森見登美彦のレビュー一覧

  • 恋文の技術 新版

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    ネタバレ

    中身がないように見せて中身があるようなそぶりを見せる本。
    守田君が書いた文通しか読んでないのに、登場人物の人となりや、それぞれがどんな文通を書いていそうか想像できて楽しかった。

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    2025年09月11日
  • 夜行

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    あらすじと表紙で気になって購入させて頂きました。
    刺激の強いホラーは苦手なのですが、薄気味の悪さが情景と共に思い浮かび、最後までこの雰囲気に浸ることができ、とても面白い本だと印象に残りました。是非とも多くの人に読んでもらいたいです。

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    2025年09月11日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    寺町通221B、京都警視庁と書いてスコットランドヤードとルビを振る、意気投合するホームズとモリアーティ、ライバル探偵アイリーン、何も裏がなかった赤毛連盟、森見先生の書くほのぼのした京都の町のロンドン……いわば出オチ的なのだが気が抜ける面白さがあり、読み始めた最初はそういう趣向の小説かと思った。世の中にはホームズのパロディやフォロワー作、二次創作はごまんとあることだし。
    途中から、ホームズの活躍を書くワトソン↔︎ドイル↔︎森見登美彦がリンクして入れ子構造やメタや暗喩が複雑になって「創作の人生」「創作と現実の関係」みたいな話になる。

    ミステリってどんなに精巧にリアリティを極めているようでも結局創

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    2025年09月07日
  • 四畳半神話大系

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    ネタバレ

    ★★★★★読みながら常にニヤニヤ。およそ小津のような顔をしていたであろう。森見登美彦の描く、半分腐りかけた大学生の主人公に感情移入しまくり、なんともほろ苦い青春ストーリーに満足。 僕なりの愛ですわい。そんな汚いもん、いらんわい。 蛾の大群の出どころが最終話で判明、ぎょえええええええ!! やっぱり猫ラーメン、下鴨幽水荘、樋口師匠、蛾眉書房、鴨川デルタは外せない。成就した恋ほど語るに値しないものはない。

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    2025年08月30日
  • 夜は短し歩けよ乙女(角川つばさ文庫)

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    本当に本当に大好きな作品!
    小学生の頃表紙買いしたものの、言葉が難しくて読めなかったのが懐かしい!今はその小難しい言い回しや文句が楽しく心地よいです!森見登美彦さんの作品が好きになったきっかけでもある。
    もちろん今も絵柄は大好き!!本棚に登録するなら思い入れもあるこちらが良くて登録しました。

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    2025年08月30日
  • 熱帯

    「熱帯」について

    現代日本版の「千夜一夜物語」は、古川日出男の「アラビアの夜の種族」や星野智幸の「夜は終わらない」などの名作がありますが、森見登美彦の「熱帯」もその系譜に繋がる作品だと思う。

    語り手は作者の分身である「モリミン」。小説が書けず、スランプ気味のある日、謎の本をめぐる物語を思いつく。
    「汝にかかわりなきことを語るなかれ」という警句から始まる、「熱帯」という本の記憶が甦ったからだ。

    見るからに、虚実の境があやしくなりそうな危ない設定だ。この本を最後まで読んだ者は一人もいない。
    語り手は奇妙な「沈黙読書会」で本に再会し、「学団」がその内容の全貌をつかもうと研究を重ねている事を知るが、「熱帯」にはどう

    #シュール

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    2025年08月28日
  • 太陽の塔(新潮文庫)

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    四畳半シリーズと同様に京大生活が懐かしく感じられる本でした。
    ただ、プレゼントを偽装してGを送りあうシーンには戦慄しました。

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    2025年08月27日
  • 竹取物語

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    森見登美彦さんの古典新訳作品。別著「走れメロス」があるため、それと同系統の作品かと思いきや、しっかり(?)古典を和訳しる作品です。しかし、要所で感じられる森見登美彦さんらしさがたまらなくマッチしています。巻末のインタビューにもありますが、特に歌が秀逸です。

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    2025年08月26日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    舞台はビクトリア朝京都。
    スランプに陥って謎を解決できないシャーロック・ホームズと研究に行き詰まったモリアーティ教授。
    ホームズ譚を書く主人公のワトソンはどうにかホームズをスランプから脱出させたかった。
    スランプの謎、リッチボロウ夫人の降霊、マスグレーヴ家の謎、東の東の間の謎。
    街中の事件は出てこないが謎に満ち溢れていて物語にずっと引き込まれていた。

    京都は裏側?ロンドンが表?と思いきややはり京都が表?
    東の東の間を通じて京都とロンドンが表裏一体。
    その辺は理解できたのかわからないが最後まで面白かった。

    私には舞台の京都が登場人物とどうにもミスマッチでそこだけが読みにくかったが、ロンドンと

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    2025年08月17日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    長い長い土曜日の話。
    愉快だった。
    道に迷ったときつい地図アプリを見てしまいがちだけど、たまには大いに迷ってみようかなと思った。
    とりあえず次の土曜の朝ごはんはだし巻き卵のサンドイッチとコーヒーにしよう!

