森見登美彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレラブコメディの一言のみで、この作品を語ること勿れ。
作中の人物、皆摩訶不思議にて、その巻き起こしたる事件の数々もまた不思議なり。
黒髪の乙女の純朴たるや、未開の地に咲く一輪の花の如し。
先輩の愚鈍にして滑稽なるは、古の銀幕の喜劇の如し。
黒髪の乙女には可憐にして心奪われ、先輩には他人事ならず心寄せたり。
世に言う「非モテ」をくぐり抜けし同士たる諸君にとっては、胸を打ち、また胸の痛みを思い起こすこと請け合い。
最後の場面に微笑んだ後は、黒髪の乙女と先輩との間に幸多からんことを祈るのみである。
なむなむ。
最も驚いた章としては、第四章を挙げねばなりません。
令和の初頭を襲った、あの疫病のことを描いたとしか思えない描写でありましたが、単行本の初版はなんと2006年、つまりは平成18年!
かの疫病が世を襲う10年以上も前にこの章を書き上げるなど予言者の為せる業。
作家先生の魂は、一体何時代にてご活躍?
今回この本は、書店の平積みにふと手を伸ばして得たもの。
こんな出会いは本屋の神様のお導きに他なりません。
これからもよき本との出会いにお導きいただけますように。
なむなむ。 -
Posted by ブクログ
人によって好みが分かれるかもしれない、どこか古めかしいような独特の文体。
私は最初「なんだこりゃ」と面食らったものの、それにも数ページですぐに慣れ、やがてすっかり虜になってしまった。
物語の面白さももちろんあるけど、それ以上に、この愉快な文章を読むこと自体に楽しみを見出していた。
不思議の国のアリスの世界に迷い込んだような、夢を見ているような、不思議な世界観。
現代が舞台の物語のはずだけど、頭の中に浮かぶ映像はなぜか大正ロマンのようなイメージを纏っている。
黒髪の乙女のどこかズレた天然っぽい言動も好きだけど、何より先輩の頓狂な独白と恋の空回りぶりが本当に滑稽で面白い。
これまで小説を読んでて、これほど何度も不意に吹き出してしまうという経験はしたことがなかった。
「恥を知れ。しかるのち死ね」が一番気に入ったフレーズ。