見さん3作目。今回もやっぱり京都を舞台にくだらない。しかしそのくだらなさが良い。
    キャラクター達が本当に個性豊か。全員キャラが濃い(笑)。
    「僕は人間である前に怠け者です」
    小和田くんの決めセリフ。ある意味真理を得ている。
    日常生活を送る中で変な思考のドツボにハマることがあるが、そんなとき森見さん作品はそのくだらなさで救い出してくれる。いつもお世話になってます。

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    2023年11月21日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    ネタバレ

    森見ワールド全開!
    表題の走れメロスが一番好き。なるほどこれは新釈。キレイでスバラシイ友情なんて証明してやるもんかと京都中を逃げまくる主人公、原作とは真逆の関係のままお話がきれいにまとまっていてすてき。

    他の小説とも世界が繋がっているので森見さんが好きな人は好き、入り込めない人は入り込めないのかなと思ったりした。

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    2023年10月13日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    百人一首について語った小池昌代さんの解説が、僕の感性ととても一致しており、自分の感じたことを解析もしてくれた。

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    2023年10月09日
  • きつねのはなし

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    いつもの森見登美彦とは別人のような作風の、京都を舞台にしたホラー短編集
    ゾワゾワとした得体の知れない怖さがある。特に表題作に登場する旧家の男は夢に出てきそう
    だが一番怖いのは、前その表題作を読んだ時に僕が酷く熱を出したこと以外、作品の記憶がすっぽりなくなっていることだろう。

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    2023年10月05日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    祇園祭・宵山の京都で、オモチロイ不思議な旅を。
    森見登美彦ワールド全開の奇妙な冒険。

    森見登美彦氏の作品と言えば、私の中で「京都の大学生を主人公にした話」というイメージ。
    今回は登場人物ほぼ社会人。
    「ぽんぽこ仮面」を巡って、祇園祭・宵山の京都を舞台に森見ファンタジーが大暴れ!
    ちなみに『宵山万華鏡』や『有頂天家族』とも関連しそうな小ネタが仕込まれていますが、未読でも問題ないようです。
    忙しい現代にピッタリな怠け者と反怠け者たちの冒険。

    皆さん、たまには内なる怠け者の声にも従いましょう。
    さすればオモチロク素敵な一日が過ごせるやもしれません。

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    2023年09月26日
  • 宵山万華鏡

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    不思議な世界と仕掛けがしてあって面白いんだけど、森見登美彦に求めているのはこういうのではないという気持ちもある、
    同じようなものばかり書いてもしょうがない気持ちもわかるけれども笑

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    2023年09月20日
  • 宵山万華鏡

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    「宵山金魚」「宵山劇場」はいつも通りの荒唐無稽なバカバカしさで安心して読むことができたんだけど、宵山姉妹の話になるといつもと調子が違ってついつい深読みしようとしてしまいオイラが迷子になったみたいになってしまった。この際、京都に行ってホントに迷子になるのも面白そうだ。今度、京都に行くことがあったらきっと森見登美彦の小説をたどるだろうな。しかし、森見登美彦の物語の多くが京都を舞台にした奇想天外な話であるとわかっているのに飽きもしないで同じような物語を待ち望むオイラってなんなんだろう。

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    2023年09月16日
  • 宵山万華鏡

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    ネタバレ

    一章一章が40ページほどの短話集であり、集中力のない自分でもとても読みやすかった。全体の構成は桐島部活やめるってよのような一つの出来事について多面的な視点から眺める感じ。
    四畳半が大好きなので、無限ループネタがあったり小津のような乙川が出てきたりと既視感を感じつつも楽しめた。
    最後の宵山万華鏡はフィクション色が強くて上手く話についていけなかった感がある。大坊主とか舞妓とかは乙川たちの演出じゃなかったの?あれ?
    全体として宵山に関する知識、京都の地名に関する知識があればもう少しリアリティを持って読むことができたかもしれないと思った。

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    2023年09月14日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    可愛い表紙と登場人物の挿絵に誘われて読み始めました。
    神様が出てきたり、ファンタジーな部分もありつつ、主人公や周りの登場人物の性格からか、細い?が残りながらも、地に足のついた、日常の延長線のような冒険を楽しむ事ができました。

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    2023年08月14日
  • 宵山万華鏡

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    宵山を舞台とした不思議だったりちょっと怖さがあったり、阿呆な話。短編ですがすべて繋がっているので読み進めるとそれぞれの話の表と裏、側面などがわかっていくのが面白い。
    同著者の「きつねのはなし」のような感じでした。

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    2023年07月29日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

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    森見登美彦さんのエッセイは初めて読んだ。これを読んで小説の作風はキテレツだけど基本はしっかりしていて、頭が回るから書ける作品だと思った。500頁超える本で半分までは一気に読みあとは少しずつ読み進めた。エッセイとしても読みごたえがあり面白いし、森見さんが知れてよかった。

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    2023年05月13日
  • 四畳半王国見聞録

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    短編ストーリーが終盤徐々に繋がっていく感じ。
    四畳半メンバーとか、走れメロスメンバーとかチラホラと出てくるからキャラ知ってると尚面白いかも。

    大日本凡人會の話が、やはり1番面白いかな〜
    アホらしくて、笑

    最後の方は四畳半を見過ぎで、ゲシュタルト崩壊してくる、、

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    2023年05月12日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    ネタバレ

    ファンタジーSFといった感じの小説でした。大人びたアオヤマ君とペンギンを作り出したり出来る不思議な力を持ったお姉さんとのやりとりが、掴みどころがない様で、物事の本質を突いているような気もするけど、やっぱりよく分からなくて、不思議な気分になりました。日常を描いている中に非日常があるアンバランスさが、この物語の不思議さの基なのかも知れないと思いました。いつの日かアオヤマ君とお姉さんが再会出来る日が来るのか…いや、来てほしいと願います。

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    2025年12月21日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

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    本人も書いているように枕元に置いておくのに最適な1冊と言えよう。

    読んでいるとすぐに猛烈な睡魔に襲われる。そんな本である。

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    2023年04月07日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

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    太宰治を少し違った角度から焦点を合わせた作品。

    「黄村先生言行録」「満願」「女の決闘」「走れメロス」など

    30年ぶりに読んだ走れメロスは突っ込みどころが多かった。メロスは自分勝手極まりない、勝手に妹の結婚式の日取りを決めるし、走って帰る時もわざわざバーベキューかなんかしてるところを横切るし、王様はいい王様になった感じやけどそれま惨たらしいことしているのにとも思う。
    ただこの短さと時代設定になんとなくうやむやにされてしまう。
    つまり、恥ずかしいけど感動する。
    この作品はまたタイトル勝ちなところがある。
    倒置法的に動詞を前に持ってきて主人公の名前を持ってくるのは「桐島部活やめるってよ」くらいま

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    2023年03月27日