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    2025年08月15日
  • 四畳半タイムマシンブルース【電子特典付き】

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    サマータイムマシンブルースであり、四畳半神話大系だった。
    四畳半神話大系を読んだのも一度きりで数年前なのに、印象的な台詞や言い回しが出た時にぱっと気がつくのは本当に森見さんのエッセンスが濃すぎるんだと思った。最高。

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    2025年08月08日
  • 恋文の技術 新版

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    森見ワールドというか、森見の書く人物像って全て面白くて、でも人情的な温かみや人間くささ(拗らせ?笑)があって魅力だなあと思いました。
    ずっと読んでたいし、こころに栄養が行き渡るような本でした。

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    2025年08月07日
  • 竹取物語

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    今は昔竹取の翁というものありけり、の文章で始まる竹取物語。
    そこはかとなく内容は知っているけれど、じっくり読んだことがあるかと聞かれるとない。
    そんな中、森見登美彦先生が現代訳をされたこの本は読みやすい。
    作者自身、腕まくりをしてのぞんだという5人の求婚者の場面は完全に森見登美彦作品。
    非常に読みやすい

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    2025年08月06日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    おっぱい。
    初めて読みました。ペンギン達の可愛さ、夏の切なさ、そしてお姉さんと僕の読んでいて心地良い距離感。一行一行が愛おしく、もっと読んでいたいなと感じます。随所に含蓄のある言葉がありふれつつも、「僕」の子供ながらの視点の気づきにも自分がいつの間にか忘れていた大切なことが含まれており、ハッ…と色々な事に気づかされながら読み進めていきました。
    「世界の果てに行けばそこは元の場所」
    ここまで突飛な出来事は自分の子供時代にはありませんでしたが、それでもそうだよなと思わされます。
    読みやすくそして面白かったです。夏の季節にぴったり。お勧めです。
    おっぱい。

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    2025年08月06日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    森見先生だなぁっていうのが第一声です。
    森見登美彦作品は「四畳半神話大系」と「夜は短し、歩けよ乙女」だけしか読んだことないのだけど…。

    四畳半のアニメから入ったので、その印象が強くて、あの制作陣でこの「新釈走れメロス」もアニメ化してほしいなと思った。
    と思いながら読み進めてたら「藪の中」がめちゃくちゃ面白かった。
    すごく「わかる」っていうか。一つの出来事でも、見る人が違うとまったく別のものになる。
    それは現実でも往々にしてあることで、しかも、男性の捉え方と女性の捉え方の違いも「あ~~、あるある」ってなった。
    これは原作の「藪の中」がそうなのか、森見先生の解釈から生まれた差異なのか。とても興味

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    2025年08月01日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    宵山そっちのけの冒険という名の大騒動に、絶えず笑わせてもらい、心まで軽くなった気がした。
    登場人物みな自由でアホなステキぶりで愛おしい。

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    2025年07月24日
  • 熱帯

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    「熱帯」という本を巡って、話が入れ子のように次々と展開していきます。
    途中からはこんがらがってくるので、あまり考えず流れに乗って読み進めました。
    謎解きあり冒険あり、気づいたらこんな所に来てる…みたいな。煙に巻かれてるような不思議な読書体験。コレ好きかも!

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    2025年07月24日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    アオヤマくんは賢くて大人びている子供らしからぬ小学生だけど、川の探検とか子供らしいことにとても真面目に取り組んでいるところが良かった。
    なんにでも好奇心がいっぱいなところは見習わないとなぁ。
    ラストはなんともいえない気持ちになった。
    爽やかで、ちょっと不思議で面白い話。
    私もなにか研究してみたい。

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    2025年07月22日
  • 太陽の塔(新潮文庫)

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    本当に素晴らしい読書時間だった!

    男子校の学生時代を呼び起こすような、頭のいいバカたちの雰囲気と言葉使い。前半は電車で声が出そうなほどおもしろい。
    あのツンデレ感は王道だが、知性と表現力で飽きがこない。

    そして、9割がたのらりくらりと進んでいた文章が「ええじゃないか騒動」でとたんに熱を帯びる。あそこの表現から、そしてラストまでほんとうに素晴らしい文章だった。

    最初の文と、ラストの文の接続も、腑に落ちる。
    はじめにみてしまったら、なんだそんなことかと言いそうな別に特別な言葉ではないのに、一連の物語を経て、それでしか得られない理解と感情が芽生える。

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    2025年07月12日
  • 竹取物語

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    以前刊行された日本文学全集からの単行本化されたもの。
    有名な古典と森見登美彦の言語センスが融和してところどころ珍妙である。
    特に五人の貴族たちの失敗や嘘のエピソードは役者の真骨頂と感じる。
    下らない駄洒落であたかも本当の語源のように慣用句を説明するところなどはまさに。
    そこから「不死の山」の大オチにつなげるのも、ジョークとしんみりとした感傷のギャップが現代語訳だとすんなりと入ってくる。
    古文は読み慣れない、絵本では物足りない人には一度触れてもらいたい。

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    2025年06月28日