森見登美彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ結局この物語は「今ある自分の人生を生きてみろ」という話だったのではないかと思う。
「もっと別の選択をしていれば」「あのとき別の道を選んでいれば」と考えることは、いかにも前向きな反省のように見える。しかし、この小説で「私」が四畳半を無限にやり直していく姿を見ていると、可能性というものは、必ずしも人生を豊かにしてくれるわけではない、むしろ「まだ別の人生がある」と思い続けることで、目の前の人生を生きることから逃げられてしまう。
樋口師匠の「可能性を無限に使ってはいけない」という趣旨の言葉が、この小説の核心なのだと思う。
これは妙に逆説的で、だからこそ好きだ。普通なら「可能性は無限大だ。何にで -
Posted by ブクログ
森見登美彦さんの初期作品。なんだかご本人じゃないかな、と思えるような理屈っぽい小学生と、お姉さん、そしてハマモトさんというクラスの女性、ウチダくんという研究仲間。いじめてくるスズキ帝国の皇帝スズキとその仲間。ペンギンがたくさんいる、こんな変な事態からスタートする。実は、このペンギンはお姉さんがコカコーラのカンから作り出したものだ。小学校の時には、みなすごい想像力で、いろんなことを想像していた。切ないくらい悲しい事もあったけど、ケロッと忘れて冒険の旅に出る。友達と冒険する経験は、大人になる上で最も大事な事だったような気がする。本作は、子供がどんどん成長して大人になる、でもそれは勉強や本を読んで行
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Posted by ブクログ
読み終えたあと、不思議なことに物語の筋よりも、夜の空気だけが身体のどこかに残っていた。街は現実の京都でありながら、角をひとつ曲がるたびに別の世界へ滑り込んでしまう。その曖昧さが心地よい。
黒髪の乙女は自由に歩き続け、「先輩」はその背中を追いかける。その距離は近いようで遠く、遠いようで近い。人と人との関係というものは、結局そんなふうに少しだけ届かない場所にあるのかもしれない。
この物語を読んでいると、人生は最短距離で進む必要なんてないのだと思えてくる。少し遠回りをし、寄り道を重ね、思いがけない誰かと出会う。その積み重ねが、いつの間にか目的地そのものになっている。
本を閉じても、夜はまだ終わってい